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仕事のExcelマクロで怒られる理由と対策|上司と情シスに通る運用の整え方

仕事を早く終わらせたくてExcelマクロを作ったのに、上司や先輩、情シスから「危ない」「勝手に変えるな」「引き継げない」と怒られてしまった――そんな状況は珍しくありません。
問題は、マクロそのものの善悪よりも、属人化・ブラックボックス化・セキュリティ・社内統制といった“運用の不安”が放置されていることにあります。
本記事では、怒られる論点を整理したうえで、A4一枚の合意形成テンプレ、テスト・ログ・切り戻し、配布・保管ルール、代替手段の判断軸まで、明日から実行できる形で具体的に解説します。

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目次

仕事でマクロが怒られるのはなぜ起きるのか

仕事の現場で揉めやすい四つの論点

仕事でマクロが怒られる理由は、だいたい次の四つに集約されます。ポイントは、どれも「便利かどうか」ではなく「運用として安全かどうか」を見ています。

怒られポイント 現場が不安に感じること 起きやすい事故 その場で言われがちな言葉
属人化 作った人がいないと止まる 引き継ぎ不能、改修できない 「あなたしか触れないよね?」
ブラックボックス化 何をしているか分からない 誤処理に気づけない、監査で説明不能 「勝手に変えたら困る」
セキュリティ 悪用されやすい マルウェア感染、情報漏えい 「危ないから禁止」
統制・責任分界 誰が承認して誰が保守するか不明 トラブル時に責任が宙に浮く 「誰の許可で入れたの?」

怒られた側は「良かれと思ってやったのに」と感じやすい一方、止める側は「事故が起きたときに守れない」と感じています。ここを理解できるだけで、次の会話が変わります。

マクロが止められやすくなった背景

マクロは便利ですが、攻撃に悪用されやすいという歴史があります。利用者に「コンテンツの有効化」や「マクロの有効化」を促して実行させる手口もあり、セキュリティ側は“人の判断”に依存する運用を嫌います。
さらに、インターネットやメール添付など外部由来のファイルについては、Office側でマクロが既定でブロックされる仕組みもあります。こうした背景から、マクロは以前よりも「社内統制の対象」として扱われやすくなっています。

大事なのは、ここで「設定を変えて動かす」に走らないことです。職場PCでは設定が組織ポリシーで固定され、利用者が勝手に変更できないことも少なくありません。だからこそ、運用として安全に回す設計(保管場所・配布方法・承認・ログ・切り戻し)が必要になります。


仕事で怒られやすいマクロの使い方パターン

いきなり全自動にして中身が見えなくなる

ボタン一つで処理が完結するマクロは魅力的ですが、職場では「中身が見えないほど不安」が増えます。例えば次のような状態は、怒られやすい典型です。

  • 実行するとどこが変わるか、利用者が分からない

  • 失敗したときに何が原因か分からない

  • 上書き保存や削除を含み、元に戻せない

  • 誰がいつ実行したか記録がない

この状態のまま共有すると、技術が正しくても「怖いから止めよう」になりがちです。

対策の考え方

  • 最初は“半自動”から始める(整形だけ・チェックだけ・出力だけ)

  • 変更前後が分かる仕組みを入れる(処理件数、差分、ログ)

  • 破壊的操作(上書き・削除)は最後に回し、確認画面やバックアップを挟む

入力の揺れや例外を想定していない

職場データは、理想通りに整っていないことが普通です。空白行、表記揺れ、想定外の値、列の追加、ファイル名の違いなど、現実は“例外だらけ”です。
例外に弱いマクロは、利用者からすると「怖くて触れないツール」になります。

最低限入れておきたい例外対策(チェックリスト)

  • 入力ファイルの必須項目チェック(不足なら停止)

  • 対象範囲の自動判定(固定のセル範囲を前提にしない)

  • 0件でも落ちない(対象なしの分岐)

  • エラーメッセージを「何を直せばよいか」まで書く

  • 上書き前にバックアップ(別名保存・退避フォルダ)

