志望理由書800字――いざ書こうとすると、手が止まるのは普通です。
「何を書けば800字も埋まるのか分からない」「例文は見たけれど、自分の話に置き換えられない」「この内容で面接に突っ込まれたら終わりそう」──そんな不安を抱えたまま、締切だけが近づいていませんか。
このページでは、800字を“気合いで埋める”のではなく、段落ごとの役割と字数目安を先に決めて、迷わず書き切る方法を解説します。さらに、使い回しに見えやすい「大学固有性」を、パンフの感想ではなく根拠として文章に埋め込む手順、そして面接で崩れないための矛盾チェックと想定質問までセットで用意しました。
読み終える頃には、あなたの志望理由書は「それっぽい文章」ではなく、その大学で学ぶ必然が伝わる提出用の一枚に仕上がります。まずは、800字を完成させるための“段落設計”から始めましょう。
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志望理由書800字で大学が見ているポイント
志望理由書は相性と目的意識の確認に使われる
志望理由書で最も避けたいのは、「どこにでも出せる文章」に見えてしまうことです。大学側が知りたいのは、あなたが本当にその学部で学ぶ理由を持ち、学びを深める準備ができているかどうかです。言い換えると、評価ポイントは次の2つに集約できます。
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あなたの問題意識が、その学部の学問領域と自然につながっているか
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その大学の教育内容・学び方を踏まえたうえで、入学後の計画を語れているか
「将来○○になりたい」と書くこと自体は問題ありません。ただし、職業目標だけでは弱くなりがちです。大学は就職予備校ではありません。大学の学びは、理論・方法・検証を通して知を深める営みです。将来像を書くなら、「大学でどんな方法で学び、どんな力を得て、どう活かすのか」までをセットにすると、目的意識が“行動計画”として伝わります。
もう一つ、盲点になりやすいのが「求める人物像との一致」です。アドミッション・ポリシー(AP)は、単なる飾りではありません。大学が「こういう学生に来てほしい」と明言している以上、志望理由書でそれに触れないのは損です。ただし、APの文章をそのまま貼ると、丸写しに見えます。後ほど解説するように、APは必ず「自分の行動の証拠」に翻訳してから書くのがポイントです。
面接で深掘りされやすい前提で設計する
志望理由書は、提出して終わりではありません。面接がある入試では、志望理由書が面接官の手元資料になり、そこに書いてある内容を軸に質問が飛びます。つまり、志望理由書は“面接の台本”です。ここで重要なのは、文章を上手に書くこと以上に、「突っ込まれたときに説明できることだけを書く」ことです。
面接で崩れる典型は、次のような状態です。
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書いた内容が抽象的で、具体例を求められると答えられない
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「なぜその大学なのか」を聞かれたとき、パンフ感想しか出てこない
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「そのテーマの反対意見は?」で固まる(思考の深さが疑われる)
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「高校で何をしたの?」に対して、行動が語れない(熱意だけになる)
逆に、面接で強い志望理由書は、次の“4つの質問”に耐える形でできています。
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それは、なぜ今あなたが関心を持ったのですか
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その経験から、何を学び、何が課題だと考えましたか
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大学で何を学び、どんな方法で確かめますか
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なぜ他大学ではなく、その大学なのですか
この4点が文章に入っていれば、800字でも情報密度が上がり、面接でも軸がブレません。
800字は長文ではなく情報設計の枠
「800字が書けない」と感じる理由は、大きく分けて2つです。
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書く素材がない(と思い込んでいる)
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素材はあるが、並べ方が分からない
実は後者が圧倒的に多いです。800字は“話題を増やす”より、“ひとつの関心を深掘る”ほうが説得力が出ます。例えば、部活・委員会・資格・ボランティアを全部入れようとすると、各要素が薄まり、結果として「よくある頑張りました文章」に見えます。それより、ひとつの出来事を深掘りし、そこから生まれた問いを大学の学びに接続するほうが、大学が見たい力(探究心・論理性・表現力)が伝わります。
ここから先は、800字を“完成させる作業”として分解し、迷いを潰していきます。
志望理由書800字を埋める構成テンプレと字数配分
800字を最短で仕上げるコツは、「最初に骨組み(段落の役割と字数の目安)を固定する」ことです。文章は、書きながら構成を考えると破綻しやすく、時間も溶けます。逆に、先に設計してから書くと、修正が速くなり、面接対策まで回せます。
ここで紹介する字数配分は、あくまで“目安”です。設問が複数ある場合や、大学が求める要素(学修計画寄り/人物像寄り)が強い場合は、比重を調整してください。
