メールで出欠確認や承認依頼をするとき、「誰がもう返信したのか分からない」「集計が面倒で結局Excelに打ち直している」と感じることはないでしょうか。
実はOutlookには、こうした悩みを一気に解消できる「投票ボタン」機能が標準搭載されています。
しかし、いざ使おうとしても「投票ボタンが見つからない」「相手の画面で表示されない」「結果の見方が分からない」といった壁にぶつかり、結局使うのをあきらめてしまうケースも少なくありません。
本来とても便利な機能でありながら、場所や前提条件が分かりづらいがゆえに、十分に活用されていないのが現状です。
本記事では、Outlookの投票ボタンについて、「どこにあるのか」「どう設定するのか」「なぜ表示されないのか」「どう集計するのか」 を、業務利用を前提に分かりやすく整理して解説します。
社内の出欠確認や簡単なアンケートを、メールだけでスムーズに完結させたい方は、ぜひ最後まで読み進めて実務にお役立てください。
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Outlookの「投票ボタン」とは?できることと前提条件
投票ボタンで何ができるか(機能の概要)
Outlookの「投票ボタン」は、メールに選択肢付きの質問を付けて送信し、受信者にワンクリックで回答してもらえる機能です。代表的な利用シーンは以下のとおりです。
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会議や懇親会などの出欠確認(「出席」「欠席」など)
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稟議・申請の承認依頼(「承認」「却下」など)
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軽い社内アンケート(「はい」「いいえ」「どちらともいえない」など)
受信者はメール上部のバーから選択肢を選ぶだけで回答でき、回答結果は送信者側で自動的に集計されます。送信者はOutlook上で一覧を確認したり、Excelにエクスポートして分析や共有に利用したりすることが可能です。
利用できるOutlookのバージョンと必要なアカウント
投票ボタン機能は、主に以下の環境で利用できます。
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Windows版Outlook デスクトップアプリ
(Outlook for Microsoft 365、Outlook 2024、2021、2019、2016 など) -
Microsoft 365 / Exchange系のメールアカウントに接続されていること
一方で、次のようなケースでは、機能や表示に制限が出る場合があります。
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Outlook on the web(ブラウザー版)やモバイルアプリのみ利用している場合
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POP/IMAPのみの構成でExchangeアカウントがない場合
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組織ポリシーにより機能が制限されている場合
特に社外ユーザー向けに投票ボタンを利用する場合、相手側がOutlook以外のメールソフトを使っているとボタンが表示されないケースがあるため、注意が必要です。
従来の「投票ボタン」と新しい「投票(Poll)」の違い
近年のOutlookには、「投票ボタン」に加えて、挿入タブから利用できる「投票(Poll)」機能も存在します。それぞれの特徴は次のとおりです。
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従来の「投票ボタン」
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メール作成ウィンドウの[オプション]タブ →[投票ボタンの使用]から設定
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「はい/いいえ」「承認/却下」などシンプルな選択肢向け
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結果はOutlook上で一覧表示・Excel出力が可能
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新しい「投票(Poll)」
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メール作成ウィンドウの[挿入]タブ →[投票]から作成
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Webフォームのような画面で回答し、クラウド上で集計
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利用可否は契約プランや環境に依存
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本記事では、検索ニーズが高い従来の「投票ボタン」を中心に解説しつつ、必要に応じて「投票(Poll)」との違いも補足します。
投票ボタンの基本的な使い方(送信側)
メールに投票ボタンを追加する手順
ここでは、Windows版Outlookデスクトップアプリを前提に、投票ボタンの設定手順を説明します。
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新規メールを作成する
[ホーム]タブで [新しいメール] をクリックし、メール作成ウィンドウを開きます。 -
[オプション]タブを開く
メール作成ウィンドウ上部のリボンから [オプション] タブをクリックします。 -
投票ボタンを設定する
[確認]グループ内の [投票ボタンの使用] をクリックし、一覧から使用したいパターンを選択します。
例:-
「承認;却下」
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「はい;いいえ」
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「はい;いいえ;たぶん」
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宛先・件名・本文を入力して送信する
通常どおり宛先・件名・本文を入力し、[送信]をクリックします。
以上で、投票ボタン付きメールの送信は完了です。
選択肢のパターンとカスタム投票の作り方
既定の選択肢以外に、独自の選択肢を設定することもできます。
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メール作成画面で、[オプション]タブの[確認]グループ右下にある小さな矢印をクリックし、[メッセージオプション] を開きます。
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[投票ボタンを使う] にチェックを入れます。
