PS5でボイスチャットや配信をする際、「ヘッドセットより音質を上げたい」「声をクリアに届けたい」という理由でコンデンサーマイクを導入する方が増えています。一方で、PS5はPCのように“何でもつながる”わけではなく、マイクの方式(USBかXLRか)や周辺機器の相性によって、接続の難易度が大きく変わります。
本記事では、方式判定 → 接続 → PS5設定 → トラブル対処 → 配信/VC運用までを手順書として整理いたします。最後まで読めば、初めてでも迷いにくく、認識しない場合でも原因の切り分けができるようになります。
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PS5でコンデンサーマイク接続方法を始める前の確認
USBコンデンサーマイクとXLRコンデンサーマイクの見分け方
まず重要なのは「お持ちのコンデンサーマイクがUSBかXLRか」です。ここが曖昧なまま接続を始めると、必要な機材が足りなかったり、逆に不要な機材を買ってしまったりしやすいです。見分け方は次のとおりです。
USBコンデンサーマイク
マイク本体からUSBケーブルで機器に接続する方式です。
端子はUSB Type-A(四角い大きめ)やUSB Type-C(小型で両面挿せる)であることが多いです。
マイク内部に「音をデジタル化する機能」が入っているため、基本的にはPS5に挿すだけで動く可能性があります(ただし機器側の互換性は製品差があります)。
XLRコンデンサーマイク
端子が丸い3ピンのXLRです。
多くの場合、マイクを動かすために48Vファンタム電源が必要です。
PS5に直接XLRを挿すことはできません。原則として、XLRをUSBオーディオとしてPS5に渡す機材(オーディオインターフェース等)が必要です。
迷う場合は「型番」で検索し、製品仕様にUSB接続なのか、XLR接続なのかを確認すると確実です。
PS5にそのまま接続できるパターンとできないパターン
PS5の接続でつまずきやすいのは「端子が合う=動く」と思い込んでしまう点です。PS5は、USB機器であってもすべての音声機器を同じように扱えるわけではありません。現実的には次の整理が分かりやすいです。
そのまま接続できる可能性が高いパターン
USBコンデンサーマイク(PS5が入力機器として認識できるもの)
PS5対応が明記されているUSBマイク
ドライバー不要で使うことを前提にしているUSBオーディオ機器(いわゆるクラス準拠の考え方に近いもの)
そのままでは難しいことが多いパターン
XLRコンデンサーマイクを「変換ケーブルだけ」でUSBにしようとする
→ 変換ケーブルは“端子形状を合わせる”だけで、PS5が理解できるUSBオーディオに変換してくれるとは限りません。PC向けで、専用ドライバーの導入を前提にしているオーディオインターフェース
→ PS5側ではドライバーを入れられないため、互換性が出やすいです。
「PS5に接続できるか不安」な場合は、後述のチェックリストに従い、直挿し(もしくは最小構成)で認識するかを最初に確認すると遠回りを防げます。
必要になりやすい周辺機器と役割
コンデンサーマイクをPS5で運用する際に登場しやすい周辺機器を、役割ベースで整理します。ここを理解すると、機材選びやトラブルの切り分けが一気に楽になります。
オーディオインターフェース
XLRマイクの音声を取り込み、USBオーディオとしてPS5に渡す機器です。
多くは48Vファンタム電源、ゲイン(入力の増幅)調整、モニター出力(ヘッドホン)を備えます。
PS5で使えるかは「相性」が出るため、PS5での利用情報や動作報告があるものを選ぶと安全です。
USBミキサー/オーディオミキサー
マイクと外部音(BGMなど)を混ぜたり、手元で音量やミュートを操作しやすくしたりします。
配信の構成次第では便利ですが、機材が増えるほど設定も複雑になるため、初心者の方は最小構成から始めるのがおすすめです。
ヘッドホン
自分の声の大きさ、ノイズ、息の入り具合を確認するために重要です。
マイク側にヘッドホン端子がある場合は、遅延が少なく“声の返り”が自然になることがあります。
ポップガード/マイクアーム
音質の体感を上げやすい周辺機器です。
「パ行」の破裂音や息の吹かれ音を抑える、口元の位置を安定させるなど、結果としてゲインを上げすぎずに済み、ノイズも減らしやすくなります。
PS5にUSBコンデンサーマイクを接続する方法
接続手順
USBコンデンサーマイクは、基本的に最短で動く構成です。ただし「挿すだけ」で終わらず、PS5側で入力機器が正しく選ばれているかを必ず確認してください。