800字の段落設計の目安 200・250・250・100
| 段落 | 目安字数 | 役割 | 入れる情報の型 |
|---|---|---|---|
| 第1段落 | 180〜220字 | 方向性の提示 | 志望学部・テーマ・将来像を一息で |
| 第2段落 | 230〜270字 | きっかけと問題意識 | 具体場面→違和感→調べた/試した→学び |
| 第3段落 | 230〜270字 | 大学での学びの計画 | 何を・どの方法で・なぜ本学で(根拠2点) |
| 第4段落 | 80〜120字 | 締め | 入学後の姿勢→将来への接続→決意 |
この配分で大事なのは、第2段落と第3段落を厚くすることです。ここが薄いと、どれだけ丁寧な文章でも「根拠が弱い」「計画が曖昧」に見えやすくなります。
また、字数の目安を守るメリットは、単に800字に収めるためだけではありません。段落ごとの役割が明確になり、面接の答えも段落ごとに整理できます。つまり、志望理由書と面接の整合性が自然に高まります。
書き出しで失敗しない安全な型
第1段落でありがちな失敗は、「気持ち」から入ってしまうことです。
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昔から○○が好きでした
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貴学の教育方針に魅力を感じました
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社会に貢献したいです
これらは“きっかけ”としては使えますが、書き出しで単独だと弱くなります。安全な書き出しは、「学ぶ対象」と「問い」を先に置く型です。
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私は、○○を○○の観点から学びたい
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そのために、○○学部で○○の方法を身につけたい
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よって、○○大学○○学部を志望する
例(テンプレ)
「私は、【関心テーマ】を【学問の観点】から掘り下げ、【将来の活用先】につなげたいと考えています。そのために【学びたい方法】を学べる【大学名・学部名】を志望します。」
ここで注意したいのは、大学名を入れれば固有性になるわけではない点です。大学固有性は、第3段落で“根拠”として刺します。第1段落は、方向性を明確にし、読む側の期待を揃える役割だと割り切ると書きやすくなります。
具体化セットで字数と説得力を同時に増やす
「800字が足りない」という人は、経験が薄いのではなく、経験の“描写粒度”が粗いことが多いです。次の「具体化セット」を第2段落に入れるだけで、自然に字数が増え、説得力も上がります。
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いつ/どこで
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何を見た/何が起きた(変化・数字・差)
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自分が何をした(調べた・聞いた・比べた・試した)
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何が分かった(学び・仮説・課題)
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次に何を知りたいと思った(大学での学びへ接続)
例(粗い)
「地域の高齢化が進んでいると感じた」
例(具体化)
「通学路の商店街で空き店舗が増え、昼でも人通りが少ないことに気づいた。そこで店主3人に聞き取りをし、来客数が減っただけでなく、車中心の導線で“寄り道が生まれにくい”ことが背景にあると分かった。さらに、若者が集まる場所との違いを比較し、体験の設計が行動に影響するのではないかと考えるようになった。」
数字が出せない場合でも、「3人に聞いた」「2週間記録した」「2条件で比較した」など、行動量を入れるだけで強くなります。
実績が薄い人でも800字の核を作るネタ出しワーク
活動実績が派手でない場合、800字が苦しくなるのは当然です。その場合は、実績の代わりに「観察→仮説→小さな検証」を作ってしまうのが最短です。大きい成果はいりません。小さくても“自分の頭で確かめた”事実があると、文章は急に強くなります。
ワーク:24時間で作れる小検証の例
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家庭:冷蔵庫の食品廃棄を7日記録し、捨てた理由を分類する
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学校:教室の発言偏りを3日観察し、発言が増える条件を仮説化する
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地域:バス停の利用状況を時間帯で比較し、高齢者が困る瞬間をメモする
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進路:大学のAPを3校比較し、求める力の差を自分の経験に照らして整理する
このワークで重要なのは「結果」ではなく、「問いを立てて確かめた過程」です。大学が見たいのは、まさにそこです。
大学固有性を出す志望理由書の作り方
大学固有性は、志望理由書の合否を分ける最大要因の一つです。なぜなら、大学が最も知りたいのは「なぜ他大学ではなく本学なのか」だからです。ここが弱いと、文章がいくら上手でも“使い回し”に見えます。
ただし、多くの受験生が大学固有性を「設備が充実」「教授が有名」「歴史がある」のような感想で終わらせてしまいます。これでは根拠になりません。大学固有性は、次の形で入れると強くなります。
