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「おしなべて」の意味と使い方は?3秒判定チェックと例文で誤用を防ぐ

報告書やメールで「おしなべて」を見かけたとき、「全体として、という意味だろう」と思いながらも、どこか自信が持てない――そんな経験はないでしょうか。
この言葉は便利な一方で、対象のまとめ方や評価の軸がずれると不自然になりやすく、さらに「すべからく」など似た雰囲気の語と混同すると、意図と逆の意味に読まれることもあります。

本記事では、「おしなべて」の意味を押さえたうえで、その文に使ってよいかを3秒で判断できるチェックすぐに使えるビジネス例文NG例の直し方類語との使い分け早見表までを一気に整理します。読み終えたときには、「この場面なら使える」「ここは言い換える」と迷わず選べる状態になります。

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目次

おしなべてとは何か

おしなべての基本の意味

「おしなべて」は、文章の中で「全体にわたって」「一様に」「概して」といった全体傾向の総括を表す副詞です。いくつかの対象をまとめて眺め、「細部の違いはあるが、全体としてはこう言える」と述べたいときに力を発揮します。

たとえば、複数の支店、複数の顧客層、複数の施策といった「まとまり」を一つの集合として扱い、同じ軸で評価して総括する――このとき「おしなべて」を置くと、文章が短く、かつ“概観している”ことが伝わります。

一方で、「全部が例外なく同じ」を意味する言葉ではありません。数量の“全部”を言い切りたいなら「すべて」「例外なく」「ことごとく」などの方が適切な場合があります。ここを取り違えると、読み手の受け取りがずれます。

例外を含む「大体として」の感覚

「おしなべて」には、辞書で「全部がそうとはいえないが、大体の傾向として」という説明が見られます。
このニュアンスは、実務の文章で非常に便利です。現場の実態は、たいてい例外を含むからです。

  • 施策Aは好調だが、施策Bは伸び悩み

  • 地域Xは好調だが、地域Yは停滞

  • 顧客層によって反応が違う

それでも「全体としてどうか」を一文で示したい場面では、「おしなべて」を入れることで、断言しすぎず、しかし曖昧すぎない着地点を作れます。

ただし、例外の存在が重要な局面では要注意です。たとえば重大事故や重大な不具合、法令違反の可能性といった“例外が本体”になりうる情報を抱えたまま「おしなべて問題ない」と書くと、誤解を招くどころか、隠蔽と受け取られかねません。そういう場面は「全体としては安定しているが、◯◯に課題がある」のように、総括+但し書きで誠実に書くのが安全です。

ひらがな表記が多い理由と漢字表記

「おしなべて」は漢字で「押し並べて」と書けます。とはいえ、現代の文章では読みやすさの観点から、ひらがなで「おしなべて」と表記されることも多く見られます。

  • 報告書や社外文書:ひらがな表記が無難(視認性が高い)

  • 学術・古典文脈:漢字表記が説明的に活きることがある

迷ったら、一般のビジネス文章ではひらがな表記を優先して差し支えありません。


おしなべての正しい使い方

よく使う文型 three patterns

「おしなべて」は、置く位置と、何にかかっているかが分かると急に使いやすくなります。実務で頻出の型は次の3つです。

パターン1:集合(対象)+おしなべて+評価

  • 例:今期の施策はおしなべて奏功しました。

  • 例:顧客の反応はおしなべて良好でした。

パターン2:期間・範囲+おしなべて+推移

  • 例:第2四半期はおしなべて堅調に推移しました。

  • 例:上期はおしなべて前年を上回りました。

パターン3:総括+例外(補足)

  • 例:各拠点の進捗はおしなべて順調です。もっとも、関西エリアは人員不足の影響があります。

  • 例:導入効果はおしなべて出ていますが、オンボーディングは改善余地があります。

特にパターン3は、読み手の安心感が上がります。「総括」だけだと“丸めている”印象になることがありますが、短い補足を添えることで、誠実さと解像度が出ます。


文章と話し言葉での相性

「おしなべて」は、会話で多用する言葉というより、文章で“整理して語る”ときに向く言葉です。口頭で使うと硬い印象になる場合があるため、相手や場面に応じて言い換えるのが賢明です。

