パソコンが突然固まって動かなくなると、とても不安になります。
しかし、やみくもに電源を切ってしまうと、データが失われたり、ストレージ(HDD/SSD)に負担をかけるおそれがあります。
ここでは、「今まさにフリーズしている」状況から安全に復旧する手順と、よくある原因・予防策までを、順番にご説明いたします。
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強制終了の前に確認したいこと
本当にフリーズしているかを確認するチェックポイント
一見フリーズしたように見えても、「処理が重くて一時的に固まっているだけ」というケースも少なくありません。
以下を順番に確認してください。
マウスポインターが動くか
→ 動く場合は、完全フリーズではなく「非常に重い状態」である可能性があります。キーボード入力に反応するか
→ CapsLockキーを押したとき、キーボードのランプが点灯・消灯するか確認します。ストレージのアクセスランプが点滅しているか
→ 点滅している場合は、PCが内部で処理を続けている最中かもしれません。
アクセスランプが激しく点滅している場合は、まず5〜10分ほど待って様子を見ることをおすすめいたします。大きなファイル処理などが終わると、自然に操作できるようになることがあります。
やってはいけないNG行動
フリーズ時に、次の行動は避けてください。
コンセントや電源タップをいきなり抜く
電源ボタンを何度も連打する
短時間に何度も強制終了と電源投入を繰り返す
これらは、保存中のデータ破損やストレージ障害につながるおそれがあります。
まだ操作できる場合の対処手順
ここからは、「マウスやキーボードが一部でも反応する」ケースを想定した手順です。
マウスやキーボードが一部動く場合の基本ステップ
少し待ってみる
アクセスランプが点灯・点滅している場合は、数分待つことで回復する場合があります。
別ウィンドウに切り替えてみる
Alt + Tab(アプリ切り替え)で他のアプリに切り替えられるか確認します。
スタートメニューが開くか確認
Windowsキー(キーボード左下の旗マーク)を押して、スタートメニューが表示されるか試します。
いずれかの操作が効く場合は、「OSは生きていて、特定アプリが固まっている」可能性が高いです。
特定のアプリだけ固まる時はタスクマネージャーで終了
アプリだけがフリーズしている場合は、そのアプリを終了することでPC全体を復帰させられることが多いです。
タスクマネージャーから終了する手順(Windows 10/11共通の基本例)
キーボードで
Ctrl + Shift + Escを押し、「タスクマネージャー」を開きます。「プロセス」タブから、固まっているアプリを探してクリックします。
右下の 「タスクの終了」 ボタンをクリックします。
他のアプリが動くようになったか確認します。
ウィンドウ自体は見えていて、「×」ボタンだけ効かないような場合は、Alt + F4 キーでもアプリを閉じられることがあります。
Windowsメニューが開く場合の安全な再起動方法
OS全体の動作が不安定な場合は、一度Windowsを再起動した方が安全です。
画面左下のスタートボタンをクリック、またはキーボードのWindowsキーを押します。
「電源」アイコン → 「再起動」 を選択します。
再起動後、フリーズが解消しているかを確認します。
スタートボタンがクリックできない場合でも、Ctrl + Alt + Delete キーで青いメニュー画面を表示し、右下の電源アイコンから「再起動」を選ぶ方法もあります。
完全に固まった時の安全な強制終了手順
マウスもキーボードもまったく反応せず、Ctrl + Alt + Delete も効かない場合は、電源ボタン長押しによる強制終了が最終手段となります。
電源ボタン長押しの手順と注意点
ストレージのアクセスランプが点灯・点滅していないか確認します。
PC本体の電源ボタンを 4〜10秒程度、長押し します。
画面が真っ暗になり、電源ランプが消えることを確認します。
10〜30秒ほど待ってから、再度電源ボタンを押して起動します。
※ 強制終了を行うと、保存していない作業内容は基本的に失われます。大切なデータであればあるほど、日頃からこまめな保存とバックアップをおすすめいたします。
強制終了後に必ず確認したいチェック項目
直前に編集していたファイルが開けるか
不自然なエラーメッセージやチェックディスク画面が表示されないか
再起動後もすぐにフリーズしないか
同じ操作をすると何度もフリーズする場合は、「原因が残っている」可能性が高いため、次章以降の原因・対策を順にご確認ください。
PCがフリーズする主な原因とセルフチェック
ここからは、「なぜフリーズしてしまうのか」を理解し、再発を減らすためのポイントをご説明いたします。
熱暴走・ホコリ・設置環境の問題
PCは内部温度が高くなりすぎると、安全のために動作が不安定になったり、フリーズ・強制再起動が発生することがあります。
セルフチェックのポイント:
本体の排気口が壁や物に近すぎないか
夏場や高温多湿の部屋で長時間使っていないか
ファン付近にホコリがたまっていないか
対策としては、通気の良い場所に設置する・こまめにホコリを掃除する・長時間高負荷動作を続けないといった冷却対策が有効です。
メモリ不足・常駐ソフト・起動時の負荷
メモリ(作業領域)が不足していると、アプリやWindowsが動作しきれず、一時的なフリーズや全体の固まりにつながります。
チェックするポイント:
アプリを大量に起動したままにしていないか
ブラウザのタブを何十個も開きっぱなしにしていないか
常駐ソフト(セキュリティソフト、クラウドストレージなど)が多すぎないか
タスクマネージャーの「パフォーマンス」や「プロセス」タブで、CPU・メモリ・ディスク使用率が常に高止まりしていないか確認すると、原因のヒントになります。
ストレージ(HDD/SSD)の空き容量不足や劣化
