チャットで「承知しました。」と返ってきた瞬間、なぜか心がザラついた。
あるいは、自分は丁寧に返したつもりなのに、相手の反応がどこか冷たくなった気がする——そんな経験はありませんか。
実は「承知しました」そのものが失礼というわけではありません。けれど、テキストでは声色や表情が伝わらないぶん、短文・句点・次アクション不足が重なると、意図せず“突き放した印象”になりやすいのです。モヤモヤの正体は、言葉の正誤というより「情報と温度の不足」にあります。
この記事では、「承知しました」がイラッとされやすい条件を整理したうえで、上司・同僚・取引先それぞれで失敗しない言い換えと、そのまま貼れる返信テンプレを用意しました。読後には、相手に誤解されない返し方が明確になり、やり取りのストレスを確実に減らせるはずです。
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承知しましたでイラッとする状況を整理する
「承知しました」が冷たく見える主因は、短文・句点・次アクションや期限の欠落が重なるためです。
敬語としては誤りではないものの、チャットでは温度が伝わりにくいので、感謝+次アクション+期限を添えると印象が改善します。
状況に応じて言い換えを使い分けましょう。
イラッとしやすい典型パターン
「承知しました」が問題になるのは、言葉そのものが失礼だから、というよりも、状況の重なりによって“冷たく見える”からです。特に次のような場面で起きやすくなります。
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チャットで短文:「承知しました。」だけが単独で届く(情報が少なく、相手の意図が読めない)
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文末が句点で閉じる:「終わり」の印象が強く、会話を止められたように感じる
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次アクションがない:「分かったのか、やるのか、保留なのか」が不明
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期限がない:「いつやるのか」が分からず、受け手の不安が残る
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相手が配慮を期待している場面:謝罪・急ぎ・トラブルなど、共感や労いを求める局面
この5要因のうち、2つ以上が同時に当てはまると、冷たく感じる確率が上がります。
つまり、句点を取れば必ず解決する、といった単純な話ではなく、情報と温度の不足が原因になりがちです。
まず押さえる言葉の意味
「承知」は、辞書的には「事情などを知る」だけでなく、「依頼や要求を聞き入れる(承諾する)」ニュアンスも含みます。
この「聞き入れる」「承諾する」含みが、状況によっては「こちらが許可した」ような響きに見え、距離感や上下関係の受け取り方に影響する場合があります。
ただし大前提として、「承知しました」自体がマナー違反だと断定できるものではありません。ビジネス場面では「目上には了解より承知が無難」と整理されることも多く、使い方の問題として語られることが一般的です。
重要なのは、正しい敬語を選ぶことと同じくらい、相手が安心できる情報(次アクション・期限・配慮)を添えることです。
承知しましたが冷たく聞こえる理由
短文と句点で温度が下がる
テキストでは、声の抑揚や表情がないぶん、「文字の少なさ」がそのまま温度の低さとして読まれやすくなります。
たとえば同じ「承知しました」でも、口頭で明るく言えば角が立たない一方、チャットで単独の一文として届くと、事務的・機械的に見えることがあります。
また近年は、文末の句点(。)が「冷たい」「怒っているのでは」と受け取られる話題(いわゆる“マルハラ”として報じられることもあります)もあり、受け手の世代やコミュニケーション文化によって印象差が生まれやすい状況です。
ただし、句点自体が悪いのではなく、短文で閉じたときに“終わらせ感”が強まるのが本質です。
対策はシンプルで、句点を外すかどうかよりも、次のいずれかを足す方が確実です。
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感謝(ありがとうございます/共有助かります)
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次アクション(確認します/対応します/調整します)
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期限(本日中に/◯時までに)
承諾のニュアンスが強く出る場面
「承知」には「理解」だけでなく「引き受ける」ニュアンスが含まれます。
そのため、相手の心理が「共感」や「配慮」を欲している場面で、定型句として返すと温度差が出やすくなります。
代表的には、次のような場面です。
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相手が謝っている(「すみません」「申し訳ありません」など)
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相手が困っている(トラブル、やり直し、急ぎ)
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相手がお願いしている(負担のある依頼、直前の変更)
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相手が不安な状態(認識ズレ、見通しが立たない)
このとき受け手が欲しいのは、「分かった」という事実だけでなく、「大丈夫ですよ」「進め方はこうしましょう」という安心材料です。
だから「承知しました」単独だと、必要な情報(安心)に届きづらく、冷たく見えます。
関係性が浅いほど機械的に見える
同じ文面でも、関係が深い相手なら「いつもの短文」と理解されることがあります。反対に、関係性が浅いほど、文面の印象が“その人の人柄”に直結してしまいます。
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まだ信頼が醸成されていない
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普段の口調や温度が分からない
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過去に冷たい対応を受けた経験がある
こうした条件があると、短文の定型句は「壁」のように感じられやすいのです。
対策としては、初期のやり取りほど「感謝+次アクション+期限」を丁寧に入れて、安心を積み上げるのが最も効きます。
承知しましたの使い分けは相手で決まる
