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Razerヘッドセット設定の完全ガイド|SynapseとWindowsで音質・マイク・THX/7.1を最適化

Razerのヘッドセットを接続したのに「音がこもる」「足音の方向が分かりにくい」「マイクが小さくて聞き返される」「Synapseに表示されない」——そんな悩みは、製品不良ではなく設定のズレが原因で起きていることが少なくありません。
Razerヘッドセットの性能を引き出すには、Razer Synapseだけを触るのではなく、Windowsの既定デバイス設定→Synapse(3/4)→THX/7.1→アプリ側(ゲーム・Discord・Zoom)の順で整えることが最短ルートです。

本記事では、型番と接続方式による違いを押さえたうえで、音質調整(EQ)・空間オーディオ(THX/7.1)・マイクの明瞭化までを、チェックリストと手順付きで丁寧に解説します。さらに「音が出ない」「THXが効かない」「片耳になる」といったトラブルも、原因を切り分けながら復旧できるようにまとめました。
読み終えた頃には、迷わず設定を整えられ、ゲームでも通話でも“狙った音”を安定して出せる状態を作れるはずです。

※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。

目次

Razerヘッドセット設定でまず確認したいこと

Razerのヘッドセットは、接続した瞬間から音が出ることも多い一方で、「期待していた音と違う」「マイクが小さい」「ゲームで足音の方向が分からない」「Synapseに出てこない」などのつまずきが起こりやすい機器でもあります。理由は単純で、ヘッドセットの“音”はヘッドセット単体で完結せず、Windowsの既定デバイス設定Razer Synapse側の処理(EQ・サラウンド・マイク機能)、そしてゲームや通話アプリ側の入出力設定が重なって、最終的な聞こえ方・録れ方が決まるからです。

この記事では、まず「壊れているのか設定がズレているのか」を切り分けられるように、順番を固定して解説します。基本は次の通りです。

  • 1)型番・接続方式を確認して、できることを把握する

  • 2)Windows側で出力と入力(マイク)を既定にして土台を整える

  • 3)Synapseで音質(EQ)・サラウンド(THX/7.1)・マイク処理を調整する

  • 4)アプリ側(ゲーム/Discord/Zoom等)で入出力の最終確認をする

この順に進めると、「どこを触ったら直るか」が明確になり、設定が迷子になりにくくなります。

型番と接続方式で設定方法が変わる

最初に押さえたいのが、Razerヘッドセットは型番と接続方式によって「Synapseで触れる範囲」「サラウンドの扱い」「トラブルの出方」が変わる点です。ここを飛ばすと、説明どおりに進めても画面が一致しない、そもそも項目がない、といった混乱が起きます。

代表的な接続方式ごとの特徴は次の通りです。

  • USB有線(USBヘッドセット/USBオーディオ)
    Windows上に「専用の再生デバイス・録音デバイス」として表示されます。SynapseでEQやマイク処理が扱えるケースが多く、比較的“設定通りに動きやすい”傾向があります。一方、出力デバイス名が複数出る機種もあり、既定の取り違えが発生しやすいです。

  • 2.4GHzワイヤレス(USBドングル)
    音声の安定性と遅延の少なさが魅力です。Windowsではドングルが音声デバイスとして見えます。ゲーム用途で快適ですが、USBポート相性、電波干渉、スリープ復帰時のデバイス切り替えなど、環境要因の影響を受ける場合があります。

  • Bluetooth
    便利ですが、WindowsではBluetoothの音声プロファイルの影響が大きく、状況によっては音質が落ちたり、マイクを使うと音が変わったりします。通話とゲーム音声を同時に扱うと挙動が変わることがあり、ここで「急にこもった」「音が軽い」と感じることが多いです。

  • 3.5mmアナログ(イヤホンジャック)
    PC側では“ヘッドセット”というより“アナログ音声”として扱われます。機種によってはSynapseの詳細機能(特にデバイス認識が必要な機能)が使えない場合があり、その場合はWindows・サウンドドライバ・ゲーム/通話アプリ側での調整が中心になります。
    重要なのは、3.5mm接続が悪いのではなく、できる調整の場所がSynapseから別の場所へ移るという点です。

