お金がない親の面倒――頭では「何とかしなければ」と分かっていても、現実は「うちも余裕がない」「でも放っておけない」という板挟みになりがちです。知恵袋を見ても、同じように悩む人は多い一方で、答えは体験談や意見に偏りやすく、読んだあとに「結局、私は何から動けばいいのか」が残ってしまうことも少なくありません。
本記事では、知恵袋で頻出する悩みを起点に、親の生活費と介護費を整理し、扶養義務の考え方、負担を下げる公的制度、相談先の順番、兄弟で揉めない分担の作り方までを、手順として具体化します。大切なのは「無理して全部背負う」ことではなく、あなたの家計と生活を守りながら、親の暮らしを破綻させない仕組みに組み替えることです。
読み終えたときに、状況が重くても次にやることが明確になるように構成しています。「今月の支払いが危ない」「施設や保証人の話が出てきて詰みそう」「兄弟が動かない」といったケースでも、打ち手が見えるように整理しますので、まずは今の不安を言語化するところから一緒に進めていきましょう。
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お金がない親の面倒を知恵袋の悩みから整理する
相談で多いパターンは生活費と介護費の混在
知恵袋で多い相談は、実は「介護」そのものより、生活の赤字と介護費が一体化しているケースです。ここを分けないまま対応すると、いくら支援しても焼け石に水になり、子ども側の家計が先に崩れます。
まず、親の支出を次の二層に分解してください。
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生活の層
家賃、光熱費、食費、通信費、医療費の自己負担、日用品、税金、保険料、借金返済、嗜好品、交際費 -
介護の層
介護保険サービスの自己負担、福祉用具、通院介助、施設の食費や居住費など
この分解をすると、次の判断が可能になります。
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生活の赤字が原因なら、家計管理と福祉制度が中心になります
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介護の負担が原因なら、要介護認定と介護保険の組み立てが中心になります
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両方が混在するなら、優先順位を決めて同時並行で動かす必要があります
よくある混在例も押さえておくと整理が早くなります。
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親の年金が少なく、生活費だけで赤字になっている
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親が慢性疾患で医療費がかさみ、介護も必要になっている
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施設検討を始めたが、食費と居住費が払えず行き詰まっている
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親が浪費傾向で、支援しても貯まらない
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兄弟の関与が薄く、負担が一人に偏っている
ここまでが分かれば、「親を助ける」と「自分の家計を守る」を両立させる設計に移れます。
まず決めるべき支援の上限と優先順位
子ども側の家計が厳しいときに最も重要なのは、支援に上限を設けることです。上限を設けない支援は、支援する側が破綻し、結果的に親の支援も継続できません。
支援の上限は、次の三点セットで決めると揉めにくくなります。
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金額の上限
例:毎月は無理だが、今月は上限1万円までなら可能 -
期間の上限
例:今月から2か月間のみ、その後は制度の結果で再検討 -
支援の対象
例:家賃と医療は対象、嗜好品や交際費は対象外
次に、優先順位です。優先順位は感情ではなく「止まると危険な支払い」から並べます。
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最優先
住居の維持に直結する支払い、命や健康に直結する支払い
例:家賃、電気やガスの停止回避、必須の医療、介護サービスの継続 -
優先
生活の最低限を保つ支払い
例:食費、最低限の通信、必要な日用品 -
後回し
生活に直結しにくい支出
例:サブスク、過度な交際費、嗜好品、不要不急の出費
上限と優先順位を決めることは、親に冷たい態度を取ることではありません。むしろ、限界を明確にして制度につなげることで、長期的に支援を成立させるための準備です。
支援の上限を伝えるときの言い方も重要です。責める言い方ではなく、事実と方針を短く伝えます。
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「私の家計では毎月の援助はできません。生活と介護の制度を使う方向で一緒に進めます」
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「今月は上限1万円までなら立替できますが、来月以降は制度の結果で考えたいです」
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「家賃と医療は優先しますが、嗜好品は支援できません」
短文で固定すると、話が逸れにくくなります。
最短で動くための相談先と連絡の順番
時間が経つほど状況は悪化しやすいので、相談先は順番を決めて動くのが得策です。おすすめの連絡順は次のとおりです。
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地域包括支援センター
介護の入口です。要支援の段階でも相談でき、介護保険の申請導線や地域資源の情報を持っています。 -
市区町村の介護保険担当
要介護認定の申請、負担軽減制度の案内、施設利用に関連する手続きの確認ができます。 -
社会福祉協議会
生活福祉資金など、当面の資金繰りの相談ができます。 -
生活保護の担当窓口
親の生活が破綻している場合や、医療と介護の継続が困難な場合に検討します。
相談の前に、最低限そろえる情報は次です。完璧でなくても構いません。
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親の年金額の目安
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預貯金の目安
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住居形態と家賃または固定費
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通院状況と医療費の負担感
