スクリーンタイムを解除したいのに、「どこを触ればいいのか分からない」「パスコードが通らない」「解除したはずなのに制限が残る」――そんな状況に陥ると、焦ってしまいがちです。さらに、子どものiPhoneを親が管理しているケースや、機種変更後に設定が見つからないケースでは、手順を間違えると余計に時間がかかることもあります。
本記事では、iPhone・iPad・Macの端末別に、パスコードが分かる場合の解除手順から、パスコードを忘れたときの正規リセット方法、ファミリー共有で親が子どもの制限を解除・変更する方法、そして「解除できない」ときの原因切り分けまでを、見出しの流れに沿って丁寧に解説します。データ消失やトラブルのリスクを避けつつ、最短で“元に戻す”ための道筋が分かる内容になっています。
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スクリーンタイム解除方法を始める前に確認すること
スクリーンタイムは、iPhone・iPad・Macで「使いすぎを防ぐ」「特定アプリを制限する」「年齢に応じたコンテンツに絞る」といった管理ができる機能です。ところが、いざ解除しようとすると「どこから外すのか分からない」「パスコードが通らない」「解除したのに制限が残る」など、思った以上に迷いやすいポイントがあります。
ここでは、最短で目的に到達するために、最初に整理しておきたいことをまとめます。ポイントは、解除したい対象とあなたの端末の状況を先に切り分けることです。ここを曖昧にしたまま操作すると、目的と違う設定を触ってしまい、余計に時間がかかりがちです。
解除したいのは何かを整理する(アクティビティ/パスコード/個別制限)
「スクリーンタイムを解除したい」と感じる場面はさまざまですが、実際には次のどれを解除したいのかで操作が変わります。
スクリーンタイムパスコードの解除(オフ)
スクリーンタイムの設定を勝手に変更できないようにする“鍵”を外す操作です。制限そのものを弱めたい・設定を自由に触れるようにしたい場合に該当します。スクリーンタイム自体をオフ(アクティビティ計測や制限機能を使わない)
利用状況の記録や、時間制限などの機能そのものを止めたい場合です。端末・OSにより表示は異なりますが、概念としては「スクリーンタイム機能の停止」に近い操作になります。個別の制限だけを解除(休止時間/アプリ使用時間/コンテンツ制限など)
「ゲームだけ制限を外したい」「SNSの時間制限だけ解除したい」「Web制限だけ見直したい」など、部分的に変更したい場合です。
よくある混乱は、「パスコードをオフにしたのに制限が残る」ケースです。これは、パスコードは“鍵”であって制限そのものではないために起こります。鍵を外しただけでは、すでに設定された休止時間やアプリ制限の値は残っていることがあります。逆に、スクリーンタイム自体をオフにすると、制限の挙動や計測が止まる(または大幅に変わる)可能性があります。
まずは「解除したいのは鍵なのか、制限そのものなのか、特定の制限だけなのか」を決めてから進めると迷いません。
端末の状況チェック(自分の端末か、子どもの端末か)
次に重要なのが、自分の端末のスクリーンタイムか、子どもの端末を親が管理しているスクリーンタイムかです。ここを間違えると、操作画面が見つからない、認証が通らない、といった“詰まり”に直結します。
自分の端末(自分で設定したスクリーンタイム)
原則として、その端末で解除・変更できます。パスコードが分かるならすぐ解除できますし、パスコードを忘れていてもApple Accountでリセットできる場合があります。子どもの端末(ファミリー共有で親が管理)
基本は、親(管理者)の端末側から変更します。子ども端末だけを操作しても、完全に解除できない設計になっていることが多く、親側の認証が必要になります。
また、同じ「スクリーンタイム」という言葉でも、家庭内の状況で難易度が変わります。たとえば、家族でApple Accountを共有している、親の端末が機種変更されている、家族構成の設定が途中で変わっている、といったケースでは、解除よりも“状況の把握”に時間を使いがちです。焦るほど誤操作が増えるため、まずは「誰が管理者か」「どの端末から操作すべきか」を確認してください。
最短で解決するためのフローチャート
手早く解決したいときは、次の分岐で考えるのが近道です。文章でのフローチャートですが、上から順に確認すると迷いづらくなります。