上司や取引先で無難な表現
社外や目上には、より丁寧な言い回しが選ばれやすいです。キャリア系・ビジネスマナー系の解説でも、「承知しました」より「承知いたしました」「承りました」「かしこまりました」などが例示されます。
ただし、丁寧語を選ぶだけでは、冷たさは消えません。社外ほど重要なのは「何をどうするか」を明確にすることです。
目安は次の“3点セット”です。
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受領(承知/承りました)
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次アクション(確認・手配・対応・調整)
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期限(いつまでに/いつごろ)
例:
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「承知いたしました。◯時までに対応いたします。完了次第ご報告いたします。」
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「承りました。確認のうえ、本日中にご連絡いたします。」
社内のフラットな会話での選び方
社内チャットはスピード重視になりやすく、「承知しました」自体が問題にならない文化もあります。
一方で、社内こそ人間関係の影響が大きいため、トラブルや急ぎの場面では短文が刺さりやすいという側面もあります。
社内での基本戦略は、「承知しました」を土台にして、最低限の安心材料を足すことです。
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「承知しました。◯時までに確認します。」
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「承知しました。対応しておきます。完了したら連絡します。」
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「承知しました。念のため一点だけ確認させてください。」
「一言添える」だけで、同じ承知でも受け取られ方が変わります。
チャットとメールでの違い
同じ言葉でも、媒体が違えば印象が変わります。
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メール:挨拶、背景、締めの定型があり、文が自然に長くなる
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チャット:一言で終わりやすく、相手が意図を推測する負荷が上がる
つまりチャットでは、敬語の正解よりも、「情報の不足が誤解を生む」構造が強いです。
なので、チャットは“短くてもいい”のではなく、“短いほど必要情報だけは落とすな”が正解になります。
冷たく見えない言い換えテンプレ集
まずは比較表で迷いを消す
以下は、よく混同される表現を「丁寧度」「用途」「向く相手」「温度感」の観点で整理した比較表です。
(※一般的な用例・解説の整理であり、職場文化により揺れます。目上・社外はより丁寧側が無難です。)
| 表現 | 丁寧度の目安 | 主な用途 | 向く相手 | 温度感の傾向 | そのまま使うと冷たく見えやすい場面 | おすすめの添え言葉 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 承知しました | 中 | 受領・理解・引き受け | 社内(同僚〜上司)/状況次第 | 硬めになりやすい | 謝罪・急ぎ・トラブル時 | ありがとうございます/確認します/◯時までに |
| 承知いたしました | 中〜高 | 受領・理解(より丁寧) | 上司・社外 | 硬いが丁寧 | 短文で終えると機械的 | 次アクション+期限+ご報告 |
| 承りました | 高 | 依頼・要望を受ける | 社外・目上 | 丁寧で落ち着き | 受領だけで止める | 確認のうえ/手配します/本日中に |
| かしこまりました | 高(最上位寄り) | 接客・依頼受領 | 顧客・社外・改まった場 | かしこまった丁寧 | 近い関係だと距離が出る | ただいま/早速/承りました |
| 了解しました | 低〜中 | 理解・同意 | 同僚・部下 | 砕けやすい | 目上・社外 | ありがとうございます(社内限定で) |
冷たく見えない返信のチェックリスト
送信前に、次の6項目のうち3つ以上入っていれば、冷たく見えるリスクは大きく下がります(特に太字の3点は効果が高いです)。
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感謝:ありがとうございます/共有助かります
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次アクション:確認します/対応します/手配します
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期限:本日中に/◯時までに/◯日までに
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クッション:承知しました、念のため…/恐れ入りますが…
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配慮:お手数おかけします/ご負担にならない範囲で
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確認質問:認識合っていますか/どちらを優先しますか
依頼を受けたとき
依頼受領は、最も頻度が高く、同時に最も誤解が生まれやすい場面です。
基本は「受領+次アクション+期限」です。
社内(丁寧・普通)
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「承知しました。◯時までに対応します。完了したら連絡します。」
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「承知しました。まず状況を確認し、今日中に方針を共有します。」
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「承知しました。念のため、優先度はAとBならどちらが先ですか?」
社外(丁寧)
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「承知いたしました。◯時までに対応いたします。完了次第ご報告いたします。」
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「承りました。確認のうえ、本日中にご連絡いたします。」
