PS5を検討しているものの、「いまのPS4で遊べている」「価格に見合う差があるのか不安」と感じる方は少なくありません。判断を難しくしているのは、PS5の魅力が“スペック表の数字”だけでは伝わりにくく、体感差が遊び方・表示機器・プレイ時間によって大きく変わるためです。
この記事では、PS4を継続しても満足しやすい条件と、PS5に移行したときに体感が変わりやすいポイントを、できるだけ具体的に整理します。さらに、PS4資産の扱い、PS4を使い続ける際のリスク、迷ったときの決め方まで、後悔を減らす観点で掘り下げます。
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PS4で十分と言える条件
遊びたいタイトルがPS4中心
PS4で十分かどうかは、結局のところ「遊びたいゲームがPS4で遊べるか」に尽きます。たとえば次のような状況では、PS5へ急いで移行しなくても満足度は保ちやすいです。
すでに購入済みのPS4ソフトが多く、まずは積みゲーを消化したい
年に数本だけ遊び、最新作を発売日に追いかけるスタイルではない
友人と遊ぶタイトルがPS4世代中心で、環境を合わせる必要がある
新作の中にはPS4版が用意されるものもありますが、今後はPS5専用(またはPS5中心)の流れが強まる可能性があります。とはいえ、現時点で遊びたい候補がPS4で足りているなら、PS4を継続しつつ、移行タイミングを「遊びたいPS5専用タイトルが出たとき」に合わせるほうが合理的です。
また、ゲームの満足度は「ハード性能」だけで決まりません。プレイ時間が限られている方ほど、ハードに投資するよりも、セールでソフトを揃えたり、遊ぶ時間を確保したりするほうが幸福度が上がることもあります。
フルHD環境で満足している
PS5は4Kや120Hz、VRRなどの映像機能をサポートすることが仕様として示されていますが、これらは対応するテレビ/モニターがあって初めて活きる要素です。
つまり、表示機器がフルHDのままでもPS5のメリットがゼロではない一方、画質面の飛躍は限定的になりやすい、ということです。
フルHDで満足している方がPS4を継続しやすい理由は、画質よりも先に「プレイ体験のボトルネック」が別のところにあることが多いからです。たとえば、次のような状態なら、PS5より先に改善余地がある場合があります。
コントローラーのスティックが消耗して操作が安定しない
ストレージ容量が足りず、インストールと削除を繰り返している
ネット環境が弱く、オンラインが不安定
このような問題が主因なら、まず周辺環境を整えたほうが費用対効果が高いケースもあります。逆に、4Kテレビや120Hzモニターをすでに使っていて、対応タイトルで恩恵を受けられる見込みがあるなら、PS5の価値が上がりやすくなります。
オンライン対戦よりソロ・積みゲー消化が中心
オンライン対戦中心のプレイでは、フレームレートの安定や入力遅延の小ささが勝敗や快適性に影響しやすく、ハード差が満足度に直結しがちです。一方で、ソロ中心・積みゲー中心の方は、体験を左右する要素が少し異なります。
ソロ中心のプレイで特に差が出やすいのは、次の2点です。
ロード待ちの体感(待ち時間がストレスになるか)
静音性・発熱(長時間プレイ時に気になるか)
ソロでじっくり遊ぶタイプほど、「ロードの長さが気にならない」「多少のファン音は許容できる」という方もいらっしゃいます。その場合、PS4を継続しても不満が大きくなりにくいです。反対に、物語への没入を阻害するほどロードが気になる、プレイ中の動作が重く感じる、といった不満が積み重なっているなら、PS5へ移行したときの満足度が上がりやすい傾向があります。
PS5に替えると体感が変わるポイント
SSDでロードが短くなる
PS5の体験差で最も分かりやすいのは、やはりロード時間です。PS5は高速SSDを前提に設計されており、公式に「読み込み帯域 5.5GB/s(Raw)」が示されています。
この“前提設計”が重要で、単に速いだけでなく、ゲーム側も高速ストレージを活用する作りになりやすい点が、PS4世代との違いにつながります。
ロード短縮の恩恵が大きいのは、次のようなプレイスタイルです。
ファストトラベルを多用するオープンワールド
周回やリトライが多いアクション/ローグライク
マルチプレイでロビーやマッチングの待ちが多いタイトル
「ロードが短い」こと自体は地味に見えますが、日々のプレイで繰り返し発生する待ち時間が減ると、ゲームに向かう心理的ハードルが下がります。特に忙しい方ほど、起動からプレイ開始までが短いだけで“遊ぶ気力”が残りやすくなり、結果として稼働率が上がることがあります。
