「PDFをいくつか受け取ったので、1つにまとめて提出してください」
こうした依頼は、総務・経理・営業・学生のレポート提出など、あらゆる場面で突然発生いたします。しかし実際には、ソフトをインストールする権限がない、今すぐ対応しなければならない、機密資料なのでオンラインにアップロードできないといった制約に直面することも少なくありません。
「PDFを結合したいだけなのに、余計なツールは使いたくない」
「会社PCでも、今すぐ、安全に終わらせたい」
そう感じた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、「pdf 結合 ソフト 使わない」という条件に徹底的にこだわり、Windows・Macの標準機能だけで行う方法から、オンライン手段を選ぶ際の判断基準、結合前後で必ず確認すべきポイント、よくある失敗とその回避策までを体系的に解説いたします。
単に「結合できる」だけでなく、提出や共有で失敗しないことを最終ゴールとした内容です。
「急ぎでも迷わず対応したい方」「社内規程や機密を気にせずに済む方法を知りたい方」「毎月の定型作業を確実に終わらせたい方」にとって、本記事はそのまま実務の指針としてご活用いただけます。
ソフトを使わず、無駄な手間もリスクも増やさずに、PDF結合を確実に終わらせたい方は、ぜひこのまま読み進めてください。
※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。
PDF結合をソフト使わないで行う前に確認すること
PDF結合は、手順そのものより「事前の判断」と「前後のチェック」で成否が決まります。特に、会社や学校の環境では、オンライン利用の可否、機密情報の扱い、そして提出品質の担保が重要です。ここを押さえるだけで、結合後の差し戻し・再提出が大幅に減ります。
オンライン利用の可否を機密度で判断する
「ソフトを使わないPDF結合」は大別すると次の2系統です。
オフライン(端末内で完結):OS標準機能や標準アプリの範囲で結合する
オンライン(Webサービス):ブラウザでファイルをアップロードし、結合結果をダウンロードする
オンラインは非常に手軽ですが、社内規程上「外部送信」扱いになることが多く、資料の内容によっては不適切です。判断の目安として、次のように整理すると迷いません。
オンライン利用を検討しやすいケース(目安)
公開資料、配布済みの一般情報(カタログ、説明資料など)
個人情報・顧客情報・未公開情報が含まれない
個人用途(自己保管、学校課題など)で規程上問題がない
提出先が特定のクラウド提出を求め、許可が明確である
オンライン利用を避けるべきケース(目安)
個人情報(氏名、住所、電話番号、口座、ID、社員番号など)を含む
契約書、見積書、請求書、発注書、社外秘の資料
未公開の財務情報、会議資料、顧客向け提案書(確度に関わらず)
取引先・顧客との取り決めで外部送信が制限されている
自社の情報管理規程で「外部サービスへのアップロード」が禁止・要承認
判断のための簡易フロー(実務で使える考え方)
結合するPDFに「社外秘」「Confidential」等の表記があるか
個人情報・顧客情報が含まれるか
外部送信が規程上許容されるか(要承認か、禁止か)
不明な場合は、オンラインを使わずオフラインで完結させる(安全側)
この段階で迷う場合は、結合方法の比較よりも先に「オフラインで実施できる選択肢」を採用するのが安全です。オンラインで一度外部へ送信してしまうと、後から取り消すことはできません。
結合前に揃えるべき条件(ページ順・回転・パスワード)
結合前の整備は、作業時間を短くし、提出品質を安定させます。以下の観点を「結合前の仕様」として決めてしまうのが有効です。
1)ページ順の決め方(最重要)
結合手段によっては「ファイル名順」「選択順」「ドラッグ順」がそのまま結果に反映されます。提出資料ではページ順ミスが致命的になりやすいため、次のいずれで順序を作るかを先に決めてください。
