「労働保険番号(14桁)を記入してください」と言われたのに、手元にそれらしい番号が見当たらない——そんな状況で手が止まっていませんか。総務・労務の引継ぎが十分でないと、年度更新の控えや成立届などの保管場所が分からず、焦りだけが増えてしまいがちです。さらに厄介なのは、雇用保険の11桁の番号を見つけて「これだ」と思い込み、提出後に差戻しになるケースがあることです。
本記事では、労働保険番号14桁を最短で特定するための“探す順番”を、見つかりやすい書類から具体的に整理します。あわせて、14桁の見方(府県・所掌・管轄・基幹・枝)を使った自己判定、11桁との取り違え防止、そして書類が見つからない場合の事務組合・所轄への確認ルートまで、迷わない手順に落とし込みます。読み終えるころには、「次に何を見ればいいか」がはっきりし、落ち着いて正しい番号を提出できる状態を目指します。
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労働保険番号14桁が必要になる場面
年度更新、労災申請、各種届出で求められる理由
労働保険番号(14桁)は、労災保険と雇用保険をまとめた「労働保険」の手続きで、事業所(または徴収上の事業単位)を特定するための番号です。総務・労務の担当になったばかりの方ほど、「どの書類に書いてあるのか分からない」「数字はあるけれど14桁ではない」といったところで止まりやすいポイントです。
番号が必要になる代表例は次のとおりです。
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労働保険の年度更新(確定保険料の申告と、新年度の概算保険料の申告・納付)
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労災事故が発生した際の給付請求など(事業所情報の記載が必要な書類)
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行政への提出書類や、取引先から指定される様式(建設系の提出書類など)
特に年度更新は、毎年ほぼ同じ時期に行うため、「去年の控え」を見つけられると一気に解決します。年度更新の申告書は所轄から送付され、事業所名とともに労働保険番号が印字されることがあります。まずは“そこに戻る”のが最短ルートです。
11桁の番号と混同しやすい典型例
混同が起きやすいのは、次のような状況です。
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雇用保険の書類を見たら「11桁(4-6-1形式)」が見つかったので、それを労働保険番号だと思ってしまう
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「雇用保険適用事業所番号」と「労働保険番号」を同じ“会社の番号”として扱い、どの様式にも同じ番号を書いてしまう
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事務組合に委託していて社内に控えが少なく、どれが正式な番号か判断できない
ここで押さえたいのは、11桁=雇用保険側の事業所番号、14桁=労働保険番号で、用途も載っている書類も違うということです。11桁の定義(4桁-6桁-1桁)として説明されている資料もあります。
労働保険番号14桁の調べ方はまず書類から
最優先で確認する書類トップ3
「どこにあるか分からない」ときほど、探す順番が重要です。以下のトップ3は、見つかる確率が高く、時間対効果が最も良いところです。
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年度更新の申告書の控え(または所轄から届いた年度更新書類)
年度更新の書類には、事業所名や保険料額とともに、労働保険番号が印字されていることがあります。申告して控えが残っていれば、それを見るのが最速です。 -
保険関係成立届(事業主控え)
労働者を雇用して労働保険の保険関係が成立したときに提出する届出です。新設法人や初めて従業員を雇ったタイミングのファイルに綴られていることが多く、控えが残っていれば有力です。提出期限(原則10日以内など)を案内している公的ページもあります。 -
概算保険料申告書の控え/納付書(領収済通知書)の控え
初回や年度更新後の納付関連の控えに、番号欄があるケースが多いです。年度更新の手引(公式資料)にも、申告書・納付書に印字された事項を訂正しない旨など、番号欄が前提になっている記載が見られます。
探す場所の“当たり”としては、次の保管が多いです。
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「年度更新」ファイル(年度別に分かれていることが多い)
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「労働保険」「労災・雇用」などのファイル
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社労士に渡した控えの写し(メール添付・クラウド保管含む)
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金庫や契約書保管棚(重要書類としてまとめている会社もあります)
最初の10分はトップ3に集中し、それでも見つからない場合に次の範囲へ広げると、迷走しにくくなります。
次に当たる書類と保管場所の当たり
トップ3で見つからないときは、以下へ範囲を広げます。
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過去に労災対応をした場合:労災関連の提出書類の控え(会社控え・社労士控え)
