Steam版ARK: Survival Ascended(ASA)をプレイしていると、突然クラッシュしてデスクトップに戻されてしまう――そのような経験は、多くのプレイヤーが抱える悩みです。
特に、エラーの原因が分からず対処法も見えない状態では、プレイ再開までに大きなストレスが生じます。
こうした場面で最も役立つ手がかりが「クラッシュログ」です。しかし、肝心のログがどこに保存されているのか分からず、調査が進まない方も少なくありません。
本記事では、Steam版ARK ASAのクラッシュログが保存される場所と、実際の開き方・読み取り方を、PC中級者の方でも迷わず実践できる形で丁寧に解説いたします。
クラッシュが頻発している方はもちろん、原因特定の精度を高めたい方、コミュニティで質問する際に正確な情報を提供したい方にも役立つ内容です。
ARK: Survival Ascendedのクラッシュログとは?
クラッシュログ・エラーログの役割
「クラッシュログ」「エラーログ」とは、ゲームが強制終了した際の状態やエラー内容を記録したテキストファイルです。
ARK: Survival Ascended(以下、ASA)はUnreal Engine 5を使用しており、クラッシュ発生時にエラーの種類、メモリの状況、読み込まれていたモジュールなどを自動で保存します。
このログを確認することで、次のような情報を把握できます。
どのタイミングでクラッシュしたか
どのモジュールやファイルが原因となっていそうか
同じエラーコードやメッセージが繰り返し出ていないか
これらは原因の切り分けや、サポート・コミュニティへの報告に役立ちます。
なぜログの場所を知ることが重要なのか
「なんとなく落ちた」という状態では、対処法も手探りになりがちです。
一方で、以下の2点が分かっていれば、問題解決までの時間を大きく短縮できます。
クラッシュログの保存場所が分かっていること
ログのどこを見れば良いかの目安が分かっていること
また、Steamフォーラムや日本語コミュニティで相談する際にも、クラッシュログを添付して質問することで、より具体的で建設的な回答を得やすくなります。
Steam版ARK ASAのクラッシュログが保存される場所
デフォルトインストール時のクラッシュログのパス
Steam版ASAを、特に変更を加えずCドライブのデフォルト設定でインストールした場合、クラッシュログは次のフォルダに保存されます。
クラッシュ時の詳細ログ
C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\ARK Survival Ascended\ShooterGame\Saved\Crashes通常のゲームログ(起動から終了までの記録)
C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\ARK Survival Ascended\ShooterGame\Saved\Logs
実務上は、次のような使い分けをイメージしていただくと分かりやすいです。
クラッシュ直後の詳細を確認したい →
Crashesフォルダプレイ全体の流れを確認したい →
Logsフォルダ
なお、「ARK Survival Ascended」「ShooterGame」「Saved」などのフォルダ名は、インストールドライブを変更しても基本的に同じです。
Steamを別ドライブにインストールしている場合の探し方
SteamをDドライブやEドライブなど、Cドライブ以外にインストールしている場合は、上記パスのうち「C:\Program Files (x86)\Steam」の部分のみが異なります。
例:SteamをDドライブ直下にインストールしている場合
D:\Steam\steamapps\common\ARK Survival Ascended\ShooterGame\Saved\CrashesD:\Steam\steamapps\common\ARK Survival Ascended\ShooterGame\Saved\Logs
インストール場所が分からない場合は、以下の手順でASAのフォルダを開くと確実です。
Steamクライアントを起動する
「ライブラリ」タブで「ARK: Survival Ascended」を右クリックする
「プロパティ」をクリックする
左メニューから「インストール済みファイル」を選択する
「参照」をクリックし、エクスプローラーでゲームフォルダを開く
開いたフォルダから
ShooterGame→Saved→CrashesShooterGame→Saved→Logs
の順に辿る
この方法であれば、どのドライブにインストールしていても、必ず正しいクラッシュログの保存場所にたどり着けます。
CrashesフォルダとLogsフォルダの違い
両者の役割の違いは次のとおりです。
Crashesフォルダ
ゲームが異常終了した瞬間の詳細レポートを保存