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自分の問い(関心テーマ)
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大学の根拠(AP・カリキュラム・ゼミ・実習・連携)
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それを使って、どの方法で学び、何を確かめるか(学びの計画)
つまり、大学固有性は“根拠付きの学修計画”として書くのが正解です。
アドミッションポリシーを一致ではなく行動の証拠に翻訳する
APは必ず使ったほうが良い一方で、書き方を間違えると逆効果です。やってはいけないのは、APを引用し「一致しています」と言うだけの書き方です。それは誰でもできます。
APを強みに変える手順は、次の3ステップです。
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APからキーワードを2〜3個抜き出す
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各キーワードに対し「自分の行動の証拠」を1つずつ用意する
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本文には「一致」ではなく「育ってきた過程」として書く
例(弱い)
「貴学が求める探究心に一致していると考えます。」
例(強い)
「貴学が重視する探究心は、私が○○の課題を見つけ、○人に聞き取りし、○週間記録して仮説を確かめた経験の中で育ってきた力だと考えています。」
この書き方にすると、APが“飾り”ではなく“あなたの証拠のラベル”になります。
大学固有性の根拠は2点に絞って刺す
大学固有性の根拠は、欲張るほど弱くなります。800字では、根拠を2点に絞るのが最適です。おすすめは「学び方の根拠」と「機会の根拠」を1点ずつです。
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学び方の根拠:カリキュラム、必修の順序、演習、研究方法
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機会の根拠:ゼミ、研究紹介、実習、フィールドワーク、地域連携、留学など
例(社会科学系)
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学び方:統計・調査法→演習→フィールド調査
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機会:地域連携プロジェクトで実データを扱える
例(理工系)
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学び方:基礎物理・材料→実験→解析
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機会:学部横断のプロジェクトで試作・検証ができる
例(医療系)
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学び方:基礎医学→看護過程→アセスメント
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機会:臨地実習で多職種連携を経験できる
根拠を2点に絞ると、文章の筋が通り、面接でも説明しやすくなります。
何をどこでなぜその順で学ぶかを一文ずつで置く
大学での学びの計画が弱い人は、「学びたい」を連発しがちです。しかし評価されるのは、“学びたい気持ち”ではなく“学びの設計”です。設計は、順序と方法で示せます。
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前半:理論と方法の基礎を固める
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中盤:演習・ゼミで問いを絞り、調査・実験の設計を学ぶ
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後半:卒業研究・実習で検証し、成果をまとめる
この順序を、あなたのテーマに合わせて具体化します。たとえば、教育なら「発達心理・教育学の基礎→授業観察→実習→研究」、情報なら「基礎数学・プログラミング→データ解析→プロジェクト→研究」などです。
そして最後に「得た力をどこで活かすか」を一言で置きます。すると、第3段落が“計画書”として機能し、大学固有性が自然に出ます。
大学固有性の抜き出しチェックリスト
次の項目から、あなたのテーマに刺さるものを2つ選び、URLやページ名もメモしてください(後で根拠として書けます)。
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学部のAP(求める力のキーワード)
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カリキュラムの特徴(必修の順序、重点領域)
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ゼミ・研究紹介(研究テーマ、方法論)
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実習・フィールドワーク・地域連携
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学部横断・プロジェクト型学習
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留学・国際連携(必要なテーマのみ)
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資格・進路(主役にせず、結果として位置付ける)
志望理由書800字の例文3本 文系理系医療系