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介護の困りごと
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支払いが止まりそうな項目と期限
最初の電話で伝えるとスムーズな要点も用意します。
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「親の収入が少なく、介護と生活が不安定です。子ども側に経済的余力がありません。制度と支援の組み立てを相談したいです」
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「支払いが危なく、緊急度が高いので、最短で動ける順番を教えてください」
この時点で、すでに前進です。あとは「費用の内訳」と「制度の当て方」を具体化していきます。
お金がない親の面倒の費用感と不足が起きるポイント
介護保険で出る費用と出ない費用
費用の理解で最初に押さえるべきは、介護保険でカバーされる部分と、カバーされにくい部分の差です。ここを誤解すると、請求が想定より増えたときに対応が遅れます。
以下は、考え方の早見表です。
| 区分 | 主な内容 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 介護保険の対象になりやすい | 訪問介護、デイサービス、短期入所、福祉用具レンタルなど | 自己負担割合があり、使えば使うほど自己負担は増える |
| 対象外になりやすい | 施設の食費、居住費、日用品、理美容、家賃、光熱費 | ここが大きく、親の年金だけで足りなくなりやすい |
| グレーになりやすい | 生活援助の範囲、通院付き添い、家事代行 | ケアプランと契約内容で差が出る |
特に注意が必要なのは「在宅介護は安い」「施設は高い」という単純比較です。実際は、親の住居費や生活費、介護度、利用サービスによって逆転します。
大切なのは、親の支出を月単位で見える化し、どこに公的支援を当てるかを決めることです。
在宅と施設で変わる支出の内訳
在宅と施設は、支出の構造が異なります。ここを理解すると、どこに不足が出るかが予測できます。
在宅で増えやすい支出
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住居費がそのまま残る
家賃、固定資産税、修繕費など -
生活費が継続する
光熱費、食費、日用品 -
介護サービスの回数が増えると自己負担も増える
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家族の負担が増えると、交通費や時間コストが増える
施設で増えやすい支出
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食費と居住費が発生しやすい
ここは介護保険とは別枠での負担になりやすく、不足が出やすい -
日用品や理美容などの雑費が固定化しやすい
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施設の契約で保証人や支払い手段の確認が必要になる
比較をするときは、金額だけでなく「支払いが途切れたときの影響」も含めて判断してください。例えば、家賃が払えないと住居を失うリスクがありますが、施設費が払えない場合も契約継続に影響します。
そこで、次のように整理すると判断しやすくなります。
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在宅が向く
住居費が小さい、親がある程度自立、家族や地域支援が組める -
施設が向く
在宅の維持が困難、見守りが必要、介護負担が大きい、家族が遠方
この判断は一度で決める必要はありません。まずは地域包括やケアマネと一緒に、現実的な候補を絞り込みます。
保証人や立替で揉めやすい落とし穴
お金がない親の面倒で揉めやすい場面は、立替と保証人です。ここで感情的な対立が起きると、制度活用まで進めなくなります。
立替の落とし穴
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立替を始めると止めづらくなる
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いつまで、いくらまで、何に使うのかが曖昧だと揉める
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兄弟間で不公平感が増幅する
立替をする場合は、必ず次を決めて記録してください。
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立替はいつまでか
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上限はいくらか
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対象は何か
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精算はどうするか
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次の見直し日はいつか
保証人の落とし穴
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保証人の責任範囲が契約で異なる
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兄弟がいるのに一人が背負い込むと不満が蓄積する
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施設側の説明を十分に理解しないまま署名するとリスクが残る
保証人対応は、施設に対して以下を必ず確認してください。
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何の保証か
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支払いが滞った場合の請求範囲
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緊急連絡先と保証人の違い
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第三者保証などの代替手段の有無
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兄弟で分担できるか
ここまで整理できれば、次は「制度で負担を減らす」具体策に進めます。
お金がない親の面倒を公的制度で補う方法
高額介護サービス費で自己負担を抑える
介護保険サービスを利用すると自己負担が発生しますが、一定の条件で月ごとの自己負担に上限が設けられる仕組みがあります。これにより、自己負担が膨らみすぎるのを抑えられる可能性があります。
