下着がなぜか濡れていたり、肛門まわりに「しめり」や違和感が続いたりして、「おしりから透明でさらさらした液体が出ているかも」と気づくと、一気に不安が強まります。検索すると知恵袋の体験談や回答がたくさん出てきますが、「痔だよ」「腸炎かも」「放置で大丈夫」など意見が割れていて、かえって迷ってしまうことも少なくありません。
この症状は、腸や直腸が分泌する粘液が目立っているだけのこともあれば、いぼ痔や脱肛で粘液が漏れやすくなっている場合、下痢や炎症が背景にある場合など原因が幅広いのが特徴です。そこで本記事では、「便に混じるのか」「排便と無関係に下着が濡れるのか」といった分岐から、考えやすい原因を整理し、血便・発熱・強い痛みなど見逃したくないサイン、受診するなら何科が適切か、受診前にメモしておくと役立つポイントまで、判断に必要な情報を一つずつ解説します。読むべきところだけ拾っても、次に取る行動がはっきりする構成です。
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おしりから透明でさらさらな液体が出るときにまず知っておきたいこと
透明な液体の正体は粘液であることが多い
「おしりから透明でさらさらした液体が出る」という訴えは、実際には“粘液”が目立って見えているケースが少なくありません。腸や直腸の内側は粘膜で覆われており、その表面を守るために粘液が分泌されています。粘液には、便の滑りを良くして排便を助けたり、粘膜を刺激や細菌から守ったりする役割があります。
普段は便と混ざって目立ちにくいのですが、便の量が少ないとき、下痢気味で水分が多いとき、腸が刺激を受けて分泌が増えたときなどに、粘液だけがはっきり見えて「透明」「さらさら」に感じられることがあります。見た目の印象は人によって大きく異なり、同じ粘液でも「水っぽい」「ぬるっとする」「ゼリーみたい」と表現されることもあります。
また、“さらさら”に感じるからといって必ずしも水のように薄いとは限りません。薄い膜のような粘液が下着や紙に付くと、体温で温められて水っぽく感じることがあるためです。さらに、肛門周囲に汗をかきやすい体質、皮膚がこすれて浸出液が出やすい状態、排便後の拭き残しなどが重なると、粘液と混ざってより「液体っぽく」見える場合もあります。
大切なのは、透明な液体=ただちに重い病気、という短絡的な結びつけをしないことです。一方で、粘液が増える背景にはさまざまな原因があり、放置してよいケースと、早めに相談した方が良いケースがあります。焦らずに、次の見分けの軸を押さえて整理していきましょう。
便に混じるのか下着が濡れるのかで考え方が変わる
最初に確認したいのは、「液体がどこで見つかったか」です。見つかった場面が違うだけで、考えやすい原因の方向性が大きく変わります。
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トイレで便と一緒に出た/便の表面に付いていた/便器の水に透明なものが浮いた
この場合は、腸の中で出た粘液が便に付着した“粘液便”として捉えます。下痢や腸炎、刺激の強い食事、便秘で硬い便が出た後、過敏性腸症候群などで起こることがあります。「排便とセットになっているかどうか」が重要な手がかりになります。 -
排便と関係なく、下着が濡れる/肛門がしめる感じがある/歩いているときや座っているときに気づく
この場合は、肛門周囲や直腸の出口付近で粘液が漏れやすくなっている可能性があります。いぼ痔(内痔核)や脱肛、直腸の粘膜が外に出やすい状態、肛門周囲の炎症などが関わることがあります。肛門の“閉まり”が弱くなっている、あるいは粘液が出やすい環境になっていると、少量でも下着を汚しやすくなります。
もちろん例外はありますが、まずはこの2つに分けて考えると、次に何を確認すべきかが明確になります。たとえば「便に混じるタイプ」なら便の性状や腹痛・下痢の有無、「下着が濡れるタイプ」なら肛門の違和感・かゆみ・出血・腫れ・膿の有無、といった具合に観察ポイントが変わります。
さらに見落としやすい点として、「排便後の拭き残し」「肛門周囲の汗」「尿漏れ」の可能性もあります。自分の感覚だけで断定しようとすると混乱しやすいので、後述するセルフチェック(色・におい・量・随伴症状)と合わせて、総合的に判断していきます。
すぐ受診したい赤旗症状チェックリスト
透明でさらさらした液体そのものは、比較的よくある訴えです。しかし、次のような“赤旗症状”がある場合は、自己判断で様子見を続けず、早めに医療機関へ相談してください。赤旗は「重大な病気が確定」という意味ではなく、「見逃すと困る状況が紛れている可能性が上がるサイン」です。
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血が混じる(鮮血、暗赤色、黒っぽい便、タール状)
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発熱がある、寒気がある
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強い腹痛、嘔吐、強い吐き気がある
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肛門の強い痛み、腫れ、熱感がある(座れないほど痛い等)
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脱水のサイン(尿が極端に少ない、めまい、口の渇き、ぐったりする)
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体重減少が続く、食欲低下が続く
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症状が長引く(目安として1〜2週間以上改善しない、または悪化傾向)
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免疫が弱い状態(治療中の持病がある、免疫抑制剤使用中など)での持続症状
とくに「発熱+肛門の強い痛み」「血便+体重減少」「強い腹痛+頻回の下痢」など、複数が重なる場合は受診を急いだほうが安心です。夜間や休日で迷う場合は、自治体の救急相談窓口の利用も選択肢になります。
