PDFをスクリーンショットする完全ガイド｜Windows・Mac・スマホ別の高画質保存テクニック

PDFの一部だけを資料に貼り付けたいのに、うまく切り出せない。スクリーンショットを撮ってみたものの、拡大すると文字がつぶれて読めない。社内マニュアルや提案資料を作るたびに、「結局どの方法が一番きれいで早いのか」が分からず、毎回手探りになっていないでしょうか。

「とりあえず画面をキャプチャする」「なんとなくスマホで撮ってPCに送る」といった場当たり的なやり方でも、最低限のことはこなせます。しかし、業務で使う資料や、社外に提出するドキュメントで同じことを続けていると、画質の粗さや情報漏えいリスクが、信頼性の低下や手戻りの原因になりかねません。

本記事では、こうしたモヤモヤを一度で解消することを目的に、「PDFをスクリーンショットする」ための考え方と具体的な手順を、Windows・Mac・スマホ別に整理して解説します。単なる操作説明にとどまらず、「PDF→画像変換」と「画面スクショ」の違い、高画質に仕上げるためのコツ、複数スクショを1つのPDFにまとめる方法、さらには著作権や情報セキュリティの注意点までを一気通貫でカバーします。

「とりあえず撮る」から一歩進んで、「目的に合わせて最適な方法を選べる」状態になれば、資料作成のスピードも仕上がりの品質も大きく変わります。日々の業務でPDFやスクリーンショットを使う機会が多い方ほど、ぜひ本記事を“自分用マニュアル”として活用してみてください。

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PDFをスクリーンショットしたい人がまず押さえるべき基本