ストレージの空き容量が極端に少ない、あるいは劣化・故障が始まっている場合も、フリーズや再起動の原因になります。
Cドライブの空き容量は 10〜15%以上 を目安に確保するのが望ましいとされています。
カチカチと異音がするHDDや、異常に遅いSSDは要注意です。
Windowsのチェックディスク機能(chkdsk)などで状態を確認する方法もありますが、実行には時間がかかり、トラブル時に使いこなすにはやや難易度が高いため、不安な場合はメーカーサポートや専門業者への相談をおすすめいたします。
ドライバー・Windows Update・周辺機器の相性
グラフィックボードなどのドライバーや、Windows Updateとの相性が悪い場合にもフリーズが発生することがあります。
特定の周辺機器(USB機器、プリンター、外付けHDD)を接続したときだけ固まる
Windowsの更新直後からフリーズが増えた
といった場合は、周辺機器を外した状態で確認する・ドライバーを更新するといった対応が有効です。
ウイルス・マルウェアの影響
悪意のあるソフトウェア(マルウェア)がPCのリソースを占有し、フリーズのような症状を引き起こすケースもあります。
信頼できるセキュリティソフトでフルスキャンを実施する
不審なソフトやブラウザ拡張機能をアンインストールする
といった基本的な対策を行ってください。
Windows 10/11でできる具体的な改善・設定方法
ここでは、一般的なWindows 10 / 11で実施しやすい改善策を、難易度の低いものから順にご紹介いたします。
不要アプリ・スタートアップの見直し手順
「設定」→「アプリ」→「インストール済みのアプリ」から、使っていないアプリをアンインストールします。
Ctrl + Shift + Escでタスクマネージャーを開き、「スタートアップ」タブを表示します。起動時に不要なアプリを「無効」に設定し、再起動後の負荷を軽減します。
ディスクの空き容量確保とチェックディスクの実行
Windowsの「ストレージセンサー」やディスククリーンアップ機能を使い、一時ファイルや不要データを削除します。
必要に応じて、システムドライブに対してチェックディスク(
chkdsk)を実行し、ファイルシステムのエラーを修復します。
(※実行前に必ずデータのバックアップを推奨いたします)
Windows Updateとドライバー更新の基本
「設定」→「Windows Update」から、最新の更新プログラムを確認します。
PCメーカーやパーツメーカー(グラフィックボード等)の公式サイトから、最新のドライバーを入手・適用します。
大規模アップデート後に不具合が出る場合は、公式情報やサポートサイトで既知の問題が報告されていないか確認します。
セーフモード・クリーンブートで原因を切り分ける(中級者向け)
セーフモードやクリーンブートは、最低限の構成でWindowsを起動し、不要な常駐ソフトやドライバーの影響を切り分けるための手段です。
セーフモードでフリーズしない → インストールしたアプリやドライバーが原因の可能性
セーフモードでもフリーズする → ハードウェアやOS自体の問題の可能性
操作手順自体は公式ドキュメントに詳しく掲載されていますが、設定を誤ると起動できなくなるリスクもあるため、不安がある場合は無理をせずメーカーサポートや専門業者にご相談ください。
こんな症状が続くなら修理・買い替えを検討
以下のような場合は、ソフトウェア設定だけでは解決が難しく、ハードウェア故障や老朽化が疑われます。
強制終了後も、ほぼ毎日フリーズや勝手な再起動が起こる
異音がする、異常に本体が熱くなる
Windowsを初期化しても改善しない
メーカー診断ツールでハードウェアエラーが報告される
目安として、
購入から5〜7年以上経過している
HDD搭載の旧型PCで、高負荷作業が多い
といった場合は、修理より買い替えを検討した方が総合的に得になるケースも少なくありません。
さらに、2025年10月にWindows 10のサポートが終了しているため、Windows 10搭載PCを今後も安全に使うには、Windows 11への移行やPC本体の更新も視野に入れる必要があります。
フリーズを防ぐための日頃の予防習慣チェックリスト
最後に、フリーズを減らすために意識したい日常的なポイントをまとめます。
こまめにファイルを保存し、重要なデータはバックアップを取っている
半年〜1年に一度は、不要なアプリやデータを整理している
デスク周りやPC内部のホコリを定期的に掃除している
長時間の高負荷作業(ゲーム・動画編集など)の合間に休止時間を設けている
Windowsやドライバー、セキュリティソフトを定期的に更新している
不審なソフトや不要な常駐ソフトを放置していない
よくある質問(FAQ)
Q1. 強制終了を何回もしてしまいました。PCは大丈夫でしょうか?
A. 数回の強制終了だけで直ちにPCが壊れるとは限りませんが、保存していないデータが破損している可能性は高くなります。また、繰り返し強制終了を行うと、ストレージへの負担が蓄積するおそれもあります。
今後は、強制終了はあくまで「最後の手段」とし、日頃からこまめな保存とバックアップを心がけてください。
Q2. フリーズが多いPCは、すぐに買い替えた方がよいですか?
A.
まずは本記事で紹介した基本的な原因切り分けと対策(温度、空き容量、不要アプリの整理、Windows Updateなど)を試し、それでも頻繁にフリーズする場合は、ハードウェア診断や専門業者への相談をおすすめいたします。
その上で、年式が古い・HDD搭載・メモリ容量が少ないなどの条件が重なる場合は、買い替えを検討されるのが現実的です。
Q3. Windows 10のままでも使い続けられますか?
A. 技術的には使用を続けることは可能ですが、Windows 10は2025年10月でサポートが終了しており、今後セキュリティ更新プログラムが提供されません。