年末が近づくと、年賀状の準備に追われて「今年こそやめたい」と感じる方は少なくありません。けれど、相手が“友達”となると話は別です。はがきをやめるだけのつもりでも、「距離を置きたいのかな」「冷たく思われないかな」と不安になり、結局いつも通り年賀状を出してしまう——そんな経験はないでしょうか。
友達への年賀状じまいで大切なのは、上手な言い訳を考えることではなく、年賀状という手段は区切っても、関係はこれからも続けたいという気持ちがきちんと伝わる文章に整えることです。ほんの一言の入れ方や語尾の選び方で、印象は驚くほど変わります。
本記事では、友達との距離感に合わせて選べる文例を豊富に用意しながら、角が立たない「基本の型」、LINEやSNSへの自然な切り替え方、伝えるタイミングや寒中見舞いでのフォローまで、まとめて分かりやすく解説いたします。コピペして語尾を少し変えるだけでも使える形にしていますので、今年こそ気持ちよく年賀状を一区切りにしたい方は、ぜひこのまま読み進めてください。
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年賀状じまいを友達に伝える基本の型
角が立たない5要素
友達向けの年賀状じまいは、自由に書いてよいようでいて、外してはいけないポイントが存在します。文章がうまくまとまらないときは、次の「5要素」を順番に並べるだけで形になります。
感謝
まずは年賀状のやり取りが続いてきたこと自体への感謝を置きます。
例:「いつも年賀状ありがとう」「毎年近況が知れてうれしかった」区切りの宣言(やわらかく)
次に、「今年で一区切りにする」ことを伝えます。ポイントは断定の強さを落とすこと。
例:「今年を最後にしようと思っています」「今年で一区切りにすることにしました」相手の負担への配慮
相手が準備を進めている可能性を考え、先に伝える意図を添えると優しい印象になります。
例:「準備の前にお伝えしたくて」「お気遣いなくと思い、早めにご連絡しました」関係継続の意思
ここが友達向けの最重要ポイントです。「年賀状は終えるが、関係は続く」と明確にします。
例:「これからも変わらずよろしく」「また近いうちに会おう」今後の連絡手段(提案)
年賀状の代わりにどうつながるかを提示します。相手が迷わないための“次の道”です。
例:「近況はLINEでやり取りしよう」「またSNSで連絡するね」
この5要素が入っていれば、細部の言葉選びに多少の違いがあっても、失礼に見えにくい文章になります。逆に言えば、どれかが抜けると誤解の余地が生まれます。特に「感謝」「関係継続」「今後の連絡手段」の3点は、友達相手ほど必須です。
すぐ使える「型」テンプレ
文章を組み立てるのが苦手な方は、この順番をそのまま当てはめてください。
いつもありがとう(感謝)
今年で年賀状は一区切りにするね(区切り)
準備の前に伝えたくて(配慮)
これからも変わらずよろしく(関係継続)
近況はLINEでやり取りできたらうれしい(連絡手段)
友達向けの言葉づかい調整ルール
同じ「友達」でも距離感はさまざまです。親友もいれば、年に一度年賀状で近況を知るだけの友達もいます。ここを同じ温度で書くと、親友には堅すぎ、疎遠気味の友達には軽すぎる…というズレが起きます。
まずは、相手を「距離」で分類してから言葉づかいを調整するのがコツです。
距離別おすすめトーン早見表
| 友達との距離 | 文章のトーン | おすすめ表現 | 避けたい表現 |
|---|---|---|---|
| 親友・仲良し(普段から連絡) | カジュアル | 「一区切りにするね」「また会おう」 | 「控えさせていただきます」など堅すぎ |
| 年1連絡(年賀状中心) | ほどよく丁寧 | 「一区切りにしようと思っています」 | 「やめるわ!」など唐突な軽さ |
| 元同僚・趣味仲間(礼儀を意識) | 丁寧め | 「控えさせてください」「今後とも」 | タメ口、断定が強い言い切り |
| グループ宛て(同級生一斉) | 明るく簡潔 | 「みんなへ」「来年からはお気遣いなく」 | 一人ひとりに刺さる個別事情の長文 |
“断定”を弱める言い換え辞書
年賀状じまいは、「宣言」になった瞬間に硬く見えます。語尾を少し変えるだけで印象は柔らかくなります。
「やめます」→「一区切りにします」「控えようと思っています」
「送らないで」→「お気遣いなく」「ご無理なさらず」
「今後は年賀状は不要」→「年賀状でのご挨拶は控えさせてください」
「連絡はLINEで」→「よかったらLINEで」「近況はLINEでもらえたらうれしい」
友達相手ほど、「お願い」より「提案」の形にするのがポイントです。相手に選択の余地がある言い方は、押しつけ感を消してくれます。
理由は書くべきかの判断フロー
年賀状じまいの文章で最も迷いやすいのが「理由」です。書かないと冷たく感じるかもしれない。でも書きすぎると重くなる。正解は相手次第なので、判断の軸を持つことが大切です。
判断フロー(迷ったらここから)
相手は年賀状を大切にするタイプか?