「PDFをスクリーンショットする」とは何をしているのか

「PDFをスクリーンショットする」とは、多くの場合、

• 画面に表示しているPDFの一部または全体を

• 画像ファイル（PNGやJPEGなど）として保存する

という操作を指します。

ここで重要なのは、「PDFそのものを変換している」のではなく、「画面に表示されている状態」を写真のように撮っている、という点です。

一方で、Adobe AcrobatなどのPDFソフトには、

• PDFのページをそのまま画像ファイルに書き出す

• 特定の範囲を「スナップショット」として画像コピーする

といった“PDF内部の情報を直接画像化”する機能もあります。

本記事では、これらを広い意味で「PDFのスクリーンショット」として扱い、用途ごとにどの方法を選ぶべきか整理いたします。

PDFとスクリーンショット画像の違い（画質・編集・用途）

PDFとスクリーンショット画像は、性質が大きく異なります。

一般的には、PDFを直接画像に変換した方が、画面のスクリーンショットよりも高画質のまま資料やWebに挿入しやすい傾向があります。

PDFのまま共有すべきケース／スクショが向いているケース

PDFのまま共有した方がよいケース

• 文書全体を配布したい（仕様書・マニュアル・契約書など）

• レイアウト崩れを避けたい

• 受け手側でも印刷・検索・コピーなどを行ってほしい

スクリーンショット画像が向いているケース

• PDFの一部だけ（図表・画面イメージ）を資料に貼り付けたい

• Webページやブログ記事に挿入したい

• 操作マニュアルの「操作画面の一部分」を見せたい

判断に迷うときの目安

• 「文書を読んでほしい」→ PDF

• 「図や見た目を見せたい」→ スクショ（またはPDF→画像変換）

PDFを高画質で画像化する3つのパターン

パターン1：PDF内部を画像に書き出す（PDF→画像変換）

もっとも画質重視の方法が、PDFを直接画像に変換するパターンです。

代表的な手順のイメージは以下の通りです。

1. PDFをAcrobatや対応ソフトで開く

2. 「書き出し」機能からPNG/JPEGなどの画像形式を選択

3. ページ範囲や画質（解像度）を指定

4. 保存

メリット

• PDFの元の品質に近い高画質で画像化できる

• ページ単位で一括変換できる

• 余計なUI（ツールバー・ウィンドウ枠）が写らない

デメリット

• 対応ソフトやオンラインツールが必要

• 細かい範囲（図の一部など）の切り出しには、追加でトリミング作業が必要

高画質な図版が必要なプレゼン資料や印刷物向けには、この方法を第一候補にするとよいです。

パターン2：Acrobatのスナップショット機能で必要部分だけ切り出す

Adobe Acrobat/Readerのスナップショットツールを使うと、PDFの任意の範囲を画像としてコピーできます。

基本的な流れ（概略）は以下の通りです。

1. AcrobatでPDFを開く

2. メニューから「編集」→「スナップショット」などを選択

3. マウスで範囲をドラッグして選択

4. クリップボードに画像としてコピーされるので、Word/Excel/PowerPointなどに貼り付け

さらに環境設定で、スナップショット画像の解像度を200〜300dpi程度に設定しておくことで、高画質なコピーが可能になります。

メリット

• 必要な部分だけを素早く切り出せる

• 高解像度設定を行えば、画質も十分確保できる

• PDFを拡大表示してから切り出すことで、細部も読みやすくなる

デメリット

• Acrobat/Readerが必要

• バージョンによってメニュー位置が変わり、ボタンが見つからないことがある

パターン3：画面スクリーンショットでPDFをそのまま撮る

もっとも身近なのは、OS標準のスクリーンショット機能を使う方法です。
WindowsならPrintScreenやWindows＋Shift＋S、MacならShift＋Command＋3/4/5などです。