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労働局・監督署から届いた通知類(受付印がある書類の控え、台帳、送付状など)
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会社設立後の「労務関係一式」ファイル(社会保険・雇用保険・労働保険が混在していることが多い)
この段階で重要なのは、“番号そのもの”を探す視点に切り替えることです。書類名が分からなくても、14桁の特徴(2-1-2-6-3)に気づけば発見できます。次の章で見方を押さえてから、もう一度書類を見返すと、見落としが減ります。
事務組合に委託している場合の見つけ方
労働保険事務組合に委託している場合、年度更新や納付などの実務を事務組合が代行していることがあり、社内の控えが薄いケースがあります。この場合は、次の順で確認すると早いです。
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事務組合から受け取った「年度更新関連の控え」「会員向けの通知」「加入証明」などを探す
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見つからなければ、事務組合へ「労働保険番号(14桁)を確認したい」と問い合わせる
事務組合経由の場合、会員事業所に枝番号が付与されて管理されることがある、という説明がされている記事もあります。実務上は、枝番号を含む14桁全体を正確に扱うことが重要です。
労働保険番号14桁の見方と正しいか確かめる方法
14桁の内訳(府県・所掌・管轄・基幹・枝)
労働保険番号は、次の並びで構成される14桁です。
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府県(2桁):都道府県を表す番号(例:東京は13など)
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所掌(1桁):取り扱い機関の区分(例:監督署側=1、安定所側=3 といった説明が一般に見られます)
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管轄(2桁):同一都道府県内の管轄署・安定所の区分
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基幹番号(6桁):徴収上の事業単位を示す番号
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枝番号(3桁):枝番(特定の管理が必要な場合など)
この構成(府県・所掌・管轄・基幹・枝)で説明されている資料が複数あります。年度更新の公式様式にも「労働保険番号」欄が設けられており、14桁を扱う前提があることが分かります。
探し方のコツ
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書類上で「労働保険番号」と明記され、ハイフン区切りで印字されていることがあります
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ハイフンがなくても、「2桁→1桁→2桁→6桁→3桁」に切れそうな数字列は候補です
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“11桁(4-6-1)”が出てきたら、それは別番号の可能性が高いので、いったん保留します
枝番号が000のことが多い理由と例外
枝番号は「000」のまま運用されることが多い一方で、委託や管理上の事情により「000以外」が付く場合もあります。よくある失敗は「枝番号が000じゃないから間違い」と決めつけてしまうことです。
安全な判断は次のとおりです。
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枝番号が000でも、000以外でも、“14桁の構成に合うか”で判断する
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事務組合委託の場合は、枝番号が付与されて管理される説明もあるため、事務組合から通知された番号を正として扱う
見つけた数字が“別番号”のときの判定ポイント
書類で見つけた数字が「労働保険番号かどうか」を短時間で判定するために、次の表を使うと迷いが減ります。
表C:見つけた数字の判定(14桁らしさチェック)
| 判定質問 | はい | いいえ | 次の行動 |
|---|---|---|---|
| 14桁(または 2-1-2-6-3 に分割)できる | 候補 | 12〜13桁等なら別物の可能性 | 14桁の候補を探し直す |
| 11桁(4-6-1)に見える | 別番号の可能性大 | 雇用保険側(11桁)として扱い、14桁を別途探す | |
| 「労働保険番号」とラベル表示がある | ほぼ確定 | ラベルのある書類を優先して採用 | |
| 年度更新・納付・成立届の系統の書類 | 確度が上がる | その書類の控えを保管し直す |
この判定を挟むだけで、「11桁を転記して差戻し」という最悪のパターンを避けやすくなります。
労働保険番号と雇用保険適用事業所番号の違い
桁数と用途の違いを比較表で整理
「会社の番号」は複数あります。混乱を止めるために、まずはこの表を一度だけ見て整理してください。
表A:番号の種類比較
| 名称 | 桁数 | 何を特定する番号か | 主に出てくる書類・場面 | 間違えやすい点 |
|---|---|---|---|---|