はい → 理由を短く添えると安心されやすい
いいえ → 理由は省略しても問題になりにくい
あなたと相手の関係は“年賀状中心”か?
はい → 代替手段(LINEなど)とセットで、理由を軽く添える
いいえ → 理由はなくても、関係継続の一言があれば十分
理由がネガティブになりそうか?(健康・家計・人間関係など)
はい → 具体的に書かず「生活の変化」「年末が慌ただしく」程度に留める
いいえ → 1文で簡潔に書く
角が立ちにくい理由例(短く・一般化)
「年末が慌ただしく、年賀状は今年で一区切りにしようと思っています」
「生活が変わり、はがきでのご挨拶は控えることにしました」
「年賀状の準備が難しくなってきたため、今年で一区切りにします」
書かない場合の埋め合わせ
理由を書かない場合は、「感謝」と「これからも」を少し厚めにするとバランスが取れます。
「毎年ありがとう。これからも変わらずよろしくね」
「年賀状は一区切りにするけど、また連絡するね」
理由がなくても、関係が続くことが伝われば、相手は「そういう時期なんだな」と自然に受け止めやすくなります。
年賀状じまいの文例 友達向け距離別テンプレ
親友・仲良しへ カジュアル文例
親友や普段から連絡を取る友達は、「丁寧すぎると距離ができたように感じる」ことがあります。普段のあなたの話し方に寄せて、明るく短くまとめるのがコツです。ここでは、カジュアルでも失礼に見えにくい要素を入れた文例を用意しました。
文例1:王道(感謝+一区切り+これからも)
あけましておめでとう!いつも年賀状ありがとう。
今年を一区切りに、年賀状はお休みしようと思ってるよ。
また近いうちに会おうね。これからもよろしく!
文例2:近況を一言添えて温度感アップ
あけましておめでとう!毎年ありがとう。
年末がバタバタで、今年で年賀状は一区切りにすることにしたよ。
最近は○○にハマってる!また落ち着いたら連絡するね。
※「最近は○○」のような軽い近況を入れると、年賀状じまいが“終わり”ではなく“日常の延長”になります。
文例3:返信不要の配慮を入れる(相手が気を遣うタイプ向け)
あけましておめでとう!いつもありがとう。
年賀状は今年で一区切りにするね(返信は気にしないで!)。
またLINEするよ。これからもよろしく!
文例4:会う約束につなげる(関係継続が強く伝わる)
あけましておめでとう!年賀状ありがとう。
今年を最後に年賀状は一区切りにするけど、またごはん行こう!
近況はLINEで話そうね。今年もよろしく!