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「かしこまりました。早速手配いたします。進捗は追ってご連絡いたします。」
“冷たく見えるNG例”→改善例
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NG:「承知しました。」
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改善:「承知しました。◯時までに対応します。共有ありがとうございます。」
確認や調整が必要なとき(すぐ引き受けられない場面)
保留や調整の場面で「承知しました」だけを返すと、相手は「進むの?止まるの?」が分からず不安になります。
ここは「今どの状態か」と「いつ次の情報が出るか」を書くのが最重要です。
社内
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「承知しました。いったん関係者に確認して、◯時までに回答します。」
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「承知しました。A案とB案で調整します。候補を2つ出していいですか?」
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「承知しました。前提を揃えたいので一点だけ確認させてください。」
社外
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「承りました。確認のうえ、◯日までに改めてご連絡いたします。」
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「承知いたしました。社内確認が必要なため、◯時までに一次回答いたします。」
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「承りました。差し支えなければ、用途(目的)を一言伺えますでしょうか。最適案を提示いたします。」
指摘や注意を受けたとき(感情が動きやすい局面)
指摘への返信は、言葉の選び方で信頼が大きく動きます。
この場面では「承知しました」よりも、感謝+改善意志+具体対応を前に出す方が安全です。
社内
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「ご指摘ありがとうございます。承知しました。◯◯を修正して再共有します。」
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「申し訳ありません。承知しました。今後は提出前に◯◯の確認を入れます。」
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「承知しました。原因は◯◯でした。再発防止として手順を更新します。」
社外
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「ご指摘いただきありがとうございます。承知いたしました。直ちに修正し、◯時までに再送いたします。」
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「申し訳ございません。承りました。原因を確認し、再発防止策と併せてご報告いたします。」
謝罪やトラブル連絡を受けたとき(共感が求められる)
相手が謝っているときに「承知しました。」だけだと、冷たく見えやすい典型です。
ここは一言の配慮で印象が激変します。
社内
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「承知しました。連絡ありがとうございます。こちらで対応しますので大丈夫です。」
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「承知しました。状況把握できました。まずは◯◯を優先して進めます。」
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「承知しました。焦らなくて大丈夫です。次は◯◯だけ確認しましょう。」
社外
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「承知いたしました。ご連絡ありがとうございます。こちらで確認のうえ、◯時までにご連絡いたします。」
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「承りました。お手数をおかけいたします。影響範囲を確認し、対応方針をご案内いたします。」
急ぎや期限があるとき(不安を“先回りで消す”)
急ぎ案件で相手が求めているのは、丁寧語そのものよりも「見通し」です。
だから、期限の提示と途中報告が効きます。
社内
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「承知しました。いま着手します。30分後に進捗共有します。」
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「承知しました。◯時までに一次回答します。難しければすぐ相談します。」
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「承知しました。優先度を上げます。先にAだけ片付けて共有します。」
社外
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「承知いたしました。◯時までに一次回答いたします。進捗も併せてご連絡いたします。」
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「承りました。至急確認し、◯時までにご返信いたします。」
“温度を上げる”添え言葉テンプレ(短文チャット用)
チャットでは長文にすると読みにくくなるため、短い添え言葉が強力です。
以下は「承知しました」を丸くする定番パーツです。
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感謝:
「共有ありがとうございます」/「ご連絡ありがとうございます」/「助かります」 -
次アクション:
「確認します」/「対応します」/「手配します」/「調整します」 -
期限:
「本日中に」/「◯時までに」/「◯日までに」 -
配慮:
「お手数おかけします」/「念のため確認です」/「差し支えなければ」
最短で好印象にする型(コピペ向け)
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「承知しました。共有ありがとうございます。◯時までに対応します。」
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「承知しました。確認して、本日中に返します。」
