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虫歯じゃないのに奥歯が痛い?症状でわかる原因と受診先の選び方

「奥歯が痛いのに、虫歯はないと言われた」。この状況は、痛みそのもの以上に不安を大きくします。噛むと響く、冷たい物でしみる、夜になるとズキズキする──原因知りたいのに、どこへ行けばいいのか分からない。さらに「神経を取る」「抜く」といった大きな治療を勧められたら、納得できないまま進んでしまいそうで怖いものです。

実は、奥歯の痛みは虫歯だけが原因ではありません。歯のひびや噛み合わせ、歯ぐきの炎症といった“歯のトラブル”だけでなく、上の奥歯なら副鼻腔の炎症、痛み方によっては筋肉や神経が関係して「歯が痛いように感じる」こともあります。大切なのは、原因を決め打ちせず、症状の出方から切り分けて受診先と優先度を決めることです。

この記事では、まず見逃したくない危険サインを整理し、そのうえで「噛むと痛い」「しみる」「前かがみで悪化」「電撃痛」などの症状パターンから、考えやすい原因と受診先を最短で判断できるようにガイドします。忙しくても迷わず動けるよう、受診時に伝えるためのメモテンプレも用意しました。痛みの不安を減らし、納得して次の一手を選べる状態を一緒に作っていきましょう。

※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。

目次

奥歯が痛いのに虫歯がないと言われたら最初に読むべきこと

「奥歯が痛いのに虫歯はない」と言われると、途端に不安になります。痛みが続くほど「見落としでは?」「神経を取らないと治らない?」「別の病気?」と考えてしまうのも自然です。

ただ、奥歯の痛みは虫歯だけが原因ではありません。歯ぐきの炎症、歯のひび、噛み合わせ、親知らず、そして歯そのものではなく副鼻腔(鼻の奥の空洞)や筋肉、神経が原因で「歯が痛いように感じる」こともあります。副鼻腔炎による歯痛は、上顎の奥歯に出やすく、姿勢変化で痛みが変わることがある、と権威情報でも整理されています。

この記事は「原因一覧を読む」だけで終わらせず、忙しい方でも迷わないように、次の順番で整理します。

  • まず危険サインで緊急度を決める

  • 次に症状パターンで原因候補と受診先を3分で切り分ける

  • そのうえで、各原因の特徴・対処・受診時に伝えることを具体化する

  • 最後に、参考にした情報源を明示する

※本記事は診断を行うものではありません。強い痛みや腫れ、発熱などがある場合は自己判断で我慢せず、医療機関へ相談してください。

今日受診したい危険サインと受診優先度の早見表

最初に、ここだけは押さえてください。歯の痛みの中には、早めの評価が望ましい状態があります。MSDマニュアルでも、歯痛の評価ではレッドフラグ(危険サイン)を意識する重要性が示されています。

受診優先度 当てはまる症状 目安の対応
今日中に受診を検討 発熱、顔面の腫れが目立つ、口が開けにくい(強い開口障害)、飲み込みにくい・息苦しい、痛みが急速に悪化、痛み止めが効きにくい 夜間・休日含め、早急に相談(歯科/口腔外科、症状によっては救急相談も)
近日中(1〜3日)に受診推奨 噛むたびに痛い、歯ぐきが腫れてきた、治療した歯が当たって痛い、痛みが繰り返す 早めに歯科へ予約
経過観察も選択肢(ただし短期) 一時的な軽い違和感・しみが数日で改善傾向、危険サインなし 刺激を避けつつ、改善しないなら受診

「迷う」時点で不安は強いはずです。迷う場合は、受診を前倒しにするほど安心につながります。

3分セルフチェック:症状から原因候補と受診先を切り分ける

次の表は「診断」ではなく、受診先と優先順位を決めるための地図です。特に、上の奥歯の痛みと鼻症状、前かがみで悪化する痛みは副鼻腔炎を示唆し得る点が、権威情報で整理されています。

症状パターン 考えやすい原因候補(例) まずの受診先
噛むと特定の奥歯がズキッと痛い/噛む方向で痛みが変わる 歯のひび・割れ、噛み合わせ(詰め物が高い等)、歯根膜の炎症 歯科
冷たい・甘いでしみる/歯ブラシでキーン 知覚過敏、初期の歯髄の炎症など 歯科
何もしていないのにズキズキ/夜に痛みが強い 歯髄・根尖の炎症、歯周組織の急性炎症など 歯科(早め)
上の奥歯が複数本うずく/叩くと響く+前かがみで悪化/鼻づまり・鼻汁 副鼻腔炎(上顎洞由来の歯痛) 歯科+耳鼻科も検討
数秒〜数分の電撃痛が反復/会話・歯磨き・食事で誘発 神経障害性疼痛(鑑別が必要) まず歯科→必要に応じ専門科
歯科で「原因なし」と言われ、場所が移る・長引く 非歯原性歯痛を含む鑑別(筋・神経・副鼻腔など) 歯科で相談し連携受診