クラッシュごとに専用フォルダが作成され、その中にテキストログやダンプファイルなどが格納される
Logsフォルダ
ゲームの通常ログを保存
起動から終了までの処理の流れやサーバー接続状況などを記録する
まずは Crashesフォルダ内の「最新の」フォルダ をチェックし、そのうえで必要に応じてLogsフォルダ内のログも参照する、という順番が基本になります。
シングルプレイ・公式サーバー・非公式サーバーで見るべきログ
シングルプレイの場合
クライアント側のCrashesおよびLogsを確認すれば問題ありません。公式サーバーに接続している場合
サーバー側のログにはアクセスできないため、クライアント側のログから「どの操作・どのタイミングで落ちたか」を中心に確認します。非公式サーバー・自分で建てたサーバーの場合
クライアント側ログに加え、サーバー側のログも原因特定に役立ちます。
レンタルサーバーを利用している場合は、管理パネルやサーバーツール上でログ閲覧機能が用意されていることが多いため、そちらも確認してください。
クラッシュログの開き方と基本的な読み方
必要なツールと注意点
ASAのクラッシュログは、多くがテキスト形式(.logや.txtなど)です。以下のツールで問題なく閲覧できます。
Windows標準の「メモ帳」
行数や文字数が多い場合は「Notepad++」「Visual Studio Code」などのテキストエディタ
確認時の注意点は次のとおりです。
.dmp(ダンプ)ファイルは専用ツールがないと内容が読みにくいため、まずはテキストログを優先して確認する基本的には「閲覧のみ」とし、ファイル内容を書き換えない(誤操作による破損を避けるため)
どのファイルを開けばよいか
Crashesフォルダを開くクラッシュした日時に近いフォルダを探す
フォルダ名に日時が含まれている場合もあります
フォルダ内の
.logまたは.txtファイルをメモ帳などで開く
Logsフォルダでは、ShooterGame.logなど、ゲーム全体の動作ログが保存されているファイルを開きます。
クラッシュ直前までの流れを把握したい場合は、CrashesとLogsを両方確認すると原因の手掛かりが見つかりやすくなります。
ログでまず確認すべき3つのポイント
ログを開いたら、最初に次の3点を確認すると効率的です。
タイムスタンプ(日時)
クラッシュ発生時刻に近い行付近から読み始めることで、不要な部分を読む時間を減らせます。エラー種別やキーワード
例えば、次のようなキーワードを検索します。Fatal errorOut of memoryGPU/Driver/Render/D3DAccess violationなど
モジュール名・関連ファイル
特定のDLL名(GPUドライバ関連など)や、特定マップ・Modに関係するファイル名・アセット名がエラー周辺にないかを確認します。
これらを手掛かりに、「グラフィック関連か」「メモリ不足か」「特定マップ・Mod由来か」といった方向性を判断していきます。
よくあるクラッシュ原因とログでのチェックポイント
起動直後に落ちる場合
ゲーム起動後すぐにクラッシュする場合、以下の要因が想定されます。
GPUドライバとASAの相性やバージョン不整合
高負荷なグラフィック機能(フレーム生成、特定のアップスケーリング機能など)の問題
セキュリティソフトやアンチチートツールとの干渉
ログのチェックポイント
Fatal error付近にGPUドライバやDirectX関連のエラーがないかD3D、Renderなど描画関係のエラー行が連続していないか
マップロード中・参加時に落ちる場合
マップのロード中やサーバー参加直後に落ちる場合は、次のような可能性があります。
特定マップのデータ破損
メモリ不足(物理メモリまたはVRAM)
セーブデータの不整合・破損
ログのチェックポイント
ログ後半に、対象マップ名(例:
TheIslandなど)が連続して記録されている箇所Out of memory、LoadMap付近のエラー文同じマップで同様のエラーが繰り返されていないか
特定のマップや環境だけでクラッシュする場合
あるマップや特定エリアに入ると必ずクラッシュする場合、次の点が疑われます。
そのマップ固有の不具合
特定オブジェクト(建築物・生物・アイテム)の読み込みエラー
セーブデータに蓄積した不整合
ログのチェックポイント
クラッシュ直前に特定アセット名やクラス名が繰り返し表示されていないか
毎回同じエラーコードや同じファイル名が出ていないか
Mod利用時にクラッシュする場合
Mod導入環境では、以下のような要因でクラッシュが発生することがあります。
Mod同士の競合
ゲーム本体のバージョンにModが追従できていない
Modのロード順・依存関係の問題
ログのチェックポイント
エラー直前に、ワークショップ(
Workshop)やMod名に関連する行がないか特定のModアセットを読み込んだ直後にエラーが発生していないか
ログを使ったクラッシュ対処の基本手順