| 労働保険番号 | 14桁(2-1-2-6-3) | 労働保険(労災+雇用)の事業単位 | 年度更新、労働保険の申告・納付、労災関連など | 11桁を転記しがち |
| 雇用保険適用事業所番号 | 11桁(4-6-1) | 雇用保険の適用事業所 | 適用事業所台帳、雇用保険の手続書類 | 「会社の番号」として14桁と混同 |
| 雇用保険被保険者番号 | 11桁(個人) | 個人(労働者) | 被保険者証、離職票など | 事業所番号と混同 |
雇用保険の事業所番号が11桁(4-6-1)である説明は複数の資料で確認できます。14桁と11桁を“別の棚”に分けて管理すると、提出業務が急に楽になります。
11桁はどの書類に載るか(適用事業所台帳など)
11桁の雇用保険適用事業所番号は、雇用保険に加入している事業所に付与される番号で、確認方法として「適用事業所台帳」等を挙げる案内があります。写真付きで11桁構成を説明するページもあります。
一方、労働保険番号(14桁)は年度更新など労働保険の申告・納付系に出やすいため、雇用保険の書類で見つかった11桁は“正しい11桁”でも、14桁とは限らない、という点が重要です。ここを切り分けるのが、差戻し防止の最短です。
労働保険番号が見つからないときの確認ルート
社内確認で最短にする聞き方
社内で聞くときは、「番号が分かりますか?」ではなく、相手が探しやすい情報を渡すのが近道です。
おすすめの聞き方(そのまま使える文面)
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「労働保険番号(14桁)が必要です。年度更新の控え、または保険関係成立届の控えに載っている番号を確認したいです」
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「11桁(雇用保険)ではなく、14桁(2-1-2-6-3)です」
さらに、保管場所を一緒に聞くと探索が早まります。
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「年度更新のファイルは年度別でどこにありますか?」
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「労働保険の成立届や概算申告書の控えは、社労士さん管理ですか?」
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「納付書や領収済通知書の控えはどこに保存していますか?」
“相手の頭の中の地図”が引き出せるので、聞き方だけで解決することも珍しくありません。
監督署・労働局への照会の現実的な進め方
書類がなく、社内でも分からない場合は、所轄への確認が必要になります。ただし、電話で完結するか、窓口対応が必要か、どこまで案内してもらえるかは、状況や確認手続きによって変わるため、最初の連絡では「必要な持ち物・確認手順」を聞くのが安全です。
照会前に準備しておくとよい情報
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事業所の正式名称(登記上の表記が望ましい)
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所在地(本社・事業場の住所、分かれば就業場所)
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代表者名
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会社の電話番号
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法人番号(分かる範囲で)
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事業開始の時期、従業員を雇い始めた時期
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事務組合委託の有無(委託ならその名称)
なお、労働保険の基本手続として、保険関係成立届(原則10日以内)や概算保険料申告書(原則50日以内)といった流れが示されています。新設や採用直後で書類が少ない場合は、この“成立時の束”を起点にすると見つかりやすいです。
ハローワークで確認できる範囲と注意
ハローワークは雇用保険の窓口であり、11桁の雇用保険適用事業所番号に関する情報が揃いやすい場所です。11桁の構成や確認方法に触れている資料もあります。
一方で、インターネット上には「検索して番号を調べられる」といった表現が見られることもありますが、公式様式や公的案内の観点では、まずは手元の控え(年度更新・成立届・申告書・納付書)を確認するのが最も確実です。年度更新の書類に番号が印字される旨を説明している記事もあり、実務としても“ここを見る”が近道です。
労働保険番号14桁を扱うときの注意点
社外提出・メール送付時の管理(情報管理)
労働保険番号は事業所を特定する情報です。社外提出の前に、次を徹底してください。
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様式が本当に求めているのが「労働保険番号(14桁)」か確認する(雇用保険番号や個人番号の欄ではないか)
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メール送付の場合は宛先・CCの誤送信防止、必要に応じたパスワード付与など、社内ルールに従う
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社内でも閲覧権限を必要最小限にする(保管場所を固定し、探し回らない)
