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水素水ブームが無くなった理由は?国民生活センターと景品表示法で時系列解説

少し前までコンビニやネット広告で頻繁に見かけた「水素水」。ところが最近は、話題も売り場も落ち着き、「結局あれは何だったのか」「効果がないから消えたのか」とモヤモヤしている人が増えています。水素水ブームが無くなった理由は、単なる流行の終わりではなく、公的機関の指摘で“比較の難しさ”が明確になったことや、表示・広告の過熱が景品表示法の問題として扱われたことなど、いくつかの転機が重なって起きました。本記事では、出来事を時系列で整理しながら、ブーム終息の背景をわかりやすく分解し、今後似た健康トレンドに振り回されないための判断基準までまとめます。

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目次

水素水ブームが無くなった理由を最初に整理する

水素水ブームが落ち着いた理由は4つに分けると理解しやすい

「水素水って、少し前はどこにでもあったのに最近見ない」。そう感じて検索する人が増えた背景には、単に流行が移り変わっただけではなく、いくつかの“はっきりした転機”と“続きにくい構造”が重なった事情があります。

水素水ブームが落ち着いた理由は、大きく次の4つに整理すると見通しがよくなります。

  1. 公的な定義や基準がないため、品質を横並びで比べにくかった

  2. 表示・広告が過熱し、景品表示法の対象になった事例が公表された

  3. 「研究がある」ことと「市販品として効果がある」ことが混同されやすかった

  4. 期待値が大きかったぶん、体感の個人差や説明不足が“失望”に直結した

特に1については、国民生活センターが2016年12月の資料で「水素水には公的な定義等はなく、溶存水素濃度は様々」と明示しており、ブームの土台の弱さを説明する根拠になります。

水素水ブームが無くなった理由は「研究の否定」と同じではない

ここで誤解が起こりやすい点があります。それは「ブームが終わった=水素に関する研究が全部間違いだった」という短絡です。

研究は研究として存在します。一方で、一般の人が手に取るのは“商品”です。商品は、研究とは別に「表示の仕方」「根拠の示し方」「品質のばらつき」「保存や取り扱い」「価格」が絡みます。ブームが落ち着くときは、この“商品側の条件”が限界にぶつかることが多いのです。

だからこそ、この記事では「効果がある/ない」の二択ではなく、なぜブームが続かなかったのかを、一次情報(公的機関の資料)を軸に整理し、最後に「今の判断基準」を作るところまでを目的にします。


水素水ブームの転機になった国民生活センターの指摘

国民生活センターが示した「公的定義なし」という前提が大きかった

2016年12月、国民生活センターは「容器入り及び生成器で作る、飲む『水素水』」という資料を公表しました。そこでまず前提として置かれたのが、「水素水には公的な定義等はなく、溶存水素濃度は様々」という点です。

この一文がなぜ重要かというと、ブーム期の売り場や広告は「高濃度」「すごい」といった印象で統一されがちだった一方、消費者が本当に知りたいのは「他と比べてどう違うのか」「表示は何を意味するのか」だからです。定義や基準がないと、比較の軸が揃いません。比較の軸が揃わない市場では、広告の勢いが強いほど“疑い”も広がりやすくなります。

相談件数の増加が示すのは「関心」と「不安」が同時に膨らんだこと

同資料では、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に、水素水に関する相談が2011年度以降増加していることにも触れています。公表資料の本文には、2011年度以降に寄せられた相談件数の記載があります。

相談が増えるのは、単に人気があるからではありません。「本当にできているのか疑わしい」「説明と違う気がする」といった不安が、購入後に表面化しやすい商品ほど相談が増えます。ブームは購入前の期待で伸びますが、購入後の疑問が共有され始めると、一気に縮みます。

“報道発表で崩れた”と言われるのは、信用の支点がそこに集まったから

東洋経済やGQの解説では、国民生活センターの報道発表が市場心理や販売効率へ影響した流れが取り上げられています。

これは「発表が正しい/間違い」という単純な話ではなく、消費者の信用が「有名人の口コミ」や「広告」ではなく、「公的機関の指摘」によって揺れた、という構造の話です。健康・美容の分野は、強い言葉が拡散しやすい反面、公的機関が“基準がない”と示した瞬間に、拡散の勢いが逆回転しやすい特徴があります。


水素水ブームで問題になった広告と景品表示法

消費者庁の措置命令が「ブーム終息の理由」として語られる意味

水素水ブームの“広告面の転機”として、消費者庁による景品表示法(優良誤認)に基づく措置命令の公表があります。

消費者庁は2021年3月30日、「水素水生成器の販売・レンタルサービスの提供事業者4社に対する景品表示法に基づく措置命令について」を公表し、表示が景品表示法に違反する行為(優良誤認)に該当すると認められたとして、措置命令を行ったとしています(公表資料PDFあり)。

ここで大切なのは、「水素水という言葉を使う商品がすべて違法」という話ではありません。そうではなく、“効能・性能の受け取られ方”が、根拠に見合っていない表示はアウトになり得る、という実務上の現実が明確になった点です。

