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社会保険の時間が足りないとどうなる?週20時間の判定と会社への確認手順

「今月はシフトが少なくて週20時間に届かないかも」「繁忙期だけ20時間を超える週があるけれど、社会保険はどうなる?」――そんな不安を感じたとき、最初にやるべきことは“働いた時間を数えること”ではありません。
社会保険の判定は、原則として雇用契約に書かれた所定労働時間を出発点に、4分の3基準か短時間労働者の要件かを整理し、さらに一時的な変動なのか、2か月を超えて続く見込みなのかで方向性が決まります。
本記事では、迷いやすい境界ケースをケース別に整理し、必要な確認項目をチェックリスト化しました。店長・人事にそのまま送れるテンプレも用意していますので、「自分は加入?継続?外れる?」を最短で判断し、手続き漏れや損を避けたい方は、ここから順番に確認してください。

※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。

目次

社会保険で時間が足りないと感じたときに最初に確認する3ステップ

迷ったら次の3ステップで確認すると、ほとんどのケースで「加入・継続・喪失(外れる可能性)」の方向性が見えます。

  1. 雇用契約上の所定労働時間を確認する(シフト表だけで決めない)

  2. 加入判定が4分の3基準なのか、短時間労働者(週20時間等)のルートなのかを整理する

  3. 週20時間を超える/下回る状況が、一時的か、2か月を超えて続く見込みかを確認する

この3ステップを踏むと、会社に何を聞けばよいか、どの書類を見ればよいかが明確になり、再検索が減ります。

「時間が足りない」が指すのは実働ではなく所定労働時間が基本

多くの人が最初に数えたくなるのは「今週のシフト合計(実働見込み)」です。しかし、適用拡大の説明では、まず“雇用契約などにおける週の所定労働時間”が基準として示されています。

そのため、同じ「今週は18時間しか入っていない」でも、次の2人では意味が変わります。

  • Aさん:契約上は週20時間の所定だが、今週だけ店都合で少ない

  • Bさん:契約上も週18時間の所定で、通常も18時間前後

Aさんは「所定は満たしている」可能性があり、Bさんは「そもそも所定が満たしていない」可能性が高い、という整理になります。まずは“契約の約束”を確認することが最優先です。

加入判定は「4分の3」と「短時間労働者」の2ルートがある

社会保険の加入判定は、大きく次の2ルートの考え方が使われます。

  • 4分の3基準:一般社員(常時雇用者)と比べて、週の所定労働時間と月の所定労働日数が一定以上か

  • 短時間労働者の要件:週20時間以上などの要件に該当するか

「自分は週20時間の話だけ見ればいい」と思い込むと、4分の3のルートで判定される職場・働き方の場合にズレが出ます。逆も同様です。後ほど、両ルートを見分けるための比較表と確認チェックリストを示します。


週20時間に届かないときの社会保険の扱いをケース別に整理する

ここからは、検索で最も多い「週20時間」を中心に、よくある状況を“ケース”で整理します。ポイントは、単発で超えた/下回ったのか、状態として続くのかです。

厚労省の説明では、週の所定労働時間が20時間未満なら原則として加入対象ではなく、残業等で一時的に20時間以上になっても加入しない一方、週20時間以上で働く状況が2か月を超えて続く場合は加入対象となることがある、と示されています。

まずは「あなたの週20時間」がどのタイプかを判定する

次の表は、読者が最も迷いやすい“境界ケース”を整理したものです。

ケース ありがちな勘違い 安全な確認手順(最短)
契約の所定が週20時間未満 繁忙期に20時間超えた週があるから加入になる 所定が20時間未満なら原則対象外。一時的超過は直ちに加入ではない
契約の所定が週20時間以上だが、今月だけシフトが減った 今月の実働が足りないから外れる 所定が維持されているか、減少が一時的かを会社に確認(契約変更の有無が鍵)
週20時間以上の状態が2か月超続く見込み 何週連続なら必ず加入?と単純に数える “見込み”を含めて継続性を確認。会社の運用(判定・届出タイミング)を聞く
週で定まらない(月〇時間/年〇時間/周期変動) シフト表の平均で自己判断してよい 年金機構の換算方法で週換算し、所定として満たすか確認

