OriginやEA appでゲームを遊ぼうとしたのに、「ダウンロードできない」「インストールできない」という状態で足止めされていないでしょうか。
エラーコードや英語メッセージが表示されても、原因がPC側なのか、ランタイムなのか、EA側の仕様なのか分からず、何度も再インストールを繰り返して時間だけが過ぎてしまう、というご相談は少なくありません。
本記事では、「Origin/EA appがダウンロード・インストールできない」代表的な原因をパターン別に整理し、ライトなPCゲーマーの方でも順番に試せる具体的な対処手順をご紹介します。
まずはご自身の症状に近いパターンを確認し、ムダな作業を減らしながら最短ルートでプレイ可能な状態を目指していきましょう。
Origin/EA appがダウンロード・インストールできないときの前提知識
いまは「Origin」と「EA app」どちらを使うべきか
現在、Windows向けのEA公式ランチャーは、旧来の「Origin」ではなく「EA app」が標準となっています。
多くの環境で、Originを起動しようとするとEA appへの移行を促す案内が表示され、事実上EA appでの利用が前提になっています。
また、2024年以降、Originを新規インストールしても自動更新の途中でエラーとなり、正常に利用できないケースも報告されています。
そのため、これから環境を整える場合は、
原則:EA appをインストールして利用する
Originは「過去の仕組み」として参考程度に捉える
という前提で進めるのが安全です。
まず確認したい共通チェックリスト
どのパターンでも共通して確認したい基本ポイントは、以下のとおりです。
Windowsの管理者権限を持つユーザーで操作しているか
インターネット回線が安定しているか(可能なら有線LAN)
ディスクの空き容量が十分にあるか(ゲーム本体+数十GB程度)
Windows Updateの適用待ちが溜まっていないか
他の大容量ダウンロードやクラウドバックアップが同時に動いていないか
これらに問題がない場合、次のパターン別の対処に進んでください。
パターン1:インストーラーが起動しない・途中で止まるときの対処法
管理者として実行する/セキュリティソフトを一時停止する
EA appやOriginのインストーラーを実行しても何も起こらない、あるいは途中で止まってしまう場合、まずは権限とセキュリティソフトを疑います。
ダウンロードしたインストーラー(EAappInstaller.exe など)を右クリック
「管理者として実行」を選択
ウイルス対策ソフトやインターネットセキュリティソフトを一時的に停止、またはゲームモードに設定
もう一度インストーラーを実行
インストール完了後は、必ずセキュリティソフトの設定を元に戻してください。
ネットワーク環境とサーバー側の一時的な不具合を疑う
進捗バーが途中で止まったまま動かない場合、ネットワークの不安定さやサーバー側の一時的な不具合が原因のことも多いです。
動画サイトなどで回線速度が極端に遅くなっていないか確認する
可能であれば有線LANを使用する
ルーターやモデムを再起動する
同じ回線を使っている他のPCやスマホで大きなダウンロードをしていないか確認する
時間帯を変えてから再度インストールを試すと、問題が解消する場合もあります。
パターン2:DLL不足・エラーコードでインストールできない
「VCRUNTIME140.dllが見つからない」などDLLエラーの場合
OriginやEA appのインストーラーを起動した際に、次のようなエラーが表示されることがあります。
「VCRUNTIME140.dll が見つかりません」
「MSVCP140.dll が見つかりません」
これは、Microsoft Visual C++ 再頒布可能パッケージ(VCランタイム)が不足している、または壊れていることが主な原因です。
Visual C++再頒布可能パッケージを入れ直す手順
Windowsを再起動する
「アプリと機能」または「プログラムの追加と削除」を開く
インストール済みの「Microsoft Visual C++ 20xx 再頒布可能パッケージ」を確認
Microsoft公式サイトから最新版の再頒布可能パッケージをダウンロード
x86(32bit版)
x64(64bit版)
両方をダウンロードするのがおすすめです。
x86 → x64 の順などでインストール(既に入っている場合は「修復」)
PCを再起動する