重要なのは、次の二点です。
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対象となる費用と対象外の費用がある
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自動的に適用されるとは限らず、自治体で手続きが必要になる場合がある
進め方は次のとおりです。
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親の介護サービス利用状況を集める
サービス名、利用回数、自己負担額が分かるものを月単位で整理します。 -
介護保険担当に確認する
「高額介護サービス費の対象か」「手続きは必要か」「必要書類は何か」を確認します。 -
適用後の見込みを把握する
上限がどれくらいになりそうか、いつから反映されるかを確認します。
よくある失敗は、自己負担の請求に驚いてから動くことです。利用が増えそうな時点で、早めに確認してください。
補足給付で施設の食費と居住費を下げる
施設費で苦しくなる最大要因は、食費と居住費です。低所得の方を対象に、これらの負担を軽くする制度が用意されています。施設を検討するときは、必ず同時に確認してください。
確認のポイントは次です。
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世帯の課税状況
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預貯金額
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収入の種類と金額
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施設の種類が対象かどうか
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申請のタイミングと必要書類
特に「預貯金の基準」は該当可否に影響しやすいので、通帳の残高が分かる資料を準備すると話が早くなります。
進め方は次のとおりです。
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市区町村の介護保険担当に相談する
「施設を検討している」「食費と居住費が払えない可能性がある」と伝えます。 -
対象可能性を確認し、必要書類をそろえる
年金額が分かる資料、通帳、本人確認書類などが求められることが多いです。 -
施設の費用見積もりに反映して比較する
制度を前提にした負担額で、施設の比較を行います。
制度を知らずに「施設は無理」と諦めてしまう方は少なくありません。検討の入口で必ず確認してください。
生活保護で介護と医療をつなぐ考え方
親の年金や資産で生活が成り立たず、介護や医療も必要な場合、生活保護の検討が現実的になることがあります。ここで大切なのは、「生活保護は最後の手段」という印象だけで先送りしないことです。生活の破綻が進むほど、本人の健康や安全が損なわれ、家族の負担も増えます。
生活保護を考える前に整理すべきことは次のとおりです。
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親の収入と資産の現状
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住居費の負担が過大かどうか
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医療の継続が必要か
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介護サービスの必要性が高いか
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家族が継続的に金銭支援できないことが明確か
相談の際は、感情ではなく事実を並べることが重要です。
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「年金が月いくらで、家賃がいくらで、支払いが足りません」
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「医療の通院が必要で、介護も必要です」
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「家族の家計上、継続的な援助はできません」
生活保護は要件や手続きが絡むため、個別確認が必要です。ただ、検討の俎上に載せること自体は、親を守る手段の一つです。
生活福祉資金で当面の資金繰りをつなぐ
制度が動くまでに時間がかかると、当面の支払いが詰まります。そのつなぎとして、生活福祉資金のような貸付制度の相談が役立つ場合があります。相談先は社会福祉協議会です。
向いている場面は次のとおりです。
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申請中で、結果が出るまでの資金が不足する
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一時的な出費が重なり、短期の穴埋めが必要
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生活の立て直し計画があり、返済の見通しが立つ
ただし、貸付は借金です。返済の見込みがないまま借りると、問題が先送りになるだけです。必ず「立て直し計画」とセットで検討してください。
この章までで、制度によって負担を下げる道筋が見えてきます。次は、家族内で破綻しない分担設計に移ります。
お金がない親の面倒を家族で分担する進め方
扶養義務の基本とできる範囲の線引き
扶養義務の話が出ると、「子どもが全部負担しなければならないのか」と不安になりやすいですが、現実の支援は家計の余力や事情を踏まえて設計されます。ここで重要なのは、家族内で次の前提を共有することです。
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子どもの生活が破綻する支援は続かない
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公的制度を優先し、それでも足りない部分を家族で補う
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金銭支援以外の支援も分担に含める
線引きの具体例は以下です。
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金銭は出せないが、手続きは担う
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毎月は無理だが、緊急時だけ一定額まで立替する
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直接支払いはしないが、相談窓口への同行はする
