「猫がくしゃみを連発しているのに、食欲も元気もある…。病院に行くべきか、もう少し様子を見るべきか分からない」
このようなとき、多くの飼い主の方がまずYahoo!知恵袋やSNSで、同じような症状の体験談を探します。
しかし、体験談はあくまで「その猫の場合」の話であり、愛猫にそのまま当てはまるとは限りません。
本記事では、「元気だけどくしゃみが多い」というグレーゾーンの状態にしぼり、受診の判断目安や自宅でのチェックポイントを整理いたします。
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猫のくしゃみ連発は、
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一時的な刺激による軽いもの
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猫風邪や感染症のサイン
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アレルギーや慢性鼻炎
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まれに重い病気
など、さまざまな原因が考えられます。
「元気だけどくしゃみが多い」状態は、様子見で良い場合もあれば、早めの受診が望ましい場合もあります。
猫がくしゃみを連発しているのに元気なとき、まず知っておきたいこと
1回や2回のくしゃみは生理現象のこともある
猫も人と同じように、ほこりや匂いに反応して一時的なくしゃみをすることがあります。
例えば、掃除機をかけた直後、砂埃が舞ったとき、香りの強いスプレーを使用した直後などです。
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くしゃみは少数回のみ
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すぐにおさまり、その後は普段どおり過ごしている
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鼻水・目やに・元気低下など他の症状がない
このような場合は、生理的な反応の可能性が高く、すぐに緊急受診が必要とは限りません。
一方で、「連発している」「ここ数日くしゃみが増えた」と感じるときは、少し慎重に観察する必要があります。
「連発している」と感じたときに確認したい3つのポイント(回数・期間・他の症状)
「連発しているかどうか」を判断するために、次の3点を意識して見てください。
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1日のくしゃみ回数
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大まかで構いませんので、「今日何回くらいくしゃみをしたか」を数えておきます。
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目安として、1日10回以上のくしゃみが数日続く場合は注意が必要です。
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症状が続いている期間
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昨日から急に増えたのか、1週間以上ずっと続いているのかで、獣医師が考える原因も変わります。
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カレンダーやスマホのメモに「○月○日からくしゃみ増加」と記録しておくと診察時に役立ちます。
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くしゃみ以外の症状の有無
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鼻水(色・粘り気)、目やに、咳、呼吸の苦しさ、元気・食欲の低下などがないかを確認します。
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「元気・食欲はいつもどおりか?」は、受診の判断材料として非常に重要です。
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知恵袋の体験談が当てはまらないことがある理由
知恵袋には、「うちの猫もくしゃみを連発していたけど、様子見で治りました」という回答もあれば、「くしゃみだけだと思っていたら重い病気だった」という体験談もあります。
同じ「くしゃみ連発」でも、
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猫の年齢・持病・ワクチン歴
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室内飼いか、外にも出るか
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多頭飼いか、1頭飼いか
といった条件によって、背景は大きく異なります。
また、回答者が獣医師とは限らず、サインを見逃している可能性もゼロではありません。
体験談は「参考情報」にとどめ、最終的な判断は獣医師の診察にゆだねることを意識しておくと安全です。
猫のくしゃみ連発で考えられる主な原因
一時的な刺激(ほこり・冷気・タバコの煙など)の場合
ほこり・花粉・冷たい空気・タバコの煙・香水や芳香剤など、鼻の粘膜への刺激でくしゃみが出ることがあります。
この場合、
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刺激となるものがなくなると自然におさまる
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くしゃみ以外の症状がほとんどない
ことが多いです。
最近の掃除や模様替え、暖房・冷房の設定、喫煙状況などを思い返し、心当たりがあれば環境を整えて様子を見る選択肢もあります。
猫風邪(上部気道感染症)や感染性鼻炎の可能性
くしゃみ連発でよく問題となるのが、いわゆる猫風邪(上部気道感染症)です。
ヘルペスウイルスやカリシウイルスなどの感染によって、
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くしゃみ連発
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鼻水(透明〜白っぽいものから、黄色・緑色のものまで)
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目やに・結膜炎
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発熱、元気・食欲の低下
などが見られます。
ワクチン接種をしていても、全ての発症を完全に防げるわけではありません。
ただし、重症化を防ぐ効果が期待できるため、ワクチン歴は重要な情報になります。
猫風邪を放置すると、肺炎や慢性鼻炎に移行してしまう場合もあります。
「くしゃみ+鼻水+少し元気がないかも」と感じたら、早めに受診を検討してください。
アレルギーや慢性鼻炎が疑われるケース
花粉・ダニ・カビ・ハウスダストなどに対するアレルギーや、長く続く慢性鼻炎が原因となっていることもあります。
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季節の変わり目や特定の環境でくしゃみが増える
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透明な鼻水が長期的に続く