この表が示す通り、「時間が足りない」と感じたら、まず契約上の所定、次に継続性、最後に換算ルールの順で見ていくと迷いにくくなります。

短時間労働者の要件は「20時間」以外も同時に確認する

週20時間ばかりに目が行きますが、短時間労働者として加入するかどうかは、年金機構の案内で複数要件として整理されています。代表的には次の3点が示されています。

  • 週の所定労働時間が20時間以上

  • 所定内賃金が月額8.8万円以上(換算方法・除外手当あり)

  • 学生でないこと

さらに、厚労省の「よくある質問」等では、雇用見込み(例:一定期間の雇用見込み)に関する説明も整理されています。

なぜ同時に見るべきか
週20時間を満たせるようにシフトを調整しても、賃金要件や学生区分で対象外なら、目指すゴール(加入)に届かないことがあるからです。会社に相談する前に、自分側で確認できる範囲だけでも押さえておくと、会話が早くなります。

一時的に20時間を超えた場合と「2か月超」続く場合の違い

ここが一番、誤解が起きやすいところです。

  • 一時的に超える:残業や繁忙期の臨時増で、週20時間を超える週がある

  • 状態として続く:週20時間以上で働く状況が、2か月を超えて続く見込みがある

厚労省の説明に沿うと、前者は直ちに加入とはならず、後者は加入対象となることがあります。

ここで重要なのは、読者が「2か月=8週」と機械的に数えることより、会社側が“所定の見直し(契約変更)”として扱うのか、繁忙期対応として扱うのかを確認することです。契約を変える話が出ているなら、次章の「会社に確認する順番と伝え方」を先に読み、テンプレを使って確認するのが安全です。

「加入したい」は可能だが「要件を満たさない加入」はできない

「将来の年金が増えるなら加入したい」「扶養から外れてもいいから入りたい」と思う人は少なくありません。ただし、加入は公的制度の要件に基づくため、要件を満たさない状態で“希望だけ”で加入するという理解は危険です。

現実的にできるのは、次の2つです。

  • 要件を満たす働き方(所定労働時間、賃金等)に変更できるか会社と相談する

  • 会社側の判定が不明瞭なら、根拠(所定・換算・継続性)を揃えて確認し、必要なら年金事務所等の案内に沿って整理する

この考え方に寄せることで、「加入したいのにできない」ではなく、「加入するために何を変える必要があるか」に思考が切り替わり、次の行動が具体になります。


4分の3ルールで時間や日数が足りないときの考え方

週20時間の話が目立つ一方で、社会保険の基本的な判定として、年金機構のFAQでは次の基準が明示されています。

  • 1週の所定労働時間が一般社員の4分の3以上

  • 1月の所定労働日数が一般社員の4分の3以上

つまり、時間だけでなく日数も同時に見ます。ここが「時間は足りているのに外れるの?」という不安の原因になりやすいポイントです。

4分の3の計算は「一般社員の所定」を先に確定する

4分の3を計算するには、まず比較対象である一般社員(常時雇用者)の所定が必要です。年金機構FAQの例では、一般社員が週40時間・月20日なら、4分の3は週30時間・月15日になります。

あなたが会社に聞くべきこと(最小)

  • 一般社員の「週の所定労働時間」は何時間か

  • 一般社員の「月の所定労働日数」は何日か

この2点を確定できないまま自己判断すると、誤判定が起きます。特に、職場によっては週37.5時間、月の所定日数が部署で異なる等のケースがあり得るため、比較対象の“通常の所定”を確認することが先です。

「日数が足りない」パターンが起きる典型例

日数の不足は、次のようなときに発生しがちです。

  • 週3回×長時間で、時間は足りているが、月の所定日数が4分の3未満

  • 休業・欠勤・シフト抑制が続き、月の所定日数が継続的に下がる

  • 月途中で働き方が変わり、所定日数が減る

重要なのは、「今月だけ減った」のか「契約として変えた(所定を変えた)」のかです。契約変更で所定が下がった場合は、加入・喪失の検討に近づきます。逆に、契約は維持されていて一時的な減少なら、直ちに“外れる”と決めつけるのは早計です。

4分の3基準の明確化と「経過措置」の注意点

年金機構の案内では、平成28年10月1日から4分の3基準が明確化されたこと、そして施行日に新基準を満たしていない場合でも施行日前から被保険者である人は同一事業所に雇用されている間は被保険者となり、資格喪失届が不要となる“経過措置”が示されています。