逆に、赤旗がなく、症状が一過性で落ち着いているなら、生活を整えつつ経過を見る余地もあります。ただし、不安が強いとき、繰り返すとき、日常生活に支障が出るときは、早めに相談すること自体が合理的です。恥ずかしさを理由に我慢し続けるより、原因を整理して安心を得るほうが、結果として負担が小さくなることも多いからです。
おしりから透明な液体が出る主な原因
下痢や腸の炎症で粘液が増える
透明でさらさらした液体が「便と一緒に出る」「トイレで見える」場合、代表的な原因は下痢や腸の炎症です。腸が刺激を受けると、粘膜を守るために粘液の分泌が増えることがあります。感染性胃腸炎(いわゆるお腹の風邪)、食あたり、冷え、脂っこい食事、アルコール、ストレスなど、きっかけはさまざまです。
下痢の初期は便の量が多く水分も多いですが、回数が増えると腸内の内容物が減り、粘液だけが目立って出ることがあります。このとき、本人は「便ではない透明な液体が出た」と感じやすくなります。腹痛が軽い場合もあれば、差し込むような痛みが出る場合もあり、症状の幅が大きいのが特徴です。
腸炎が背景にあるときは、次のようなサインが参考になります。
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直前に同じものを食べた人も体調を崩している
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発熱、倦怠感がある
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水様便が続く
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腹痛や吐き気がある
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数日で自然に軽快する傾向がある(軽症の場合)
ただし、下痢が長引く、血が混じる、脱水が心配、痛みが強い場合は受診が必要です。自己判断で下痢止めを多用すると、原因によっては回復を遅らせることもあります。下痢の背景がはっきりしないときほど、医療機関で相談したほうが安全です。
いぼ痔や脱肛で粘液が漏れやすくなる
排便と無関係に下着が濡れる、肛門周囲にしめりが続く、かゆみやただれが出てきた――このような場合に疑いやすいのが、いぼ痔(内痔核)や脱肛など肛門側のトラブルです。
内痔核は直腸側(肛門の内側)にできるため、痛みが少ないことが多い一方で、出血や粘液による下着汚れが起こることがあります。痔核が大きくなったり、排便時のいきみが強かったりすると、痔核や直腸の粘膜が外に出やすくなり(脱出)、その刺激で粘液が増えたり、漏れやすくなったりします。いわゆる“脱肛”に近い状態です。
このタイプでよくある組み合わせは次の通りです。
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排便時に何か出てくる感じがある、押し戻すと戻る
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トイレットペーパーで拭いても、しばらくするとまた湿る
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かゆみ、ヒリヒリ感がある(粘液で皮膚が荒れる)
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出血があっても痛みは軽い(内側の場合)
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便秘や硬い便、長時間のいきみがある
大事なのは、「痔はよくあるから」と自己判断で放置しないことです。痔の治療自体は比較的選択肢が多く、生活改善と薬で落ち着くこともありますが、状態によっては治療方針が変わります。何度も繰り返す、漏れが続く、出血量が増える場合は、肛門科などで評価を受けると安心です。
痔瘻や肛門周囲膿瘍など膿が関係するケース
「透明」とは少し印象が違うことが多いものの、見逃したくないのが膿(うみ)に関係する状態です。肛門周囲膿瘍は、肛門周囲の組織に細菌感染が起き、膿がたまった状態です。強い痛み、腫れ、熱感、発熱を伴うことがあり、「座れない」「歩くと響く」など日常動作に影響が出るほどつらいケースもあります。
膿が自然に出て一時的に楽になることがありますが、そこから痔瘻(肛門の内側と外側がトンネル状につながる状態)に移行することがあります。痔瘻になると、膿や分泌液で下着が汚れたり、同じ場所が繰り返し腫れたりすることがあります。
膿の特徴としては、次のようなヒントがあります。
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黄色〜黄緑っぽい
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においが強い
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べたつきがある、または逆に水っぽいが色がつく
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肛門の周囲にしこり、腫れがある
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痛みや発熱がある、体がだるい
こうした症状があれば、早めの受診が重要です。膿瘍は放置すると悪化しやすく、治療が遅れるほど負担が増えることがあります。「液体が出るだけ」と軽く見ず、痛みや熱が伴う場合は急いで相談してください。
過敏性腸症候群など機能性の不調
便に混じる粘液が続くものの、検査で炎症や腫瘍など明確な異常が見つからない――そのような場合に候補となるのが過敏性腸症候群です。ストレスや自律神経の影響で腸の動きが不安定になり、下痢と便秘を繰り返したり、腹痛が排便で和らいだりする特徴があります。粘液が増えて「便と一緒に透明なものが出る」と感じることもあります。
過敏性腸症候群は命に関わる病気ではないことが多い一方で、生活の質を大きく下げることがあります。重要なのは、「気のせい」と片づけないことと、「重大な病気が隠れていないか」を適切に評価することです。症状が続く場合は、消化器内科などで相談し、必要に応じて検査を行いながら、食事・生活・薬を含めて対策を組み立てていくのが現実的です。