一方で、すべてのゲームが同じ割合で短縮されるわけではありません。タイトルの設計、アップデート状況、PS5版の有無などで体感が変わるため、よく遊ぶジャンルほど恩恵があるかを確認しておくと、納得感が高まります。
対応ゲームの高fps・高解像度
PS5は映像出力として4K 120HzやVRRなどをサポートすることが仕様として示されています。
ただし、ここで誤解が起きやすい点があります。「PS5=常に4Kで120fps」という意味ではなく、実際には次の条件が揃って初めて最大限の恩恵が出ます。
タイトル側が高フレームレートモードやVRRに対応している
表示機器が120HzやVRRに対応している
接続(HDMI規格など)や設定が適切である
それでも、高fpsや高解像度の価値は十分にあります。特に“動きの速いゲーム”や“カメラ操作が激しいゲーム”では、フレームレートの安定が酔いにくさや操作感に直結します。また、高解像度は文字やUIの視認性にも影響するため、長時間プレイする方ほど疲労感の差として出ることがあります。
判断のコツは、「自分が最も遊ぶタイトルが、どのモードに対応しているか」を先に調べることです。これにより、スペック上の魅力が自分の環境で“実利”になるかどうかを見極めやすくなります。
静音性や快適性の違い
スペック比較で見落とされやすいのが、日常的な快適性です。長時間プレイでは、ロード時間だけでなく、ファン音や本体の発熱、ゲーム中の動作の滑らかさが、満足度に積み重なっていきます。
たとえばPS4で次のようなストレスがある場合、PS5への移行で「数字以上に快適になった」と感じやすいです。
戦闘やエフェクトが重い場面でカクつく
ファン音が気になり、夜間プレイが落ち着かない
ストレージ整理が頻繁で、遊びたいときにすぐ遊べない
逆に、これらがあまり気にならない方は、PS5の快適性が“贅沢品”に見えやすく、PS4継続でも満足しやすい傾向があります。ここは完全に価値観の問題であり、「快適性にお金を払うかどうか」が分岐点になります。
PS5でもPS4資産は無駄になりにくい
PS4ソフトの後方互換がある
PS5への移行で心配になりやすいのが、PS4で買ったソフト資産です。この点について、公式サポートページでは「PS5本体では、4,000タイトル以上に及ぶPS4ゲームの圧倒的大多数をプレイできます」と案内されています。
つまり、PS5に移行してもPS4ソフトが無駄になりにくく、「PS5を買っても、しばらくはPS4の積みゲーを中心に遊ぶ」という運用も現実的です。
ただし、同ページでは、一部機能が利用できない場合や、エラー・予期しない動作の可能性にも触れられています。
多くの方にとっては問題になりにくい範囲ですが、特定タイトルに強い思い入れがある場合は、事前に互換性情報を確認しておくと安心です。
ディスク/ダウンロードの移行イメージ
移行でつまずきやすいのは、「結局どうやって遊ぶのか」が曖昧なまま検討を進めてしまうことです。ここは、購入スタイルごとに整理すると判断が早くなります。
パッケージ(ディスク)中心の方
ディスクドライブ搭載モデルであれば、PS4ディスク資産を活かしやすい
ディスクの入れ替えが手間でも、セール時の中古購入などを重視する方にはメリットがあります
ダウンロード中心の方
基本的にはアカウントに紐づくため、ログインして再ダウンロードする運用が中心になります
タイトルによってはPS4版からPS5版へのアップグレード手順が用意されており、公式が方法を案内しています
ここで大切なのは、「PS5にしたらPS4ソフトが終わる」という発想を一度捨てることです。実態としては、PS5を導入してもPS4資産を並走させやすい仕組みが整っているため、移行は“断絶”ではなく“段階的な更新”として考えたほうが、心理的負担が軽くなります。
PS4を選び続けるリスクと限界
新作がPS5中心へ寄る可能性
PS4を今後も使い続ける場合のリスクは、「壊れるかどうか」だけではありません。より大きいのは、新作の比重がPS5へ寄ることで、遊べるタイトルの選択肢が狭まっていく点です。
ただし、これも“全員に同じ痛み”が来るわけではありません。影響が大きいのは、次のような方です。
話題作を発売日に遊びたい
フレンドと最新作で遊ぶ文化がある
eスポーツ寄りの対戦タイトルを追いかけたい
逆に、数年遅れで名作をまとめて遊ぶスタイルの方は、PS4でも十分な期間が長くなりやすいです。要するに、PS4を続けるリスクは「将来の不便」ですが、その不便がいつ・どれだけ来るかは、遊び方によって変わります。
サブスクや配布タイトルの流れ