この点は、古い情報や伝聞で混乱しやすいところです。自分が「いつから」「どの基準で」被保険者になっているかが曖昧な場合、会社に「加入ルート(4分の3 or 短時間)と根拠」を確認すると、手続きミスの芽を摘めます。


所定労働時間が週で決まっていない場合の計算方法を具体例で理解する

「契約書に週〇時間と書いていない」「月〇時間の契約」「繁忙期と閑散期で時間が変わる」――このタイプは、自己判断が難しく、会社との認識ズレが起きやすい領域です。

年金機構の案内では、週単位で定まっていない場合の算定方法が明確に示されています。

月単位・年単位・周期変動の週換算ルール

年金機構の算定方法は次の通りです。

  • 1か月単位で定められている場合:1か月の所定労働時間 ÷(52/12)=1か月の所定労働時間 ÷(12分の52)

  • 1年単位で定められている場合:1年間の所定労働時間 ÷ 52

  • 短期的かつ周期的に変動する場合:周期における1週間の所定労働時間の平均

具体例:月96時間の契約は週何時間か

例として「月96時間」の所定だとします。

  • 週換算:96 ÷(52/12)=96 ×(12/52)=96 × 0.2307… ≒ 22.15時間/週

この場合、週20時間を上回る可能性が高く、短時間労働者の要件を検討する入口に立ちます(もちろん賃金等の他要件も必要)。このように、週で書かれていない契約でも、換算ルールに沿って見える化できます。

よくある落とし穴:特定の月だけ長短がある場合

年金機構の案内では、特定の月だけ所定労働時間に例外的な長短がある場合は、その月を除いて算定する趣旨が示されています。

つまり、「繁忙期だけ極端に長い」「閑散期だけ極端に短い」などの月がある場合、単純平均で自己判断するとズレる可能性があります。判断に迷う場合は、会社に「年金機構の換算ルールで週換算した所定はどう扱っているか」を確認するのが安全です。

シフト表だけで判断しないための書類の見方

シフト表は“実態”を示しますが、社会保険の判定は“所定(契約・規程)”が中心になります。最低限、次の順に確認してください。

  1. 雇用契約書/労働条件通知書:所定労働時間の定め方(週・月・年・変動)

  2. 就業規則・シフトルール:最低保証時間、繁忙期の扱い、契約変更の手続き

  3. 賃金台帳・給与明細:所定内賃金(月額換算、除外手当の有無)

  4. 直近2~3か月の実績:一時的変動か、継続(2か月超)か

この順序にする理由は明確で、①②が“約束”、③が“他要件”、④が“継続性”だからです。


3分で準備できる会社への確認チェックリストと伝え方テンプレ

ここからは「制度理解」ではなく「行動」に落とします。社会保険の相談は、聞き方を間違えると「人事に聞いて」「本社に聞いて」「店長は分からない」で止まりがちです。そこで、聞く内容を先に整理し、相手別テンプレで一撃で進める形にします。

会社に確認するチェックリスト10項目(コピペ可)

次の項目を、可能な範囲で埋めてから相談すると、相手が判断しやすくなります(空欄でもOKですが、空欄が多いほど確認に時間がかかります)。

項目 どこを見る なぜ必要か 聞く相手の目安
所定労働時間は週/⽉/年のどれか 契約書・条件通知書 判定は所定が基準 人事/労務
週換算した所定労働時間 契約+換算 週20時間の判定に直結 人事/労務
一般社員の所定(週時間・月日数) 就業規則等 4分の3計算に必要 人事/労務
所定内賃金(月額換算) 給与明細等 8.8万円要件に関係 人事/労務
学生区分 自分の状況 要件の一部 人事/労務
雇用見込み(期間) 契約更新方針 要件整理に関係 店長→人事
今後2か月以上、20時間超が続く見込み シフト方針 継続性の判断 店長/本社
今回の減少は一時的か、契約変更か 会社の決定 “外れる”かどうかの分岐 店長→人事
社会保険の加入ルート(4分の3 or 短時間) 会社の扱い どの基準で判定しているか 人事/労務
手続きが必要になった場合の担当窓口 社内連絡 期限が短い手続きがある 人事/労務

この表は、読者が「とにかく加入できるか?」と感情で聞くのではなく、判断材料を揃えて確認するための道具です。これだけで、やり取りの往復が減ります。

相手別:そのまま使える確認テンプレ(店長・人事/労務・本社)