手順
PS5本体のUSB端子に、USBコンデンサーマイクを接続します。
可能であれば最初はUSBハブを避け、PS5本体に直挿しにします。
マイク本体に物理スイッチ(ミュート、ゲイン、モード切替)がある場合、初期状態を確認します。
ミュートがオンだと「認識しているのに無音」になりやすいです。
ヘッドホンで確認する場合、マイク側にヘッドホン端子があるならそこへ接続します。
ない場合は普段の出力先(テレビ、モニター、ヘッドセットなど)で確認します。
次の見出しの手順で、PS5の入力機器をUSBマイクに切り替えます。
ここでのコツ
いきなり配信環境や複雑な構成で始めると、原因が増えて切り分けが難しくなります。まずは「PS5+USBマイク」だけの最小構成で“声が入る状態”を作ってから次に進めると失敗しにくいです。
PS5で入力機器をUSBマイクに切り替える
USBマイクを挿しても、PS5が自動で正しい入力機器を選ぶとは限りません。次の流れで入力機器を確認してください。
PSボタンでコントロールセンターを開きます
「マイク」を選択します
「入力機器」で、接続したUSBマイク(またはUSBオーディオ機器)を選択します
もし入力機器にUSBマイクが表示されない場合は、以下を順に試すと切り分けができます。
USBを抜き差しする(別ポートも試す)
PS5を再起動する
USBハブを挟んでいる場合は外して直挿しする
マイクの電源やモード切替(PC/Consoleなど)がある場合は適切なモードにする
マイクレベルとミュート設定の基本
「つながったのに声が小さい」「相手に聞こえない」問題は、設定の確認で改善することが多いです。PS5側のマイクレベルを適正にすることが最優先です。
マイクレベル調整の考え方
マイクレベルが低すぎる
→ 声が遠い、聞き取りにくい、ゲーム音に埋もれるマイクレベルが高すぎる
→ 音割れ、息や生活音が目立つ、ノイズが増える
目安
通常の会話ボリュームで話したときに、PS5側のレベル表示が「常に最大」にならない程度
ただし、小さすぎて反応が弱い場合は少し上げる
迷う場合は「やや低め」から始めて、相手に確認しながら微調整すると安全です
ミュートの二重構造に注意
USBマイクは「PS5側のミュート」と「マイク本体のミュート」が重なることがあります。
PS5側でミュート解除しても無音 → マイク本体がミュート
マイク本体は解除しているのに無音 → PS5側またはコントローラー側がミュート
この“二重ミュート”は非常に多いトラブルです。トラブル時は必ず両方確認してください。
PS5にXLRコンデンサーマイクを接続する方法
必要機材の前提と注意点
XLRコンデンサーマイクは、音質面で有利になりやすい一方、PS5で使うには前提が増えます。以下が基本です。
XLRマイクのためにXLR入力が必要
コンデンサーマイクのために48Vファンタム電源が必要なことが多い
PS5へはXLRを直接挿せないため、USBオーディオとして変換して渡す必要がある
PS5はドライバーを入れられないため、機器側が単体動作できることが重要
特に注意したいのは「PCで使えている=PS5でも使える」ではない点です。PCはドライバーで柔軟に対応できますが、PS5はそうではないため、互換性の壁が出やすいです。
配線手順
一般的な配線の流れは次のとおりです。ここでは「XLRマイク+オーディオインターフェース」を前提にします。
XLRコンデンサーマイクをXLRケーブルでオーディオインターフェースのマイク入力へ接続します。
オーディオインターフェース側で48Vファンタム電源をオンにします。
ただし、リボンマイク等の例外もあるため、マイクの仕様に従ってください。
インターフェースのゲインを低めから上げ、入力が入っていることを確認します。
ここでクリップ(赤点灯など)が出る場合は上げすぎです。
オーディオインターフェースをUSBでPS5に接続します。
PS5側の入力機器で、そのUSBオーディオ機器を選択します。
最後に、インターフェース側のゲインとPS5側のマイクレベルを両方使ってバランスを取ります。
調整のコツ
まずインターフェース側で「入力が安定して入る」状態を作る
次にPS5側のマイクレベルで「相手に届く声量」に整える
どちらか一方を極端に上げるとノイズや歪みが出やすいです
PS5で認識させるための設定ポイント
XLR構成は「認識させる」までが最初の山場です。次のポイントを押さえると失敗しにくいです。
PS5側で入力機器が対象のUSB機器になっているか