言い換えの目安は次の通りです。

  • 口頭の会議で軽く:全体的に/だいたい/概ね

  • 報告書・議事録:おしなべて/総じて/概して

  • 断言を避ける:おおむね/概して

  • 例外ゼロを言う:例外なく/ことごとく(慎重に)

重要なのは「硬いか柔らかいか」だけではありません。何を保証している言い方か(例外許容か、例外ゼロか)まで含めて選ぶと、誤解が減ります。


ビジネス文での安全な言い回し

ビジネス文で「おしなべて」を安全に運用するコツは、評価語を選び、必要なら補足をセットにすることです。

そのまま使いやすい評価語

  • おしなべて良好

  • おしなべて堅調

  • おしなべて改善傾向

  • おしなべて横ばい

  • おしなべて想定内(断言を弱める)

“総括+但し書き”テンプレ(コピペ可)

  • おしなべて◯◯です。もっとも、△△については□□のため、今後対策を進めます。

  • 現状はおしなべて◯◯と見ています。一方で、△△の影響が出ているため、□□を優先します。

  • 結果はおしなべて◯◯でした。例外として△△があり、原因は□□と推定しています。

このテンプレは、読み手に「全体像」と「次に気にすべき点」を同時に渡せます。上司や取引先が読みやすいだけでなく、あなた自身の文章も“説明責任を果たしている”形になります。


おしなべての誤用を避けるポイント

使ってはいけない対象の特徴

誤用は、ほぼ次の2パターンから生まれます。

1) 対象が「同種の集合」になっていない

「おしなべて」は、同じ種類のものを束ねて総括する言葉です。対象がバラバラだと、総括する意味が崩れます。

  • NG:部署の事情はおしなべてバラバラです。

    • OK:部署の事情はさまざまです/一様ではありません。

  • NG:メンバーの価値観はおしなべて違います。

    • OK:価値観は多様です/人それぞれです。

“バラバラ”や“違う”を言いたいのに「一様に」を含む語を当てると、文章が自己矛盾に見えます。

2) 評価軸が揃っていない

対象が同種でも、何をもって良い/悪いと言っているのか(評価軸)が揃っていないと、読み手は置いていかれます。

  • NG:新施策はおしなべて評価が高い(評価の軸が不明)

    • OK:新施策はおしなべて「使いやすさ」の評価が高い。

    • OK:新施策はおしなべて「定着率」の観点で良好だった。

「どの指標・どの観点で総括しているか」をひと言足すだけで、説得力が上がります。


すべからくと混同しない短文ルール

混同が多いのが「すべからく」です。「すべからく」は、数量の“全部”ではなく、「当然〜すべき」を表す語です。
語感が似ているために「すべて」や「おしなべて」と混同されますが、用途が違います。

迷ったときの短文ルール(実戦向け)

  • 文末に「〜すべきだ」を補って自然なら:すべからく

  • 「全体として」「概して」に置き換えて自然なら:おしなべて

例:

  • 正:リーダーはすべからく責任を負うべきだ。

  • 誤:参加者はすべからく満足した。(→数量の全部の意味で使っているため不適切)

    • 直すなら:参加者はおしなべて満足した/全体的に満足した。

このルールを頭に置くだけで、混同由来の誤用はほぼ防げます。


使用前チェックリスト(3秒判定)

文章を書きながら迷ったら、次の4問だけ確認してください。すべてYESなら、その文は「おしなべて」で安全です。

  1. 対象は同種の集合か(同じカテゴリで括れるか)

  2. 同じ評価軸でまとめられるか(何の観点か説明できるか)

  3. 例外があっても全体傾向として言ってよいか(例外が重要にならないか)

  4. 「例外ゼロ」や「数量の全部」を言いたいわけではないか

1つでもNOのときの切り替え先

  • 柔らかく言う:全体的に/だいたい/概ね

  • 分析寄り:概して/おおむね

  • 多数派を言う:多くの場合/大半は

  • 例外ゼロ:例外なく/すべて(※根拠が必要)