年1連絡の友達へ ほどよく丁寧な文例
年賀状でしか連絡しない友達は、相手にとって年賀状が“あなたの近況を知る唯一の窓”になっている場合があります。だからこそ、やめる一言だけだと「もう関わりたくないのかな」と誤解されることがあるため、関係継続と代替手段を丁寧に添えるのが安心です。
文例1:丁寧で無難(理由なしでも成立)
新年おめでとうございます。毎年年賀状で近況を知れてうれしかったです。
勝手ながら、年賀状でのご挨拶は今年を一区切りにさせてください。
今後とも変わらぬお付き合いをお願いいたします。
文例2:理由を軽く添える(相手が真面目なタイプ向け)
新年おめでとうございます。いつも年賀状をありがとうございます。
年末年始の準備が難しくなってきたため、年賀状は今年で一区切りにしようと思っています。
また近況は別の形でやり取りできたらうれしいです。今年もよろしくお願いします。
文例3:LINEやSNSの提案を入れる(年賀状中心関係の不安を減らす)
新年おめでとうございます。ご丁寧な年賀状をありがとうございました。
誠に勝手ながら、年賀状でのご挨拶は今年を一区切りにさせてください。
よろしければ、今後はLINEなどで近況をやり取りできればうれしいです。どうぞよろしくお願いいたします。
元同僚・趣味仲間へ きちんと感のある文例
元同僚や、趣味のつながりで礼儀を意識したい相手には、少しだけ改まった言葉を選ぶほうが安心です。とはいえ、堅すぎると距離ができるため、丁寧さの中にも「また話したい」という温度を入れると好印象です。
文例1:丁寧(基本形)
新年おめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。
誠に勝手ながら、年賀状によるご挨拶は今年をもちまして控えさせていただきます。
今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
文例2:会う・活動につなげる(趣味仲間に強い)
新年おめでとうございます。いつも温かいお心遣いをありがとうございます。
年賀状でのご挨拶は今年を一区切りにいたしますが、今後もまたご一緒できるのを楽しみにしています。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
文例3:負担軽減を理由にする(相手に納得感が出やすい)
新年おめでとうございます。ご丁寧な年賀状をありがとうございました。
年末の作業を整理したく、年賀状でのご挨拶は今年で一区切りにさせてください。
また近況は折を見てご連絡いたします。今後ともよろしくお願いいたします。
グループ宛て 複数人に同時に送る文例
同級生グループなどに一斉に出す場合は、全員に“同じ意図”が伝わるように、簡潔で明るい文章が向いています。個別事情を書きすぎると、かえって一部の人に刺さってしまうことがあるため、共通の表現でまとめるのが安全です。
文例1:明るい一斉版(カジュアル)
あけましておめでとう!みんな元気?
今年で年賀状は一区切りにすることにしたよ。来年からはお気遣いなくね。
近況はまたLINEで送ります。また集まろう!
文例2:少し丁寧(幅広いメンバー向け)
新年おめでとうございます。いつも年賀状をありがとうございます。
勝手ながら、年賀状でのご挨拶は今年を一区切りにさせてください。
今後は別の形で近況を共有できればうれしいです。皆さまにとって良い一年になりますように。
文例3:返信不要の配慮(相手の負担を減らす)
あけましておめでとう!年賀状ありがとう。
年賀状は今年で一区切りにします(返信は気にしないでね)。
また近況送ります。これからもよろしく!
LINEやSNSへ切り替える文例 友達向け
返信不要にしたいときの文例
年賀状じまいを伝えると、相手が「返信しなきゃ」と思ってしまうことがあります。特に真面目な友達ほど、気遣いで動くため、こちらが意図していなくても負担をかける場合があります。そこで効果的なのが「返信不要」のひとことです。
LINE文例1:短く、気遣いを先に出す
今年で年賀状は一区切りにしようと思ってるよ。いつもありがとう!
これからも変わらずよろしくね(返信は気にしないでね)。
LINE文例2:近況を添えて、自然に終える
年末がバタバタで、今年を最後に年賀状はお休みにするね。
最近は○○で忙しいけど元気だよ。また落ち着いたら連絡する!