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元気や食欲はそれほど落ちていない
といった場合、アレルギーや慢性鼻炎の可能性も考えられます。
この場合は、アレルゲンを減らす環境づくりと、獣医師による薬物治療を組み合わせていくことが一般的です。
歯周病・ポリープ・腫瘍など、重い病気が隠れていることも
意外に見落とされがちですが、歯周病や口の中の病気が原因で鼻炎を起こすこともあります。
また、鼻腔内のポリープや腫瘍などがくしゃみや鼻水の原因になるケースもあります。
注意したいサインには、
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片側だけから出る鼻水・鼻血
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顔の左右の腫れや変形
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強い口臭、よだれ
などがあります。
このような症状がある場合は、より精密な検査(レントゲン・CTなど)が必要となることが多いため、早めに動物病院を受診してください。
「元気だけどくしゃみ連発」は様子見OK?受診の判断基準
緊急度「高」:すぐに動物病院へ行くべきサイン
以下のような症状がある場合は、夜間や休日であっても早めの受診を検討してください。
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口を開けて呼吸している、呼吸が明らかに苦しそう
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鼻からの大量の出血がある
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黄色〜緑色でドロッとした鼻水が大量に出ている
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24時間以上まったく食べていない、ぐったりして動かない
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触ると熱く感じる、明らかな高熱が疑われる
呼吸が苦しそうなときは、迷わず救急対応可能な動物病院に連絡することが重要です。
緊急度「中」:翌日〜数日以内に受診したいサイン
次のような場合は、できれば翌日〜数日以内に動物病院を受診することをおすすめいたします。
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1日10回以上のくしゃみが、2〜3日以上続いている
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透明〜白っぽい鼻水や軽い目やにが続いている
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元気や食欲が少し落ちてきた、遊ぶ時間が減ってきた
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咳やゼーゼーする音を伴うことがある
すぐに受診が難しい場合でも、電話で症状を相談するとアドバイスをもらえることがあります。
緊急度「低」:経過観察してよいが注意して見たいサイン
以下に当てはまる場合は、数日程度は経過観察しつつ、症状が悪化しないかをよく見守るという選択肢もあります。
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くしゃみ以外は、元気・食欲・排泄が普段どおり
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鼻水や目やにはほとんどない、またはごく軽い
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掃除や模様替え、季節の変わり目など思い当たる環境要因がある
ただし、1週間以上くしゃみが続く場合や、症状が増えてきた場合には受診を検討してください。
室内飼い・ワクチン未接種でも油断できない理由
「完全室内飼いだから、感染症にはならないはず」と安心してしまう方もいますが、実際には
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飼い主の衣服や手、来客などを通じてウイルスや細菌が持ち込まれる
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保護猫出身の場合、過去に猫風邪ウイルスに感染しており、ストレスなどで再発する
といったことがあり得ます。
また、ワクチンは「発症そのものを100%防ぐもの」ではなく、重症化を防ぐためのものです。
ワクチン未接種の猫は、同じ症状でもより重くなりやすい可能性があるため、特に注意が必要です。
自宅でできる観察ポイントとケア方法
日記感覚で記録したい「症状メモ」のつけ方
動物病院での診察をスムーズにするために、次のような内容をメモしておくと役立ちます。
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くしゃみの回数(おおよそで構いません)
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くしゃみが多い時間帯(朝・夜など)
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いつ頃から症状が出ているか、急に増えた日はいつか
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鼻水・目やにの有無、色や量の変化
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食欲・元気・トイレの様子の変化
スマホのメモアプリやカレンダーに書き込んでおくと、後から見返しやすく便利です。
くしゃみの頻度・鼻水・目やにをチェックするコツ
猫を無理に押さえつける必要はありませんが、できる範囲で次の点を確認してみてください。
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鼻水の色:透明/白っぽい/黄色/緑色/血が混じる など
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鼻水の粘り気:サラサラか、ドロッとしているか
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左右どちらの鼻から出ているか(片側だけか、両側か)
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目やにの量・色、目をしょぼしょぼさせていないか
ティッシュやコットンでやさしく拭き取りながら、状態をチェックすると分かりやすくなります。
室内環境の見直し(乾燥・ホコリ・香りの強い製品など)
鼻の粘膜への刺激を減らすために、室内環境を見直すことも大切です。
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エアコンの風が猫に直接当たらないようにする
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冬場など乾燥する時期は、適度な加湿を心がける
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掃除機やモップでほこりを減らし、空気清浄機を活用する
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お香・アロマ・香りの強い柔軟剤やスプレーなどは控えめにする
