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ピルを飲んでいるのに下腹部が痛い…考えられる原因と受診の目安【知恵袋の疑問を整理】

低用量ピルを飲んでいるのに、シクシクとした下腹部痛が続いたり、排卵痛のような痛みを感じたりすると、「ピル飲んでるのに下腹部痛」「ピル 下腹部痛 知恵袋」などと検索したくなる方は少なくありません。

Q&Aサイトには、自分と似た状況の人の体験談や、医療職かもしれない人の回答が並びます。一時的に安心できる一方で、

  • 人によって言っていることがバラバラ

  • 「病気かもしれない」といった書き込みを見て、かえって不安になる

  • 医師に相談したほうが良いのか分からない

と、モヤモヤだけが残ってしまうことも多い状態です。

本記事では、「ピルを飲んでいるのに下腹部痛がある」というお悩みについて、医療情報やガイドラインを参考にしながら、一般的に考えられる原因や受診の目安を整理いたします。

一方で、本記事はインターネット上の一般的な情報であり、次のことはできません。

  • 個別の症状についての診断

  • 具体的な治療方針や服用方法の指示

  • 「この症状なら絶対に大丈夫/危険」と断定すること

そのため、痛みが強い場合・長く続く場合・少しでも不安が強い場合には、必ず医師・医療機関にご相談ください。

※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。

目次

ピル服用中に下腹部痛が起こる主な原因

よくある原因①:ピルの副作用としての腹痛・下腹部痛

低用量ピルの副作用として、腹痛や下腹部痛が現れることがあります。日本国内の臨床試験でも、少数ながら腹痛が報告されており、多くは服用開始初期に見られます。

一般的によく言われる傾向としては、

  • 服用開始から1〜3ヶ月の間に出やすい

  • 吐き気、頭痛、不正出血、乳房の張りなど他の軽い副作用と一緒に出ることがある

  • 体がホルモン量に慣れてくると、徐々におさまることも多い

とされています。

ただし、「副作用だから大丈夫」と自己判断してよいわけではありません。

  • 生活に支障が出るほど痛い

  • 3ヶ月以上続く、あるいは徐々に悪化している

  • 片側だけが強く痛む、発熱や吐き気を伴う

といった場合は、別の原因が隠れていないか確認するためにも、早めの受診が望ましいです。

よくある原因②:生理痛が完全には消えないケース

月経困難症や生理痛の改善目的でピルが処方されることも多く、その場合、多くの方で痛みが軽くなります。

しかし、

  • 痛みが「ゼロ」になるとは限らない

  • 出血量や痛みは軽くなっても、生理前後に鈍い下腹部痛が残る人もいる

といったことも一般的です。

そのため、「以前よりは明らかに軽くなっているが、まったく痛みがないわけではない」というケースは、ピル服用中でも珍しくありません。とはいえ、痛みが強くなってきた、以前と性質が変わってきた、といった変化がある場合は、やはり医師に相談することが大切です。

場合によっては起こる原因③:排卵が起きている・排卵痛の可能性

ピルは排卵を抑えることで避妊効果を発揮する薬ですが、飲み忘れや嘔吐・下痢などがあると、一時的にホルモン量が不足し、排卵が起こる可能性があります。

特に、

  • シートの最初や最後の錠剤を複数回飲み忘れた

  • 服用後すぐに嘔吐した

  • 強い下痢が続いた

といった場合には、排卵が起こり、排卵痛に似た痛みを感じることがあります。

加えて、ピル服用中でも、ごくまれに卵巣内で卵胞が発育することがあり、その過程で張るような痛みを感じることもあるとされています。

ここで重要なのは、排卵が起こる=妊娠の可能性があるという点です。妊娠の可能性がある性行為があり、かつ飲み忘れ等の不安要素がある場合には、妊娠検査薬の使用や医師への相談を検討すべき状況となり得ます。