LINE文例3:年賀状を先にもらった場合の返し(角が立ちにくい)
年賀状ありがとう!すごくうれしかった。
私からは今年で年賀状は一区切りにしようと思ってるよ。これからもよろしくね。
「返信は不要」と言うときは、命令形にしないのがコツです。「返信しないで」ではなく、「返信は気にしないでね」「無理しないでね」のような相手を思いやる言い回しが自然です。
連絡先を添えるときの文例
年賀状からLINEへ切り替えるとき、最も気をつけたいのは“誘導感”です。相手の生活にも連絡手段の好みがあるため、こちらの都合だけで決めたように見えると反発が出ます。そこで、「よかったら」「もし差し支えなければ」などのクッション言葉が役立ちます。
はがき文例1:提案として添える(押しつけない)
今年を一区切りに、年賀状でのご挨拶は控えさせてください。
よろしければ今後はLINEなどで近況をやり取りできればうれしいです。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
はがき文例2:連絡先を載せる場合(安全な書き方)
年賀状は今年で一区切りにいたします。
もしよろしければ、今後はLINEで気軽に近況を共有できたらうれしいです。
(LINE:○○)
今後ともよろしくお願いいたします。
※IDを載せることに抵抗がある場合は、無理に書かなくても構いません。「またこちらから連絡するね」としておくだけでも十分です。
LINE文例:相手が行動しやすい形
年賀状は今年で一区切りにするね。
よかったら今後はLINEで近況やり取りしよう!また連絡するね。
相手が年賀状派でも気まずくならない一言
年賀状を大切にしている友達に対しては、「年賀状文化を否定している」と受け取られないように配慮するのがポイントです。相手の価値観を尊重しながら、自分の事情として区切ると角が立ちにくくなります。
「年賀状をもらえるのは毎年楽しみだったよ。私は今年で一区切りにするけど、これからもよろしくね」
「年賀状のやり取りはお休みにするけど、また近況は聞かせてね」
「年賀状は一区切りにするけど、会ったときにたくさん話そう」
“年賀状派”の相手ほど、関係の継続が見える言葉が安心材料になります。年賀状をやめる話のあとに、必ず未来のやり取りを置く。この順番が、気まずさを避ける最大の工夫です。
タイミングと送り方 友達向けの現実解
いつ出すのが無難か
年賀状じまいは、相手の準備を無駄にしないことが何よりのマナーです。友達同士でも、相手がすでに年賀状を買い、宛名を書き始めていたら、こちらが悪気なくても申し訳なさが残ります。
一般的に、年賀状の準備が本格化する前に伝えるなら、11月〜12月初旬が無難です。遅くとも、相手が年末に入って慌ただしくなる前に届くように意識すると、気持ちよく終えられます。
とはいえ、現実には「年末ギリギリまで迷っていた」「忙しくて間に合わなかった」ということもあります。その場合は、無理に年内に年賀状じまいを入れ込むより、次の選択肢も覚えておくと安心です。
今年は通常の年賀状を出し、文面に“来年から”を匂わせる
相手から届いてしまったら、寒中見舞いで丁寧に返す
完璧なタイミングにこだわりすぎると、結局出せずに悩みが長引きます。できる範囲で早めに、が現実的です。
相手から年賀状が来た場合は寒中見舞いで返す
「先に相手から年賀状が届いてしまった」場合は、焦って年賀状で返すより、寒中見舞いを使うと丁寧です。寒中見舞いは季節の挨拶として、年賀状の返信の代わりにも用いられます。
このケースでやりがちな失敗は、年賀状をもらった直後にLINEで「年賀状やめるね」とだけ送ってしまうこと。相手は年賀状を送るために時間を使っているので、まずは受け取ったお礼をきちんと伝えたほうが良い印象になります。
寒中見舞いで伝えるときの基本の流れ
年賀状をもらったお礼
寒中見舞いの挨拶
年賀状じまい(今年で一区切り)
これからもよろしく、近況は別手段で
寒中見舞い文例:友達向け(やわらかい)
寒中お見舞い申し上げます。年賀状ありがとう!