大腸の病気が隠れることがあるサイン
粘液が出ること自体は珍しくありませんが、背景によっては大腸の病気が関係することもあります。ここで大切なのは、必要以上に怖がるのではなく、「どのサインが重なったら評価が必要か」を冷静に押さえることです。
注意したいのは次のような状況です。
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血便がある(特に繰り返す、量が増える)
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発熱がある、炎症を示す症状がある
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下痢が長引く
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体重減少、食欲低下が続く
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夜間にも症状が出て睡眠が妨げられる
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貧血を指摘された
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家族に大腸の病気があるなど、背景リスクが気になる
これらがあるときは、医師が必要性を判断し、便検査や内視鏡検査などの評価につなげることがあります。重要なのは、自己判断で「きっと痔だ」「きっと胃腸炎だ」と決めつけず、赤旗があるときは医療機関で確認することです。
おしりの透明さらさらを見分けるセルフチェック
色とにおいと量の目安
「透明でさらさら」を見分けるために、まずは色・におい・量を、できる範囲で観察します。無理に触ったり嗅いだりする必要はありません。トイレットペーパーや下着に付いた状態からでも、ある程度のヒントは得られます。
色の目安
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透明〜白っぽい:粘液が目立っている可能性
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黄色〜黄緑:膿や炎症性の分泌物の可能性
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赤が混じる:出血(痔、大腸側の出血など)
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黒っぽい、タール状:消化管上部の出血も含め評価が必要
においの目安
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ほとんどにおわない、または軽い:粘液中心の可能性
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きついにおいがある:感染や膿の可能性が上がる
ただし、食事や体臭、下着の素材、蒸れでもにおいの印象は変わるため、においだけで断定はしません。
量の目安
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拭いたら付く程度:軽度〜中等度のことが多い
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下着にしみる、何度も濡れる:原因評価が必要になりやすい
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滴る、広範囲が濡れる:早めに相談したほうが安心
量が多いときは、皮膚トラブルが起きやすくなります。肛門周囲は刺激に弱いため、しめりが続くだけでもかゆみ、ただれ、痛みにつながり、悪循環になりがちです。
痛み発熱出血の有無で緊急度を判断
セルフチェックで最も重要なのは、緊急度の判断です。見た目が透明でも、随伴症状が重いときは受診を急ぐべきことがあります。
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肛門の強い痛み、腫れ、熱感がある
膿瘍などの可能性を考え、早めに受診が望ましいです。痛みが強いほど、自己ケアで改善させるのは難しくなります。 -
発熱がある
感染や炎症が強い可能性があります。下痢と一緒に発熱がある場合も、脱水や悪化に注意が必要です。 -
出血がある
痔由来のこともありますが、繰り返す、量が増える、黒っぽい、貧血症状がある場合は、早めに評価を受けるほうが安全です。 -
腹痛が強い、嘔吐がある、ぐったりする
胃腸炎などでも起こり得ますが、重症化している可能性もあるため、様子見に固執しないことが大切です。
反対に、痛み・発熱・血がなく、症状が一時的で落ち着くなら、生活を整えながら経過観察する余地もあります。ただし、「不安が強い」「症状が繰り返す」「下着汚れで生活が乱れる」といった場合は、赤旗がなくても相談してよい領域です。
便通の変化と最近の食事薬を振り返る
透明な液体が出たとき、直前の状況を振り返ると原因の方向性が見えやすくなります。受診する場合にも、この情報は医師にとって重要な手がかりになります。
便通の変化
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下痢が増えた、回数が増えた
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便秘が続いて強くいきんだ
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便が細くなった、残便感が強い
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便の形が安定しない(下痢と便秘を行き来する)
食事・生活の変化
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脂っこい食事、刺激物、アルコールが増えた