1)店長(シフトを握っている人)へ:継続性の確認

  • 「来月以降も週20時間以上の勤務が続く見込みか、シフト方針だけ教えてください。社会保険の確認に必要で…(2か月以上続く予定かが知りたいです)。」

2)人事/労務へ:所定と加入ルートの確認

  • 「私の雇用契約上の所定労働時間が週換算で何時間になるか(週/⽉/年の定め方も含めて)確認したいです。社会保険は4分の3基準か短時間労働者の要件のどちらで判定されていますか?」

3)本社・担当窓口へ:契約変更が絡むとき

  • 「所定労働時間(または所定日数)の変更がある場合、社会保険の扱い(資格の継続/喪失)や必要手続き、提出時期の確認をしたいです。社内の担当窓口を教えてください。」

テンプレの狙いは、相手に“答えやすい質問”を投げ、必要に応じて人事へバトンできる形にすることです。


加入や外れる可能性が出たときの手続きと注意点を「いつ・誰が・何を」で整理する

「外れるなら自分で役所に行くの?」「保険証はどうなる?」「いつまでに手続き?」――ここは不安が大きいので、まずは制度上の“役割分担”を整理します。

社会保険の手続きは多くの場合「事業主が提出」する

年金機構の手続き案内では、従業員が退職・死亡したとき等、または契約変更等により資格基準を満たさなくなった場合に、事業主が「被保険者資格喪失届」を提出する旨が示されています。

つまり、本人がすべてを提出するというより、会社が手続きを進めるのが基本です。だからこそ、本人がやるべきことは「必要な情報を早く渡し、期限を意識して進捗を確認する」ことになります。

喪失届の提出時期は「事実発生から5日以内」

年金機構の案内では、事業主が提出する喪失届の提出時期は事実発生から5日以内とされています。

この“5日”は短く、社内で止まると不安が増幅します。そこで、次のように動くと安全です。

  • 契約変更や退職日など、「事実発生」がいつかを自分でもメモしておく

  • 会社に「いつ提出予定か」「提出後に何を受け取るか」を確認する

  • 店長止まりになりそうなら、早めに人事/労務へテンプレでエスカレーションする

手続き漏れが起きやすい3パターンと回避策

パターン1:一時的なシフト減を“契約変更”と勘違い

  • 回避策:契約書面が更新されたか(労働条件通知書の再交付など)を確認する

パターン2:月・年契約の週換算をせず、現場が感覚で判定

  • 回避策:年金機構の換算ルールで“週換算”を提示して確認する

パターン3:継続性(2か月超)を本人が数え間違える

  • 回避策:厚労省の説明に沿い、“一時的超過ではない”“2か月超続く見込み”という整理で、会社の方針を聞く


よくある質問を「迷う順」にまとめて解消する

最後に、読者が再検索しがちな疑問をまとめます。

週ごとに20時間を超えたり超えなかったりします。加入になりますか?

まずは雇用契約上の所定労働時間を確認します。所定が週20時間未満なら原則対象外で、残業等により一時的に週20時間以上になっても加入しないと説明されています。一方、週20時間以上で働く状況が2か月を超えて続く見込みがあれば対象となることがあります。

結局のところ「今週の結果」より、「所定」と「継続性(見込み)」を会社と確認するのが最短です。

所定労働時間が月単位です。週20時間はどう換算しますか?

年金機構の案内では、月単位なら「1か月の所定労働時間を12分の52で除して週換算」と示されています。
具体例として、月96時間なら 96×12/52 ≒ 22.15時間/週 です。

4分の3と短時間労働者、私はどっちで判定されますか?

4分の3は「一般社員の所定に対して、週の所定時間と月の所定日数が4分の3以上か」で判断します。
短時間労働者は「週20時間以上・賃金8.8万円以上・学生でない」等の要件で整理されています。
会社がどちらのルートで運用しているかが重要なので、人事/労務へテンプレで確認するのが安全です。

外れる可能性があると言われました。私は何をすべきですか?

年金機構の手続きでは、資格基準を満たさなくなった場合に事業主が喪失届を提出し、提出時期は事実発生から5日以内とされています。
あなたがまずすべきことは、(1) 事実発生日(契約変更日など)を確認し、(2) 会社の担当窓口に提出予定を確認し、(3) 書面(契約変更の有無)を押さえることです。


参考情報