| あなたの状況 | 最短ルート | 目標 |
|---|---|---|
| パスコードが分かる(自分の端末) | スクリーンタイム設定でパスコードをオフ/スクリーンタイム自体をオフ | すぐ解除 |
| パスコードが分からない(自分の端末) | 「パスコードをお忘れですか?」→Apple Accountでリセット | 公式手順で復旧 |
| 子どもの端末を親が管理(ファミリー共有) | 親の端末で子どものスクリーンタイムを選択→パスコード変更/解除 | 親の認証で変更 |
| 操作できない・解除できない・不具合 | 再起動→OS更新→サインイン確認→設定の切り分け→必要ならサポート | まず復旧・原因切り分け |
| どうしても戻らない | 初期化(ただし事前チェック必須)/サポート相談 | 最終手段 |
さらに、途中で迷いやすいポイントを先に把握しておくと安心です。
「スクリーンタイムパスコードをオフ」と「スクリーンタイム自体をオフ」は別物
子どもの端末は親側の管理画面からが基本
“解除したいもの”がアプリ制限なのかコンテンツ制限なのかで触る場所が変わる
パスコード忘れはApple Accountが鍵(どのアカウントかが重要)
この流れを押さえたうえで、次の章から具体的な解除方法に進みます。
スクリーンタイム解除方法 パスコードが分かる場合の手順
パスコードが分かる場合は、最もスムーズに解除できます。ここで目指すのは大きく2つです。
スクリーンタイムパスコードをオフにする(鍵を外す)
スクリーンタイムの利用自体をやめる(アクティビティ計測・制限機能を停止する)
どちらが必要かは、先ほど整理した「解除したい対象」で決まります。まずは「鍵を外す」操作を中心に説明し、最後に「スクリーンタイム自体をオフにする」考え方を補足します。
iPhoneでスクリーンタイムパスコードをオフにする
iPhoneでパスコードをオフにする基本的な流れは次のとおりです。OSバージョンによって文言の差はありますが、概ねこの順番で辿れます。
設定を開く
スクリーンタイムを開く
画面を下へ進み、スクリーンタイムパスコードを変更をタップ
スクリーンタイムパスコードをオフを選ぶ
現在のスクリーンタイムパスコードを入力する
ここでのポイントは、パスコードをオフにすることで「スクリーンタイムの設定変更をロックする仕組み」が解除される点です。これにより、休止時間やアプリ制限、コンテンツ制限などの設定を、パスコード無しで編集できるようになります。
ただし、パスコードをオフにしても、設定した制限そのものは残ることがあります。
「今すぐ制限を消したい」場合は、パスコード解除後に、必要に応じて次の項目も見直してください。
休止時間をオフにする(または時間帯を変更する)
アプリ使用時間の制限を削除する
コンテンツとプライバシーの制限をオフにする、または内容を調整する
「鍵を外したら終わり」ではなく、鍵を外してから“制限の中身”を削除・変更するという順番だと、狙い通りに解除できます。
iPadでスクリーンタイムパスコードをオフにする
iPadも基本は同じ考え方です。iPhoneと表示が似ているため、操作で迷うことは少ないでしょう。
設定を開く
スクリーンタイムを開く
スクリーンタイムパスコードを変更をタップ
スクリーンタイムパスコードをオフを選ぶ
現在のパスコードを入力する
iPadは家族で共有している家庭も多く、子どもが触る端末として運用されているケースもあります。その場合、「これは自分の端末なのか、親管理の子ども端末なのか」でメニューの見え方が変わることがあります。もし、同様の項目が見当たらない場合は、ファミリー共有の管理状況を疑ってください(後半の章で詳しく扱います)。
Macでスクリーンタイムをオフにする
MacはiPhone/iPadと入り口が異なります。一般的には、次の流れで操作します(macOSのバージョンで「システム環境設定」か「システム設定」かの名称が変わります)。
システム設定(またはシステム環境設定)を開く
サイドバー(または一覧)からスクリーンタイムを選ぶ
アプリとWebサイトのアクティビティなど、スクリーンタイムに関するスイッチをオフにする
必要に応じて、対象のユーザー(自分/家族)を切り替える