まずは製品名(型番)と接続方式を確認し、「Synapseに出ない=故障」と決めつけないことが第一歩です。特に“音は出るがSynapseに出ない”は、接続方式や対応範囲が理由のことも珍しくありません。

Windows側の出力と入力を既定にする

次に、土台となるWindows側の設定です。ここが整っていないと、Synapseでどれだけ調整しても成果が出ません。よくあるのが、次のような状態です。

  • 出力はRazerだが、マイク入力が別デバイスになっている(Webカメラのマイク等)

  • ゲームはRazerに出ているが、Discordだけ別の出力に出ている

  • モニターのスピーカーやHDMI音声に勝手に切り替わる

  • “THX”のような出力が増えて、どれを選べばいいか分からない

まずは一度、Windowsで「今使うべき出力」と「今使うべき入力(マイク)」を固定してください。

手順(Windows 11/10)

  1. タスクバーのスピーカーアイコンからサウンド設定を開きます

  2. 出力:Razerヘッドセット(またはRazerのドングル/USBオーディオ)を選びます

  3. 入力:Razerヘッドセットのマイク(または該当デバイス)を選びます

  4. 出力のテスト音、入力のレベルメーターで反応を確認します

ここでのコツは、「音が出るかどうか」だけでなく、“思っているデバイスから出ているか”を確認することです。たとえば音が出ても、実はモニターから出ていた、というケースもあります。

ここでのチェックリスト

  • 出力(再生デバイス)がRazerになっている

  • 入力(録音デバイス)がRazerのマイクになっている

  • 音量ミキサーで、対象アプリがミュートではない

  • 物理ボリューム(インラインコントローラ等)が絞られていない

  • イヤーカップのミュートスイッチがONになっていない

  • 別のUSBオーディオやHDMI音声に切り替わっていない

この“土台づくり”が終わったら、次にSynapseで「音を作る」工程へ進みます。

Synapse 3とSynapse 4の違いを最小限で理解する

Synapseは世代によりUIやモジュール構成が変わります。画面が違っても、ヘッドセット設定で重要なのは、次の共通原則です。

  • Windows既定デバイスが最優先の土台

  • Synapseはその上で、EQ・サラウンド・マイク処理を適用する場所

  • 最後にアプリ側で“入出力の指名”を揃えて完成

つまり、UIの違いに引っ張られず、「何をどこで決めるか」を理解しておくと迷いません。

また、Synapse関連で多いのが「入れ直したら音が変わった」「アップデート後に設定が効かない気がする」というケースです。こういう時は、設定を一気に触るのではなく、Windows既定→Synapse→アプリの順に戻って、どの段階でズレたかを確認してください。戻れる道筋があるだけで、トラブル対応の難易度が大きく下がります。


Razer Synapseでヘッドセット音質を整える設定

土台ができたら、いよいよ“音作り”です。ここで重要なのは、闇雲に数値をいじらないことです。音は好みと用途で正解が変わります。特にゲーム用途では、ゲーム内の音声設計(ミックス)や、プレイヤーが聞き取りたい情報(足音・銃声・環境音)が違います。

最も失敗しない方針は次の通りです。

  • まずフラット(素に近い状態)を基準として作る

  • 用途別に「最小限の差」だけつけてプリセット化する

  • 変えたら必ず“同じシーン”で比較して戻せるようにする

EQはまずフラットから始める

EQ(イコライザー)は、低音・中音・高音などの帯域ごとの強さを変える機能です。便利ですが、いきなり大きく動かすと、次の副作用が起きやすくなります。

  • 低音を上げすぎて、銃声・爆発音が膨らみ、足音が埋もれる

  • 高音を上げすぎて、金属音や破裂音が刺さり、耳が疲れる

  • 中音を下げすぎて、セリフや味方の声が聞こえにくくなる

そのため、最初はフラット(もしくは“素に近いプリセット”)で「基準音」を作るのが大切です。基準音がないまま調整を始めると、良くなったのか悪くなったのか判断できず、結果として設定が迷子になりがちです。

おすすめの進め方は以下です。

  1. EQをフラットに近い状態へ

  2. いつも遊ぶゲームで、同じ場所・同じ音(射撃場やトレーニング等)を用意

  3. 低域→中域→高域の順に、少しずつ動かして比較

  4. “良くなった気がする”ではなく、“何が聞こえやすくなったか”で判断

FPS向けに足音を拾いやすくするEQの考え方

FPSで重要なのは、足音やリロード音など「位置情報につながる細かい音」が埋もれないことです。多くの場合、邪魔になるのは過剰な低音(ドン、ゴーという厚み)です。低音が気持ちいいのは事実ですが、FPSでは情報量を奪うことがあります。