今年を一区切りに、年賀状でのご挨拶は控えようと思っています。
これからも変わらずよろしくね。近況はまたLINEで!
寒中見舞い文例:丁寧(元同僚・年1連絡向け)
寒中お見舞い申し上げます。ご丁寧な年賀状をありがとうございました。
誠に勝手ながら、年賀状でのご挨拶は今年を一区切りにさせてください。
今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
寒中見舞いは、「遅れてしまったこと」をやわらかく回収できる便利な手段です。年賀状で返すよりも、相手の心情を考えるとむしろ丁寧に映ることもあります。
年賀状を元日に届けたい人向けの目安
年賀状じまいをする年でも、「今年は最後だからきちんと元日に届くように出したい」と考える方は多いはずです。元日に届くかどうかは、差し出す時期や郵便事情によって左右されます。
ただ、友達向けに大事なのは「元日に届く」こと以上に、「相手の準備を無駄にしない」ことです。最後の年賀状を丁寧に送りたい気持ちは素敵ですが、そのために年賀状じまいの文面を入れるのが遅れてしまうと本末転倒になりがちです。
そこでおすすめは、次の2段構えです。
年賀状じまいの意志は、できれば年内早めに(または年賀状本文で明確に)
最後の年賀状を丁寧にしたい場合は、本文を短くせず「感謝」と「これからも」を厚めに
送る前チェックリスト(失敗防止)
相手が年賀状を準備し始める前に伝えられている
「ありがとう(感謝)」が入っている
「これからも(関係継続)」が入っている
連絡手段を提案するなら「よかったら」「うれしい」などのクッションがある
相手が返信しそうなら「返信は気にしないでね」など配慮がある
「あなただけに送らない」ような誤解が生まれない表現になっている
このチェックリストを一度通すだけで、友達関係での気まずさはかなり減らせます。
失礼に見えやすいNG例と改善例
冷たく見える言い切りを避ける
友達向けで最も避けたいのが、「事務連絡のような冷たさ」です。年賀状じまいは“やめる話”なので、放っておくと文章が硬くなりやすい。そこで、言い切りを避けて、感情のクッションを足します。
NG例
「来年から年賀状やめます。」
「今後は年賀状不要です。」
「年賀状は送りません。」
短文で断定すると、受け取る側は説明の余地を失います。「どうして?」「何かあった?」と不安になったり、「距離を置かれた」と感じたりしやすい表現です。
改善例(すぐ使える置き換え)
「年賀状は今年で一区切りにしようと思っています」
「年賀状でのご挨拶は控えようと思います」
「来年からは年賀状はお休みにするね」
さらに、ここに必ず添えたいのが次の一文です。
「いつもありがとう」
「これからもよろしくね」
この2つがあるだけで、同じ内容でも“関係を続ける宣言”として伝わります。
理由の書き方で地雷を踏まない
理由を添えるのは良いことですが、書き方次第では相手の気持ちを逆なですることがあります。地雷になりやすいのは、「価値観の否定」や「相手への批判」に見える言い方です。
NG例(価値観の押しつけに見える)
「年賀状は非効率なのでやめます」
「紙の挨拶は時代遅れなのでやめます」
「年賀状文化に意味を感じないので…」
相手が年賀状を大切にしているタイプだと、こうした言い方は「自分のやっていることを否定された」と感じさせる可能性があります。
改善例(自分側の事情に寄せる)
「年末が慌ただしく、年賀状は今年で一区切りにします」
「生活が変わり、年賀状の準備が難しくなってきました」
「年末の作業を整理したく、年賀状でのご挨拶は控えることにしました」
理由は“社会の正しさ”ではなく、“自分の事情”として書く。これが友達関係の地雷回避です。
送る相手の範囲を明確にする
意外と多い誤解が、「自分だけが切られたのでは?」という受け取り方です。年賀状じまいは個別に送るため、相手が他の人には年賀状を送っているのかどうか分かりません。だからこそ、“全体としてやめる”ことが伝わる一文があると安心です。
誤解を防ぐ一文の例
「勝手ながら、どなた様にも年賀状でのご挨拶は今年を一区切りにいたします」
「皆さまに同様のご挨拶となりますが、年賀状は今年で一区切りにさせてください」
友達向けにやわらかくするなら、次の言い方も使えます。
「今年で年賀状は一区切りにするね。みんなにも同じように伝えてるよ」
これを入れるだけで、相手は「自分だけじゃないんだ」と安心しやすくなります。
よくある質問
友達には「年賀状じまい」と書かないほうがいい?