EA app/Originのインストーラーを「管理者として実行」し直す
多くのDLL不足エラーは、この手順で解消されます。
DirectXなどランタイム不足が疑われる場合
ゲームのインストール途中に、
「DirectXのインストールに失敗しました」
「必要なランタイムがインストールされていません」
といった表示が出る場合、DirectXやその他ランタイムが原因のことがあります。
その場合は、
Microsoft公式のDirectXエンドユーザーランタイムを再インストールする
問題のゲームを一度アンインストールし、EA appから再ダウンロード・再インストールする
必要に応じて、EA app自体をアンインストール → 再インストールし、そのうえでゲームを入れ直す
といった順番で試してみてください。
パターン3:ゲームのダウンロード・インストールが途中で止まる
ダウンロードが4GB付近で止まる場合(FAT32の制限)
ゲームのダウンロードがほぼ毎回4GB前後で止まる場合、インストール先のドライブがFAT32形式になっている可能性があります。FAT32には「1ファイル4GBまで」という制限があるため、大きなゲームファイルで必ず失敗してしまいます。
対処方法は次のとおりです。
EA app/Originの設定から、インストール先をNTFS形式の別ドライブに変更する
あるいは、対象ドライブのデータをバックアップしたうえでNTFS形式で再フォーマットする
フォーマットはドライブ内データが消去されますので、十分なバックアップと注意が必要です。
Origin/EA appのキャッシュ・破損ファイルを削除する
インストールが特定のパーセントで止まり続ける場合、キャッシュや途中までダウンロードされた破損ファイルが原因のこともあります。
一般的な対処の流れは以下のとおりです。
EA app/Originを完全に終了する
タスクマネージャーで「EA」「Origin」関連のプロセスが残っていないかを確認し、残っていれば終了
キャッシュフォルダ(例:
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Electronic Arts\など)を削除、またはフォルダ名変更で待避ゲームのインストール先フォルダに残っている中途半端なファイルを削除
EA app/Originを再起動し、ゲームのダウンロードを最初からやり直す
フォルダ削除に不安がある場合は、フォルダ名を一時的に変更して「元に戻せる状態」を確保してから実施すると安全です。
Apexなどで特定パーセントから進まない場合の対処例
Apex Legendsなど一部タイトルでは、特定のパーセント(例:38%)から進まないという事例が報告されています。
古い情報では、特定のVisual C++ランタイムの入れ直しや、中途半端なインストールファイルの削除で改善したケースがあります。
現在はEA appが前提となっていますので、
まずEA app環境でゲームを再ダウンロードする
それでも改善しない場合は、ランタイムの入れ直しやキャッシュ削除を合わせて実施する
という手順で検証していただくと良いです。
パターン4:Windowsユーザー名・フォルダ名が原因のケース
ユーザー名に日本語が含まれているときの症状
一部の環境では、Windowsのユーザー名に日本語(全角文字)が含まれていることが原因で、Originや一部ゲームのインストールが不安定になるケースがあります。
具体的には、
インストーラーが毎回同じ場所で固まる
明確なエラーメッセージが出ないのに失敗する
といった状態が繰り返されます。
半角英数字ユーザーで再インストールする流れ(概要)
根本的な解決方法として、半角英数字のみの新しいWindowsユーザーを作成し、そのユーザーでEA appやゲームをインストールし直す方法があります。
流れは次の通りです。
管理者権限を持つユーザーでWindowsにサインイン
設定 → アカウント → 家族とその他ユーザー(名称はOSバージョンにより異なります)から、新しいローカルアカウントを作成
ユーザー名を「gameuser」など英数字だけで設定
新しいユーザーに管理者権限を付与
新ユーザーでサインインし直す
EA appをダウンロードし、インストーラーを「管理者として実行」
ゲームのインストールも新ユーザー側で行う
既存ユーザーフォルダ名を変更する手段もありますが、トラブルリスクが高いため、可能であれば新規ユーザー作成での対応を推奨いたします。
パターン5:OriginからEA appへの移行時に起こるトラブル