FPS向けの基本方針は次の通りです。

  • 低域を少し抑える:爆発音や環境低音の圧を減らす

  • 中高域を少し持ち上げる:足音、衣擦れ、金属音の輪郭が出る

  • 上げすぎない:刺さる音になったら逆効果

目安(まず試す調整幅)

  • 低域:-1〜-3

  • 中域:+1〜+3

  • 高域:+1〜+2

ここで大事なのは、「勝ちたい=高音を上げればいい」ではない点です。高音を上げすぎると、銃声やスキル音が鋭くなって疲れ、長時間プレイでは集中力が落ちます。足音が聞こえやすい範囲を探し、必要以上に上げないことが“強い設定”になります。

また、ゲーム側にも音声プリセット(ヘッドホン/ナイトモード/ブースト等)がある場合があります。ゲーム側でブーストをかけ、さらにSynapse側でもブーストを重ねると、過剰処理で音が不自然になります。まずはどちらか片方を強めにし、もう片方は控えめにするのが安全です。

音楽・映画向けに聴き疲れを減らす調整

音楽や映画は、FPSと目的が違います。重要なのは情報より“心地よさ”や“自然さ”です。FPS向けに低音を削り中高音を持ち上げた設定は、音楽では薄く感じたり、サ行が刺さったりすることがあります。

音楽・映画向けは、次のように考えると整えやすいです。

  • 低域:迫力や厚みの要素。上げすぎるとこもる

  • 中域:ボーカルやセリフの芯。下げすぎると遠くなる

  • 高域:空気感や解像感。上げすぎると刺さる

調整の具体的なコツは次の通りです。

  • 迫力がほしい → 低域を少し上げる(ただしこもったら戻す)

  • セリフが聞き取りにくい → 中域を少し上げる

  • シャリシャリして疲れる → 高域を少し下げる

  • こもって抜けない → 高域を少し上げる(上げすぎ注意)

「万能設定」を探すより、用途別プリセットを作るほうが圧倒的に楽です。FPS用、音楽用、通話用の3つがあれば、日常のストレスがかなり減ります。

アプリ別ミキサーとゲームプロファイルの使い方

Synapseには、環境により「アプリ別の音量調整」や「ゲームごとのプロファイル切り替え」に関係する機能が用意されていることがあります。これを活用すると、次のような運用が可能になります。

  • ゲームの音は大きめ、Discordは少し小さめ

  • 深夜は全体音量を抑えつつ、足音帯域だけ少し強め

  • ゲーム起動と同時に、FPS用EQへ自動切替

使い方のコツ

  • まず「普段使いの基本プロファイル」を作る(ここが基準)

  • よく遊ぶゲームだけ個別プロファイルを作る(全部は作らない)

  • 切り替えが面倒なら、手動でも良いので“目的別”に3つだけ用意する

また、Windows側の音量ミキサーや、Discord側の音量調整とも重なるため、音量が変に小さい・大きいと感じたら、どこで音量を絞っているのかを一つずつ確認してください。複数箇所で少しずつ絞っていると、原因が見えにくくなります。


RazerヘッドセットのTHX Spatial Audioと7.1の設定

サラウンド(空間オーディオ)は、理解が難しいと感じやすい部分です。ですが、ポイントは「何をサラウンド処理しているのか」と「Windowsがどのデバイスに出しているのか」の2点に集約されます。

  • Windowsが出力する“出口”が違うと、サラウンド処理が当たらない

  • ゲーム内設定とサラウンド処理が噛み合わないと、定位が崩れる

この章では、迷いやすい場所を“考え方”として整理します。

THX Spatial Audioが関係する出力デバイスの考え方

THX Spatial Audioが有効な構成では、Windowsの出力候補に「ヘッドセット本体の出力」と「THXに関係する出力」のように、複数の出力が見えることがあります。このとき重要なのは、どれを既定にするかです。