  • 個人情報や機密列を扱うなら、出力に含めない/マスキングする

配布・共有のやり方が危ない

怒られやすさは「マクロの中身」だけでなく、「配布と保管」で大きく変わります。たとえば、メール添付で.xlsmを配る運用は、セキュリティの観点でも統制の観点でも嫌がられやすいです。
外部由来ファイルは既定でブロックされることがあり、利用者側で毎回解除する運用は現実的ではありません。結果として「動かない」「面倒」「危ない」になり、禁止に寄ってしまいます。

避けた方がよい共有

  • メール添付で配布し続ける

  • “有効化してください”だけで利用者に判断を丸投げする

  • ネットで拾ったコードを由来不明のまま混ぜる

  • 保存先が個人のデスクトップなど、引き継げない場所

寄せたい共有

  • 会社が管理する保管場所(権限・履歴・バックアップが取れる)

  • バージョン管理の考え方(最新版がどれか迷わせない)

  • 配布前の承認(最低でも上司、可能なら情シスも)

「ずるい」「サボり」と言われる心理の正体

稀に、技術や統制とは別に「ずるい」「楽をしている」といった反応が出ることがあります。多くは嫉妬というより、次の不安が混ざっています。

  • 自分は分からないので置いていかれる不安

  • ミスが起きたときに自分も巻き込まれる不安

  • “標準手順”が崩れることへの不安

この場合、反論よりも「標準化」と「ミス削減」を前面に出した説明が効きます。つまり、個人技ではなく“チームの安全装置”として位置づけ直すのがコツです。


仕事で怒られないための進め方と合意形成

相談で終わらせない合意形成の流れ

「相談しました」だけでは揉めることがあります。重要なのは、相手が判断できる材料を揃えて“合意を取る”ことです。流れは次の通りが分かりやすいです。

  1. 目的と効果を言語化(削減時間の目安でよい)

  2. 影響範囲を確定(誰が使う、何が変わる)

  3. リスクと対策をセットで提示(属人化・誤処理・セキュリティ)

  4. テストと切り戻しを用意(事故が起きても戻せる)

  5. 承認者と保守担当を決める(誰が面倒を見るか)

この順で揃っていれば、「便利そうだけど怖い」を「条件付きならOK」に変えやすくなります。

上司と情シスに通るA4一枚テンプレ(コピペ用)

以下は、実際に提出しやすい“型”です。文章の上手さは不要で、空欄を埋めるだけで会話が前に進みます。

項目 記入例 メモ
目的 月次集計の整形と集計を自動化 何を減らすか
期待効果 月3時間削減(1回20分×9回) 概算でOK
対象者 経理チーム3名 利用者数は重要
対象データ 社内売上CSV、個人情報なし 機密区分を書く
影響範囲 出力は集計シートのみ、入力は読み取り 破壊操作があるか
想定リスク 誤集計、属人化、配布時の混乱 ここが肝
対策 テストデータ3種、ログ出力、バックアップ、手順書、保守担当明確化 リスクとワンセット
テスト 正常系/0件/列追加/空白混入で確認 “例外”を入れる
切り戻し 実行前に入力を退避、出力は別名保存 事故が起きても戻す
配布・保管 共有フォルダ(権限○○)、最新版のみ配置 メール添付は避ける
承認者 上司○○、情シス確認○○ 誰がOKしたか
保守担当 一次窓口:○○、改修:○○ ここがないと嫌がられる

この紙があるだけで、怒られる場面の多くは“議論できる場”に変わります。

小さく試して段階的に広げる

全員に一気に配るより、段階的に広げた方が安全です。おすすめは次の4段階です。

  1. 自分だけで試す(ログとバックアップを入れる)

  2. 同僚1人に試してもらう(分からない点を潰す)

  3. 小チームに配る(手順書と問い合わせ窓口を整備)

  4. ルール化(承認・更新・保守のフローを決める)

「まずは一人で便利に」から「チームの道具にする」までの橋渡しをすると、反発が減ります。

止められたときの落としどころを準備しておく

もし「マクロはダメ」と言われたら、そこで終わりにせず、落としどころを複数持っておくと前に進みます。

  • 代案1:マクロは使うが、配布しない(個人作業の効率化に限定)

  • 代案2:破壊的操作をやめて、出力だけ自動化(ミス削減に寄せる)

  • 代案3:Power Queryに寄せる(データ整形中心なら有力)

  • 代案4:Power Automate/RPA/システム化(利用人数が多いなら有力)