HFNetの整理は「対象社・対象商品」を一般向けに見える形にした

国立健康・栄養研究所のHFNetは、消費者庁の公表を受けて注意喚起として整理し、対象事業者名や対象商品も一覧にしています。

一般の読者は法律の条文より、「どんな商品が問題になったのか」をまず知りたくなります。HFNetのような整理は、ブームの空気を冷やす“社会的な可視化”として働きやすく、結果として「買うのが怖い」「距離を置こう」という心理を後押しします。

“優良誤認”は何が問題なのか:読者が最低限知っておくべきポイント

優良誤認は、簡単に言うと「一般消費者が受ける印象が、実際より良いと誤認させる表示」です。水素水領域で問題になりやすいのは、次のタイプです。

  • 病気の予防・治療を想起させる(医薬品のように読める)

  • 老化防止などを断定・強調し、日常の悩みに過剰に刺さる

  • 体験談を“誰にでも起こる効果”のように見せる

  • 「研究がある」を盾にして、当該商品に紐づく根拠を示さない

消費者庁の公表資料は、措置命令の枠組み(景品表示法・優良誤認)を理解する一次情報になります。


水素水ブームが無くなった理由を「品質・表示の構造問題」から見る

水素水は“比較が難しい商品”になりやすい

国民生活センターの資料が示した「公的定義なし」は、消費者にとっては「比較の難しさ」を意味します。比較しにくい市場は、次のような特徴を持ちます。

  • 価格差があっても、何が違うのか理解しにくい

  • 「高濃度」など魅力的な言葉が勝ちやすい

  • 口コミが先に広がり、根拠確認が後回しになりやすい

  • 期待値が膨らむほど、反動(失望)も大きくなる

これは水素水に限らず、健康・美容ドリンク全般に共通する構造です。ただ、水素水は「目に見えない要素(溶存水素など)」を価値の中心に置くため、なおさら比較が難しくなります。

生成器と容器入りの違いが、説明不足だと“疑念”を生みやすい

ブーム期は「容器入り」「生成器」「サーバー型」など様々な形態が同時に伸びました。形態が増えると、消費者は「どれが正解か」を知りたくなりますが、説明が追いつかないと「どれも怪しい」という印象にまとまりやすくなります。

  • 容器入り:手軽だが、保存・流通の過程を消費者が把握しにくい

  • 生成器:管理はしやすいが、本体価格・メンテ・表示の妥当性を見抜く必要がある

2021年の措置命令が生成器領域に及んだことは、「高額な機器でも表示が問題になり得る」という印象を強め、ブーム終息を加速させた要因の一つとして理解されます。

ブームが終わると「継続コスト」が急に現実味を帯びる

健康系トレンドは、熱狂の最中は「投資」に見えます。しかし熱が冷めると「毎月いくら」「何年でいくら」に見え方が変わります。水素水は定期購入やレンタル型のモデルもあったため、ブームが落ちた瞬間に継続コストの負担感が可視化されやすい領域でした。


水素水の効果はどう評価すべきか:断定ではなく“判断の分け方”を持つ

「研究がある」と「商品として言えること」は分けて読む

水素に関する研究が存在することと、ある商品が広告で言っていることが正しいことは別問題です。商品として語るなら、少なくとも次の問いに答える必要があります。

  • その研究は、を対象としているか

  • 量・期間・条件は、日常の摂取と近いか

  • 研究結果が、その商品の設計(濃度・摂取方法)と整合するか

  • 第三者が追試できる形で示されているか

ここを省略して「研究があるから大丈夫」と言ってしまうと、期待値だけが上がり、ブームが終わるときに反発が強く出ます。

“効く・効かない”の議論で疲れないための、現実的な着地点

一般の生活者が安心して意思決定するための着地点は、次のような整理です。

  • 体調の悩みを解決する目的なら、医療機関の受診や生活習慣の見直しが優先

  • 健康飲料は、過度な期待をしない(飲むだけで改善、を疑う)

  • 買うなら「根拠」「表示」「契約条件」「保存」を確認して納得して選ぶ

ブーム終息の理由は「全部ウソだった」ではなく、「比較しづらい商品に、強い広告が乗って、期待値が膨らみ、行政の指摘で信用が冷えた」という構造で理解するほうが、現実と整合します。


水素水ブームが無くなった理由を時系列で整理する

時系列で見ると「転機」がはっきり見える

ブームの盛衰は、時系列で見ると理解が早くなります。ここでは“代表的な転機”を、読者の判断ポイントとセットでまとめます。

年月 出来事 何が意味するか 読者の判断ポイント
2016/12 国民生活センターが水素水に関する資料を公表 「公的定義なし」「溶存水素濃度は様々」など、比較の難しさを可視化 「高濃度」だけで選ばず、根拠と条件を確認
2017/02-03 報道で「発表が市場に影響」と解説される 社会的信用が揺れ、熱狂が冷却へ “空気”ではなく一次情報で判断
2021/03 消費者庁が生成器4社へ措置命令を公表 表示が景表法(優良誤認)に該当し得る現実が明確に 広告が効能を言い過ぎていないか確認