メリット

• 追加ソフト不要で、すぐに使える

• PDFに限らず、Webページ・アプリ画面など何でも撮れる

• 操作が単純で覚えやすい

デメリット

• 画面解像度に依存し、拡大すると文字が荒くなりやすい

• ツールバーや余計な部分も写り込みやすい

• ページ全体を撮るときに複数枚に分かれることがある

「とりあえず画面を残したい」「チャットやメールで一部を見せたい」といった場面で便利な方法です。

WindowsでPDFをスクリーンショットする手順

Windows標準のショートカット（PrintScreen／Windows＋Shift＋S）で撮る

Windowsでは、以下のような標準ショートカットでスクリーンショットを撮影できます。

• PrintScreen：画面全体をクリップボードにコピー

• Alt＋PrintScreen：アクティブウィンドウだけをコピー

• Windows＋PrintScreen：画面全体を画像ファイルとして保存

• Windows＋Shift＋S：範囲指定の切り取りツールを起動（Windows 10/11）

代表的な手順（Windows＋Shift＋S）の例です。

1. PDFをフルスクリーンまたは必要な倍率で表示

2. Windows＋Shift＋Sを押す

3. 画面上部に表示されるツールから「四角形の領域切り取り」を選択

4. キャプチャしたい範囲をドラッグ

5. 通知から画像を開いて保存、またはそのままWord/Excel/メールに貼り付け

Windows＋PrintScreenの場合は、撮影画像が自動的に「ピクチャ」＞「スクリーンショット」フォルダに保存される設定も利用できます。

無料ツール・PDF編集ソフトでPDFの一部をキャプチャする

より細かい設定や注釈が必要な場合は、

• 無料のPDF編集ソフトの「キャプチャ」「スナップショット」機能

• PDF閲覧＋画面キャプチャができるオールインワンツール

などを利用する方法もあります。

一般的な流れは以下の通りです。

1. PDFをソフトで開く

2. 「ツール」→「キャプチャ」などのメニューを選択

3. 範囲を指定して画像保存、またはクリップボードコピー

標準機能では物足りない場合に、これらのツールを併用すると効率的です。

画質を上げたいときのポイント（拡大率・ディスプレイ解像度など）

WindowsでPDFのスクショ画質を上げるコツは次の通りです。

• PDFを拡大してから撮る

  • PDFビューアのズームを150〜200％程度に上げてから範囲指定すると、同じ画面解像度でも文字が読みやすくなります。

• 不要な余白やUIは写さない

  • 目的の図版だけを小さく切り出した方が、印刷・貼り込み時に見やすくなります。

• 画面スクショで足りなければスナップショット機能に切り替える

  • 画質を最優先する場合は、AcrobatのスナップショットやPDF→画像変換を利用する方が安定します。

MacでPDFをスクリーンショットする手順

Shift＋Command＋3/4/5で画面をキャプチャする

Macでは、Appleが公式に以下のショートカットを案内しています。

• Shift＋Command＋3：画面全体を撮影

• Shift＋Command＋4：ドラッグした範囲を撮影

• Shift＋Command＋5：スクリーンショットパネルを表示（画面／ウィンドウ／範囲／録画の選択）

代表的な範囲指定の流れ（Shift＋Command＋4）は以下の通りです。

1. PDFをプレビューやAcrobatで表示

2. Shift＋Command＋4を押す

3. 十字カーソルで範囲をドラッグ

4. デスクトップにPNGとして保存される（初期設定）

スクリーンショットパネル（Shift＋Command＋5）を使えば、保存先やタイマー、カーソル表示なども細かく設定できます。

プレビューやPDFツールでPDFページを画像として書き出す

Macでは、標準のプレビューアプリだけで、PDFページを画像として書き出すことができます。

おおまかな流れは以下の通りです。

1. PDFをプレビューで開く

2. メニューから「ファイル」→「書き出す…」を選択

3. フォーマットでPNGやJPEGを選ぶ

4. 必要に応じて解像度を設定して保存

この方法は画面スクリーンショットではなく、PDFのページを直接画像化するため、画質面で有利です。

Retina環境での注意点と画質確保のコツ

Retinaディスプレイでは、

• 画面上の文字が非常になめらかに見える一方で

• 実際のスクリーンショット画像サイズが大きくなりがち

という特徴があります。

画質と使いやすさのバランスを取るコツ

• Web掲載用の場合

  • 撮ったスクショを画像編集ソフトでリサイズし、横幅を適切なサイズ（例：1200px前後）に縮小する

• 印刷用途や拡大表示が前提の場合

  • むしろ大きめのサイズを維持し、必要に応じてPDF→画像変換を併用する

スマホでPDFとスクリーンショットを扱う方法

iPhoneでPDFやWebページをフルページPDF・スクショ保存する

iPhoneでは、通常のスクリーンショットに加え、Webページ全体をPDFとして保存する機能があります。

通常のスクリーンショット：

1. 対象画面を表示

2. サイドボタン＋音量を上げるボタンを同時に押す

3. 画面左下にサムネイルが表示される

SafariでWebページを開いている場合のフルページPDF保存：

1. 上記の方法でスクリーンショット

2. 左下のサムネイルをタップ

3. 上部の「フルページ」タブを選択

4. 右上の共有ボタンから「ファイルに保存」を選ぶ → PDFとして保存

PDFファイルは「ファイル」アプリで管理でき、iCloud経由でPCとも共有できます。

AndroidでPDF画面をスクリーンショットする基本手順

Androidでは端末メーカーによって操作は若干異なりますが、一般的には、

• 電源ボタン＋音量ダウンボタンを同時押し

でスクリーンショットを撮影できます。多くの端末では、スクロールキャプチャ（ページ全体の長いスクショ）機能も備えています。

PDF閲覧アプリ上で同じ操作を行えば、画面に表示されているPDF部分を画像として保存できます。

スマホのスクショをPCでPDFにまとめるワークフロー

スマホで撮影したスクショをPCで1つのPDFにまとめる一般的な流れは以下の通りです。

1. スマホで必要なスクリーンショットを撮影

2. クラウド（iCloud Drive／Google Drive／OneDriveなど）やメールでPCに転送

3. PC上で、画像→PDF変換やPDF結合ツールを使う

   • スクショ画像を1つのPDFとしてまとめる

   • ページ順を並べ替える・回転するといった調整を行う

この流れをテンプレート化しておくと、報告書作成や証跡提出がスムーズになります。

スクリーンショットを1つのPDFにまとめる方法

Windows／Mac標準機能＋無料ツールでまとめる