ファイル名で順序を担保する(おすすめ)
例:
01_表紙.pdf、02_目次.pdf、03_本文.pdf、04_添付.pdf
章単位でフォルダを分け、フォルダ順で担保する
ドラッグで並べ替える前提で、結合後に必ず目視確認する
2)回転(縦横)の混在
スキャン資料は、途中ページだけ90度回転していることがあります。結合後に気づくと差し戻しの原因になります。結合前に、少なくとも「先頭・中盤・末尾」を開いて、向きが揃っているか確認してください。
3)不要ページの混入(白紙・裏写り・メモページ)
提出用では不要ページが含まれると信用問題になり得ます。次を目安に確認します。
白紙ページ、裏写り、極端に薄いページ
途中に差し込まれたメモ、下書き、個人メモ
スキャン時の表紙裏や余白ページ
4)パスワード・権限制限の有無
PDFには以下の制限がある場合があります。
開くためのパスワード(閲覧制限)
印刷禁止、編集禁止、ページ抽出禁止など(権限制限)
この制限があると、オフラインの印刷方式やドラッグ結合が失敗することがあります。制限が疑われる場合は「開けるが印刷ができない」「ページを追加できない」「保存ができない」などの挙動が起きます。対応は後述のトラブルシューティングを参照してください。
5)容量の目安(共有手段まで含めて考える)
結合できても共有できないと意味がありません。次の制約を事前に把握してください。
メール添付上限(会社や取引先の制限)
社内システムのアップロード上限
オンラインサービスのファイルサイズ上限
スマホ回線やVPN経由の転送速度
結合後の品質チェック(抜け・順序・容量)
結合が完了したら、提出・共有の前に「品質チェック」を必ず実施してください。最短でも次の確認で事故は大幅に減ります。
結合後チェック(最低限)
先頭ページ:表紙・宛名・タイトルが正しい
中盤ページ:段落の切れ目、章の境目でページ抜けがない
末尾ページ:添付の最後が揃っている
ページ順:意図した順に並んでいる
回転:縦横の混在がない
サイズ:共有手段の上限を超えていない
提出用の推奨チェック(重要箇所の重点確認)
金額、日付、取引先名、契約条項、署名欄などを拡大表示して確認
画像・表が潰れていない、文字が読める
しおり・リンクが必要な場合は機能が維持されているか(必要に応じて)
チェックは「完璧に全ページを見る」よりも、「事故が起きやすい箇所を確実に見る」設計にすると継続できます。
WindowsでPDF結合をソフト使わない方法
Windows環境では、インストール不要で行う場合、最も確実なのは「印刷(仮想プリンタ)で1つのPDFとして再生成する」方法です。多くのPCで利用でき、操作も比較的単純です。
ただし、再生成の性質上、元PDFの内部構造(フォーム、レイヤー、しおり等)が変化する可能性がある点は理解しておく必要があります。
印刷機能を使って1つのPDFにまとめる手順
ここでは、ソフト導入なしで実施しやすい「印刷→PDF出力」の手順を、失敗しにくい形に整理します。
事前準備(推奨)
ファイル名を連番にする(
01_、02_など)目的の順序がファイル名順になるように並べる
可能であれば同じフォルダにまとめ、余計なPDFを混ぜない
手順(基本)
結合したいPDFを複数選択します。
右クリックし、印刷を選びます(表示されない場合は次の代替手順へ)。
プリンタの選択で「PDFに出力する仮想プリンタ」を選びます。
印刷(実行)し、保存先とファイル名を指定します。
保存したPDFを開き、ページ順・抜け・回転を確認します。
表示されない・うまく動かない場合の代替(代表例)
PDFを一つずつ開ける場合:
1つのPDFを開いて印刷→PDF出力を行い、章ごとに作成したPDFを最後に統合する方針に切り替えます。右クリック印刷が出ない場合:
PDFビューア(ブラウザ等)で開き、印刷メニューからPDF出力を選びます。
この方法が向くケース
「とにかく1つのPDFにしたい」
