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老人ホーム費用が払えない…知恵袋で多い悩みを整理|退去リスクと今すぐできる対処法・公的制度

老人ホームや介護施設の費用は、決して小さくありません。
そのため、

  • 「このままのペースでは数年後に払えなくなりそう」

  • 「すでに数ヶ月分の支払いが遅れていて不安だ」

  • 「知恵袋で『退去させられた』という話を見て怖くなった」

といった不安を抱えて検索されている方が多いです。

まず押さえていただきたいのは、費用を払えなくなったからといって、翌日すぐに退去を迫られるケースは一般的ではないという点です。
多くの施設では、督促や相談のやりとり、1〜2ヶ月程度の猶予期間を設けたうえで対応しているとされています。

一方で、連絡をしないまま滞納を放置すると、退去や訴訟など、より重いトラブルにつながる可能性もゼロではありません。
この記事では、

  • 払えないときに何が起こるのか

  • 今すぐ取るべき具体的な行動

  • 公的な軽減制度や貸付制度の概要

  • 費用を抑える施設選び・見直しのポイント

  • 知恵袋で多いリアルな悩みのケース別Q&A

を整理して解説いたします。

※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。

目次

老人ホームの費用構造と相場をざっくり把握する

老人ホーム・介護施設の主な種類と費用目安

まず、「どの種類の施設に入っているか」「どの種類を検討しているか」によって、必要な費用の水準は大きく変わります。ここでは目安として、代表的な施設種別と費用の相場感をまとめます。みんなの介護+1

施設種別入居金目安月額費用目安特徴のイメージ
特別養護老人ホーム(特養)0円約9〜13万円公的色が強く、費用負担は比較的低い。要介護3以上が原則。
介護老人保健施設(老健)0円約8〜15万円在宅復帰を目標とした中〜短期利用が中心。
介護医療院0円約8〜15万円医療と介護の両方が必要な方が対象。
グループホーム0〜約16万円約8〜15万円認知症の方が少人数で共同生活。
経費老人ホーム(ケアハウス)0〜約30万円約8〜13万円比較的低価格で生活支援を受けられる。
サービス付き高齢者向け住宅0〜100万円約10〜30万円安否確認・生活相談付きの賃貸住宅。サービス内容は幅広い。
有料老人ホーム(介護付き等含む)0〜約500〜1,500万円約10〜30万円以上設備・サービスが充実している分、費用は高くなりがち。

※実際の費用は地域・施設により大きく異なります。必ず各施設の最新情報をご確認ください。

月額費用に含まれるもの/含まれないもの

月額費用として請求される内容は、概ね以下のように分けられます。

一般的に含まれることが多いもの

  • 家賃・居住費(部屋代)

  • 管理費・共益費

  • 食費

  • 水道光熱費

  • 一部の生活サービス費(掃除・洗濯など)

別途かかることが多いもの

  • 介護保険サービスの自己負担分(1〜3割)

  • おむつ代・日用品

  • 理美容代

  • 医療費・薬代

  • 通院付き添いなどのオプションサービス

「月額◯万円」とだけ聞いて契約すると、実際の支払額はそれよりも数万円高くなることも少なくありません。契約前後で、「トータルで毎月いくら払っているか」を必ず確認しておくことが重要です。

「払えなくなる典型パターン」を理解する

費用が払えなくなる代表的なパターンとして、次のようなものが挙げられます。

  • 入居当初より要介護度が上がり、介護保険サービスの利用頻度が増えた

  • 家族の仕事・収入状況が変わり、援助が難しくなった

  • 想定していた親の資産(自宅売却額など)が予定どおりに確保できなかった

  • 契約時に十分理解していなかったオプション費用が積み上がった

まずは、「なぜ足りなくなってきたのか」を冷静に整理することが、次の対策を考えるうえでの出発点になります。


費用が払えないとどうなる?退去までの一般的な流れ

すぐ退去ではなく「督促→猶予→相談」が一般的

多くの解説では、費用を払えない場合でも、いきなり即日退去を命じられることはまれであり、1〜2ヶ月程度の猶予が設けられることが多いとされています。みんなの介護+2LIFULL 介護+2