ここからの例文は、そのまま真似するためのものではありません。構成・情報量・具体性の水準を掴み、あなたの内容に置き換えるための“型”です。盗用は不利益になり得るため、固有名詞・エピソード・行動・学びの部分は必ず自分の事実に置き換えてください。
文系例文 社会課題を学問へ接続する
私は、地方都市で進む商店街の空洞化を、人の移動と意思決定の観点から分析し、地域に持続的な経済循環を生み出す仕組みを学びたいと考え、〇〇大学経済学部を志望します。きっかけは、高校の探究活動で地元商店街を調査した経験です。休日の昼でも閉まったままの店が増え、来訪者の多くが高齢層であることに違和感を覚えました。私は原因を感覚で片付けたくないと思い、店主三名と自治体職員一名に聞き取りを行いました。その結果、売上低下だけでなく、車中心の導線で寄り道が生まれにくいこと、イベントが一時的集客で終わりやすいことが課題として見えてきました。さらに、若者が集まる施設と比較して観察すると、滞在時間を伸ばす仕掛けや回遊の設計が行動に影響しているのではないかと考えるようになりました。入学後は、ミクロ経済学で個人の選択を理論的に学び、統計・データ分析の基礎を身に付けたうえで、地域経済や行動経済学の科目を通して「なぜ選ばれないのか」を説明できる枠組みを得たいです。また、地域連携型の演習に参加し、現場調査とデータを往復しながら、施策が行動に与える影響を検証する力を磨きます。将来は、自治体や地域企業と協働し、短期的な集客ではなく、暮らしの選択肢が増える地域づくりに貢献したいです。
置換の指示
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商店街→あなたのテーマ(防災、教育格差、観光、子育て、地域医療など)
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聞き取り→あなたの行動(記録、比較、調査、試作)
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学問→志望学部の方法(社会学、政策、心理、国際、法など)
理系例文 興味から仮説と学びの計画へ落とす
私は、食品ロスを減らすために、鮮度の劣化を早期に捉える簡易なセンシング技術に関心を持ち、材料と情報の両面から学べる〇〇大学理工学部を志望します。関心を持ったのは、家庭科の授業で廃棄量を記録する課題に取り組んだ際、未開封でも「不安だから捨てる」食品が多いと分かったことでした。私は、劣化の判断が曖昧なことがロスの一因ではないかと考え、鮮度指標や包装技術を調べました。そこで、身近な検証として、保存温度を変えた野菜の重量変化と見た目の変化を二週間記録し、劣化の進み方が一定ではないことを確認しました。この経験から、感覚に頼らず状態を数値で捉える仕組みがあれば、家庭や小売の判断が変わりうると実感しました。入学後は、化学・物理の基礎に加え、センサー材料や電気回路、データ解析の科目を体系的に学び、測定したデータを解釈して判断につなげる力を身に付けたいです。さらに、演習で誤差要因や再現性の考え方を学び、実験結果を根拠として説明できるようになりたいと考えています。将来は、生活者が無理なくロスを減らせる製品や仕組みの開発に携わり、技術が行動を変える場面を増やしたいです。
置換の指示
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テーマ→再エネ、農業、医工、情報、材料、機械など
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検証→2条件比較・記録・試作・シミュレーションなど
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学び→志望学科の必修領域に合わせて具体化
医療系例文 動機の自己満足化を避けて資質を示す
私は、患者さんの不安が強い場面でも情報を整理して伝え、本人の意思決定を支えられる看護職を目指し、〇〇大学看護学部を志望します。きっかけは、祖母が入院した際、説明が理解しきれず不安そうにしていた姿を見たことです。当時は励ますことしかできませんでしたが、退院後に祖母が「分からないことを聞けず、帰宅後が怖かった」と話したのを聞き、医療の現場では知識だけでなく、相手の状況に合わせて言葉を選び、理解を確認する関わりが重要だと感じました。高校ではその問題意識から、福祉施設のボランティアに参加し、利用者の方の話を要約して確認しながら会話することを意識しました。すると、相手が安心して話しやすくなる場面が増え、関係づくりの基本は「正しさ」だけでなく「伝わり方」にあると学びました。一方で、支援の場では安全や感染対策など、根拠に基づく判断が欠かせないことも痛感し、科学的知識を土台にしたケアを身に付けたいと考えるようになりました。入学後は、基礎医学と看護学を体系的に学び、実習では患者さんの情報を整理してアセスメントする力を鍛えます。また、多職種連携の視点を持ち、状況を共有しながら最適な支援につなげるコミュニケーションを学びたいです。将来は、患者さんが「分かった」と感じて次の一歩を選べるよう、知識と対話の両方で支える看護を実践したいです。
置換の指示
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原体験→身近な出来事で可(ただし説明可能な事実にする)
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行動→授業内実習、委員会、接客アルバイト等でも代替可
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資質→共感だけでなく、行動と学びで示す
志望理由書800字で落ちやすいNGと改善テンプレ
志望理由書で落ちる原因は、「熱意がない」ではなく「読み手が判断できない」ことです。判断できない文章には共通点があります。ここでは、最短で直すために“置換テンプレ”の形に落とします。
使い回し感が出る表現
| NG表現 | なぜ弱いか | 改善テンプレ |
|---|---|---|