「下火になった」のは、単一原因ではなく“信用の連鎖”が切れたから

この流れを一言でまとめるなら、「信用の連鎖が切れた」ということです。

  • 定義・基準がない → 比較できない

  • 比較できない → 広告が強いほど期待値が上がる

  • 期待値が上がる → 体感差や説明不足が不満になる

  • 不満が増える → 公的機関の指摘で一気に冷える

  • 冷えた市場 → 継続コストが重く感じ、さらに縮む

だからこそ、今は“ブームの熱量”で選ぶのではなく、「表示と根拠を確認して納得する」という選び方に切り替えるのが合理的です。


水素水を今選ぶなら押さえたいチェックリスト

まず見るべきは「広告が何を約束しているか」

買うかどうか以前に、広告が約束している内容をチェックします。特に注意したいのは、次のパターンです。

表現タイプ なぜ危険か 安全寄りの受け取り方
病気の予防・治療を想起 医薬品のように誤認させやすい 体調不安は医療機関へ
老化防止・若返りを断定 誇大になりやすく根拠不足のことが多い 期待は控えめに
「飲むだけで」系 行動不要の訴求は過大になりやすい 生活習慣が基本
体験談の一般化 個人差を隠しやすい “個人の感想”として扱う

2021年の措置命令は、表示が優良誤認に該当し得ることを示す事例として参照されます。

次に「根拠が当該商品に紐づいているか」を確認する

広告で「研究がある」と書かれていたら、次を確認します。

  • 研究のリンクや出典があるか(論文名、機関名、条件)

  • その研究が“その商品”の設計(濃度・摂取法)と結びついているか

  • 「期待できる」「可能性」といった曖昧表現で、実質的に断定していないか

根拠が曖昧でも、言葉が強いと人は信じてしまいます。ここで一段階立ち止まれるかが、後悔を減らします。

最後に「契約条件・保存条件」でトラブルを避ける

健康系の商品で多いトラブルは、効果そのものより「契約」「解約」「継続条件」「表示の読み違い」です。次をチェックしてください。

  • 定期購入の最低回数、解約期限、違約金の有無

  • 返金保証の条件(申請期限、対象範囲)

  • 保存方法、開封後の扱い、期限表示の明確さ

  • 電話が繋がりにくい、問い合わせ窓口が不明瞭など、運営の不安要素

購入前チェックリスト(保存用)

  • 公的機関の資料(国民生活センター、消費者庁)を一度確認した

  • 広告が「病気の予防・治療」「老化防止」を断定していない

  • 「研究がある」が“当該商品”の説明として成立している

  • 価格と継続条件(定期/レンタル/解約)が明確

  • 保存・取り扱いの条件が具体的

  • 期待値を「水分補給+α」程度に調整できている


水素水ブームが無くなった理由でよくある質問

水素水はただの水なのか

「ただの水」と言い切るかどうかは別として、国民生活センターが示したように、公的定義や基準がなく、表示や濃度が一様ではないのは事実です。
そのため、少なくともブーム期に語られたような“万能感”で受け取るのは避け、表示と根拠を確認したうえで、期待値をコントロールするのが安全です。

生成器と市販品はどちらが安全か

安全性は一概に比較できません。現実的には「納得して選べるか(表示・根拠・契約条件が明確か)」で判断するほうが失敗しにくいです。
なお、生成器領域では消費者庁が景表法に基づく措置命令を公表しており、表示の妥当性チェックが重要だと分かります。

今も買っている人がいるのはなぜか

理由は主に3つです。

  • 水分補給としての習慣(味・携帯性など)

  • 本人が納得できる範囲で期待値を置いている

  • 表示・契約条件・価格に納得している

問題は「買う人がいること」ではなく、ブーム期のように強い広告で期待値が過剰に上がり、比較の軸がないまま拡散することです。ブームが終息した今は、むしろ冷静に判断しやすい環境になったとも言えます。


水素水ブームが無くなった理由のまとめ

この記事の要点

  • 水素水は公的定義や基準がなく、比較が難しい構造があった

  • 表示・広告の過熱は景品表示法の対象になり得る(措置命令の公表がある)

  • ブーム終息は研究の否定ではなく、商品・表示・期待値の問題が大きい

  • 今は「広告の言い方」「根拠の紐づき」「契約・保存条件」で判断するのが合理的

次に取るべき行動

  • 気になる商品があるなら、まず一次情報(国民生活センター、消費者庁)を確認

  • そのうえで「広告が何を約束しているか」「根拠は当該商品か」「契約条件は明確か」をチェック

  • 迷う場合は、健康の悩みは生活習慣や医療機関の相談を優先し、飲料に過度な期待を置かない


参考にした情報源