提出用に体裁を揃えたい
オフライン限定(機密資料)
会社PCで追加インストールができない
注意点(品質に関わる)
フォーム入力があるPDFは、印刷方式で情報が潰れる場合があります。
しおりやリンクがあるPDFは、再生成で失われる場合があります。
透過やレイヤーがあるPDFは、見た目が変わる場合があります。
このようなPDFの場合、提出先や用途に応じて「機能維持が必要か」を検討し、必要ならオンライン(公式サービス)や別環境での作業も視野に入れてください。
ブラウザで開いて整理しやすくするポイント
Windowsでは、ブラウザ(例:EdgeやChrome)でPDFを開いて確認しながら作業する運用が実用的です。結合後の品質確認にも向いています。
ブラウザ活用のメリット
追加インストール不要
PDFを素早く開ける
拡大縮小、ページ移動が簡単
印刷メニューからPDF出力にアクセスしやすい場合がある
確認を効率化するコツ
目次がある資料は、目次ページ→該当章へジャンプして抜けを確認
画像が多い資料は、表示崩れが起きやすいページを重点確認
ページ番号が印字されている場合は、連番が保たれているか確認
ページ順を間違えないための運用
結合前にファイル名を揃える(最も効果が大きい)
フォルダ内の並び替え(名前順)を固定して作業する
結合後に「1ページ目」「章の切れ目」「最終ページ」の順で確認する
うまくいかない時の代替策(制限・回避)
Windowsの「印刷→PDF出力」は万能ではありません。代表的な失敗と対策を整理します。
1)パスワード保護・権限制限で印刷できない
症状:印刷メニューが無効、エラー、印刷開始できない
対策:
正式な手順で、作成者・管理者に制限解除版を依頼します。
取引先資料の場合は、再発行を依頼するのが安全です。
規程上許可されない解除は避けてください。
2)容量が大きくて失敗する/時間がかかる
症状:処理が終わらない、保存できない、固まる
対策:
10ファイルずつなど小分けにしてPDF化し、最後に統合する運用に切り替えます。
画像スキャンが多い場合は、解像度を落とす必要があることもあります(ただし品質低下に注意)。
提出先の要件(読めれば良いのか、印刷品質が必要か)を確認します。
3)画質が落ちた
症状:文字がにじむ、図が荒れる
対策:
印刷設定で品質を高める(可能な範囲で)
スキャン設定の見直し(次回以降)
体裁重視なら、別手段(Macのプレビュー結合等)を検討します
MacでPDF結合をソフト使わない方法
MacはPDF結合を標準機能で行いやすい環境です。特に「プレビュー」での結合は、提出用・保管用の両方で利用されやすく、操作も直感的です。加えて、Finderのクイックアクションで複数ファイルからPDFを作ることもできます。用途に応じて使い分けるのが最適です。
プレビューでPDFを結合する手順
プレビュー結合の基本は「サムネール(ページ一覧)を表示し、ドラッグで統合する」ことです。操作を誤ると元ファイルが上書きされる可能性があるため、提出用の場合は慎重に進めてください。
事前準備(推奨)
結合元PDFは同じフォルダにまとめる
元のPDFを残したい場合、結合先ファイルを複製してから作業する
ページ順が重要な場合、どのPDFを「結合先」にするか決める(表紙があるPDFなど)
手順(安全性を意識した流れ)
結合先にしたいPDFをプレビューで開きます。
サムネール(ページ一覧)を表示します。
追加したい別PDFをプレビューで開き、同様にサムネールを表示します。
追加したいページ、またはPDF全体を選択し、結合先のサムネール欄へドラッグします。
ページ順をサムネール上で確認し、必要に応じてドラッグで並べ替えます。
保存します(元を保全したい場合は別名保存や複製運用を徹底します)。
結合後のPDFを開き、抜け・順序・回転を確認します。
よくあるミスと回避策
ミス:元PDFに上書きしてしまい、元に戻せない
回避:作業前に複製を作る、結合先はコピーを使用する