迷ったら、次の判断軸で進めると安全です。

  • まずは“素の出力”で音が安定して出る状態を作る

  • その後、THXをONにし、Windows側の出力を見直す

  • 音が極端に小さい、遠い、位相が変、という時は出力が噛み合っていないサイン

迷ったときの戻し方

  1. Windowsの既定出力を、ヘッドセットの基本出力へ戻す

  2. Synapse側でTHX(空間処理)をOFFにする

  3. 音が自然に戻るか確認する

  4. 問題が解消したら、THXをONにして再度試す

  5. 変になったら、どの切り替えで変化したかを記録して戻す

この“戻し方”を知っていると、サラウンド設定は急に怖くなくなります。試して戻せるからです。

ゲーム内の音声設定はどれを選ぶべきか

ゲーム内には「ヘッドホン」「ステレオ」「5.1」「7.1」などの設定があることがあります。ここはゲームごとの設計差が大きいため、絶対の正解はありません。ただ、失敗しにくい進め方はあります。

  • まずはゲーム内の“ヘッドホン(またはステレオ)”を選び、定位が自然か確認

  • THX/空間処理を使うなら、ゲーム側の過剰なサラウンド設定は避ける(処理が二重になる可能性)

  • 逆に、ゲーム側の7.1を使う場合は、Synapse側の空間処理は控えめにして比較する

判断のポイントは、「音が派手かどうか」ではなく、「方向と距離が正しく感じるか」です。派手さは簡単に作れますが、定位が崩れるとプレイ体験が悪化します。

次の症状が出たら、設定が噛み合っていない可能性が高いです。

  • 足音が自分の周囲でぐるぐる回る

  • 正面の音が上から降ってくるように感じる

  • 音が全体的に遠く、小さい

  • セリフや効果音が不自然に広がる

この場合は、ゲーム内設定を一度ステレオ/ヘッドホンに戻し、THX側のON/OFFで比較して原因を切り分けると早いです。

7.1 Surround Soundの登録とアクティベーション

7.1 Surround Soundは、対応ヘッドセットであっても、アクティベーションコードや登録が必要なケースがあります。ここでつまずく典型パターンは次の通りです。

  • コードが見当たらず、どこで有効化するか分からない

  • 自分の機種が対応なのか分からない

  • 有効化したつもりでも、どこに適用されているか分からない

この対処としては、次の順が確実です。

  1. 型番を確認し、7.1が前提の機種・構成かを確認

  2. コードの有無(同梱カード、購入情報、登録画面など)を確認

  3. 有効化後、Windowsの出力デバイスとSynapse設定の関係を確認

  4. 変化が分からない時は、まず“素の状態”に戻して比較する

サラウンドは「効いているかどうか」が分かりにくい機能です。だからこそ、比較するときは同じ音源(ゲーム内の同じ場所、同じ効果音、同じテスト音)を用意し、ON/OFFで差を確認してください。


Razerヘッドセットのマイク設定で声をクリアにする

ヘッドセット設定で意外と多い悩みがマイクです。音よりも“相手がいる”ぶん、失敗がストレスになりやすいからです。マイク調整の目的は次の3つに集約できます。

  • 声量を適正にする(小さすぎない、大きすぎない)

  • ノイズを抑えて聞き取りやすくする

  • こもりや刺さりを減らし、明瞭にする

そして、マイクもまた「Windows→Synapse→アプリ」の順で整えます。

マイク音量と入力レベルの基準

まずはマイク音量(入力レベル)です。よくある失敗は、いきなり最大にしてノイズが増え、結局聞き取りにくくなることです。順番は次の通りが安全です。

  1. Windowsで入力デバイスがRazerになっていることを確認

  2. Windowsの入力レベルメーターで、話したときに反応があることを確認

  3. Synapse側にマイク音量があるなら、少しずつ上げて適正にする

  4. Discord/Zoomなどアプリ側の入力レベルも確認する

目安としては、普通の声で話したときに、入力が極端に小さくならない範囲に整えます。アプリ側にテスト機能があるなら活用すると確実です。

また、物理ミュートや物理ボリュームが付いている機種は、Windows側で上げても音が入らないことがあります。物理側が原因のケースは意外と多いので、設定に入る前に必ず確認してください。