注意が必要な原因④:妊娠初期・子宮外妊娠など

ピルを正しく服用していても、100%妊娠を防げるわけではありません。服用ミスなどがあれば、妊娠する可能性はさらに高まります。

妊娠初期には、生理痛に似た下腹部痛を感じる方もいます。さらに、子宮外妊娠などの場合、

  • 片側だけの強い下腹部痛

  • 出血量や出血のタイミングの異常

  • めまい・気分不良

などが見られることもあり、放置すると命に関わることがあります。

「ピルを飲んでいるから妊娠は絶対にない」と思い込むのは危険です。

  • 生理(消退出血)が来ない、いつもより極端に少ない

  • 妊娠の可能性がある性行為から一定期間経過している

  • 下腹部痛に加えて吐き気・乳房の張りなどが気になる

といった場合には、セルフチェックだけに頼らず、妊娠検査薬や医師への相談を早めに検討することが重要です。

注意が必要な原因⑤:子宮内膜症・卵巣嚢腫など婦人科疾患

下腹部痛の背景には、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢腫など、さまざまな婦人科疾患が隠れている可能性があります。ピルはこれらの病気の治療や症状緩和に用いられることもありますが、

  • すでにある病気が完全には治っていない

  • 新たに病気が発生している

ということもあり得ます。

特に、

  • 生理のたびに強い痛みがある

  • セックスのときに痛みを感じる

  • 片側の下腹部がいつも張っているような感じがする

といった症状がある場合には、画像検査(エコーなど)を含めた精査が検討されることが多いため、婦人科受診が推奨されます。


危険サインは?ピル服用中の下腹部痛チェックリスト

「様子見でもよいことが多い」症状の一例

あくまで一般論として、「比較的よく見られる」「すぐに危険とは限らない」とされるケースの一例です。

  • 服用開始1〜3ヶ月以内で、軽いシクシクした痛みが時々ある

  • 市販の鎮痛剤を1回飲めば日常生活は問題なく送れる程度の痛み

  • 数時間〜1日で自然におさまり、強くなっていかない

  • 毎回ほぼ同じタイミング(生理前・消退出血の前後)に、同じ程度の痛みがある

※これらに当てはまっていても、安全が保証されるわけではありません。不安が強い場合は、遠慮なく医師にご相談ください。

すぐに受診したい症状の一例(ACHESを含む)

ピル服用中に注意すべきサインとして、OC/LEPガイドラインで示される「ACHES」があります。

  • A:Abdominal pain(激しい腹痛)

  • C:Chest pain(激しい胸痛・息苦しさ)

  • H:Headache(今までにない激しい頭痛)

  • E:Eye/Speech(視野障害・言語障害など)

  • S:Severe leg pain(脚の強い痛み・むくみ)

特に腹部に関しては、以下のような場合、早急な受診が推奨されます。

  • 今まで経験したことがないほど強い腹痛・下腹部痛

  • 急に痛みが強くなり、改善しない

  • 発熱・嘔吐・冷や汗・呼吸苦を伴う

  • 脚の痛み・むくみ、胸の痛み、突然の頭痛など、他のACHES症状も同時に出ている

こうした症状がある場合は、「様子を見る」のではなく、できるだけ早く医療機関を受診してください。

症状の整理に役立つセルフチェックシート(例)

以下のようにメモしておくと、受診時に医師へ伝えやすくなります。

1週間の症状チェック(例)

  • 痛みが出た日付・時間

  • 痛みの強さ(0〜10のスケールで記録)

  • 痛みの場所(右下腹部/左下腹部/全体など)

  • 痛みの性質(シクシク・ズキズキ・キリキリ・張る感じ など)

  • 一緒に出た症状(出血、発熱、吐き気、頭痛、脚の痛みなど)