ミス:ドラッグしたのに意図と違う場所へ入る
回避:挿入位置(サムネールのどこに落とすか)を慎重に確認する
ミス:ページ単位で入れたつもりが、PDF全体が入った
回避:サムネールでページ選択状態を確認してからドラッグする
Finderのクイックアクションでまとめる手順
Finderのクイックアクションは、「複数ファイルを選択してPDFを作成する」用途で特に便利です。PDFだけでなく、画像などからまとめてPDFを作りたい場合にも向きます。
向いているケース
画像(スキャン写真)をまとめて1つのPDFにしたい
いくつかの資料を「とりあえず1つのPDF」にしたい
ページ編集(並べ替え)より、短時間で統合が目的
手順(基本)
FinderでPDFにまとめたいファイルを複数選択します。
Controlクリック(右クリック)し、「クイックアクション」から「PDFを作成」を選びます。
生成されたPDFを開き、順序・回転・抜けを確認します。
注意点(順序に直結します)
多くの場合、出力順は「選択した順序」や「Finder上の並び」に影響されます。
順序が重要な場合は、事前にファイル名を連番にする運用が安全です。
生成後に順序を調整するなら、プレビューで入れ替えるのが確実です。
自動保存などMac特有の注意点
MacでのPDF結合は手軽ですが、提出・共有の事故を防ぐために次を押さえてください。
自動保存の挙動:プレビューで編集した内容がそのまま保存されるケースがあります。元ファイルが必要な場合は複製運用が安全です。
ドラッグ操作の挿入位置:サムネール欄のどこに落とすかで位置が変わります。意図した章の境目に入っているか確認が必要です。
相手環境での見え方:提出先がWindowsの場合、文字や図の見え方が異なるケースがあります。結合後PDFを別アプリ(ブラウザ等)でも開いて確認すると安全です。
オンラインでPDF結合をソフト使わない方法
オンライン結合は、端末を選ばず、手順も短く、スマホでも実施できることがあります。一方で「外部へファイルをアップロードする」という性質上、機密・個人情報・規程の観点での判断が必須です。ここでは、オンラインを使う場合の基本手順と、事故を避けるための確認ポイントを詳細に整理します。
Acrobatオンラインで結合する基本手順
オンライン結合はサービスにより画面が異なりますが、基本的な流れは共通です。以下は一般化した手順として理解してください。
PDF結合に対応したオンラインツールを開きます。
結合したいPDFファイルを追加します(ドラッグ&ドロップやファイル選択)。
ファイル(またはページ)の順序を確認し、必要に応じて入れ替えます。
結合を実行し、生成されたPDFをダウンロードまたは保存します。
ダウンロードしたPDFを開き、ページ抜け・順序・回転・文字潰れを確認します。
オンライン利用時の補足(よくある落とし穴)
アップロード後に並べ替えができるかはサービスにより異なります。
大容量ファイルはアップロードに時間がかかり、途中で失敗することがあります。
通信環境(VPN、社内プロキシ)によっては利用自体が制限されます。
オンラインサービス利用時の安全確認ポイント
オンライン結合を使う際は「便利だから」だけで選ぶとリスクが残ります。最低限、次の観点を確認してください。これはセキュリティ担当者が見る観点でもあり、社内説明が必要な場合にも役立ちます。
確認すべきポイント(推奨)
提供元(運営企業)が明確か
利用規約・プライバシーポリシー・セキュリティ方針が公開されているか
アップロードしたファイルの保管期間、削除方針が説明されているか
通信が暗号化されることが明示されているか
法人利用・業務利用が規約上問題ないか
サービスの利用が社内規程に適合するか(要承認の有無)
実務上の判断のしかた
「不明点がある」「確認に時間がかかる」場合は、オンラインをやめ、オフライン手段に切り替えます。
「公開資料しか扱わない」など用途が限定されている場合は、オンラインの利点が活きます。