必ずしも書かなくて問題ありません。むしろ友達向けは、「年賀状じまい」という言葉が少し固く感じられることがあります。親しい関係ほど、普段の会話に近い表現のほうが自然です。
おすすめは、言葉としてのラベルを使うよりも、「行動」をやわらかく伝えることです。
「今年で年賀状は一区切りにするね」
「来年から年賀状はお休みにしようと思ってる」
「年賀状のやり取りは今年までにするね」
相手が年賀状文化を重んじるタイプなら、改まった表現で「控えさせてください」を選ぶと安心です。逆に、仲良しグループなら「卒業するね」でも十分伝わります。
書いたのに相手から来年も年賀状が来たら?
よくあることです。相手が忘れていた、忙しくて文面を見落とした、毎年のルーティンで機械的に送っている…理由はさまざまです。ここで大事なのは、必要以上に深刻に捉えないこと。友達関係なら、次のように軽く回収できます。
対応パターン1:お礼+さらっと再掲(友達向け)
「年賀状ありがとう!うれしかった。
私は今年で年賀状は一区切りにしてるけど、これからもよろしくね。」
対応パターン2:返信しない+別手段で近況を送る
年賀状で返さず、LINEで「ありがとう」を伝える方法です。相手の負担も増えません。
対応パターン3:次回からは“返信不要”を強めに入れる
「お気遣いなくね」「返信は気にしないでね」を添えると、相手が次年以降に調整しやすくなります。
相手の性格によっては、丁寧に再度伝えるほうが親切ですが、責めるような言い方は避け、あくまで“自分の都合”として伝えるのが円満です。
寒中見舞いで伝えるのは遅い?
遅いかどうかは、「相手の準備を無駄にしたか」で判断すると分かりやすいです。すでに年賀状が届いてしまったなら、寒中見舞いで返すのは自然な流れですし、むしろ丁寧に見えます。
寒中見舞いで伝えるときのコツは、年賀状じまいを前面に出すのではなく、まずは年賀状をもらったことへのお礼をしっかり書くこと。そのうえで、「今年で一区切りにします」と添え、「これからもよろしく」とつなげれば、遅れた印象はかなり薄れます。
まとめ
友達への年賀状じまいは、「やめる宣言」をうまく言うことではなく、「関係を続ける形に作り替える」ことが目的です。年賀状の負担を減らしながら、友達とのつながりを気持ちよく保つには、次のポイントを押さえるのが近道です。
文章は 感謝→区切り→配慮→関係継続→連絡手段 の順で組み立てる
断定は避け、「一区切り」「控えようと思う」など柔らかい表現にする
友達との距離感でトーンを調整し、堅すぎ・軽すぎを防ぐ
LINEやSNSへの切り替えは「よかったら」「うれしい」を添えて提案にする
タイミングが遅れたら、寒中見舞いで丁寧に回収できる
年賀状じまいは、関係を終わらせる話ではありません。やり取りの形を変えて、負担を減らし、今の生活に合ったつながり方に整える作業です。この記事の文例をベースに、語尾を少しだけあなたらしく整えてみてください。きっと、相手にも温度感が伝わり、安心して新年の挨拶を終えられるはずです。