番号そのものが機密情報に当たるかどうかの扱いは会社の規程次第ですが、少なくとも「誤送信」「誤提出」はトラブルになりやすいため、ルール化しておくと安心です。
記入ミスを防ぐチェックリスト
最後に、提出前のチェック項目です。転記ミスを防ぐため、毎回この順で確認してください。
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様式に「労働保険番号」と明記されている
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14桁(または 2-1-2-6-3 の区切り)になっている
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11桁(4-6-1)を転記していない
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枝番号まで含めて写している(通知・控えの表記どおり)
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転記元の書類名と年度(例:令和○年度の年度更新控え)をメモした
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提出後も同じ場所に控えを保管できるよう、ファイル名・格納先を決めた
労働保険番号14桁を最短で見つける探索表
ここまでの内容を「1枚」で運用できるように、探索表にまとめます。次に同じ状況になっても、この表に沿えば迷いません。
表B:どの書類のどこに載るか(探索の優先順位)
| 優先 | 書類名 | 見つかりやすさ | 入手しやすさ | どこを見ればよいか(目安) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 年度更新の申告書控え/所轄から届く年度更新書類 | ●●● | ●●● | 「労働保険番号」欄、事業所名の近く |
| 2 | 保険関係成立届(事業主控え) | ●●● | ●● | 表面の事業所情報欄(番号欄) |
| 3 | 概算保険料申告書控え/納付書(領収済通知書)控え | ●●● | ●● | 番号欄、印字済の項目付近 |
| 4 | 労災対応書類の控え(過去に労災があれば) | ●● | ● | 事業所情報欄(番号記載欄) |
| 5 | 事務組合からの通知・控え(委託している場合) | ●● | ●● | 通知の事業所情報、会員情報の欄 |
| 6 | 所轄へ照会(控えがない場合) | ● | ● | 必要情報を準備して手順確認から開始 |
年度更新の書類に番号が印字される可能性がある点、成立届・概算申告書の期限や位置づけは、公的案内や公式資料から裏取りできます。
参考にした情報源
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厚生労働省「労働保険の成立手続」https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/daijin/hoken/980916_2.htm
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厚生労働省「令和7年度 労働保険 年度更新 申告書の書き方(PDF)」https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/hoken/kakikata/dl/koyou-all.pdf
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兵庫労働局「労働者を雇用したとき(労働保険)」https://jsite.mhlw.go.jp/hyogo-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudou_hoken/tetsuzuki/ippan_jigyo/koyoushitatoki.html
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マネーフォワード クラウド給与「労働保険番号とは?わからないときの調べ方を解説!」https://biz.moneyforward.com/payroll/basic/55254/
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dfe.jp「労働保険番号とは わからないときの調べ方」https://dfe.jp/blog/roudou_hoken/
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ジョブカン労務HRヘルプ「雇用保険『番号(事業所番号)』とは」https://jobcan-lms.zendesk.com/hc/ja/articles/360001396532–%E9%9B%87%E7%94%A8%E4%BF%9D%E9%99%BA-%E7%95%AA%E5%8F%B7-%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E6%89%80%E7%95%AA%E5%8F%B7-%E3%81%A8%E3%81%AF
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マネーフォワード クラウド給与「雇用保険適用事業所番号とは?」https://biz.moneyforward.com/payroll/basic/70619/