一度オンラインに出したファイルは回収できないため、迷ったらオフラインが基本です。
会社・学校で避けるべきケース
オンライン結合を避けるべき状況を、より具体化します。現場で起きやすい例としてご参照ください。
請求書・見積書・契約書・注文書など、取引の根拠になる書類
顧客名簿、履歴書、社員情報、学生の個人情報
役員会資料、監査資料、未公開の業績資料
取引先から受領した「社外秘」資料(自社の判断で外部送信はできません)
学校や企業が指定する情報システム以外のサービス利用が禁止されている場合
オンラインが禁止されている環境で実施すると、規程違反だけでなく、監査上の問題になる可能性があります。オフライン手段がある以上、無理にオンラインを選ばないことが重要です。
PDF結合で起きやすいトラブルと対処法
PDF結合は単純に見えて、資料の性質や制限によって失敗が起きます。ここでは、よくある原因を「症状→原因→対策」の考え方で整理します。特に提出業務では、原因を切り分けて最短で復旧することが重要です。
パスワード保護・権限制限があるPDF
よくある症状
PDFは開けるが、印刷や保存ができない
結合しようとするとエラーになる
一部ページだけ追加できない
オンラインに上げても処理が通らない
主な原因
開封パスワード(閲覧制限)が設定されている
印刷禁止・編集禁止・ページ抽出禁止などの権限制限が設定されている
資料の作成元のポリシーで、加工が許容されていない
対策(原則)
作成者または管理者に、目的を伝えて「結合可能な形で再発行」を依頼します。
取引先資料の場合も、勝手に解除せず、正式に再発行を依頼するのが安全です。
規程・契約に反する解除や回避は避けてください(後から説明できないためです)。
実務での依頼テンプレ(例)
「提出の都合で複数PDFを1つにまとめる必要があり、現在の設定では結合できません。結合可能なPDFの再発行、または結合手段の指定をご教示ください。」
このように、目的と制約を簡潔に伝えると対応が早い傾向があります。
容量が大きい・ページ数が多い
よくある症状
結合処理が終わらない
保存時にエラーになる
アップロードが途中で止まる
結合はできたがファイルが大きすぎて共有できない
主な原因
スキャンPDFの解像度が高い(カラー・300dpi以上など)
画像が多い(写真、図版、添付資料)
ページ数が多い(数百ページ)
VPNや社内ネットワークの制約で転送が不安定
対策(現実的に効く順)
小分けにして結合する
例:10ファイル単位、章単位、月単位で中間成果物を作る
共有手段を見直す
メール添付に固執せず、社内共有・指定アップローダーを利用する
品質要件を確認する
「印刷に耐える品質が必要か」「閲覧できれば良いか」で最適解が変わります
スキャン条件を改善する(次回以降)
文字中心ならグレースケール、解像度調整などで容量が大幅に減ります
容量問題は「結合の問題」ではなく「運用の問題」であることが多いため、共有まで含めて設計するのが最短です。
表示崩れ・フォント問題・回転の混在
よくある症状
相手の環境で文字化けする
表や図の位置がずれる
一部ページが真っ白、または画像が欠ける
回転が混在し、途中ページだけ横向きになる
主な原因
フォントが埋め込まれていない、または相手環境に依存している
透過・レイヤー・特殊な描画(CAD、特殊出力)を含む
スキャン時に向きが統一されていない
結合方式(印刷再生成)で描画が変化した
対策(実行しやすい順)
結合後PDFを、別のアプリでも開いて確認する(ブラウザ、標準ビューアなど)
重要箇所(会社名、金額、契約条項)を拡大して確認する
回転が混在する場合は、ページ単位で向きを修正してから提出する
特殊PDFは「印刷再生成で崩れやすい」ため、可能なら元の生成環境での統合や、公式ツールでの統合を検討する
提出業務では「相手の環境でどう見えるか」が最終品質です。こちらのPCで正しく見えても、相手側で崩れると差し戻しになりますので、確認の工程は省略しないことを推奨いたします。