ボイスゲートとノイズ抑制の使い分け

次にノイズ対策です。ここは“強くしすぎると声が犠牲になる”ので、やり過ぎないことがコツです。

  • ボイスゲート
    一定以下の小さい音をカットして、喋っているときだけ通す機能です。キーボード音や環境音を切りやすい反面、設定が強いと語尾が切れたり、小声が消えたりします。

  • ノイズ抑制(周辺音の遮断)
    環境ノイズを目立たなくする機能です。強くしすぎると声が細くなったり、ロボっぽくなったりすることがあります。

まずはこの順で

  1. ノイズ抑制を弱めにON(声が変質しない範囲)

  2. ボイスゲートを軽めにON(語尾が切れない範囲)

  3. まだ気になる場合は、マイク位置や口元距離、入力レベルを調整

  4. 最後にアプリ側のノイズ抑制が二重になっていないか確認

「ノイズが気になるから全部ON」は逆効果になりがちです。Synapseでノイズ抑制を入れるなら、Discord側のノイズ抑制は控えめ、というように“どこか一箇所で主に処理する”と破綻しにくくなります。

マイクEQと明瞭度の上げ方

声がこもる、聞き返される、という場合は、マイクEQや明瞭度系の機能が役立ちます。ただし、ここもやりすぎ注意です。

  • こもる → 中域を少し持ち上げる、不要な低域を少し抑える

  • 刺さる → 高域を少し抑える

  • しゃべりが聞こえにくい → 明瞭度系を少し上げる

重要なのは、話し声は“録って聞いて”初めて判断できる点です。自分の耳で直接聞く音ではないため、可能なら録音して確認してください。Discordのテスト、Windowsの録音機能、Zoomのテストなどを使うと、調整が一気に早くなります。

DiscordとZoomで失敗しない設定

最後にアプリ側です。ここがズレていると、どれだけSynapseで整えても相手には反映されません。

  • Discord:入力デバイスがRazerになっているか

  • Zoom:マイク選択がRazerになっているか

  • 自動調整(自動入力感度・自動音量調整)が働きすぎていないか

  • Echo/ノイズ抑制が二重になっていないか(Synapse+アプリ)

アプリ側の設定は、アップデートや機器の抜き差しで勝手に変わることがあります。急に聞こえが悪くなった時は、まずここを確認すると復旧が早いです。


Razerヘッドセット設定がうまくいかない時の対処法

ここからは、症状別の切り分けです。設定がうまくいかないときは、原因が1つではなく、複数の要因が重なっていることがあります。そのため、闇雲に再インストールするより、チェックリストで一段ずつ戻すほうが確実です。

Synapseに表示されない時のチェックリスト

「Synapseに出ない」は、次のどれかであることが多いです。

  • 接続方式的にSynapseで認識しない(または機能が限定される)

  • USBポート相性や認識不良で、OSがデバイスとして掴めていない

  • Synapse側が一時的にデバイス情報を取り込めていない

  • Windows側でデバイスが不安定(スリープ復帰等)

チェックは次の順で進めると切り分けやすいです。

  • USB/ドングルなら、別ポートに挿し直す(可能なら背面ポートも試す)

  • USBハブ経由なら、直挿しにする

  • Bluetoothなら、いったんペアリング解除→再ペアリング

  • PC再起動後に改善するか

  • Windowsのデバイス一覧にRazer関連が見えているか

  • Synapseの更新、または一度アンインストール→再インストール

  • 型番を確認し、対応範囲や接続方式の前提を再確認

ここで大切なのは、音が出ているかどうかと、Synapseで高度な設定ができるかどうかは別問題だという点です。音は出るがSynapseに出ない場合、3.5mm接続など“OS側で完結する構成”になっている可能性もあります。

音が出ない時の切り分け手順

音が出ない時は、まず“出口”を疑います。最頻出は既定出力のズレです。

  1. Windowsの出力がRazerになっているか確認

  2. 音量ミキサーで該当アプリがミュートでないか確認

  3. 物理ボリューム・ミュートを確認

  4. 別USBポート、別ケーブル、別ドングル挿し直し

  5. THX/7.1など拡張をOFFにして、素の状態で鳴るか確認

  6. 可能なら別PC/別デバイスで動作確認して、機器側かPC側かを切り分け

“拡張をOFFにして鳴るか”は非常に重要です。鳴るなら機器は生きており、設定や出力の噛み合わせが原因です。鳴らないなら、接続・認識・物理要因の比率が上がります。

THX/7.1が効かない時の確認ポイント

サラウンドが効かない場合は、次を順番に確認してください。

  • Windowsの既定出力が“意図した出力”になっているか

  • Synapse側でサラウンドがONになっているか

  • ゲーム内設定が過剰にサラウンドになっていないか(二重処理)