“完全禁止”の背景が統制やセキュリティなら、「運用で担保できるか」「代替の方が統制しやすいか」の話に移すのが建設的です。


仕事で使うマクロの安全対策と運用ルール

まず押さえるべき線引き

マクロを“職場で使える道具”にするには、次の線引きを最初に決めます。

  • 誰が使うのか:自分だけ/チーム/全社

  • どのデータを扱うのか:機密・個人情報の有無

  • 何を変更するのか:読み取り中心/上書き・削除あり

  • トラブル時に誰が責任を持つのか:承認者と保守担当

  • 配布をどうするか:保管場所、権限、更新方法

この線引きが曖昧だと、技術的に正しいマクロでも運用としてNGになりやすいです。

配布・保管・更新の基本ルール(怒られにくい形)

配布のやり方は、怒られやすさに直結します。最低限、次を整えると揉めにくくなります。

保管場所

  • 会社が管理する共有領域(アクセス権・バックアップがある)

  • “最新版フォルダ”を用意し、古い版はアーカイブへ

  • 個人フォルダに置かない(引き継ぎ不能)

更新ルール

  • 変更履歴を残す(更新日、変更点、担当者)

  • 変更前にバックアップ(戻せる状態)

  • 重大変更は承認を取り直す(影響が変わるため)

利用ルール

  • 実行前に「入力ファイルの置き場所」「対象期間」などの前提を確認

  • 実行後に「処理件数」「出力先」「エラー有無」を表示

  • 問い合わせ窓口を明示(誰に聞けばいいか)

ログ・テスト・切り戻しは最低ライン

職場で怒られないための最小セットは、次の3点です。

  1. ログ

  • いつ、誰が、どのファイルで、何件処理し、どこに出力したか

  • エラーが出た場合は原因と停止位置

  1. テスト

  • 正常系(いつものデータ)

  • 例外(0件、空白混入、列追加、表記揺れ)

  • “壊れたときにどう止まるか”まで確認

  1. 切り戻し

  • 実行前に入力を退避

  • 出力は別名保存

  • 上書き・削除がある場合は確認画面と復旧手順

この3点が揃うと、上司や情シスの不安が大きく減ります。

“設定変更”より“安全な回し方”を優先する

マクロが動かない場面で、設定をいじって何とかしようとすると揉めやすくなります。職場PCでは組織ポリシーで制限されていることもあり、利用者に解除を求める運用は破綻しがちです。
その代わり、「社内管理下の保管」「承認」「配布方法」「代替手段」を整えて、運用として通る形に寄せる方が、長期的に安定します。


仕事のマクロ属人化を防ぐドキュメントと引き継ぎ

最小の引き継ぎセット(これだけは揃える)

ドキュメントは分厚くする必要はありません。目的は“次の人が直せる状態”です。最小セットは次の通りです。

ドキュメント 目的 最低限の内容
仕様メモ 何をするツールか説明する 目的、対象、入力、出力、例外
手順書 迷わず実行できる 実行前チェック、実行手順、実行後確認
テストメモ 安全性を示す テストケースと結果、既知の制約
変更履歴 “いつ何が変わったか” 日付、担当、変更点、理由
入口メモ 直す場所が分かる メイン処理の場所、設定値の置き場

特に「入口(メイン処理はどこか)」がないと、引き継ぐ人が詰みやすいので強くおすすめします。

保守担当と改修フローを決める

属人化の本質は「仕組みがない」ことです。コードの綺麗さだけでは解決しません。最低でも次の役割を決めます。

  • 一次窓口:利用者からの問い合わせ先

  • 改修担当:コードを触れる人(自部署/別部署/外部でもよい)

  • 承認者:影響の大きい変更のOKを出す人

  • 更新手順:バックアップ→更新→テスト→配布→周知

この“人と流れ”が決まると、マクロが「野良ツール」ではなく「チーム資産」に近づきます。

退職・異動でも止まらないための工夫

退職・異動は必ず起こります。だから最初から「いなくても回る」工夫を入れます。

  • 個人PC依存のパスを避け、設定値はシートや設定ファイルへ

  • 重要な処理は小さく分割し、命名を分かりやすく

  • 例外時の停止条件を明確化(壊れたまま進まない)

  • 可能なら“二人体制”で保守(少なくとも把握者を2人に)