この表で「自分はここが近い」と当たりを付けたら、次章で深掘りします。

受診前にメモすると診断が早くなるチェック項目

医療者にとって、痛みの鑑別で強い手がかりになるのは「痛みの性質」と「誘因」です。MSDマニュアルでも、刺激時のみか、刺激除去後も残るか、など痛みの性質の見分けが重要とされています。

  • 痛む場所:右/左、上/下、1本に限定できるか、広いか

  • 痛み方:ズキズキ、噛むと響く、しみる、電撃痛、鈍いだるさ

  • 誘因:噛む、冷たい、甘い、歯磨き、前かがみ、入浴、運動

  • 時間:何秒/何分/何時間、夜間に増えるか

  • 併発:腫れ、出血、口臭、開口しづらい、鼻症状、頭痛

  • 最近の歯科治療:詰め物・被せ物、噛み合わせ調整、親知らずの状態


虫歯以外で奥歯が痛い主な原因と見分けのポイント

「虫歯がない」と言われても、痛みがある以上、何らかの原因が存在します。ここでは、歯科でよく遭遇する原因を、症状の出方と結びつけて整理します。

噛むと痛い奥歯はひび・噛み合わせ・歯根膜の負担を疑う

噛んだ瞬間に「ズキッ」とする、ある角度で痛い、硬い物で悪化する場合は、歯にかかる力と関係する原因が多い傾向があります。

  • 歯のひび(クラック)
    見た目に分からない細いひびでも、咬む力が加わると痛みが出ます。特徴は、

    • 噛む方向で痛みが変わる

    • 硬い物で悪化しやすい

    • ある日突然始まった
      などです。早期ほど保存的に対応できる可能性があるため、「噛む痛みが続く」のに放置はおすすめできません。

  • 噛み合わせの問題(詰め物・被せ物が高い等)
    治療後に「当たる感じ」が強いと、歯根膜(歯を支える組織)に過剰な負担がかかり、噛む痛みにつながります。
    「治療後から噛むと痛い」「その歯だけ当たる」は典型的です。調整で改善するケースもあるため、早めの再受診が有効です。

  • 歯根膜の炎症(歯が浮く感じ、叩くと響く)
    食いしばりや歯ぎしり、ストレスで無意識に力がかかると、歯根膜が炎症を起こし、噛むたびに痛むことがあります。朝にだるさが強い人は、後述の「筋・筋膜痛」も同時に疑います。

冷たい・甘いでしみる奥歯は知覚過敏だけではない

「しみる=知覚過敏」と思われがちですが、痛みの持続時間で意味合いが変わります。

  • 知覚過敏に近いパターン
    冷たい刺激で一瞬「キーン」とし、刺激がなくなるとすぐ治まる。歯ぐきが下がっている、歯のすり減りがある、強いブラッシング癖があるなどが背景にあります。

  • 刺激後もしばらく痛みが残るパターン
    冷たい物を口にした後もしばらく痛い、夜にズキズキする、熱い物で痛いなどが混ざる場合は、歯の内部(歯髄)の炎症が進行している可能性もあります。ここは自己判断が難しいため、早めに歯科へ相談した方が安心です。

何もしていないのにズキズキする奥歯は炎症が強いサインになりやすい

安静時痛や拍動痛、夜間痛は、歯髄や根の周囲の炎症が進んでいるサインになり得ます。MSDマニュアルでも、痛みの性質の把握が鑑別に重要とされています。

  • 痛み止めが効きにくい

  • 寝ると増える

  • 触っていないのにズキズキする
    こうした場合は、受診優先度を上げてください(表B参照)。

歯ぐきが腫れて痛い奥歯は歯周組織や親知らずの炎症を疑う

歯そのものより歯ぐきが主役の痛みでは、炎症の場所が重要です。

  • 歯周組織の急性炎症:出血、口臭、噛むと痛い、歯ぐきの腫れ

  • 親知らず周囲の炎症:一番奥の歯ぐきが腫れる、開口しづらい、奥が痛い
    MSDマニュアルの原因表でも、智歯の萌出や歯冠周囲炎(親知らず周囲の炎症)が歯痛の原因として挙げられています。