| 貴学の教育方針に魅力を感じました | 根拠がなく、他大学にも言える | 「○○という学び方を重視する点が、私の○○の経験(行動)と合致します」 |
| 社会に貢献したいです | 対象と方法が不明 | 「○○の課題に対し、○○の方法で、○○の形で貢献したいです」 |
| 昔から興味がありました | きっかけが曖昧 | 「○年の○○を機に関心を持ち、○○を調べ/試し、○○に気づきました」 |
| 学びを深めたいです | “何をどう”がない | 「○○を○○の観点で比較し、○○を検証したいです」 |
| 貴学で成長したいです | 成長の定義が不明 | 「○○ができる状態(例:根拠を示して説明)になりたいです」 |
改善のポイントは一貫しています。「抽象語+感想」を「具体行動+方法+順序」に置き換えるだけです。
抽象語だらけを一発で直す質問
文章が抽象的だと言われる人は、次の質問に答えながら修正すると改善が速いです。
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その出来事は「いつ・どこで」起きましたか
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何が「以前と比べて」変わっていましたか
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あなたは何をしましたか(聞いた、調べた、比べた、試した)
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何が分かりましたか(学び・仮説・課題)
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次に何を確かめたいですか(大学での学びにつなぐ)
この5点が入ると、第2段落が“根拠の段落”として成立します。
字数オーバー不足を整える削り方足し方
字数調整は、センスではなく優先順位です。
削る優先順位(上から削る)
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挨拶・美辞麗句(丁寧でも点になりにくい)
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同じ意味の繰り返し(言い換えが多いほど薄く見える)
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背景説明が長い箇所(出来事の前置きは短く)
足す優先順位(上から足す)
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行動量(誰に、何回、何を、どれくらい)
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学び(分かったこと、仮説、課題)
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大学での方法(科目・演習・実習でどう検証するか)
特におすすめは、「行動量」を足すことです。行動は嘘がつきにくく、面接でも説明できます。文章の信頼性が上がります。
提出前チェックリストと面接想定質問
志望理由書の完成度を一段上げるには、提出直前に「面接視点」で矛盾を潰すことです。文章の綺麗さより、整合性が重要です。ここでは、チェックを“作業”として終わらせるための表を用意します。
矛盾チェック表 直し方まで一気に確認
| チェック項目 | 関係する段落 | NGのサイン | 直し方の型 |
|---|---|---|---|
| テーマが学部の学問と合う | 第1・第3 | 学部説明と自分の関心がズレる | 学問の観点(社会学・統計・実験等)を明記 |
| きっかけと学びがつながる | 第2・第3 | 体験談の後に急に大学話になる | 第2の学びを「次に確かめたい問い」に変換 |
| なぜ本学かが2点ある | 第3 | “魅力”しかない | 根拠を2点に絞り、問いと結び付ける |
| 将来像が学びの結果になっている | 第1・第4 | 将来像だけが独立している | 得たい力→活用先の順で書く |
| 書いたことを説明できる | 全段落 | 面接で掘られると詰まる | 書ける事実だけにする、曖昧語を削る |
| 反対意見を想定できる | 第2・第3 | 一方的で浅い | 「一方で〜」を1文入れ、比較視点を示す |
| 文末が統一される | 全段落 | 読みづらい | です・ますに統一(指定があれば従う) |
| 固有名詞ミスがない | 第1・第3 | 大学名・学部名誤字 | 募集要項・公式サイト表記をコピペで確認 |
この表を使い、該当する段落だけを直すと修正が速く終わります。
面接質問対応表 段落と答えを一致させる
| 面接質問 | 面接官の狙い | 対応段落 | 答え方の型 |
|---|---|---|---|
| なぜその学部ですか | 適合と理解 | 第1・第3 | テーマ→学問の観点→学ぶ方法 |
| なぜ本学ですか | 固有性 | 第3 | 根拠2点→問いと接続→学びの順序 |
| きっかけは何ですか | 真実性 | 第2 | 具体場面→行動→学び |
| 高校で何をしましたか | 行動の証拠 | 第2 | 調査・比較・記録の事実→結果 |
| そのテーマの反対意見は | 思考の深さ | 第2・第3 | 一方で→だから検証が必要 |
| 大学で何から学びますか | 計画性 | 第3 | 前半の基礎→中盤→後半 |
| その学びは将来どう活かす | 目的意識 | 第4 | 得たい力→活用先→理由 |
この表の作り方は簡単です。あなたの志望理由書を見ながら、各質問に対して「答えが書いてある段落」を指差せる状態にします。指差せない質問が出たら、志望理由書側の情報が不足しています。第2または第3段落に1〜2文足して整合させると、面接にも強くなります。
第三者添削を最短で効かせる依頼文の作り方
先生や塾に添削を頼むとき、「見てください」だけだと改善が散ります。次の3点に絞ると、短時間でも直る確率が上がります。