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「承知しました。念のため一点だけ確認させてください。」
受け手がイラッとしたときの対処法
まずは“相手の悪意”を前提にしない
「承知しました」が刺さるとき、反射的に「冷たい」「馬鹿にされた?」と感じることがあります。ですが、多くの場合、相手は悪意ではなく、単にビジネスの定型表現として使っているだけです。
特に、「了解より承知が無難」と学んだ人ほど、正しさを優先して「承知しました」を選ぶ傾向があります。
ここで一度、次のどれが原因かを切り分けてみてください。
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こちらが欲しかったのは「承諾」ではなく「共感」だった
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こちらが急いでいて、短文が「拒否」に見えた
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次アクションや期限がなく、不安が残った
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句点や短文が、文化的に冷たく感じるタイプだった(世代差・SNS文化など)
原因が分かれば、対処は「感情」ではなく「情報」を埋める方向に進みます。
角が立たない確認フレーズ(3段スクリプト)
イラッとしたときに最も避けたいのは、相手の人格を責めてしまうことです。
代わりに、「認識合わせ」に寄せて会話を進めると、角が立たず、必要情報も取れます。
①確認(前提を揃える)
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「念のため、◯◯まで対応いただける理解で合っていますか?」
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「こちらの認識は◯◯ですが、相違ないでしょうか?」
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「次のアクションは、こちらで進めて問題ないですか?」
②合意(会話を前に進める)
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「ありがとうございます。ではその前提でこちらは進めます。」
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「承知しました。こちらは◯◯を先に進めておきます。」
③再発防止(要望として軽く伝える)
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「可能なら、期限だけ一言いただけると助かります。」
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「チャットだと見落としが怖いので、次アクションを書いてもらえるとありがたいです。」
この3段にすると、相手を責めずに“必要な温度と情報”を手に入れられます。
繰り返す場合の伝え方(関係を壊さない言い方)
毎回モヤモヤして業務効率が落ちるなら、伝える価値があります。
ポイントは、「冷たい」ではなく「こうしてもらえると助かる」です。
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「チャットだと短文が少し強く見えやすくて…。可能なら、期限だけ添えてもらえると助かります。」
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「こちらの確認漏れ防止のため、次アクションが分かる形だとありがたいです。」
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「急ぎのときだけでいいので、いつまでに対応予定か一言もらえると安心します。」
相手の性格批判ではなく、業務上の理由(確認漏れ防止、認識ズレ防止)に寄せると、受け入れられやすくなります。
承知しましたに関するよくある質問
承知しましたは失礼ですか
「承知」には「事情を知る」「依頼を聞き入れる」などの意味があり、ビジネスでも一般的に使われます。
したがって「承知しました」自体が直ちに失礼だと断定はできません。
ただしチャットでは短文になりやすく、次アクションや期限が欠けると冷たく見えることがあるため、相手と状況に合わせて添え言葉を入れるのが安全です。
承知しましたと承知いたしましたはどう違いますか
「承知いたしました」は「いたす」を伴い、より丁寧な形として扱われやすい表現です。
社外・目上・改まった場では「承知いたしました」が無難になりやすい一方、チャットで短文にすると機械的に見える点は同様なので、次アクション・期限を添えるのが効果的です。
かしこまりましたと承知しましたの使い分けは?
一般的な整理では、「かしこまりました」はより丁寧さ(かしこまった態度)を強く表す場面で使われやすく、「承知しました」は理解・受領・承諾を示す場面で使われます。
接客・顧客対応・改まった依頼受領なら「かしこまりました」、社内や通常の受領なら「承知しました/承知いたしました」が選ばれやすいです。
承知しましただけの返信は適切ですか
状況次第ですが、丁寧な印象を狙うなら「感謝」や「次アクション」「期限」を添えるのが推奨されます。
特に相手が急いでいる、謝っている、困っている場面では、単独返信は冷たく見えやすいので避けるのが無難です。
句点は付けない方がいいですか
句点(。)自体がマナー違反ではありません。ただしチャットでは、文末の句点が冷たく感じられるという話題が出ることもあり、受け取りは相手や文化圏で揺れます。
迷う場合は、句点の有無より「感謝+次アクション+期限」を足す方が、誤解を減らすうえで確実です。
参考にした情報源
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文化庁「敬語の指針」(PDF)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/keigo_tosin.pdf -
Indeed Career Guide「かしこまりました/承知しましたの違い」
https://jp.indeed.com/career-advice/career-development/difference-between-kashikomarimashita-and-shouchishimashita -
マイナビAGENT「承知いたしました」の使い方(例文)
https://mynavi-agent.jp/dainishinsotsu/canvas/2023/11/post-1134.html