一般的な流れのイメージは次のとおりです。

  1. 支払期日を過ぎると、施設から電話や書面で督促の連絡がある

  2. 事情を説明すると、支払い方法(分割・期日の変更など)について相談できる場合がある

  3. 滞納が続くと、保証人・身元引受人に連絡が入る

  4. それでも改善されない場合、利用契約の見直しや退去要請の検討が始まる

ただし、具体的な取り扱いは施設ごとの契約書・利用規約によって大きく異なります。
必ず、契約書の「滞納時の扱い」「契約解除」の項目を確認し、不明点は施設に質問することが重要です。

滞納が続いた場合に起こり得ること

滞納が長期化した場合、以下のようなことが起こり得ます。

  • 保証人・身元引受人への請求・相談

  • 滞納分を含めた一括請求、または支払い計画の再設定

  • ほかの施設への転居の提案

  • 最終的には契約解除・退去要請

ポイントは、「厳しい状況でも、早めに正直に相談した方が選択肢が広がる」ということです。
滞納を隠してしまうと、施設側も対応を検討する時間がなくなり、結果として退去に近づいてしまうリスクがあります。

法的な観点(概要)

介護施設との契約は、基本的に「利用契約」としての民法上の契約にあたります。
そのため、

  • 利用料の支払い義務

  • 滞納時の解除条件

  • 保証人・身元引受人の責任範囲

などは、契約書に基づいて判断されるのが一般的です。

また、「子どもには親を扶養する義務がある」とされていますが、実際にどこまで支払義務があるかは、収入・資産・生活状況などによって大きく異なり、個別の法的判断が必要となるケースもあります。

  • 滞納額が大きくなっている

  • 支払い能力や相続をめぐって家族間でもめている

といったケースでは、弁護士や専門の相談窓口への相談を検討することをおすすめいたします。


費用が払えない・払えなくなりそうなときの具体的な対処法

ステップ1|まず施設・ケアマネ・相談員に正直に伝える

最初の一歩は、「払えない・払えなくなりそう」という状況を、できるだけ早く施設側に共有することです。

伝えるべきポイントの例:

  • いつから、どの程度支払いが難しくなりそうか

  • 一時的な収入減なのか、長期的な問題なのか

  • 親・家族の収入や資産の状況(分かる範囲で)

  • すでに相談した窓口(市役所、社協など)があれば、その内容

想定される施設側の対応としては、

  • 支払い期日の延長

  • 分割払いの提案

  • 介護サービス内容の見直しの提案

  • 安価な施設への転居の情報提供 など

が考えられます。

やってはいけないNG行動

  • 督促の電話・手紙を無視する

  • 「払える」と言いながら支払いのめどがない

  • 家族内で情報を共有せず、誰も全体像を把握していない

これらは、施設との信頼関係を損ない、結果として厳しい対応につながるおそれがあります。

ステップ2|公的な軽減制度・支援制度を確認する

費用負担が重いときには、次のような公的な制度を確認します。

1. 高額介護サービス費

  • 1ヶ月の介護保険サービス自己負担額が、所得区分ごとの上限額を超えた場合、その超過分が払い戻される制度です。

  • 申請は市区町村の窓口で行います(一度申請すると、自動的に継続的に振り込まれる仕組みが一般的)。

2. 介護保険負担限度額認定(補足給付)