シンプルな手順の一例

1. すべてのスクリーンショット画像を1つのフォルダに集める

2. オンラインの画像→PDF変換ツール、またはOS標準の「印刷」ダイアログを利用

   • 印刷先に「PDF」プリンタを選択

   • 画像ファイルをまとめて印刷 → PDFとして保存

3. 必要に応じて、無料のPDF結合ツールでページ順を並べ替える

専門ソフトがなくても、標準機能＋オンラインサービスで多くの場面に対応できます。

PDF編集ソフトを使って一括で結合する

PDF編集ソフトを使う場合は、より直感的にまとめられます。

一般的な流れ：

1. PDF編集ソフトを起動

2. スクリーンショット画像を複数選択し、ソフトにドラッグ＆ドロップ

3. 自動的に1つのPDFとしてページ化

4. 「適用」「保存」などで書き出し

大量ページのスクショを扱う場合や、頻繁にこの作業を行う場合は、有料のPDF編集ソフトを導入した方が作業効率が高くなることもあります。

ファイルサイズを抑えるコツと注意点

• 解像度を必要以上に高くしすぎない

  • 一般的な資料用は150〜200dpi程度、印刷品質を求める場合は200〜300dpi程度を目安にします。

• 画像形式を用途に応じて選ぶ

  • 写真中心ならJPEG、文字や図形中心ならPNGが候補となります。

• PDF作成後に「最適化」「圧縮」機能があれば活用する

• メール添付やオンライン提出の容量制限（例：10MBなど）を意識する

よくあるトラブルと対処法

スナップショットツールが見つからない・押せないとき

最近のAdobe Acrobat/Readerでは、UI変更によりスナップショットツールの位置が変わることがあります。

代表的な対処法は以下の通りです。

• メニューを確認する

  • 「編集」→「スナップショット」や、ツールパネル内に移動している場合があります。

• ツールバーをカスタマイズする

  • 「表示」→「表示切り替え」→「ツールバー項目」などから、スナップショットボタンをツールバーに追加できるケースがあります。

• バージョンを確認する

  • 旧UI／新UIで操作方法が異なるため、困ったときは最新の公式ヘルプを参照することが安全です。

スクリーンショットがぼやける・文字が読めないとき

以下のチェックリストを確認することで、多くの画質問題は改善できます。

• □ PDFの表示倍率を100％以上にしてからキャプチャしたか

• □ ディスプレイの解像度設定が低くなっていないか

• □ キャプチャ範囲が広すぎて、図や文字が小さくなっていないか

• □ 画面スクショではなく、PDF→画像変換やスナップショットツールを試したか

印刷用途や細かい図版が多い場合は、最初からPDF内部の画像変換や高解像度スナップショットを使うと安定します。

キャプチャが禁止されているPDFを扱うときの注意

一部のPDFには、

• 著作権保護（DRM）

• 組織のセキュリティ設定

により、印刷やコピー、スクリーンショットが制限されている場合があります。

このような場合は、

• 無理に制限を回避しようとしないこと

• 利用目的を整理し、必要があれば権利者・管理者に相談すること

• 社内ポリシーや法令に反する操作を行わないこと

が重要です。

PDFスクリーンショットの権利・セキュリティの注意点

著作権・利用規約の基本的な考え方

他者が作成したPDF（書籍・教材・Webサービスの画面など）をスクリーンショットして共有・公開する際には、以下の点に注意が必要です。

• 商用利用やインターネットへの公開には、原則として著作権者の許諾が必要な場合がある

• サービスの利用規約で、画面キャプチャの公開が制限されているケースがある

• 引用の範囲内であっても、出典の明記や必要最小限の利用が求められる

特に社外への公開や配布では、事前の確認を徹底することが望ましいです。

機密情報や個人情報を含むPDFをスクショするリスク

• 顧客情報・従業員情報・契約条件などが写り込むスクリーンショットは、誤送信や再利用により重大な情報漏えいにつながる可能性があります。

• クラウドストレージやチャットツールにアップロードしたスクリーンショットは、共有設定のミスによる流出リスクもあります。

最低限の対策

• 不要な情報はトリミングやマスキング（黒塗り・モザイク）を行う

• 保存場所・共有先のアクセス権限を必ず確認する

• 不要になったファイルは適切に削除する

業務で安全に活用するためのチェックポイント

配布・共有前に、次のようなチェックリストを確認することを推奨いたします。

• □ スクリーンショット内に個人情報や機密情報は含まれていないか

• □ 利用規約や社内ポリシーに反していないか

• □ 公開範囲（社内のみ・取引先・一般公開）が明確になっているか

• □ 必要以上の情報を載せていないか（画面全体ではなく部分キャプチャで足りないか）

• □ 保存・共有に使うサービス（クラウド・チャット等）の権限設定を確認したか

目的別チェックリストとよくある質問（FAQ）

目的別：おすすめの方法早見表（資料作成／共有／保存）

PDFスクリーンショットに関するFAQ

Q. すべて無料ソフトだけで対応できますか？
A. PDF→画像変換やスクリーンショット、画像からPDF作成まで、多くは無料のツールやOS標準機能で実現可能です。ただし頻繁に大量のファイルを扱う場合は、有料のPDF編集ソフトの方が結果的に作業効率が高くなる場合があります。

Q. 解像度（dpi）はどのくらいを目安にすべきですか？
A. 画面表示や一般的な資料用であれば150〜200dpi程度でも十分なことが多く、印刷で細かい文字まできれいに見せたい場合は200〜300dpi程度を目安とするとよいです。

Q. PDFとスクリーンショット、どちらを先に試すとよいですか？
A. 高画質を求める資料であれば「PDF→画像変換」または「スナップショット」を、手早く共有したいだけであれば「画面スクショ」から試すのがおすすめです。

まとめ：この記事を読んだ後に取るべき次のアクション

1. 自分の環境で基本ショートカットを試す

   • Windows：PrintScreen／Windows＋Shift＋S

   • Mac：Shift＋Command＋3/4/5

   • iPhone：サイドボタン＋音量アップ＋フルページPDF保存

2. よく使うシーンごとに“定番パターン”を決める

   • 会議資料用：PDF→画像変換 or 高解像度スナップショット

   • チャットやメール共有用：画面スクショ＋トリミング

3. 社内マニュアルや個人用ノートに手順をまとめる

   • 本記事の内容を基に、自社のルールや使用ツールに合わせて手順を整理しておくと、チーム全体の作業効率が向上いたします。

4. 仕様変更に備えて公式情報を定期的に確認する

   • OSやAdobeのUI・機能はアップデートで変わることがあります。困ったときには、最新の公式ヘルプを確認する習慣をつけておくと安心です。