Macの場合、ユーザーアカウントが複数あると「どのユーザーに対するスクリーンタイムなのか」が混乱しやすいです。たとえば、仕事用アカウントと私用アカウントを分けている場合や、家族が同じMacを使っている場合などです。
解除する前に、「いまログインしているユーザー」と「スクリーンタイム画面で対象として選ばれているユーザー」が一致しているかを確認すると、意図しない解除ミスを防げます。
スクリーンタイム自体をオフにする場合の違い
「パスコードをオフ」と「スクリーンタイム自体をオフ」は混同されがちなので、最後に整理します。
パスコードをオフ
スクリーンタイム設定を守るロックを外す操作です。制限の中身は残り得ますが、自由に編集できるようになります。スクリーンタイム自体をオフ
アクティビティ(利用状況の計測)や制限機能を使わない状態にする考え方です。端末・OSにより表示は異なりますが、スクリーンタイム関連のスイッチを切るイメージです。
「とにかく制限を無くしたい」なら、一般的には次の順が分かりやすいです。
スクリーンタイムパスコードをオフ(鍵解除)
休止時間/アプリ制限/コンテンツ制限を順番にオフ(中身解除)
必要ならスクリーンタイム自体もオフ(機能停止)
こうしておくと、「一部だけ制限が残っている」という取りこぼしが起こりにくくなります。
スクリーンタイム解除方法 パスコードを忘れた場合のリセット手順
パスコードが分からない場合でも、すぐに初期化へ進む必要はありません。多くの場合、Appleが用意している「パスコードをお忘れですか?」の導線から、Apple Accountを使ってリセットできます。
ただし、ここで詰まりやすいのが「どのApple Accountで設定したスクリーンタイムか」という点です。端末にサインインしているアカウントと、スクリーンタイム設定時に紐づいているアカウントが一致していないと、思った通りに進まないことがあります。
iPhone/iPadで「パスコードをお忘れですか?」からリセット
一般的な操作は次の流れです。文言やボタン位置はOSで多少異なりますが、探すポイントは同じです。
設定を開く
スクリーンタイムを開く
スクリーンタイムパスコードを変更をタップ
もう一度、スクリーンタイムパスコードを変更をタップ
表示されるパスコードをお忘れですか?を選ぶ
Apple Accountで認証し、新しいスクリーンタイムパスコードを設定する
この手順で狙っているのは、スクリーンタイムのパスコードを「思い出す」ことではなく、認証により新しいパスコードへ置き換えることです。新しいパスコードに更新できれば、以後はそのパスコードで設定の解除・変更ができます。
リセット後は、次のことをおすすめします。
新しいスクリーンタイムパスコードを、端末のロック解除パスコードと同じにしない(推測されやすい)
しかし忘れないよう、管理方法(パスワード管理アプリや紙の保管など)を決める
解除目的なら、リセット直後に「パスコードをオフ」にしてしまうのも一手(今後不要なら)
必要になる情報(Apple Account、認証方式)と詰まりやすい点
リセットで必要になりやすい要素を、先にチェックリスト化しておきます。途中で止まると焦るので、できれば事前に揃えてください。
Apple Accountのメールアドレス(または電話番号)とパスワード
二要素認証の受け取り手段(信頼できるデバイス/電話番号/認証コード)
端末自体のロック解除ができる状態(Face ID/Touch ID、端末パスコード)
インターネット接続(Wi-Fiまたはモバイル通信)
ここで特につまずきやすいのが、次のケースです。
Apple Accountが複数ある(昔のアカウントで設定した可能性がある)
家族でアカウントを共有している(親のアカウントで子ども端末に設定している)
機種変更直後で、サインインや二要素認証の受け取りがスムーズにいかない
認証コードが届かない、または「信頼できるデバイス」が手元にない
対策としては、「端末にサインインしているApple Account」と「スクリーンタイムの管理者(設定した側)」を一致させる意識が重要です。子どもの端末の制限を解除したいのに、子ども端末側で操作している、という“場所違い”もよくある原因です(次章のファミリー共有の手順を確認してください)。
リセットできない時にまず確認すること
リセットがうまくいかないときは、「いきなり難しい解決策」へ飛ぶより、まず基本の切り分けを行う方が結果的に早く終わることが多いです。次を上から順に確認してみてください。