  • 服用したピルの錠剤番号・飲み忘れの有無

  • 市販薬を飲んだかどうか・効果があったか

このようなチェックを1週間程度続けるだけでも、医師が原因を検討する材料になります。


受診の目安と相談先の選び方

どのくらい続いたら婦人科を受診したほうがよいか

一般論としての目安ですが、以下のような場合は、婦人科受診を検討すると良いと考えられます。

  • 軽い痛みでも、2〜3周期以上ほぼ毎回続いている

  • 痛みの程度が徐々に強くなっている

  • 鎮痛剤を飲んでも十分に効かなくなってきた

  • 出血量の変化や、生理周期の乱れも気になってきた

ただし、これはあくまで目安であり、不安を感じている時点で受診しても問題はありません

「こんなことで受診して良いのだろうか」と悩む方も多いですが、医師にとってはよくある相談内容であり、早めの相談で大きな病気の早期発見につながることもあります。

対面の婦人科・かかりつけ医・オンライン診療の比較

簡易的な比較イメージです(制度や費用は医療機関により異なります)。

相談先特徴のイメージ
婦人科クリニックエコーなどの検査が受けやすい。女性医師がいることも多い。
総合病院婦人科重い病気が疑われるときの精査に向くが、待ち時間が長いことも。
かかりつけ内科などまず相談し、必要に応じて婦人科を紹介してもらうことも可能。
オンライン診療急な受診が難しいときでも相談しやすい。検査が必要なら対面受診の案内。

まずは、「行きやすい場所」を選ぶことも大切です。

受診時に伝えるとよいポイント(痛みのメモの取り方)

受診の際には、以下の情報をできるだけ具体的に伝えると、診療がスムーズになります。

  • ピルの種類・飲み始めた時期

  • 飲み忘れ・下痢・嘔吐などがあったかどうか

  • 痛みが出たタイミング(シートのどのあたりか、生理周期のどのあたりか)

  • 痛みの性質・強さ・頻度・持続時間

  • 出血の状況(量・色・タイミングの変化)

  • 妊娠の可能性の有無


ピルの飲み方・自己判断でやってはいけないこと

痛みがあるときも自己判断で中止・変更しないほうがよい理由

痛みが気になると、「一旦やめて様子を見よう」「残っている別のピルに変えてみよう」といった自己判断をしたくなることがあります。

しかし、ピルはホルモン量が厳密に設計されている薬であり、自己判断での中止・変更は、避妊効果の低下や出血トラブルにつながる可能性があります。

痛みが気になる場合は、

  • 処方してくれた医師

  • もしくは別の婦人科・オンライン診療

に相談し、「薬を続けるべきか」「種類を変えるべきか」を判断してもらうことが安全です。

飲み忘れ・下痢・嘔吐があったときの一般的な考え方

飲み忘れや下痢・嘔吐があった場合の対応は、ピルの種類(1相性/3相性など)や飲み忘れたタイミングによって異なります

一般的な説明として、

  • 1錠の飲み忘れであれば、気づいた時点で1錠飲み、通常通り続ける

  • 複数錠の飲み忘れや、シートの最初・最後の飲み忘れは、妊娠リスクが高くなる

などのルールが知られていますが、実際には処方時に渡された説明書・医療機関の指示に従うことが前提です。

インターネットの一般情報だけを頼りに自己判断するのではなく、必ず医師・薬剤師に相談してください。

知恵袋やSNSの情報との付き合い方

知恵袋やSNSの体験談には、

  • 「自分も同じ症状だったが問題なかった」という安心材料

  • 「こんな病気だった」という警鐘

の両方が含まれています。

ただし、

  • 回答者の専門性や診断の有無が不明

  • 症状や背景が微妙に違っている

  • 古い情報や個別のケースが一般化されている

といった問題もあります。

「他の人の体験談」は参考程度にとどめ、最終的な判断は医師に任せることが、安全性の観点から非常に重要です。


ケース別イメージ:こんなときどう考える?