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同居はできないが、週に一度の訪問はする
線引きは「拒絶」ではなく「持続可能な形を作ること」です。罪悪感が強い場合ほど、短期的な無理をしやすいので注意してください。
兄弟で揉めない家族会議の進め方
兄弟間で揉める原因の多くは、情報格差と役割不明確です。そこで、家族会議は型を決めて進めます。
家族会議アジェンダ
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親の現状の共有
収入、支出、介護の状況、緊急度 -
今月から三か月の対応
何を止めないか、何を制度につなぐか -
役割分担
連絡役、窓口同行、書類整理、施設見学の担当など -
金銭支援のルール
上限、期限、対象、精算方法 -
次回の開催日
二週間後など短いスパンが望ましいです
会議のルール
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口頭だけで終わらせず、メモを共有する
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決まらないことは「確認して次回決める」に分離する
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誰か一人の善意に依存しない分担にする
分担の考え方の例も示します。
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兄は月の連絡役、妹は書類整理、弟は施設見学同行
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金銭はそれぞれ上限を決め、同額にこだわらず余力に応じて決める
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遠方の兄弟は金銭よりも手続きのオンライン対応や電話連絡を担う
ここで「同額負担」に固執すると、必ず行き詰まります。余力が違う以上、役割の配分で公平を作るほうが現実的です。
親と兄弟に伝える短文テンプレ
揉める会話は、長く説明するほど火種が増えます。短文テンプレを準備し、同じ言い方を繰り返すのが有効です。
親へのテンプレ
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「毎月の援助はできません。制度を使う手続きは一緒に進めます」
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「支払いが危ないものから優先します。まず地域包括に相談します」
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「今月は上限1万円まで立替できますが、来月以降は制度の結果で考えます」
兄弟へのテンプレ
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「感情論ではなく、数字と手続きで整理したいです。まず収支と困りごとを共有します」
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「連絡役を一人に決めたいです。私は窓口対応をしますが、書類整理をお願いできますか」
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「金銭支援は上限と期限を決めましょう。出せないなら別の役割で分担しましょう」
テンプレを使う狙いは、相手を説得することではなく、話の土台を固定することです。
お金がない親の面倒が限界のときの逃げ道
在宅が難しいときの選択肢と施設の当たりを付ける
在宅が限界になると、追い詰められて「どうにもならない」と感じやすいですが、選択肢を段階で考えると整理できます。
在宅のまま支援を厚くする選択
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デイサービスなどで日中の見守りを増やす
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訪問介護を増やす
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ショートステイを活用し、介護者の休息を確保する
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福祉用具で転倒リスクを下げる
在宅から施設へ寄せる選択
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施設の候補を複数持ち、費用内訳を比較する
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補足給付の対象可能性を確認する
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施設の契約条件、保証人要件を早期に確認する
施設の当たりを付けるときの手順
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地域包括やケアマネに、施設検討を明確に伝える
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施設の種類と特徴を整理する
介護度や医療ニーズにより、向く施設が変わります -
見積もりを取り、食費と居住費の負担軽減も含めて比較する
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契約条件を確認し、家族内の分担を整える
比較は「総額」だけでなく、次の観点も含めると失敗が減ります。
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追加費用が何で発生するか
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退去や更新の条件
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緊急時の対応
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家族の関与の頻度
共倒れを避けるための距離の取り方
親の面倒は、長期戦になることが多いです。共倒れを避けるには、距離の取り方を意識して設計してください。
距離の取り方の例
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直接対応する頻度を減らし、サービスや第三者に置き換える
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連絡窓口を一人に集約し、他の兄弟は役割で支える
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介護者の休息を先に確保し、限界まで頑張らない