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冷たい飲食が続いた
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睡眠不足、疲労、強いストレスが続いた
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旅行や外食などで食生活が変わった
薬・サプリ
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抗生物質、胃腸薬、下剤を使った
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新しいサプリや健康食品を始めた
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便秘対策で刺激性の下剤を増やした
こうした変化があれば、「腸の刺激」方向の可能性が上がります。一方、便通は大きく変わらないのに下着のしめりが続く場合は、「肛門側」方向をより強く考えます。
症状パターン別の目安表
| 気づき方 | 一緒に起きやすいこと | 考えやすい方向性 | 推奨行動 |
|---|---|---|---|
| 便に付着・便と一緒に出る | 下痢、腹部不快感、回数増加 | 腸の刺激・腸炎、過敏性腸症候群 | 水分補給・食事調整、長引く/赤旗は受診 |
| 排便と無関係に下着が濡れる | しめり、かゆみ、違和感 | 痔核、脱肛、直腸粘膜の脱出、肛門周囲炎症 | 肛門科・大腸肛門外科で相談 |
| 黄色っぽい/におい強い | 腫れ、痛み、発熱 | 膿瘍/痔瘻など感染 | 早めに受診 |
| 血が混じる | 量が増える、長引く、体重減少 | 痔以外も含め要鑑別 | 受診優先 |
表はあくまで目安ですが、「どの方向性が濃いか」を整理するだけでも、不安が過度に膨らむのを防げます。
おしりの症状で病院に行くなら何科か
第一選択は肛門科または大腸肛門外科
「下着が濡れる」「肛門周囲のしめりが続く」「かゆみ・ただれ」「脱出感」「肛門の違和感」が中心なら、第一選択は肛門科(肛門外科)または大腸肛門外科です。肛門の疾患は専門性があり、慣れている医療機関のほうが診察や治療の選択肢が適切になりやすい傾向があります。
肛門科という名称がない場合でも、「大腸肛門外科」「外科(肛門)」などとして診療していることがあります。病院探しで迷うときは、診療科に「肛門」「大腸肛門」が含まれるか、痔や肛門疾患を扱っているかを確認すると選びやすくなります。
受診のタイミングは、赤旗があれば早めに、赤旗がなくても「繰り返す」「生活に支障」「市販薬やケアで改善しない」「不安が強い」なら相談で問題ありません。早く相談するほど、軽い治療で済むケースもあります。
消化器内科を選ぶべきケース
「便と一緒に粘液が出る」「下痢や腹痛が中心」「便通異常が続く」「体重減少や血便が気になる」など、腸の症状が前面に出ている場合は消化器内科が適しています。消化器内科では、便検査、血液検査、必要に応じて内視鏡検査など、腸の評価につながる検査が行えます。
とくに、便が水様で回数が多い、腹痛が続く、血が混じる、症状が長引くといった場合は、腸炎だけでなく別の原因が隠れていないかの確認が重要になります。反対に、腸の症状が少なく肛門側の違和感が中心なら、まず肛門科で評価してもらうほうがスムーズなことが多いです。
ただし、実際には両方が絡むこともあります。どちらに行くか迷う場合は、まず身近で受診しやすいほうを選び、必要なら適切な科に紹介してもらうという考え方でも構いません。
診察で何をするか事前に知って不安を下げる
肛門の症状は受診のハードルが高くなりがちです。恥ずかしさが理由で先延ばしになり、結果として悪化してしまうケースも珍しくありません。事前に流れを知っておくと、心理的な負担が下がります。
一般的な診察の流れは次のようなものです。
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問診:いつから、どんな液体か、排便との関係、痛み・出血・発熱、便通、薬、既往歴などを確認します。
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視診:肛門周囲の皮膚、腫れ、ただれ、外痔核の有無などを見ます。
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触診・指診:必要に応じて肛門の緊張、しこり、圧痛などを確認します。
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肛門鏡など:内痔核や粘膜の状態を確認するために行われることがあります。
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追加検査:症状に応じて便検査や内視鏡などが検討されます。
診察時はプライバシーに配慮され、必要最小限の露出で行われることが多いです。つらさや恥ずかしさが強い場合は、受付や看護師、医師に遠慮なく伝えて構いません。「不安が強いので丁寧に説明してほしい」「痛みが怖い」など、希望を言葉にしても問題ありません。
おしりからの漏れを悪化させない自宅ケア
皮膚かぶれ対策と清潔のコツ
透明な液体が漏れている状態が続くと、肛門周囲の皮膚が荒れやすくなります。皮膚が荒れると、しみる・かゆい・さらに拭く・さらに荒れるという悪循環になり、症状のつらさが増します。自宅ケアの第一目標は、皮膚を守って悪化を防ぐことです。
拭き方の工夫
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何度もゴシゴシ拭かない
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乾いた紙で強くこすらず、優しく押さえるように拭く
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可能なら、ぬるま湯で洗い流してからしっかり乾かす(洗いすぎにも注意)
清潔の保ち方
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排便後は可能な範囲で清潔にするが、強い洗浄は避ける