Originが強制的にEA appを求めて起動できない場合
Originでゲームを起動しようとした際に、EA appへの移行ダイアログが表示され、Origin自体が使えなくなるケースがあります。
この場合の基本的な流れは以下のとおりです。
ダイアログの案内に従ってEA appをダウンロード・インストール
EAアカウント(従来のOriginアカウント)でサインイン
EA app上の「マイライブラリ」に、過去購入したタイトルが引き継がれているか確認
EA appからゲームをインストール・起動
すでに述べた通り、長期的にはEA appの利用が前提とされているため、無理にOriginだけで完結させようとするよりも、EA appに慣れておく方が安定して利用できます。
EA app自体が起動しない・落ちるときの手順
EA appのアイコンをクリックしても起動しない、すぐに落ちてしまう場合は、以下の手順で切り分けを行います。
EA appが起動していたら終了する
タスクマネージャーでEA関連のプロセスをすべて終了
Windowsを再起動
コントロールパネルや「アプリと機能」からEA appをアンインストール
EA公式サイトから最新版のEA appインストーラーをダウンロード
インストーラーを「管理者として実行」
それでも起動しない場合、一時的にアンチウイルスソフトを停止して再度起動テストを実施
特定のセキュリティソフトがEA appの動作をブロックしていた、という事例もありますので、セキュリティソフトの設定も合わせて確認してください。
2024年以降もOriginを使おうとする際の注意点
インターネット上には、2024年以降もOriginをインストールして使う方法を紹介する記事がありますが、実際には以下のようなリスクがあります。
起動時に自動更新が走り、エラーによって起動できなくなる
将来的なアップデート・サポートが期待できない
EA appへの移行前提で仕様が変わる可能性が高い
このため、基本的にはEA appを利用し、Originはあくまで過去の仕組みとして考えることをおすすめいたします。
それでも解決しないときに試したい追加チェック
他のゲームランチャーや常駐ソフトとの競合
以下のようなソフトが、EA appやゲームのインストール・起動と競合する場合があります。
他社ゲームランチャー(Steam、Epic Games、Ubisoft Connect など)のオーバーレイ機能
画面録画ソフト、FPSカウンター等のオーバーレイツール
VPNソフト、プロキシソフト
これらが原因かどうかを切り分けるために、
該当ソフトをすべて終了した状態でEA app/ゲームのインストールを試す
オーバーレイ機能をオフにする
といった手順を試してみてください。
公式サポートに連絡する際にまとめておく情報
ここまでの対処を一通り試しても解決しない場合は、EA公式サポートへの問い合わせを検討してください。
その際、あらかじめ次の情報を整理しておくと、対応がスムーズになります。
発生している症状(どのタイミングで・どの操作後に起きるか)
エラーコードやエラーメッセージ(スクリーンショットがあれば尚良い)
Windowsのバージョン(例:Windows 10 / Windows 11)
PCスペック(CPU、メモリ容量、GPU名など)
すでに試した対処法(再インストール、ランタイム入れ直し、別ユーザー作成など)
まとめ:安全に遊ぶために押さえておきたいポイント
現在はEA appが標準ランチャーであり、Originは終了方向にあるため、EA appを前提に環境を整えるのが基本です。
インストーラーが起動しない場合は、「管理者として実行」「セキュリティソフトの一時停止」「ネットワークの確認」といった基本対処から順に試してください。
「VCRUNTIME140.dll」などのDLLエラーは、Microsoft Visual C++再頒布可能パッケージ(x86/x64)の再インストールで解消するケースが多くあります。
ダウンロードが4GB付近で止まる場合は、インストール先ドライブのファイルシステムがFAT32になっていないかを確認し、必要に応じてNTFSドライブへ変更してください。
Windowsユーザー名が日本語の場合は、英数字のみの新規ユーザーを作成してインストールを試すと、問題が解消することがあります。
すべての方法を試しても改善しない場合は、情報を整理したうえでEA公式サポートに相談することをおすすめいたします。