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親の要求に即応せず、対応日を決めてまとめて処理する
限界が近いサインもチェックしてください。
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眠れない日が続く
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仕事や家庭に明確な支障が出ている
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感情の爆発が増え、親や兄弟に強い言葉を言ってしまう
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お金の不安が常に頭から離れない
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相談先に連絡する気力が湧かない
このサインが複数当てはまるなら、支援を増やすのではなく「支援の方法を変える」ことが必要です。地域包括やケアマネに、家族の限界も含めて相談してください。
トラブル別の相談先一覧
困りごとごとに相談先を分けると、解決が速くなります。
| トラブル | 相談先 | 相談の要点 |
|---|---|---|
| 介護の入口が分からない | 地域包括支援センター | 困りごと、生活状況、家族の限界 |
| 要介護認定や負担軽減制度 | 市区町村の介護保険担当 | 所得状況、通帳、利用状況 |
| 当面の資金繰り | 社会福祉協議会 | つなぎの必要額、返済見込み |
| 生活が破綻している | 生活保護の担当窓口 | 収入資産、住居、医療介護の必要性 |
| 兄弟トラブルが激しい | 地域包括、場合により専門職 | 役割分担の設計と第三者同席 |
相談先を変えることは、逃げではありません。問題の種類に合った窓口へ切り替える行為です。
お金がない親の面倒でよくある質問
払えない場合に違法になるのか
「払えないと違法になるのか」という不安は非常に多いですが、現実には、子ども側の家計が破綻するような負担を前提に進めるべきではありません。重要なのは、払えないことを放置するのではなく、制度と相談で代替策を作ることです。
具体的には次の順番で動くと、説明責任も果たしやすくなります。
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親の収支と不足額を見える化する
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介護保険と負担軽減制度の対象可能性を確認する
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生活が破綻している場合は福祉制度の検討に入る
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家族の支援は上限を決め、書面やメモで共有する
「支援できない」ではなく「制度で成立させる」に言い換えると、精神的にも進めやすくなります。
相続放棄をすれば面倒は不要になるのか
相続放棄は、相続財産や負債を引き継ぐかどうかの制度であり、親の介護や生活支援の問題とは軸が異なります。相続放棄を考える余地がある状況でも、目の前の生活と介護は別途整理が必要です。
整理のポイントは次です。
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目の前の支払い危機をどう乗り切るか
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介護の必要性をどう制度に乗せるか
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家族が無理なく関与する形をどう作るか
相続の話は、落ち着いてから別の論点として検討するほうが、混乱を避けられます。
親が浪費して貯金がない場合はどうするか
浪費が原因の場合、子どもが穴埋めを続けるほど、問題は固定化します。ここは厳しさが必要な場面です。
対応の基本方針は次のとおりです。
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金銭支援は上限と対象を強く限定する
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嗜好品や浪費を補填しない
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支払いを直接代行する
現金を渡すのではなく、家賃や公共料金を直接支払うなど、用途を固定します -
家計管理を第三者につなぐ
地域包括や福祉の窓口で、家計の立て直しを含めて相談します
親が反発する可能性もありますが、支援が浪費に吸い込まれる状態を放置すると、子ども側が破綻します。線引きは必須です。
施設の保証人を断りたいときはどうするか
保証人を断りたい、あるいは保証人を求められて困っている場合は、次の順で対応してください。
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施設に、保証人の役割と範囲を確認する
緊急連絡先と保証人は別であることもあります。 -
代替策があるか確認する
第三者保証や、条件の調整が可能な場合があります。 -
兄弟で役割分担を再設計する
保証人を一人で抱えず、連絡役や支払い管理の分担を作ります。 -
署名の前に、契約書を持ち帰って確認する
その場で即決しないことが重要です。
保証人を受けるかどうかは、気持ちではなく、責任範囲を理解したうえで判断してください。
ここまで読まれた方へ、最後に「今日やること」を短くまとめます。迷いが強いほど、行動が止まってしまうためです。
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親の支出を生活と介護に分け、月の不足額を出す
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支援の上限と優先順位を決め、短文で伝える
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地域包括に連絡し、介護保険と施設検討の入口を作る
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介護保険担当で負担軽減制度と補足給付の対象可能性を確認する
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家族会議はアジェンダ固定で分担を決め、メモを共有する
お金がない親の面倒は、精神論で抱えるほど苦しくなります。制度と分担で「続く形」に組み替えることが、親にも子どもにも最も安全な進め方です。必要なら、この記事のテンプレをそのまま使い、相談の電話一本から始めてください。