操作している端末は正しいか
自分の端末なのか、親管理の子ども端末なのか。子どもの端末なら親の端末から操作できるか。Apple Accountの状態
端末が正しくサインインしているか。パスワードが正しいか。二要素認証を受け取れるか。端末の基本状態
再起動してから試す。OSアップデートが残っていないか確認する。通信が安定しているか。入力ミスの可能性
Apple Accountの入力で大文字小文字や不要な空白が入っていないか。電話番号ログインの場合は国番号を含める必要があるかなど、ログイン形式の揺れがないか。
これでも難しい場合は、「解除できないときの原因と対処」の章で、不具合の可能性や設定の残り方を含めて整理し、必要に応じてサポートへ相談する方が安全です。パスコード解除のために危険な手段へ進む前に、公式ルートの“詰まり”を一つずつ潰していくことをおすすめします。
スクリーンタイム解除方法 子どもの端末を親が解除・変更する手順
子どもの端末にスクリーンタイムが設定されている場合、背景には「ファミリー共有(家族管理)」があります。ここで大切なのは、子ども端末の制限を親が管理している場合、解除や変更は親(管理者)の端末側で行うのが基本だという点です。
子ども本人が端末側で解除しようとしても、管理者の認証が求められたり、項目が見つからなかったりして行き詰まりやすいので、最初から親側の操作で進めるのが近道です。
ファミリー共有の管理者ができること
ファミリー共有でスクリーンタイムを管理していると、管理者(多くは親)は次のような操作ができます。
子どもの休止時間の設定・変更
子どものアプリ使用時間の制限追加・解除
コンテンツとプライバシーの制限(年齢制限、購入制限、Web制限など)の調整
子どものスクリーンタイムのパスコード変更(リセット)
つまり、子ども側で「解除できない」と感じる場面でも、親側の管理画面に入れば解決できることが多いです。家庭内のルールとして制限を運用している場合は、解除を焦って強引に進めるよりも、親子で「どの制限をいつまで、どの程度にするか」を合意して調整するほうが、後々のトラブルを避けられます。
親の端末から子どものスクリーンタイムを変更・解除する流れ
親側の端末から操作する場合、典型的な流れは次のとおりです。
親(管理者)のiPhone/iPadで設定を開く
スクリーンタイムを開く
ファミリー(または家族メンバー一覧)で子どもの名前を選ぶ
子どものスクリーンタイム管理画面から、目的に応じて操作する
制限を弱めたい → 休止時間/アプリ使用時間/コンテンツ制限を調整
パスコードを忘れた → スクリーンタイムパスコードを変更(必要に応じてリセット)
親の端末でFace ID/Touch ID/端末パスコードなどの認証を行う
新しいパスコード設定、または制限変更を確定する
ここでのポイントは、子どもの端末ではなく、親の端末で認証が完結することです。親の端末が古い、OSが古い、Face IDが壊れている、端末パスコードを忘れた、など親側の状態が悪いと、子どもの端末の制限変更までたどり着けません。解除がうまくいかないときは、子ども側だけでなく、親側の端末状態も見直してください。
また、制限を完全に無くす必要がない場合は、まず「アプリ使用時間だけ解除」「休止時間だけ短くする」など、段階的に調整すると家庭内の納得感が保ちやすいです。
通知や共有設定で混乱しやすいポイント
ファミリー共有のスクリーンタイムは便利ですが、運用していると混乱しやすいポイントがいくつかあります。事前に知っておくと「解除できない」と誤解しにくくなります。
親の端末を機種変更した後、管理画面が見つからない
機種変更後にApple Accountのサインインや家族設定が完全に戻っていないと、子どもが表示されないことがあります。家族メンバーが見えない場合は、まず親側のApple Accountと家族設定を確認してください。子どもの端末が“親の管理下”として認識されていない
途中でアカウントを変えた、子どもが別のApple Accountでサインインした、などで関連付けが崩れると、親側から操作できないことがあります。通知が来る/来ないの差
どの通知が出るかは設定やOSで差があり、想定と違っても不具合とは限りません。まずは制限が実際にどう効いているか(どの制限が有効か)を確認する方が確実です。