こうした対策で症状が軽減する場合もありますが、改善が見られない・悪化しているときは受診が必要です。
絶対に自己判断でやってはいけないNGケア
心配のあまり、次のようなことをしてしまうと、かえって猫の身体に負担をかけてしまいます。
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人間用の風邪薬や市販薬を勝手に飲ませる
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ネット情報だけを頼りに、長期間動物病院を受診しない
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鼻水を強く吸い取ったり、刺激の強い薬品を近づけたりする
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聞きかじりの民間療法を、獣医師に相談せずに試す
「何かしてあげたい」と思ったときこそ、自己判断ではなく獣医師に相談することが安全です。
動物病院を受診した場合に行われる検査と治療のイメージ
初診でよく聞かれること・診察の流れ
実際に動物病院に行くと、まずは問診と身体検査が行われます。
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いつからくしゃみが始まったか、どのくらいの頻度か
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鼻水・目やに・咳・呼吸の様子など、他に気になる症状があるか
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ワクチン歴、生活環境(完全室内・外にも出るか)、多頭飼いかどうか
続いて、体温測定、口や鼻・目のチェック、聴診(心音・呼吸音)などが行われます。
このとき、くしゃみの様子を撮影した動画や、メモしておいた症状の記録を見せると非常に参考になります。
代表的な検査方法(身体検査・血液検査・レントゲン・ウイルス検査など)
症状や年齢によって、実施される検査は異なりますが、例えば次のようなものがあります。
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血液検査:炎症や感染の有無、全身状態の把握
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レントゲン検査:肺炎や腫瘍の有無、歯や骨の状態の確認
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ウイルス検査:猫風邪のウイルスや、他の感染症の有無の確認
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鼻汁の検査:細菌やカビなどを調べる場合もある
すべての検査が必ず行われるわけではなく、猫の状態を見ながら必要なものが選択されるイメージです。
想定される主な治療内容と通院のイメージ
診断された原因に応じて、治療内容は変わりますが、代表的なものとしては、
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抗生物質・消炎剤・ネブライザーなどによる治療
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点眼薬・点鼻薬でのケア
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脱水がある場合の点滴治療
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重症例では入院管理
などがあります。
軽症〜中等症の場合は、数日〜数週間の通院と内服薬・点眼薬による治療で改善が見込まれるケースも少なくありません。
一方で、慢性鼻炎や腫瘍などの場合は、長期的なフォローが必要になることもあります。
費用の目安と、事前に準備しておくとよいこと
動物病院でかかる費用は、地域や病院、検査内容によって大きく異なりますが、
一般的には、
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初診料
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検査費用(血液検査、レントゲンなどを行った場合)
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薬代
が合計され、数千円〜1万円台程度となるケースが多いとされています(あくまで一例です)。
事前に、
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ペット保険に加入しているかどうか
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保険証や契約内容
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ワクチン証明書
を準備し、可能であれば事前に病院へ費用の目安を問い合わせておくと安心です。
知恵袋の情報との上手な付き合い方と、飼い主としてできること
体験談は「参考情報」であって診断ではない
知恵袋の体験談は、同じように悩んだ飼い主の気持ちに寄り添ってくれる心強い情報源です。
一方で、
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回答者は猫を直接診察していない
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猫の年齢や持病、生活環境が自分の猫と違う
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医学的な裏付けがないケースも多い
といった限界もあります。
「同じ症状の猫もいるんだ」と気持ちを落ち着ける材料にしつつ、最終的な判断は獣医師へ。
このスタンスを持っておくと、安全に情報を活用できます。
信頼できる情報源を見分けるヒント
インターネット上には、多くのペット情報サイトやブログがあります。信頼性を見分ける際は、
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獣医師監修・執筆であることが明記されているか
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運営元(動物病院・企業・団体など)がはっきりしているか
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更新日が新しく、古い情報のまま放置されていないか
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極端な表現や、根拠の示されていない情報が多くないか
といったポイントをチェックすると良いでしょう。
迷ったら動画を撮って獣医師に相談するという選択肢
「くしゃみなのか、咳なのか分からない」「病院に行くべきか迷う」というときは、
猫の様子をスマホで動画撮影しておくことをおすすめいたします。
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くしゃみの頻度や、音の出方
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呼吸の速さや、体の動き
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鼻水の量や色
などが分かる動画は、診察時の大きな手がかりになります。
最近では、オンライン相談や電話相談を受け付けている動物病院もあるため、まずは相談だけしてみるという選択肢もあります。