コントローラーのマイクに戻っていると、インターフェース側をいくら触っても改善しません。
インターフェース側のミュート、モニター設定
機器によっては入力がミュートになっていたり、特定のモードで入力が無効になったりします。
PS5のマイクレベルが低すぎないか
認識していても音が小さすぎて「入っていない」と誤認しがちです。
最小構成で確認する
まずはPS5とインターフェースのみで認識確認し、安定してから配信機器やミキサーを追加してください。
PS5でコンデンサーマイクが認識しない時の対処
入力機器が切り替わっているか確認
トラブルシューティングの最初は必ずここです。
「USBを挿したのに音が入らない」の原因が、単純に入力機器が別のものになっているケースは非常に多いです。
確認手順
コントロールセンターの「マイク」を開く
「入力機器」を確認する
目的のUSBマイク/USBオーディオ機器に切り替える
表示されない場合の優先度順チェック
USBを抜き差し、別ポートを試す
USBハブを外して直挿し
PS5を再起動
マイク(機器)のモード切替があるなら変更
別のUSB機器(例:USBメモリなど)でポート自体が生きているか確認
ここで「入力機器に出ない」なら、PS5が機器を認識できていない状態の可能性が高いです。
ミュートとマイクレベルの確認
入力機器が正しいのに音が入らない場合、次に疑うべきはミュートとマイクレベルです。特にUSBマイクは“二重ミュート”が頻発します。
チェック項目
コントローラーのミュートボタンがオンになっていないか
PS5側のマイク設定でミュートになっていないか
マイク本体のミュートがオンになっていないか
PS5側のマイクレベルが極端に低くないか
インターフェース構成の場合は、インターフェース側ゲインがゼロではないか
簡易テスト方法
パーティーやボイスチャットで「マイク入力レベル表示」が反応するかを見る
反応があるなら「認識はしている」ので、音量・ミュート・相手側の設定を重点的に見直す
反応がないなら「入力経路がどこかで止まっている」ため、入力機器と物理ミュートを最優先で再確認します
出力機器の自動切替と併用時の落とし穴
「入力はUSBマイク、出力はヘッドセット」など、入力と出力を分けたいニーズは多いです。ただし、構成が複雑になるほど、PS5の音声周りで想定外が起きやすくなります。
起こりやすい症状
いつの間にか出力先がテレビに戻る
ヘッドセットを挿したらUSBマイクが使えなくなった
音が片方だけ出る/ボイスチャットだけ聞こえない
設定を変えたのに再ログインで戻る
対処の考え方
「入力機器(マイク)」と「出力機器(音)」を混同しない
まず入力だけを確定し、次に出力を確定する
併用構成は“最小構成が安定している”ことが前提です
不安定な場合は、いったん構成を単純化してから段階的に戻すのが最短です
互換性が原因になりやすいケースと回避策
最後に残りやすいのが互換性です。これは設定をいくら触っても改善しないことがあり、切り分けが重要になります。
互換性が疑わしいサイン
PS5の入力機器一覧にそもそも出てこない
挿した直後だけ出るが、すぐ消える
他の機器では動くのにPS5だけ認識しない
USBハブや延長で顕著に不安定になる
回避策の優先順位
まずはPS5直挿し(USBハブなし)で試す
可能なら別USBポートで試す
マイクやインターフェースが「ゲーム機対応」を想定しているか仕様を確認する
PS5で動作報告・実績が多い機器へ寄せる
互換性は製品ごとに差が出るため、最終的に「PS5での動作前提の製品」を選ぶことが最も確実です。
PS5でコンデンサーマイクを配信とVCで使う設定
PS5単体配信での注意点
PS5の配信機能(PS5単体で配信する形)では、音声の取り回しが比較的シンプルです。その分、最初に次の2点を固めるだけで安定しやすいです。
入力機器が意図したマイクになっている
マイクレベルが適正で、音割れ・小さすぎがない
また、配信中は「ミュート状態が想定と違う」事故が起きやすいです。配信前に次のチェックを推奨いたします。
配信前チェックリスト
マイク本体ミュート:解除
PS5側ミュート:解除
マイクレベル:話した時に適度に反応
生活音が過度に入らない位置:確保
ボイスチャットも併用する場合:相手に聞こえ方を確認
キャプチャーボード配信での音声ルート整理
キャプチャーボード配信は、PS5の映像・音声をPCに取り込み、配信ソフトで配信する形です。この場合、音声が複数経路になりやすく、「どこで拾っている音なのか」が混乱の原因になります。