「子どもの端末のスクリーンタイムが解除できない」と感じたら、親子で一度、親の端末→スクリーンタイム→子どもの名前まで辿れるかを確認するのが最短です。
スクリーンタイム解除方法 解除できないときの原因と対処
手順は合っているのに解除できないときは、原因が「パスコード」ではなく、端末状態の不具合や設定の残り方にあることがあります。
この章では、よくある詰まり方を「操作不能(落ちる・反応しない)」と「解除したのに制限が残る(または効かない)」に分けて、切り分け手順を整理します。
設定画面が落ちる/反応しない場合の切り分け
「設定→スクリーンタイム」を開こうとした瞬間に落ちる、画面が固まる、タップしても反応しない。こうした症状がある場合、まずは“設定の中身”よりも、端末の基本状態を整えることが先です。次の順で試してください。
端末を再起動する
一時的なメモリ不具合や処理詰まりで、設定アプリが不安定になっていることがあります。再起動は最初に試す価値があります。OSアップデートの有無を確認する
既知の不具合がアップデートで修正されることがあります。可能なら最新に近い状態へ更新してください(更新前にバックアップがあると安心です)。ストレージ容量を確認する
容量が極端に少ないと、設定アプリを含む動作が不安定になることがあります。不要なデータを整理し、空きを作ってから再試行します。時間を置いて再試行する
iCloud同期やバックグラウンド処理が重いタイミングだと、設定が落ちることがあります。充電しながら、しばらく待って再試行します。親管理の子ども端末なら、親側端末で操作できるか確認する
子ども端末側が不安定でも、親の端末から設定変更できる場合があります。
それでも改善しない場合は、スクリーンタイムに限らず設定アプリ全体の不具合の可能性が出てきます。無理に解除ツールなどへ進む前に、端末の症状(機種、OS、いつから、どの操作で落ちるか)を整理し、サポートへ相談できる状態にしておくと安全です。
制限が残る・効かない場合の設定見直し(許可アプリ等)
「解除したのに制限が残っている」「逆に制限が効かない」というときは、どの制限が有効になっているかを特定することが重要です。スクリーンタイムは複数の制限が重なり合うため、1つだけ解除しても別の制限が残っていると、見た目として“解除できていない”ように感じます。
よくある原因と確認ポイントを挙げます。
休止時間が有効
指定した時間帯になると、基本的にアプリが制限されます。休止時間がオンのままだと、アプリ制限を解除しても時間帯によっては使えません。アプリ使用時間(App Limits)が残っている
アプリやカテゴリに制限が残っていると、時間超過後にブロックされます。特定アプリだけ使えない場合はここを疑います。コンテンツとプライバシーの制限が残っている
Web閲覧やインストール、購入、年齢制限などが引っかかっていると、アプリ自体は開けても機能が制限されることがあります。常に許可(Always Allowed)により“効かない”と感じる
一部のアプリは常に許可され、休止時間中でも使える設定があります。制限が効いていないと感じるときは、例外設定を確認すると原因が見つかることがあります。スクリーンタイムパスコードをオフにしただけで、制限値を消していない
パスコードは鍵であり、制限そのものではありません。解除したい制限項目を個別にオフにする必要があります。
おすすめの確認手順は次のとおりです。
スクリーンタイム画面で、まず「休止時間」がオンか確認
次に「アプリ使用時間」に制限が残っていないか確認
次に「コンテンツとプライバシーの制限」がオンか確認
例外として「常に許可」を確認(意図しない例外がないか)
目的の制限(時間・アプリ・Webなど)だけを確実にオフ、または制限を削除
この順で見れば、“残っている制限”を取りこぼしにくくなります。
OS更新・再起動・サインイン状態の確認
解除がうまくいかないときほど、設定の細部に入りたくなりますが、実は基本状態(更新・再起動・サインイン)が原因で詰まっていることが少なくありません。特にパスコード忘れのリセットでは、認証やiCloud連携が絡むため、端末状態の影響を受けやすいです。
最低限、次の項目を整えてから再試行すると成功率が上がります。
再起動済み(まず一度再起動)
OSが最新に近い(大きく古いと表示や導線が違うことがある)
Apple Accountに正しくサインイン(アカウントが一致している)
二要素認証を受け取れる状態(別デバイスやSMS受信)