見落とされやすい現実的な変化として、PlayStation Plusの提供方針があります。報道では、ソニーが2026年1月以降、月例のPS Plus提供でPS4タイトルを中心に据えなくなる方針を示したとされています。ポリゴン+1
「PS Plusを軸にゲームを選ぶ」「月例提供で新しいゲームに触れる」タイプの方ほど、この影響は体感しやすくなります。
重要なのは、PS4がすぐに使えなくなるという話ではなく、サービスの重心がPS5へ移ることで、PS4だけで満足し続ける難易度が少しずつ上がる、という点です。月例提供やカタログのラインナップがPS5中心になるほど、「いずれPS5も必要かもしれない」という状態が起こりやすくなります。
故障・中古調達の注意点
PS4を選び続けるもう一つの現実的な論点が、ハードの寿命と調達です。長期間使った本体は、ストレージや冷却、コントローラーなど、消耗に起因する不調が出やすくなります。
ここでの判断は、「修理して延命」か「PS5へ移行」かの二択ではありません。実際には次のような中間案もあります。
コントローラーを新調して操作性の不満を解消する
内部ストレージの整理、外付けストレージの活用で運用を軽くする
本体の設置環境を見直し、熱・音のストレスを軽減する
ただし中古で本体を追加調達する場合は、状態の当たり外れが大きく、結果的に費用と手間が増えることがあります。PS4を“延命するコスト”が積み上がっているなら、PS5への投資が合理的になる分岐点が来ている可能性があります。
迷ったときの結論の出し方
3分でできるチェックリスト
迷いを短時間で収束させるには、条件を先に言語化してしまうのが効果的です。次のチェックで、まず方向性を決めてください。
PS4継続が向きやすい(2つ以上当てはまる)
当面遊びたいタイトルがPS4で足りている
フルHDで満足しており、画質向上を強く求めていない
ロード待ちやファン音が大きなストレスではない
予算はソフトや周辺機器、他の趣味にも回したい
PS5移行の満足度が上がりやすい(2つ以上当てはまる)
ロード待ちが明確に苦痛で、遊ぶ頻度に影響している
新作を発売日付近で遊びたい
対戦系でフレームレートや操作感を重視したい
PS4資産を継続して遊びながら、環境を更新したい(後方互換の安心感がある)
ここで大切なのは、「PS5が欲しいかどうか」ではなく、「いま困っていることをお金で解決する価値があるかどうか」に置き換えることです。欲しい気持ちが揺れるのは自然ですが、判断基準を“生活の不便”に寄せると、後悔が減ります。
買うならモデル選びの考え方
PS5を買うと決めた場合、モデル選びで迷う方が多いですが、考え方はシンプルです。軸は「ディスクを使うかどうか」と「置き方・運用」です。
パッケージ派(ディスクを持っている/中古も買う)
ディスクドライブ搭載モデルが無難
PS4のディスク資産を活かせるため、移行コストが下がりやすい
ダウンロード派(セールでDL購入が中心)
デジタルモデルの検討余地がある
物理メディア管理が不要になり、運用が簡単になりやすい
そして見落としがちなのが「総額」です。本体価格だけでなく、必要に応じてストレージ拡張や周辺機器、プレイ環境の整備(モニターなど)も含めた総額で考えると、納得感が高まります。
特にストレージは、PS5が高速SSDを前提にしている以上、容量不足がストレスになると満足度が下がりやすい領域です。ご自身のプレイ本数(同時に入れておきたいゲーム数)を基準に、どこまで投資するかを決めておくと失敗しにくくなります。
見送るなら今やるべきこと
「まだPS5はいらない」と判断した場合でも、次の行動をしておくと、将来の移行が楽になり、いまのPS4生活も快適になります。
遊びたい候補を仕分けする
これから遊びたいタイトルをリスト化し、「PS4で遊べる」「PS5が必要(またはPS5版のほうが快適)」に分けてください。移行の必要性が可視化されます。PS4のボトルネックを先に解消する
コントローラーの不調、ストレージ不足、設置環境による熱・音など、体験を下げている原因を特定し、低コストで改善できる部分から整えると満足度が上がります。移行の条件を決めておく
「このPS5専用タイトルが出たら買う」「PS Plusの提供方針が変わって不便になったら検討する」など、条件を先に決めると、迷いが長期化しにくくなります。PS PlusのPS4提供比重が下がる見込みは、移行条件として実用的です。ポリゴン+1
PS4継続は“妥協”ではなく、遊び方によっては最適解です。重要なのは、現状の満足を守りつつ、必要になったときにスムーズに移行できる準備をしておくことです。