最初に、次の3点を紙に書くような感覚で整理してください。
PS5に入るマイクはどれか(PS5の入力機器)
配信ソフトに入るマイクはどれか(PC側の入力)
同じマイクを二重に拾っていないか(音が二重になる)
よくある失敗
PS5にもUSBマイク、PCにも同じマイクを別経路で入れてしまい、遅延差で二重音声になる
配信ソフト側でマイクがミュート、PS5側では入っているため、状況が把握しづらい
キャプチャーボードの音声設定とPS5の設定が噛み合っていない
対策
まずは「PS5側でVCが問題なくできる」状態を作る
次に「PC側(配信ソフト)でマイクが入る」状態を作る
最後に“二重取り”がないように入力ソースを整理する
この順番にすると、切り分けが容易です。
生活音とノイズを減らすセッティング
コンデンサーマイクは感度が高く、良くも悪くも環境音を拾いやすいです。音質を上げるつもりが、結果として生活音が目立ってしまうこともあります。次の順で「効きやすい対策」から実施してください。
口元に近づける(距離が最優先)
距離が遠いほどゲインを上げる必要があり、ノイズも増えます。可能なら口元15〜25cm程度を目安に調整します。マイクを正面に置き、角度を固定する
マイクは指向性があり、角度がズレると声が細くなります。位置が安定するマイクアームは効果が出やすいです。ポップガードで息ノイズを抑える
息が直接当たると“ボフッ”という低音が入ります。息対策は聞き取りやすさに直結します。机の振動対策
机に直置きすると、操作音や振動が乗りやすいです。ショックマウント等があると改善します。ゲインを上げすぎない
声量は距離で稼ぎ、ゲインは必要最小限にします。これがノイズを増やさない基本方針です。
PS5のコンデンサーマイク接続方法でよくある質問
USBハブは使えるか
使える場合もありますが、認識が不安定になることがあります。特にマイクは連続的にデータを扱うため、相性や電力供給の影響を受けることがあります。
最初は必ずPS5本体に直挿しで動作確認をし、安定してからUSBハブを試すのが安全です。USBハブを使うなら、セルフパワー(電源付き)のほうが安定するケースがあります。
コントローラーのマイクと併用できるか
PS5は基本的に「入力機器」でどのマイクを使うかを選びます。つまり、同時に複数マイクを混ぜるというより、どれか一つを選ぶ運用が中心です。
「いつの間にかコントローラーのマイクになっている」場合は、入力機器が戻っている可能性があるため、コントロールセンターで入力機器を再確認してください。
ヘッドセット出力とUSBマイク入力を分けられるか
構成としては可能ですが、組み合わせによって挙動が変わります。
安定させるコツは次のとおりです。
まずUSBマイク単体で入力が安定していることを確認する
次にヘッドセットを接続し、出力先が意図どおりか確認する
挙動が不安定なら、出力と入力を一度リセットし、最小構成から再構築する
「一気に全部つなぐ」より「段階的に足す」ほうが確実です。
おすすめ構成の考え方
最後に「結局どれが良いのか」を、目的別に整理いたします。迷っている方は、まずこの表のどこに当てはまるかで決めると失敗が減ります。
| 優先したいこと | おすすめ構成 | 理由 |
|---|---|---|
| とにかく簡単に動かしたい | USBコンデンサーマイク直結 | 機材が増えず、切り分けが簡単です |
| 手元操作を増やしたい | ヘッドホン端子付きUSBマイク、またはUSBミキサー | 自分の声を確認しやすく、調整しやすいです |
| 既にXLRマイクを持っている | XLR+PS5で認識しやすいオーディオインターフェース | 追加費用は出ますが音作りの自由度が上がります |
| 配信もVCも安定させたい | 最小構成で安定→段階的に拡張 | 事故の原因を増やさず、問題が起きても戻れます |
まとめ
PS5でコンデンサーマイクを使う接続方法は、最初にUSBかXLRかを判定し、方式に合った“最小構成”で接続・認識確認を行うことが最短です。PS5側では、入力機器の選択とマイクレベル調整が要点になります。
認識しない場合は、入力機器 → ミュート → マイクレベル → 併用構成の混在 → 互換性の順で切り分けると、原因に到達しやすくなります。
また、配信まで見据える場合は、最初から複雑にせず、段階的に機材を増やしていくことで安定運用につながります。仕様や挙動はアップデート等で変わる可能性もあるため、問題が起きた際は「最小構成に戻して確認する」ことを基本として運用してください。