このチェックがあるだけで、文章の迷いが激減します。「言葉を知っている」から「運用できる」へ移行できます。


おしなべての類語と使い分け

総じて・概して・大体の違い

「おしなべて」と近い言葉は多いですが、使い分けの要点は次の2軸です。

  • 硬さ(文章語か、会話語か)

  • 例外許容度(例外があっても言えるか、例外ゼロを言うか)

近い3語の使い分け

  • 総じて:多くの事例をまとめて評価する。説明・評論に相性がよい。

  • 概して:細部を捨てて大づかみに言う。分析や概観に向く。

  • 大体:口語寄りで柔らかい。厳密性は弱いが会話で自然。

「おしなべて」は、総じて・概してと同じく文章寄りですが、「全体を均して眺める」響きがあり、短い総括に向きます。


あまねく・ことごとく・一律にとの違い

この3語は、方向性が違うため混同しないのが重要です。

  • あまねく:広く行き渡る(範囲の広がりが主役)

  • ことごとく:残らず全部(例外ゼロのニュアンス)

  • 一律に:ルールや運用が同じ(制度・手続き文脈)

  • おしなべて:全体傾向の総括(例外を含みうる)

たとえば「社員に一律に適用する」は規程の話で、「社員はおしなべて優秀だ」は評価の総括です。似て見えて、文章の“論点”が違います。


言い換え選択表

言いたいこと 無難な表現 例外許容度 硬さの目安 ひと言メモ
全体傾向をまとめたい おしなべて ビジネス〜文章 短い総括に強い
多数事例をまとめて評価 総じて 中〜高 ビジネス〜文章 評論・説明向き
ざっくり概観したい 概して/おおむね 文章 断言を避けやすい
会話で自然に言いたい 全体的に/だいたい 会話 柔らかい
例外ゼロを言い切りたい ことごとく/例外なく/すべて 低(例外不可) 文脈次第 根拠が要る
広く行き渡ると言いたい あまねく 文章 範囲の広さが主役
ルールを同じにする 一律に ビジネス 運用・規程向き

この表を基準にすると、「とりあえず全部っぽい言葉」を当ててしまう事故を避けられます。


おしなべての語源と古典での使われ方

押し並べて・押靡ての由来イメージ

辞書では「おしなべて」を「押し並べて」や「押靡て(おしなべて)」として扱い、古くからの用例が示されています。
語感としては「押して並べる=均す」イメージを持つと、現代用法の「全体を均して見る」が理解しやすくなります。

ただし、語源は“語感を掴む補助線”として役立つ一方で、現代文で大事なのは運用ルールです。語源にこだわりすぎるより、「同種の集合」「同じ評価軸」「例外許容」という条件で捉えたほうが、誤用を防げます。


おしなべての「古語用法」に注意

「おしなべて」には、もう一つ重要な分岐があります。助詞「の」を伴う「おしなべての」という形で、古語では「ありきたりの」「平凡な」「なみなみの」といった意味で用いられることがある点です。

現代のビジネス文章で、この古語用法を狙って使う必要はほぼありません。むしろ、読み手に伝わりにくく、誤解の温床になりやすいです。もし「平凡な」を言いたいなら、素直に次の言い換えが安全です。

  • ありきたりの

  • 平凡な

  • 月並みな

  • よくある

古典の引用・評論などで「おしなべての」を見かけたときに、「意味が別ルートで存在する」と知っていれば十分です。


引用しやすい辞書根拠

「おしなべて」は、辞書で定義が比較的短く整理されているため、説明に根拠を付けたいときに引用しやすい語です。特に「全体にわたって」「(のを伴って)ありきたり」といった二系統の整理は、誤解防止に有効です。

社内向けの文章なら、わざわざ出典を書かないことも多いですが、社外公開記事や研修資料では「辞書にこうある」を添えると説明が締まります。


おしなべての例文とよくある質問

そのまま使える例文集

ここでは「誤解が起きにくい」「評価軸が見える」「必要なら補足できる」例文を集めます。

社内向け(報告・共有)