仕事でマクロ以外を選ぶべきケースと代替案

代替手段を選ぶための6つの判断軸

「マクロか、それ以外か」で迷うときは、次の6軸で考えると判断が速いです。

  1. データ整形中心か(加工・結合・集計がメインか)

  2. 更新頻度(毎日/週次/月次)

  3. 利用人数(自分だけ/チーム/全社)

  4. 監査・証跡が必要か(誰がいつ何をしたか)

  5. 誤処理の損害が大きいか(請求・支払い・個人情報)

  6. 権限管理が必要か(閲覧制御、承認フロー)

マクロ/Power Query/Power Automate/RPA/業務システムの比較表

※実務では社内環境に左右されますが、判断のたたき台として使えます。

手段 得意領域 利用人数が増えた時 監査・証跡 権限管理 変更に強いか 向くケース
Excelマクロ 画面操作・細かな処理 運用設計がないと揉める 工夫が必要(ログ実装) Excelの範囲 例外に弱いと事故 個人〜小チーム、限定業務
Power Query データ整形・結合・更新 比較的広げやすい 手順が見えやすい 共有環境に依存 データ変化に強め CSV/表の整形が中心
Power Automate フロー自動化・通知 組織運用に寄せやすい 証跡を残しやすい 仕組みで制御しやすい 連携先次第 承認、通知、ファイル連携
RPA 画面操作の自動化 管理製品なら広げやすい 製品次第 製品次第 画面変更に弱い 複数アプリ跨ぎの作業
業務システム 標準化・統制 最も強い 強い 強い 仕様変更は要開発 全社・重要業務・監査要件

この表の通り、「利用人数が増える」「監査や権限が重い」「誤処理の損害が大きい」ほど、マクロから別手段へ寄せた方が長期的に安定しやすいです。一方で「小さく速く効果を出す」にはマクロが強いので、運用設計で安全に使うのが現実解になることもあります。

“マクロを残す”場合のおすすめ落としどころ

代替へ移行しない場合でも、次の落としどころは効果的です。

  • 破壊的操作をやめ、出力のみ自動化する

  • 入力は読み取り専用にし、出力は別ファイルにする

  • ログとバックアップを必須化する

  • 手順書と保守担当を決める

  • 配布は管理下の場所に限定する

これだけでも「怖い」から「条件付きでOK」に変わる可能性が上がります。


仕事でよくあるトラブルと切り分け

症状から原因を絞る早見表

「動かない」ときに、やみくもに設定を触る前に、まず原因を切り分けます。

症状 よくある原因候補 まずやること
他人のPCだけ動かない 組織ポリシー/外部由来扱い/権限 配布方法と保管場所を確認、情シスへ相談材料を揃える
以前は動いたが急に止まった Office更新/ルール変更/保存場所変更 変更点(いつから・どこで)を整理、ログ・手順を見直す
実行はできるが結果が違う 入力の揺れ/列追加/表記揺れ 入力チェック、例外処理、テストケース追加
上書きして戻せない バックアップなし 切り戻し手順を先に作る(別名保存・退避)
「ずるい」と言われた 不安・置いていかれる感覚 標準化とミス削減の説明、手順書の共有

情シスに相談するときに揃えると早い情報

情シスが動きやすいのは、感情より事実が揃っているときです。次を用意すると話が速いです。

  • 目的、利用者数、対象データの機密区分

  • 配布方法(どこに置くか、権限はどうするか)

  • 破壊的操作の有無(上書き・削除)

  • ログ・テスト・切り戻しの有無

  • 代替案(Power Query等)の検討状況

  • 承認者(上司)の存在


仕事でマクロを「怒られない形」に整えるチェックリスト

作る前に確認すること

  • 目的と効果(削減時間の概算)を言語化した

  • 対象者と影響範囲(誰が使い、何が変わるか)を決めた

  • データの機密区分(個人情報の有無)を確認した

  • 承認者と保守担当のあたりをつけた

作った後に必ず整えること

  • 入力チェックと例外処理を入れた

  • ログを出す(処理件数、出力先、エラー)

  • 切り戻しできる(バックアップ、別名保存)

  • 手順書と変更履歴を用意した

  • 配布・保管・更新ルールを決めた

  • 小さく試して段階的に広げた


参考情報