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大学固有性が弱い箇所はどこか(根拠不足の指摘)
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第2段落→第3段落のつながりが切れていないか(論理の指摘)
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面接で突っ込まれそうな曖昧語はどこか(表現の指摘)
添削は回数より、論点の絞り込みが命です。
志望理由書800字のよくある質問
活動実績がない場合は何を書けばよいか
活動実績が弱い人がやりがちなのは、「だから熱意を書こう」と方向転換することです。しかし、熱意は面接で確認できます。志望理由書で欲しいのは「根拠」です。根拠は、実績ではなく“行動”で作れます。
おすすめは、次のいずれか1つを“1セット”作ることです。
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観察→仮説→小検証(アンケート5人、比較2条件、記録7日など)
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授業内探究→追加で調べたこと→自分の問いに変換
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ニュースや本→調べたこと→自分の立場の仮説
重要なのは「自分が動いた証拠」です。これがあると800字は一気に楽になります。
教授名は出すべきか
無理に出す必要はありません。出すなら条件があります。
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その教授の研究テーマと、あなたの問いが強く一致している
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研究の「何を」「どの方法で」学びたいかが説明できる
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名前だけでなく、研究内容(方法論)に触れられる
教授名だけ出すと薄く見えることがあります。ゼミや研究紹介に触れる場合も、名称より「方法」が語れるかが重要です。
ですますか だであるか
一般に、志望理由書は丁寧語の「です・ます」が無難とされることが多いです。ただし、大学や高校の指導方針で指定がある場合はそれに従ってください。文体は評価の本質ではありませんが、読みやすさに直結します。迷うなら「です・ます」で統一し、一文を長くしすぎないことを優先してください。
どれくらいの字数まで書くべきか
「指定字数の8〜9割は埋めたほうがよい」と言われることがあります。確かに、極端に短いと“材料不足”に見える可能性があります。一方で、水増しは読まれた瞬間に分かります。
安全な考え方は次の通りです。
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指定が厳密なら、まずは指定に完全準拠(超過は避ける)
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短い場合は、第2・第3段落の具体化(行動・学び・方法)を足す
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長い場合は、同義反復と飾り語を削り、根拠を残す
字数は目的ではありません。「判断に足る根拠があるか」が目的です。
志望理由書800字を仕上げるためのまとめ
志望理由書800字は、文章力よりも設計で決まります。最後に、提出までの最短手順を整理します。
仕上げの手順を4ステップで固定する
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第1〜第4段落の役割と字数目安を決める
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第2段落は「具体場面→行動→学び→問い」で深掘る
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第3段落は「根拠2点→学びの順序→検証方法」で固有性を作る
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矛盾チェック表と面接質問表で、答えが一致するように直す
最後に必ずやる確認
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募集要項の指定(字数、様式、提出方法、設問)に合っているか
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大学名・学部名の表記に誤りがないか
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面接で説明できない内容を書いていないか
この3点が揃っていれば、提出品質として十分に戦えます。あとは、あなたの“事実”を丁寧に掘り下げ、根拠を積み上げてください。800字は、焦りの文章ではなく、あなたの学びを成立させる設計図です。
参考にした情報源
文部科学省
https://www.mext.go.jp/content/20210729-mxt_daigakuc02-000005144_3.pdf
旺文社パスナビ 志望理由書とは
https://passnavi.obunsha.co.jp/suisen/jyukentaisaku/shiboriyusho/about/
旺文社パスナビ 志望理由書対策チェックシート
https://passnavi.obunsha.co.jp/suisen/jyukentaisaku/shiboriyusho/step4/
スタディサプリ進路 志望理由書の書き方
https://shingakunet.com/journal/exam/20250730000005/
逆引き大学受験 志望理由書の書き方