  • 今期の施策はおしなべて奏功しました。とくに定着率の改善が大きいです。

  • 各チームの進捗はおしなべて順調です。もっとも、データ連携は遅れが出ています。

  • 顧客の反応はおしなべて良好でしたが、価格面の要望が一部に見られました。

  • 作業負荷はおしなべて減りました。一方で、運用の引き継ぎは課題です。

社外向け(取引先・お客様)

  • お問い合わせ対応はおしなべて迅速化しております。なお、混雑時間帯はお時間を頂戴する場合がございます。

  • サービス品質はおしなべて安定しておりますが、地域により提供状況が異なる場合がございます。

  • ご意見はおしなべて真摯に受け止め、改善に反映いたします。

分析・レポート(定量と相性が良い)

  • 主要指標はおしなべて横ばいで推移した。

  • 既存顧客の継続率はおしなべて改善したが、新規獲得は伸び悩んだ。

  • 競合各社の価格はおしなべて上昇傾向にある。

コツ:定量の文脈では「おしなべて」が自然に収まりやすいです。数字は例外を含むことが多く、「全体の傾向」という言い方と相性がよいからです。


言い換え例文集

硬さ・断言度を調整したいときは、次の置換が便利です。

  • おしなべて良好 → 全体的に良好/概して良好

  • おしなべて堅調 → おおむね堅調/総じて堅調

  • おしなべて増加 → 概ね増加/増加傾向

  • おしなべて同様 → おおかた同様/概して同様

文章の宛先が上司・取引先・一般読者など広いほど、「全体的に」「概ね」の方が伝達コストが下がる場合があります。反対に、文章表現の格や引き締まりを優先したいなら「おしなべて」「総じて」「概して」が活きます。


よくある質問

おしなべてと総じては置き換え可能ですか

多くの文脈で置き換え可能です。ただし、微妙な違いがあります。
「総じて」は“多数の事例をまとめた評価”の響きが強く、「おしなべて」は“全体を均して眺める総括”の響きが出ます。迷う場合は、次の基準が便利です。

  • 短く総括したい:おしなべて

  • 説明・評論っぽくまとめたい:総じて

  • 断言を避けたい:概して/おおむね

おしなべてのは現代文で使ってよいですか

古語用法として「おしなべての=ありきたりの」がありますが、現代の一般読者に通じにくいことが多いです。
現代文では「ありきたりの」「月並みな」「平凡な」と明示するほうが、誤解が起きにくく親切です。

目上の人に使って失礼になりませんか

言葉自体が失礼になることは通常ありません。ただし、読み手が馴染みのない語だと、意味を取りに行く負担が増えます。重要な意思決定文書では、「全体的に」「概ね」などの平易語にしても十分に伝わります。逆に、報告書やレビューのように“整理して述べる”場面では「おしなべて」はむしろ適します。

文章が硬く感じるときの言い換えは何ですか

最優先は「全体的に」「概ね」です。さらに柔らかくしたいなら「だいたい」、分析寄りなら「概して」、多数派を示すなら「多くの場合」が便利です。硬さだけでなく、例外許容度(例外があってよいか)で選ぶと失敗が減ります。


要点のまとめと次の行動

  • 「おしなべて」は「全体にわたって概して」を表す、副詞の総括表現です。

  • 使ってよい条件は、同種の集合/同一評価軸/例外許容/数量の全部ではないの4点です。

  • 迷ったら4問チェックを回し、NOが出たら言い換えに切り替えるのが安全です。

  • 「すべからく」は“当然〜すべき”の意味で、数量の全部ではありません。

次の行動:あなたがいま書いている文章の「全体として」を1か所見つけ、4問チェックを当ててください。YESなら「おしなべて」を採用し、NOなら「全体的に/概して/総じて」へ置換します。これを数回繰り返すだけで、迷いが体感的に減ります。


参考情報源