  • 介護保険施設入所時の「食費・居住費」について、低所得者の負担を軽減する仕組みです。2

  • 条件を満たすと、食費・居住費の自己負担上限額が定められます。

  • 対象となるかどうかは、所得・預貯金・世帯状況などによって異なります。

  • お住まいの市区町村の介護保険窓口で、「負担限度額認定証」について相談してください。

3. 生活保護と介護扶助

  • 生活保護の対象となるほど収入・資産が不足している場合、介護保険サービスの自己負担が0円になるなど、介護費用が保護の対象とされることがあります。

  • 一方で、資産の処分や扶養照会(親族への援助可能性の確認)など、心理的なハードルもある制度です。

  • 検討する場合は、お住まいの自治体の福祉事務所へ相談が必要です。

4. その他の自治体独自の助成制度

  • 住んでいる地域によっては、介護に関する独自の助成金・減免制度が存在する場合もあります。

  • 「◯◯市 介護 助成」「介護施設 費用 減免」などで検索し、自治体サイトを確認してみる価値があります。

ステップ3|一時的な資金調達や家計の組み替えを検討する

急な入院や家族の失業などで、一時的に資金が不足している場合には、公的な貸付制度の利用が選択肢となることがあります。

代表的なのが、社会福祉協議会の「生活福祉資金貸付制度」です。

  • 対象:低所得世帯・高齢者世帯・障害者世帯など

  • 内容:必要な資金(介護サービス利用費など)を、無利子または低利で貸し付け

  • 相談窓口:各市区町村の社会福祉協議会

このほか、親の自宅を担保にしたリバースモーゲージや、不動産担保型の生活資金なども、条件によっては利用できる場合があります。ただし、将来の相続や住まいの確保に大きく影響するため、利用を検討する際には、必ず専門家(金融機関・ファイナンシャルプランナー等)に相談してください。

ステップ4|施設の変更・サービス内容の見直し

どうしても現在の施設費用が継続困難な場合は、より費用の安い施設への転居や、ケアプランの見直しも検討します。

  • 特養への申し込み・待機登録

  • 有料老人ホームから、費用水準の低い施設への転居

  • ケアマネと相談し、サービス内容・頻度の見直し

転居には、

  • 新しい施設探し・見学

  • 引越し費用

  • 体調・認知症への影響(環境変化のストレス)

など、別の負担も伴います。
「短期的な負担減」と「長期的な安定」のバランスを、ケアマネや包括支援センターとも相談しながら検討することが大切です。


そもそも「払えない」事態を防ぐための予防策

入居前に押さえたい費用シミュレーションのポイント

入居前の段階で、次のようなシミュレーションを行っておくことが理想的です。

  • 親の年金・その他収入(+資産の取り崩し)で、毎月いくらまでなら無理なく払えるか

  • 現在検討している施設の「トータルの毎月支払額」が、その範囲に収まっているか

  • そのペースで何年間支払いが続けられるか

ざっくりでも構いませんので、「月額×年数=総額」を一度計算してみると、リスクの見え方が変わります。

契約前に確認すべきチェック項目

契約前のチェックリストの例を挙げます。

  • 退去条件(どのような場合に退去を求められるか)

  • 費用滞納時の扱い(猶予期間・分割払いの可否など)

  • 保証人・身元引受人の責任範囲

  • 月額費用に含まれる項目・含まれない項目

  • 今後の値上げ・追加料金の可能性と条件

これらを、書面で確認し、不明点は遠慮なく質問することが、後々のトラブル防止につながります。

公的施設の待機と並行検討のすすめ

有料老人ホームなどの費用が高く、将来的な継続に不安がある場合は、特別養護老人ホーム(特養)など公的施設への申し込みを早めに検討することも一案です。

  • 申込から入所までに時間がかかることも多いため、早めの情報収集が重要です。

  • 現在の施設に入居しながら、並行して待機・情報収集を行うケースもあります。


知恵袋で多い「リアルな悩み」をケース別に整理

ここでは、Yahoo!知恵袋などに多い相談内容を参考に、典型的なケースと考え方を整理します。

ケース1|ひとりっ子で自分も病気療養中。施設費が払えない

  • 状況:自分も働けず、親の施設費を負担できない。自宅介護も現実的ではない。

  • 考えられる選択肢

    • 生活保護の検討(本人・世帯の状況による)

    • 生活福祉資金などの貸付制度の検討

    • 特養など費用の低い施設への転居を視野に入れる

  • 相談先の例

    • 施設の生活相談員

    • 地域包括支援センター

    • 自治体の福祉事務所・社会福祉協議会

ケース2|兄弟間で費用負担でもめている

  • 状況:一部の兄弟だけが多く負担しており、不公平感からトラブルに。

  • ポイント

    • 「誰がいくら払うか」だけでなく、「誰がどんな役割を担っているか(通院付き添い・手続きなど)」も含めた話し合いが必要です。

    • 第三者(ケアマネ・包括支援センターなど)に同席してもらうことで、感情的な対立を和らげやすくなります。

    • 扶養義務の法的な範囲については、専門家に相談して整理するのも一案です。

ケース3|親の年金と少しの貯金だけ。どこまで子どもが出すべき?