  • 7.1は有効化要件(登録・コード等)を満たしているか

  • ON/OFFの差が分からない場合、同じ音源で比較できているか

サラウンドは、音源やゲームによって差が出にくいこともあります。比較する音源は、方向が分かりやすいもの(左右移動音、背後からの足音など)を選ぶと判断しやすいです。

片耳・ノイズ・音量差のよくある原因

最後に、よくある“地味に困る”症状です。

  • 片耳になる
    ケーブル・端子の接触、USB不安定、左右バランス設定、アプリの出力チャンネル設定が原因になりがちです。まずは接続の挿し直し、別ポート、バランス設定(左右が偏っていないか)を確認します。

  • ノイズが乗る
    USB給電ノイズ、マイク増幅の上げすぎ、ノイズ抑制の二重掛けが原因として多いです。USBを別ポートへ、マイク増幅を少し下げる、処理の重複を減らす、といった方向で改善します。

  • 音量差が大きい
    ゲームと通話のバランス、Windowsミキサー、アプリ別音量、Synapse側のミキサーが複合して起きます。音量を管理する場所を一つずつ特定し、主にどこで調整するかを決めると安定します。


Razerヘッドセット設定を安定させる運用のコツ

最後は「一度整えた設定を崩さずに使い続ける」ための運用です。ヘッドセットは、更新(Windowsやドライバ、Synapse)や、USBの抜き差し、スリープ復帰で状態が変わることがあります。運用のコツは、“戻れる”状態を作ることです。

用途別プリセットの作り方

おすすめは、用途別に最小限のプリセットを3つ作ることです。これだけで迷いがほぼ消えます。

おすすめの3プリセット

  • FPS用
    低域控えめ、中高域少し上げ。定位重視。疲れない範囲で。

  • 音楽・映画用
    フラット寄り。刺さる帯域を抑え、セリフが聞き取りやすい中域を整える。

  • 通話用
    マイクのノイズ抑制弱め+ボイスゲート軽め。聞き返されない声量へ。

作り方のポイントは次の通りです。

  • プリセット名を用途そのものにする(迷わない)

  • 変える項目を最小限にする(EQだけ、マイクだけ、など)

  • “違いが分かる程度”に留める(過剰調整は不安定になる)

アップデート前後の確認ポイント

アップデート後は、次がズレやすいです。

  • Windowsの既定出力・既定入力が別デバイスに戻る

  • THX/空間処理がOFFになっている、またはONになっている

  • アプリ側の入出力が初期化される

  • 音量ミキサーのバランスが変わる

更新直後に違和感が出たら、最初の章のチェックリストへ戻り、既定デバイス→拡張→アプリの順に確認してください。これが最短ルートです。

設定をバックアップ・移行する考え方

Synapseの設定は、環境移行や再インストールで崩れることがあります。対策としては、次のような考え方が有効です。

  • まず“基本プロファイル”を作り、そこを常に戻り先にする

  • 変更するたびに、何を変えたかをメモしておく(特にサラウンド)

  • 移行時に不具合が出たら、一度フラットへ戻して作り直す判断も持つ

プロファイル移行は便利ですが、環境差やバージョン差で想定外が起きることもあります。「作り直せる規模」にしておくのが安定運用のコツです。

長時間使用のためのメンテナンス

設定だけでなく、日々の使い方も快適さに直結します。

  • イヤーパッドは定期的に拭き取り、湿気を溜めない

  • マイクは口元距離を一定にし、息が当たりすぎない角度にする

  • ケーブルは根元に負荷をかけない(片耳化の予防)

  • ワイヤレスはドングル周りの干渉(USB3.0や無線機器)を避ける

ヘッドセットは“音の道具”であると同時に“装着する道具”です。疲れやすさや蒸れも、長時間の満足度を左右します。音が良くても疲れるなら、EQで刺さりを減らす、装着感を見直す、といった方向で総合的に調整してください。