通信が安定(Wi-Fi推奨、弱い回線は避ける)
子どもの端末の管理で詰まる場合は、子ども側だけでなく、親側端末の状態も同じ観点で整えてください。親側の認証が通らない限り、子どものスクリーンタイム変更まで進みません。
スクリーンタイム解除方法 初期化やサポート相談が必要なケース
スクリーンタイムは多くの場合、公式の手順で解除・復旧が可能です。しかし、端末不具合、認証の行き詰まり、家族管理の構成崩れなどが重なると、どうしても自力では解決しづらい場面があります。
ここでは、「初期化」という強い手段に進む前に確認したいこと、そしてサポートへ相談する判断基準を整理します。焦りや不安が強いときほど、最終手段を選びがちですが、順序を誤ると解除よりも復旧(データ戻し)に時間を取られてしまいます。
最終手段としての初期化前チェックリスト
初期化を検討する前に、以下のチェックリストを一つずつ確認してください。できれば、すべてに「はい」と言える状態で進むのが安全です。
バックアップはある(写真・連絡先・メモ・アプリデータなど)
Apple AccountのIDとパスワードが確実(二要素認証も含めてログイン可能)
復元後に必要なアプリの再ログインが可能(金融、学校、仕事のアプリなど)
子どもの端末の場合、家庭内で初期化の合意が取れている(管理の方針が必要)
本当に初期化が必要な状況か再確認した(パスコードリセット、親側操作、端末状態の改善を試した)
特に大事なのは「Apple Accountに確実に入れるか」です。初期化後はApple Accountで再設定する場面が多いため、ここが曖昧だと初期化したのに先へ進めない、という最悪の状態になりかねません。
また、初期化には心理的な負担も伴います。解除が目的であれば、まずは「スクリーンタイムパスコードのリセット」や「親側端末からの管理」など、負担が軽い手段をやり切ってから判断するのが賢明です。
Appleサポートに相談する目安
次のいずれかに当てはまる場合は、サポートへ相談する価値があります。特に「不具合っぽい」「認証が絡んで詰んでいる」ケースは、自己流で触り続けるほど状況が複雑になりやすいです。
公式のリセット導線(パスコードをお忘れですか?)が表示されない、または進めない
スクリーンタイムの画面自体が落ちる、フリーズするなど、操作不能に近い
ファミリー共有の構成が崩れており、親側から子どもが見えない/管理できない
Apple Accountの認証(二要素認証含む)がどうしても通らない
どのApple Accountでスクリーンタイムを設定したか分からず、複数アカウントで混乱している
相談をスムーズにするために、次の情報をメモしておくと役立ちます。
端末の機種名(例:iPhone 14など)
OSバージョン(設定から確認)
いつから起きたか(昨日から、機種変更後から、など)
どの操作で止まるか(スクリーンタイムを開くと落ちる、認証が通らない、など)
自分の端末か、子どもの端末か(ファミリー共有の有無)
こうした情報が揃っていると、原因の切り分けが早くなり、無駄な往復が減ります。
解除ツール・裏ワザ情報との付き合い方(注意喚起)
検索すると「裏ワザ」「回避」「解除ツール」といった情報が多く見つかります。困っていると、つい最短に見える方法へ手を伸ばしたくなりますが、スクリーンタイムの解除は端末やアカウント、家族管理、プライバシーに強く関わる領域です。安易に飛びつくと、次のようなリスクが生じやすくなります。
端末データや個人情報に関する不安(信頼性の判断が難しい)
解除に伴い想定外のデータ損失が起きる可能性
家族管理や学校・組織のルールを意図的に回避すると、関係面でのトラブルにつながる
うまくいかなかったときに、原因がさらに追いづらくなる(設定が複雑化する)
現実的に安全なのは、公式手順で解除できるかを先にやり切ることです。
具体的には、次の順を守るだけでも、無用なリスクを避けられます。
パスコードが分かるなら、まずパスコードオフ→制限の中身を削除
パスコード不明なら、Apple Accountでリセット
子ども端末なら、親側端末から管理
不具合なら、再起動・更新・サインイン確認で切り分け
それでも難しい場合に、サポート相談や最終手段を検討
「今すぐ外したい」という気持ちは自然ですが、スクリーンタイムは“安全に解除する”ほど後悔が少なくなります。焦りを抑えて、正しいルートで一つずつ進めてください。