Steamでのファイル整合性チェック
原因が特定できない場合でも、まず実施しておきたいのが「ゲームファイルの整合性チェック」です。
手順は次のとおりです。
Steamライブラリで「ARK: Survival Ascended」を右クリック
「プロパティ」をクリック
「インストール済みファイル」タブを開く
「ゲームファイルの整合性を確認」をクリック
これにより、破損・欠損しているゲームファイルが検出され、自動的に修復されます。
グラフィック設定・BattleEye設定の見直し
ASAはグラフィック負荷が高く、設定次第で安定性が大きく変わります。頻繁にクラッシュする場合は、次のような見直しを行ってください。
影、ビュー距離、ポストプロセスなどの品質を一段階下げる
フレーム生成等の高負荷機能をオフにして挙動を確認する
「BattleEye有効」「BattleEye無効」の両パターンで起動して挙動を比較する
これらの変更後にクラッシュしなくなるようであれば、設定負荷過多やアンチチートとの相性が原因である可能性が高まります。
ドライバ更新・Windowsアップデートの確認
ログ上でGPU関連エラーやドライバ名が目立つ場合は、ドライバ更新やクリーンインストールも検討してください。
GPUメーカー公式サイトから最新の安定版ドライバを入手し、更新する
Windows Updateで未適用の重要な更新プログラムがないか確認する
大きなゲームアップデートのタイミングでは、ドライバ側も更新しないと不具合が発生するケースがあります。
セーブデータやModの切り分け方法
ログから「特定マップ」「特定Mod」でのみクラッシュしている気配がある場合は、次のように切り分けを行います。
問題が疑われるセーブデータを別フォルダに退避する
利用中のModをすべて無効化、もしくは一時的にサブスク解除する
バニラ状態でASAを起動し、同じ操作を試す
クラッシュしなければ、セーブやModを一つずつ戻し、どこで再発するか確認する
この作業を行うたびにCrashesフォルダの最新ログを併せて確認すると、原因となる要素をより正確に絞り込めます。
クラッシュログを添付して報告・相談する方法
Steamフォーラムや公式サポートへの報告時のポイント
他者に相談する際は、以下の情報をセットで提示することをおすすめします。
どの場面でクラッシュしたか(起動直後、マップロード中、サーバー参加時など)
最近変更した設定や導入したMod
対象クラッシュのログファイル(該当日時の
Crashesフォルダ内ファイル)
ファイルサイズが大きい場合は、
ZIP形式で圧縮してアップロードする
テキスト部分のみを抜粋して貼り付ける
などの方法を用いると、閲覧してもらいやすくなります。
コミュニティで質問するときの良いログの貼り方
コミュニティで質問する場合は、次のような貼り方が望ましいです。
ログ全文をそのまま貼らず、「
Fatal errorの数十行前後」など重要部分だけを抜粋する抜粋したログをコードブロック形式(等幅フォント表示)で貼る
自分で重要と思う箇所(エラーコード、モジュール名など)に簡単なコメントを添える
こうすることで、回答者が少ない時間で状況を把握しやすくなります。
個人情報・サーバー情報を含む可能性への注意点
ログには、次のような情報が含まれる場合があります。
Windowsユーザー名(フォルダパスとして記録される場合)
サーバーIPアドレスやポート番号
サーバー設定やMod構成に関する情報
公開フォーラムにログを投稿する前に、
パスの一部(ユーザー名など)を伏せ字にする
サーバーIPやパスワードなどは削除する
といった最低限のマスキングを行ってから共有するようにしてください。
それでも解決しないときに試したいこと
既知の不具合・パッチ情報の確認
ASAはアップデートの頻度が高く、クラッシュ関連の修正も継続的に行われています。
そのため、次のような情報源を定期的に確認することも重要です。
Steamの「ニュース」タブに掲載されるパッチノート
公式フォーラム・公式Discordなどでの不具合報告
日本語コミュニティ(掲示板・SNSなど)での同様症状の報告
ログに特定のエラーコードやキーワードが繰り返し出ている場合、それが既知の不具合として扱われている可能性もあります。
一時的な回避策と、根本解決までの付き合い方
どうしても特定条件下でのみクラッシュが発生し、決定的な解決策が見つからない場合は、次のような「一時的な付き合い方」も選択肢になります。
問題の出やすいマップやエリアを一時的に避ける
グラフィック設定や解像度を一段階下げてプレイする
Mod構成を最小限にし、安定性を重視した環境にする
そのうえで、
クラッシュのたびに
Crashesフォルダのログを保管しておく大型アップデートやドライバ更新のタイミングで再テストする
改善が見られた場合は、どのタイミングで変化があったかを記録しておく
といった形で経過を追っていくと、長期的に見て環境を安定させやすくなります。