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入力欄に、使いたい選択肢を セミコロン(;)区切り で入力します。
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例:
参加;不参加 -
例:
第一候補;第二候補;第三候補
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[閉じる]をクリックし、そのままメールを送信します。
これにより、受信者は指定した選択肢から投票できるようになります。
受信者にどのように表示されるか(画面イメージの説明)
投票ボタン付きメールを受信した側のOutlookでは、一般的に以下のように表示されます。
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メール本文上部に「このメッセージには投票ボタンが表示されています。」等の案内バーが表示される
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案内バーをクリックすると、設定された選択肢(「はい」「いいえ」など)が一覧で表示される
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選択肢をクリックすると、その内容が投票結果として送信者に自動返信される
初めて利用する相手には、「メール上部のバーから選択肢を選んでください」と本文中で一言添えておくと、迷わず投票してもらいやすくなります。
投票結果の確認と集計方法
Outlook上で投票結果を一覧表示する
送信者が投票結果を確認するには、以下の手順で行います。
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Outlookで [送信済みアイテム] フォルダーを開きます。
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投票ボタンを設定した対象メールをダブルクリックして開きます。
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メールウィンドウ上部の [メッセージ] タブ、または [オプション] タブにある [確認] から投票結果を表示します。
結果一覧には、各受信者の名前・選択肢・回答日時などが一覧で表示されます。そのまま画面上で確認するだけでも、簡易的な集計には十分です。
Excelにエクスポートして集計・共有する
より詳細な集計や共有を行いたい場合は、投票結果をExcel形式で出力すると便利です。
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投票結果の画面から、一覧をExcelやCSVとしてエクスポートします。
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エクスポートしたファイルを社内共有フォルダーやTeamsで共有すれば、関係者全員が結果を確認できます。
特に人数が多い場合や、出欠率・賛成率などの割合を算出したい場合は、Excelでの集計が有効です。ただし、回答者名やメールアドレスの取り扱いについては、社内の情報管理ルールに従ってください。
投票ボタンが表示されないときの原因と対処法
自分のOutlookに投票ボタンが見つからない場合
「そもそも投票ボタンが見当たらない」という場合は、次の順番で確認してください。
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新規メール作成画面で確認しているか
受信トレイのメイン画面ではなく、「新しいメール」ウィンドウを開いた状態で、投票ボタンの有無を確認します。 -
[オプション]タブを開いているか
メール作成ウィンドウの[オプション]タブ →[確認]グループ内に「投票ボタンの使用」があります。タブを間違えていないか確認します。 -
Outlookのバージョンが対応しているか
Outlook 2016以降のデスクトップ版であるか、「ファイル」→「Office アカウント」などからバージョン情報を確認します。 -
利用しているメールアカウントの種類
Exchange系アカウントではなく、POP/IMAPのみの構成の場合、組織の設定によって機能が制限されている可能性があります。
上記を確認しても見つからない場合は、組織のポリシーやライセンスで機能が無効化されている可能性があるため、情報システム部門へ確認することをおすすめします。
相手側のメールに投票ボタンが表示されない場合
「自分が送ったメールには投票ボタンが設定されているのに、相手の画面では見えない」という相談もよくあります。主な原因は次のとおりです。
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相手がOutlook以外のメールクライアント(他社製メールソフトやWebメール)を使用している
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相手のOutlookバージョンが古く、機能に対応していない
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外部ドメイン宛のメールに対して、組織のゲートウェイがメール形式を変換している
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相手側の環境で暗号化やセキュリティ製品が本文を加工している
社外宛に投票ボタンを利用する場合は、「Outlook専用の機能であり、相手のメール環境によってはボタンが表示されないことがある」という点を事前に伝えておくと、誤解やトラブルを減らせます。
メール形式(RTF/HTML)・暗号化・アドインなど技術的な要因
もう一歩踏み込んだ技術的な原因として、以下の点もよく問題になります。
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メール形式の変換(RTF → HTML / テキスト)
途中のメールサーバーやゲートウェイで、Outlook固有の情報を含むリッチテキスト(RTF)がHTMLやテキスト形式に変換されると、投票ボタンの情報が失われる場合があります。 -
winmail.dat の扱い
Exchange環境では、Outlook以外のクライアントに対して winmail.dat として一部情報を送るケースがあります。これを解釈できないクライアントでは、投票ボタンが表示されません。 -
暗号化メール
S/MIMEやIRMなどで暗号化したメールでは、受信側で投票ボタンが正しく機能しない場合があります。 -
アドインや仕分けルールによる本文の加工
一部のアドインや自動仕分けルールがメッセージ本文を加工した結果、投票情報が削除されてしまうケースもあります。
これらはユーザー単独での対応が難しいことも多いため、「外部送信メールの形式変換」「暗号化ポリシー」について、情報システム部門に確認してもらうことが現実的です。
業務での活用例と運用のコツ
会議の出欠確認や日程調整に使う場合
投票ボタンは、会議や懇親会、勉強会などの出欠確認に非常に適しています。具体例は次のとおりです。
