R.I.P. の本来の意味と由来
「RIP」または「R.I.P.」は、もともと亡くなった人に向けた追悼の言葉です。
ラテン語 requiescat in pace(レクイエスカト・イン・パーチェ)の略で、英語では rest in peace と表現され、日本語では「安らかに眠れ」「ご冥福をお祈りします」といった意味になります。
英語圏では、
といった形でよく使用されます。
このように、本来のR.I.P.は宗教的・文化的背景を持つフォーマルな追悼表現である点をまず押さえておくことが重要です。
読み方と表記の違い(RIP / R.I.P.)
読み方としては、主に次の2つがあります。
フォーマルな場面では「アール・アイ・ピー」と読むほうが一般的です。
表記については、本来は略語であることを示すために R.I.P. とピリオド付きで書く形が正式です。
ただし、ゲームやネットでは次のような省略形が多く使われます。
チャット・SNSでは、ほとんどがピリオドなしの「RIP」で問題ありません。
ゲーム・ネットスラングとしての「RIP」の意味
味方や自分がやられたときの「RIP」=「オワタ」「ご愁傷様」
オンラインゲームや配信のコメント欄で見かける「RIP」は、実際の死を指すことはほとんどなく、「終わった」「オワタ」「ご愁傷様」といった軽いスラングとして使われるケースが多いです。
たとえば次のような場面です。
味方が一瞬で溶けてしまった
自分が敵のウルトに巻き込まれて即死した
勝負どころで自爆してしまった
このようなときに、チャットで
RIP me...(自分終わった…)
RIP our tank(タンク終わったな…)
などと送ります。ニュアンスとしては日本語の
「オワタ」
「ご愁傷様」
「逝った」「死んだw」(比喩的な言い回し)
に近く、自虐やネタに近いリアクションです。
味方のミスに対しても、仲が良いフレンド同士であれば、
のように、軽い冗談として用いられることがあります。
敵に向けた「RIP」は煽りになりやすい
一方で、敵に向けて「RIP」と書くと、煽り行為と受け取られる可能性が高くなります。
例としては、
といった使い方です。
これは「安らかに眠ってろ」「お前はもう終わりだ」といったニュアンスになり、見下しや挑発の意味合いが強くなります。
フレンド間で「お互い煽りOK」という前提がある場合を除き、
などでは、敵に対する「RIP」は避けたほうが無難です。
実際のゲームチャット例(OKな使い方・NGな使い方)
OK寄りの例(状況と相手次第で許容されやすい)
味方がジャンプミスで奈落に落ちた
自分が致命的なミスをした
配信者がコンボを落としたときのコメント
いずれも、自分や味方に向けた自虐・ネタの範囲であり、雰囲気次第では受け入れられやすい表現です。
NG寄りの例(トラブルになりやすい)
一方的な試合展開のあと
ランク差がある相手に勝った直後
このような表現は、相手を見下した煽りチャットと受け取られやすく、通報の対象にもなり得ます。
使わないほうがよい表現と考えてください。
英単語「rip」やその他の「RIP」との違い
英単語 rip(破る・引き裂くなど)の意味
「RIP / R.I.P.」とは別に、rip という通常の英単語も存在します。
こちらは略語ではなく動詞で、代表的な意味は次のとおりです。
例文としては、
のようなイメージです。
ゲームチャット上では、rip が単語として使われるケースは多くありませんが、綴りが同じなので紛らわしく見えることがあります。
ネットワーク用語RIPなど、別の略語としてのRIP
IT分野では、RIP が
の略として使われます。
これはルーター同士が経路情報をやり取りするためのプロトコル名であり、ゲームスラングとしてのRIPとは無関係です。
そのほかの業界でも独自に「RIP」を略語として使っている場合がありますが、ゲームチャットや配信コメント欄で見かけるRIPは、ほぼ「Rest In Peace」由来の表現と考えて差し支えありません。
文脈から意味を見分けるポイント
「RIP / rip」が出てきたときは、次のポイントで意味を判断するとよいです。
大文字・小文字
前後の単語
使われている場所
ゲームで「RIP」を使うときのマナーと注意点
フレンド同士の冗談で使うときのコツ
フレンドとプレイしているときなど、お互いの関係性が分かっている状況であれば、RIPを軽い冗談として使うこともあります。
たとえば、
といった形です。
このように、自分やチーム全体に向けて使うと、相手を直接傷つけにくくなります。
トラブルを避けるためのコツとしては、
まずは自分に向けた自虐表現として使う
味方に対して使うのは、仲が良いフレンドに限定する
テキストだけだときつく見えやすいので、lol や絵文字などを添えて冗談であることを示す
といった点を意識すると安全です。
避けたほうがよい場面・相手
次のような状況では、RIPの使用を控えたほうがよいです。
特に、
といった行為は、ハラスメントやスポーツマンシップ違反として受け取られやすく、通報・ブロックの対象になり得ます。
迷う場面では、RIPそのものを使わない判断が無難です。
迷ったときの代わりの表現(gg, nice try など)
「ここでRIPって書いても大丈夫かな?」と迷うときは、より安全な表現に置き換えると安心です。代表的なものは次のとおりです。
gg(good game)
→ 試合全体が終わったときの「ナイスゲーム」
wp(well played)
→ 「ナイスプレイだった」
nice try / nt
→ 「いいチャレンジだった」「惜しかった」
日本語チャットでの
→ 「ドンマイ」「惜しい」「ナイスファイト」など
これらは、相手や味方を尊重する前向きな表現であり、RIPよりも誤解されにくいです。
まとめ:意味とマナーを知って安全に「RIP」を使おう
「RIP / R.I.P.」は、もともと「安らかに眠れ」「ご冥福をお祈りします」という追悼表現です。
ゲームやネットではそこから転じて、「オワタ」「ご愁傷様」といった軽いスラングとして、自分や味方の失敗・敗北をネタにするときによく使われます。
一方で、敵に対して使うRIPは強い煽り表現になりやすく、トラブルの原因になるため注意が必要です。
rip という通常の英単語や、IT用語のRIP(Routing Information Protocol)とは別物であり、文脈から意味を判断することが重要です。
使うか迷ったときは、gg, nice try, 「ドンマイ」「ナイスファイト」など、より無難でポジティブな表現に切り替えると安心です。
本来の意味とゲームスラングとしての使われ方を理解したうえで、場面と相手を選びながら、適切に「RIP」を使うようにしてください。