用途別のおすすめ手順と運用例
最後に、「どの方法を選ぶのが最短か」を用途別に整理します。ここをテンプレ化しておくと、毎回迷わずに済みます。
提出用に体裁を整える
提出用は「相手が読む」ことが前提であり、ページ順や可読性、欠落のないことが最優先です。次の順で進めると安定します。
推奨手順(提出用)
機密度を判断し、オンライン可否を決める(迷ったらオフライン)
ファイル名を連番にして順序を固定する
オフラインで結合する(Windowsは印刷→PDF、Macはプレビュー結合など)
事後チェック(先頭・中盤・末尾+重要箇所)
共有手段に合わせてファイル名・容量を整える
方法比較(目安)
| 方法 | インストール | 機密向き | 手軽さ | 代表的な注意点 |
|---|---|---|---|---|
| Windowsの印刷でPDF化 | 不要 | 高 | 中 | 再生成で体裁や機能が変わる場合 |
| Macのプレビュー結合 | 不要 | 高 | 高 | 上書き・挿入位置に注意 |
| Macのクイックアクション | 不要 | 高 | 高 | 選択順が順序に影響しやすい |
| オンライン結合 | 不要 | 要判断 | 高 | 外部送信・規約・容量制限 |
提出用では、特に「順序」と「抜け」を最重視してください。体裁の美しさよりも、資料の完全性が重要視される場面が多いです。
月次の定型作業を楽にする運用
毎月同じ作業(請求書一式、報告書一式、明細のまとめなど)がある場合、手順を固定するだけで負荷が大きく下がります。
おすすめの運用設計
フォルダ構造を固定する
例:
2025-12/の中に01_請求書/、02_明細/、03_添付/
ファイル名の命名規則を固定する
例:
01_請求書_取引先名.pdf
結合前チェックをテンプレ化する
機密度、順序、回転、不要ページ、パスワード、容量
結合後チェックをテンプレ化する
先頭・中盤・末尾+金額・日付
オンラインの利用可否をルール化する
「社外秘・個人情報はオンライン不可」など
この運用が定まると、担当者が変わっても品質がぶれにくくなり、引き継ぎも容易になります。
機密資料をオフラインで回すルール例
機密資料を扱う場合は、個人の判断に依存しないルールが重要です。以下は、現場に導入しやすい最小限のルール例です。
ルール例(最小構成)
社外秘・個人情報・契約関連はオンラインサービス利用禁止
PDF結合はOS標準機能で実施(Windows:印刷→PDF、Mac:プレビュー等)
元ファイルは改変せず保管し、結合版は別フォルダに保存する
共有は社内ストレージのみ(アクセス権管理あり)
結合版のファイル名に版情報を残す
例:
2025-12_請求書一式_株式会社〇〇_v1_作成者名.pdf
チェックリスト(運用に組み込みやすい形)
オンライン利用の可否を確認した
元PDFの保護(パスワード・権限)を確認した
ファイル名連番で順序を固定した
結合後に先頭・中盤・末尾を確認した
重要箇所(金額・日付・社名)を拡大確認した
共有手段の上限(容量・形式)を満たした
まとめ
「PDF結合をソフト使わない」で実現するには、まずオンライン利用の可否を機密度で判断し、迷ったらオフライン手段を選ぶのが安全です。Windowsでは「印刷→PDF出力」で1つのPDFとして再生成する方法が導入不要で実行しやすく、MacではプレビューやFinderの機能で直感的に結合できます。オンライン結合は手軽ですが、外部送信に該当し得るため、規程と資料の性質に応じて慎重に選ぶ必要があります。
最後に、結合が完了したら必ず「先頭・中盤・末尾」「ページ順」「回転」「重要箇所」を確認してください。ここを省略しないことが、差し戻しや信用低下を防ぐ最短手段です。仕様変更や環境差(会社PCの制限、ブラウザの更新など)により操作が変わる場合もあるため、運用は「手順」だけでなく「チェックリスト」まで含めて固定することを推奨いたします。