※以下は「状況整理の例」であり、診断ではありません。いずれの場合も、気になるときは医師に相談してください。

服用開始1〜3ヶ月で軽い下腹部痛がときどきあるケース

  • 服用開始からまだ間もない

  • 軽いシクシクした痛みが、ごく短時間出る程度

  • 鎮痛剤がすぐ効き、日常生活に支障はない

このような場合、ピルの副作用として見られることもあります。

ただし、

  • 痛みが徐々に強くなっている

  • 他の症状(発熱・吐き気・息苦しさなど)を伴う

といった変化があれば、早めに医師へ相談するのが安心です。

しばらく問題なかったが、最近になって痛みが強くなってきたケース

  • それまで数ヶ月〜数年問題なく飲めていた

  • ある時期から、急に下腹部痛が増えた・強くなった

  • 生理のたびに悪化している気がする

この場合、

  • 子宮内膜症や卵巣嚢腫などの疾患の変化

  • 別の原因(消化器や泌尿器の病気など)の影響

が隠れている可能性もあります。

「今まで大丈夫だったから、今回も大丈夫」と自己判断せず、婦人科での検査を検討することが大切です。

妊娠の可能性がある性行為があったあとに下腹部痛が出たケース

  • 飲み忘れや下痢・嘔吐があった

  • その間に避妊なしの性行為があった

  • その後に下腹部痛が出てきた

このような場合、

  • 妊娠(あるいは子宮外妊娠)

  • 排卵が起きたことによる排卵痛

などの可能性も考慮する必要があります。

早めに妊娠検査薬を使用したり、医師に相談したりすることが非常に重要です。


よくある質問(FAQ)

ピルを飲んでいても生理前に下腹部痛があります。排卵していますか?

ピルを正しく服用している場合、排卵は多くの方で抑えられていますが、それでも生理前に軽い下腹部痛を感じることはあります。これは、

  • 生理痛が完全にはゼロになっていない

  • 子宮内膜がはがれる過程で生じる痛み

などによる可能性もあります。

ただし、飲み忘れや嘔吐・下痢などがあると排卵が起こることもあり、痛みだけで排卵の有無を判断することはできません。心配な場合は、医師に相談してください。

ピルを飲んでいても妊娠することはありますか?

はい、あります。

ピルは高い避妊効果を持ちますが、100%ではありません

  • 飲み忘れ

  • 飲み方の誤り

  • 強い下痢・嘔吐

などがあると、避妊効果が低下し、妊娠の可能性が高まります。

妊娠の可能性がある性行為があり、いつもと違う下腹部痛や出血の変化がある場合には、妊娠検査薬や医師への相談を検討してください。

市販の鎮痛剤を飲んでも大丈夫ですか?

一般的には、低用量ピルと多くの市販の鎮痛剤(例:ロキソプロフェンやアセトアミノフェン)は併用可能とされていますが、

  • 持病の有無

  • 他に服用している薬

  • 痛みの原因

によっては注意が必要な場合もあります。

自己判断で長期間飲み続けるのではなく、医師・薬剤師に相談したうえで使用することをおすすめいたします。

どのタイミングで救急外来を考えるべきですか?

次のような場合は、救急外来を含め、できるだけ早急な受診が望ましい状況と考えられます。

  • 今まで経験のないほど強い腹痛・下腹部痛

  • 冷や汗・息苦しさ・胸の痛み・片側の脚の強い痛み・突然の激しい頭痛など、ACHESに当てはまる症状がある

  • 意識がぼんやりする、倒れそうな感じがする

少しでも「おかしい」と感じた場合は、躊躇せず救急外来や救急相談窓口(地域の電話相談など)に連絡してください。


まとめ:不安なときは一人で抱え込まず、医師に相談を

記事の要点整理

  • ピル服用中の下腹部痛には、副作用・生理痛の残り・排卵痛・妊娠・婦人科疾患など複数の可能性があります。

  • 服用開始1〜3ヶ月に軽い痛みが出ることはありますが、強い痛み・長引く痛み・悪化する痛みは放置せず受診を検討する必要があります。

  • ACHES(激しい腹痛・胸痛・頭痛・視覚症状・脚の痛み)は、ピル服用中の危険なサインとして重要視されています。

  • 知恵袋などの体験談は参考になりますが、最終判断は必ず医師に委ねることが安全です。

次に取るべき一歩(受診・相談・記録)

  1. ここ1週間ほどの痛みの状況をメモする

  2. ピルの種類・飲み方・飲み忘れの有無を整理する

  3. 「不安が強い」「痛みが続いている」と感じる場合は、婦人科やオンライン診療で相談する

情報の更新と注意点

ピルの使い方や副作用への対応は、公的ガイドラインや薬剤情報の更新によって変わる可能性があります。

本記事の内容は執筆時点の一般的な情報に基づいており、最新の情報や個別の判断については、必ず医師・薬剤師にご確認ください。