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石けんを使うなら刺激の少ないものを少量にする
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洗った後は水分を残さず乾かす(湿ったままだと荒れやすい)
下着汚れ対策
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下着の素材は通気性の良いものを選ぶ
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汚れが気になるときは、短時間だけパッドなどを使い、蒸れないようこまめに交換する
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できれば同じ部位がずっと湿らないようにする
液体が出ている原因が何であれ、「皮膚を守る」ことは共通して役に立ちます。かぶれが強い、ただれが広がる、痛みが増す場合は、皮膚炎の治療も必要になることがあるため、受診で相談すると安心です。
便秘下痢を整える食事と生活
粘液が増える背景には、下痢や便秘による腸・肛門への負担が関わることがあります。便通を整えることは、原因が腸側でも肛門側でも、悪化を防ぐうえで重要です。
下痢があるとき
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水分補給を優先する(脱水を避ける)
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脂っこいもの、刺激物、アルコール、冷たい飲食を控える
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消化の良い食事(おかゆ、うどん、スープなど)に寄せる
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強い腹痛や血便、発熱がある場合は早めに相談する
便秘があるとき
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水分を十分にとる
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食物繊維は急に増やしすぎず、少しずつ調整する
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朝食を抜かない、起床後にトイレの時間を確保する
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長時間いきまない(いきみは痔や脱出を悪化させやすい)
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刺激性の下剤を自己調整で増やし続けない(必要なら医師に相談する)
生活面
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睡眠不足や強いストレスは腸の動きを乱しやすい
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デスクワークなど同じ姿勢が長い場合は適度に体を動かす
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体を冷やさない(特に下痢があるとき)
便通は短期で完璧に整うものではありません。ですが、数日〜1週間の単位で「悪化要因を減らす」だけでも、粘液が目立つ頻度が下がることはあります。
記録テンプレで受診をスムーズにする
「うまく説明できなかったらどうしよう」という不安は、受診のハードルを上げます。そこで役に立つのが記録です。難しいことは不要で、次の項目をメモするだけで十分です。スマホのメモでも紙でも構いません。
受診メモテンプレ
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初めて気づいた日:
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どこで気づいたか(便に混じる/下着が濡れる/両方):
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頻度(1日◯回、週◯回):
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量(拭いたら付く程度/下着にしみる/滴る):
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色(透明、白っぽい、黄色っぽい、血混じり):
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におい(弱い/強い):
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排便との関係(排便前後、無関係):
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便の状態(下痢、便秘、普通、細いなど):
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痛み(なし/軽い/強い、場所):
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発熱(あり/なし):
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腹痛・吐き気(あり/なし):
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最近の食事・飲酒・ストレス・睡眠:
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使った薬(下剤、胃腸薬、市販薬、抗生物質など):
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過去の痔や腸の病気、手術歴:
このメモがあると、診察が短時間でも情報が伝わりやすく、必要な検査や治療方針の判断がスムーズになります。「恥ずかしくて話しにくい」場合も、メモを渡すだけで説明が楽になります。
おしりから透明な液体に関するよくある質問
1回だけでも受診が必要ですか
1回だけで、その後まったく再発せず、痛み・発熱・出血・強い腹痛がない場合は、生活を整えながら経過を見る選択肢もあります。たとえば、軽い下痢の後に粘液が目立っただけで自然に落ち着くケースもあります。
一方で、次に当てはまる場合は、回数が少なくても相談する価値があります。
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数日〜数週間の間に繰り返す
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下着が濡れるほどの量がある
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かゆみ・ただれが続く
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痛み、発熱、出血、体重減少などがある
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「何が起きているのか分からない不安」が強い
受診の目的は、原因を確定することだけではありません。重大なものがないと確認できれば、それだけで安心につながります。迷う場合は「早めに相談して安心する」という選択が現実的です。
尿漏れや汗との違いは
尿漏れや汗と粘液は、本人の体感だけだと区別がつきにくいことがあります。違いを考えるときは、状況と付着部位の特徴を見ます。
尿漏れのヒント
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咳・くしゃみ・運動・重い物を持つなど腹圧がかかったときに起きやすい
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下着の前側〜広い範囲が濡れやすい
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においが尿に近いことがある
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排便とは無関係に起きることが多い
汗のヒント
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暑い日、運動、長時間座るなど、蒸れやすい状況で起きやすい
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肛門周囲だけでなく太ももや下着全体が湿ることもある
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乾くと塩っぽさや汗のにおいが残ることがある
粘液のヒント
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排便の前後に気づきやすいことがある
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肛門周囲に限定して付くことが多い
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ぬるっとした感触、拭いてもまた湿る感じがある
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かゆみ、ただれ、違和感がセットになることがある
ただし、これも絶対ではありません。複数が重なることもあります。繰り返す場合は、メモを取り、医療機関で相談するのが確実です。
市販薬で様子見してよいですか
市販薬での様子見は、「原因がある程度見当がつく」「赤旗がない」「症状が軽い」場合に限り、短期間であれば選択肢になることがあります。たとえば、痔の既往があり、軽い違和感としめりが一時的に増えた程度であれば、生活改善と合わせて短期間試す人もいます。
ただし、市販薬には注意点もあります。
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痔以外の原因だった場合、見当違いになる
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痛みや炎症を一時的に抑えても、背景の問題が進む可能性がある
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そもそも膿瘍や強い炎症がある場合、市販薬では対応が難しい
「薬を使っても改善しない」「繰り返す」「量が増える」「赤旗がある」場合は、自己判断で引き延ばさず受診を優先してください。特に、強い痛みや発熱があるときは早めの評価が重要です。
内視鏡検査は必要になりますか
内視鏡検査が必要かどうかは、症状の組み合わせと医師の判断によります。透明な粘液が出るだけで、他に症状がなく短期間で落ち着いている場合、必ずしも検査が必要とは限りません。
一方で、次のような場合は検査が検討されやすくなります。
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血便がある、繰り返す
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下痢や腹痛が長引く
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体重減少、貧血などがある
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夜間にも症状が出る
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家族歴などでリスクが気になる
また、肛門側の病気が中心と考えられる場合は、まず肛門の診察で状況が整理されることもあります。検査は「怖いもの」と感じがちですが、必要性を丁寧に説明してもらい、納得した上で進めることが大切です。迷いがある場合は、症状を整理して受診し、医師と相談しながら決めるのが現実的です。