  • 状況:親の年金だけでは足りず、子どもの負担が重くなりつつある。

  • 考え方の一例

    • まずは、親自身の収入・資産でどこまで賄えるかを整理する。

    • そのうえで、不足分を「公的制度」「施設見直し」「家族の負担」の組み合わせでどう補うかを検討する。

    • 自分自身の老後資金が枯渇するような無理な負担は、長期的に見て誰のためにもなりません。

ケース4|自宅売却かリバースモーゲージかで悩んでいる

  • 自宅を売却して大きなまとまった資金を確保する方法と、リバースモーゲージ(自宅を担保に、住み続けながら資金を借りる仕組み)の比較が必要です。

  • いずれも、相続・今後の住まい・金利や地価変動など多くの要素が絡むため、金融機関やファイナンシャルプランナーなど専門家の助言を受けて判断することを強くおすすめいたします。

ケース5|すでに数ヶ月滞納して督促状が届いている

  • 今すぐやるべきこと

    • 督促状を放置せず、指定の連絡先に電話をする

    • 支払える金額・時期の見込みを整理してから連絡する

    • 同時に、市区町村・社会福祉協議会・包括支援センターなどにも相談を開始する

  • ポイント

    • 「払えないから連絡しづらい」と感じるかもしれませんが、連絡しない方が状況は悪化します。

    • 分割払い・一部免除・公的支援の活用など、打てる手がないか一緒に考えてもらう姿勢が大切です。


老人ホームの費用に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 年金だけで老人ホームに入れますか?

A. 入居可能かどうかは、選ぶ施設の種類と地域の相場によって変わります。
特養などの公的色の強い施設であれば、年金のみで賄えるケースもありますが、有料老人ホームでは年金だけでは不足することが多くなります。

Q2. 生活保護を受けながら入れる施設はありますか?

A. 条件を満たして生活保護を受給している場合、介護扶助によって介護保険サービスの自己負担が0円となり、入居可能な施設も存在します。ただし、利用できる施設の種類やサービス内容は限られることもあるため、福祉事務所や専門の相談窓口に確認が必要です。

Q3. 保証人になった家族が払えない場合、どうなりますか?

A. 保証人・身元引受人の責任範囲は契約によって異なります。
「連帯保証人」として署名している場合には、本人と同等の支払い義務を負う可能性が高いため、重大な問題となり得ます。滞納が発生している場合は、早急に施設と相談し、必要に応じて弁護士など専門家への相談も検討してください。

Q4. 途中で施設を変えるときの注意点は?

A. 退去時の精算(敷金・入居一時金の扱い等)、次の施設への入居タイミング、引越しの負担(体調・認知症への影響)がポイントです。
「費用だけ」で判断せず、医療・介護体制や家族の通いやすさも含めた総合的な視点で検討することが重要です。


まとめ|今すぐできる3つのステップ

最後に、この記事の要点と「今すぐできること」を整理いたします。

1. 現在地を整理する

  • 毎月のトータル支払額(施設費+医療費+その他)を把握する

  • 親の年金・資産、家族の負担可能額をざっくり整理する

  • 施設の契約書を確認し、「滞納時の扱い」「退去条件」を確認する

2. 早めに相談する

  • 施設・ケアマネ・生活相談員に、正直に状況を共有する

  • 地域包括支援センター・市区町村の介護相談窓口・社会福祉協議会に連絡し、公的制度の適用可能性を確認する

  • 必要に応じて、福祉事務所や弁護士など専門家への相談も検討する

3. 中長期の対策を検討する

  • 高額介護サービス費や負担限度額認定など、利用できる制度を整理する

  • 特養など費用の低い施設への転居可能性を情報収集する

  • 親の資産活用(自宅・預貯金)と、自分の老後資金のバランスを、冷静に検討する

介護費用や制度は、法改正や物価変動によって変わり得る領域です。
本記事でご紹介した内容はあくまで一般的な情報であり、最終的な条件・金額は、お住まいの自治体や契約している施設、個別の状況によって異なります。