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件名例
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【出欠確認】○月○日 部内懇親会のご案内
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本文のポイント
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冒頭で「メール上部の投票ボタンから『出席 / 欠席』を選択してください」と明記
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回答期限(例:○月○日まで)をはっきり記載
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必要に応じて、同伴の可否などは通常の返信で回答してもらう旨を追記
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選択肢はカスタムで 出席;欠席 と設定しておくと、受信者が迷わず回答できます。
社内アンケート・簡易な意見集約に使う場合
社内での簡単な意見集約にも、投票ボタンは有効です。
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新ルールや新ツール導入の賛否確認
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選択肢:
賛成;反対;どちらともいえない
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打ち合わせ候補日の希望確認
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選択肢:
第一候補;第二候補;第三候補
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ただし、設問が多い、自由記述が必要、大人数に配信するといったケースでは、Microsoft Forms や他のアンケートツールの方が適しています。投票ボタンは「少人数〜中規模・選択肢が少ない・簡易な意思確認」に向いていると考えてください。
Teamsフォームなど他ツールとの使い分けの考え方
おおまかな使い分けの目安は次のとおりです。
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Outlookの投票ボタンが向いているケース
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回答人数:数人〜数十人程度
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選択肢:2〜3択のシンプルな内容
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目的:出欠確認や賛否確認などの簡易な意思表示
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Formsなどのフォーム系ツールが向いているケース
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回答人数:数十〜数百人規模
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複数設問がある、自由記述が必要、詳細な集計が必要
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匿名での回答を受け付けたい場合
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このように目的と規模に応じて使い分けることで、社内コミュニケーションを効率良く進められます。
情シス担当向け:トラブルシューティングのチェックリスト
バージョン・ライセンス・接続形態の確認ポイント
問い合わせ対応の際は、まず次の情報を送信者・受信者それぞれについて確認しておくと、原因の切り分けがしやすくなります。
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Outlookのバージョン
(例:Outlook for Microsoft 365、Outlook 2019 など) -
利用しているMicrosoft 365プラン・ライセンス種別
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接続形態
(Exchange Online/オンプレミスExchange/POP/IMAPのみ など)
「Windows版Outlookデスクトップアプリ + Exchange系アカウント」が揃っていない場合、そもそも機能がサポートされていない、あるいは制限されている可能性が高くなります。その場合は、「仕様による制限」であることを丁寧に説明する必要があります。
メール形式変換とゲートウェイ設定
外部宛メールで投票ボタンが消える場合は、メールゲートウェイやセキュリティ製品による形式変換を疑います。
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外部宛メールをプレーンテキストに強制変換していないか
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RTF → HTML 変換のポリシー
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winmail.dat の扱いに関する設定
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メール暗号化やDLPなどの機能による本文書き換え
これらはサーバー側設定に関わるため、変更する際はセキュリティポリシーとの整合性を慎重に検討してください。
ユーザーへ説明するときの伝え方のポイント
技術的な背景をそのまま伝えると理解されにくいため、ユーザー向けには次のような表現が有効です。
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「投票ボタンはOutlook同士で使うことを前提とした機能です」
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「社外の方のメール環境によっては、ボタンが表示されない仕様です」
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「セキュリティ上の理由から、暗号化や形式変換により投票ボタンが削除される場合があります」
あわせて、以下のような代替案を提示すると、ユーザー満足度を保ちやすくなります。
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表形式の一覧を本文に記載して、通常の返信で回答してもらう
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Microsoft Formsや社内ポータルのアンケート機能を併用する