奥歯の痛みが歯以外から来ることもあると知っておく

ここが本キーワードの“つまずきポイント”です。「虫歯がない」なら「歯以外」も見ます。しかし、それは怖い話ではなく、正しい受診先と順番を選ぶための知識です。

上の奥歯の痛みと鼻症状は副鼻腔炎を疑う

副鼻腔炎(上顎洞の炎症)では、歯が悪くないのに上顎の奥歯が痛く感じることがあります。MSDマニュアルの「歯痛の主な原因」では、副鼻腔炎の特徴として、多くの上顎臼歯が咀嚼や打診に過敏頭を下げる姿勢変化で疼痛鼻汁や副鼻腔上の圧痛などが挙げられています。

副鼻腔炎性歯痛を疑う目安

  • 痛いのが「上の奥歯」(とくに複数本)

  • 前かがみ(靴ひもを結ぶ等)で痛みが増す

  • 鼻づまり、黄色い鼻水、後鼻漏、頬の重さがある

  • 風邪やアレルギー性鼻炎の後に始まった

この場合、歯科で歯の原因を確認しつつ、耳鼻科の評価も視野に入れると、遠回りを減らせます。

電撃痛のような痛みは神経の評価が必要なことがある

「ビリッ」「電気が走る」ような痛みが、数秒から数分で繰り返し起き、会話や歯磨き、食事など些細な刺激で誘発される場合は、歯の病気とは別系統の可能性があります。日本口腔顔面痛学会の解説では、原因不明の歯痛(非歯原性歯痛)の原因として上顎洞疾患や神経関連など多様な背景が示されています。

重要なのは、ここで自己判断して怖がることではなく、歯科で歯原性を除外したうえで、必要に応じた連携受診へつなげることです。

食いしばりや筋・筋膜の痛みが奥歯に「関連痛」として出る

「歯が痛い」と感じても、実際の原因が咬筋・側頭筋など噛む筋肉の緊張や痛みであることがあります。非歯原性歯痛の原因には筋・筋膜痛が含まれることが、一般向け解説でも紹介されています。

筋・筋膜由来を疑うヒント

  • 朝起きたときに奥歯がだるい

  • 仕事中に上下の歯を接触させている

  • こめかみ・頬が疲れる

  • 肩こり・頭痛も出やすい

この場合、歯科で噛み合わせ・歯の損傷を確認しつつ、生活習慣(歯の接触癖)やスプリント療法などが検討されます(適応は歯科で判断)。

歯に原因が見つからない痛みは「非歯原性歯痛」という枠組みで整理される

日本口腔顔面痛学会は、非歯原性歯痛を対象とした診療ガイドラインを作成しており、Mindsにも掲載されています。
この枠組みで重要なのは、次の2点です。

  1. 歯が原因の痛みをまず除外する(歯科の役割が大きい)

  2. そのうえで、筋・神経・副鼻腔など、歯以外の要因を段階的に評価する

そして、痛みが続く場合に「抜髄・抜歯など不可逆的な処置を急がない」視点は、患者側の納得と安全性に直結します(ガイドライン本文は臨床判断を強制するものではない旨も明記されています)。


奥歯が痛いときの応急処置とやってはいけない行動

応急処置の目的は「原因を治す」ことではなく、受診まで悪化させないことです。

まず行う応急処置の手順

  1. 痛い側で噛まない(硬い物・粘着性の物を避ける)

  2. 口の中を清潔にする(やさしい歯磨き、可能ならうがい)

  3. 必要なら鎮痛薬(用法・用量を守る。持病や服薬がある場合は薬剤師・医師へ)

  4. 痛みの記録を残す(前章のメモ項目をそのまま使う)

  5. 受診の予約・受診先判断(表A・表Bを参照)

※発熱・顔面腫脹・嚥下困難などがある場合は、セルフケアより受診を優先してください。

痛みを悪化させやすいNG行動チェックリスト

  • 長風呂やサウナ、激しい運動で体を温める

  • 飲酒

  • 痛い歯を指で押す、何度も叩いて確かめる

  • 痛い側で硬い物を噛む

  • 余っている抗菌薬を自己判断で飲む

市販薬を使うときの注意

  • 痛み止めは「痛みを隠す」ため、効いている間に受診準備を進めると良いです。

  • 効きが悪い、必要量が増える、夜間痛が強い場合は受診を前倒ししてください。


歯科と耳鼻科のどちらに行くか迷ったときの判断ガイド

「歯科に行ったのに虫歯ではないと言われた」「でも痛い」――この状況では、受診先の迷いが最大のストレスになります。ここでは、迷いを減らすための実用ガイドを用意します。

症状別の受診先早見表(再掲・行動用)

MSDマニュアルの原因表に沿って、特に迷いやすい副鼻腔炎を強調します。

症状 推奨されやすい動き
噛むと特定の奥歯が痛い/治療した歯が当たる 歯科で咬合・亀裂・歯根膜の評価
上の奥歯が複数本うずく+前屈で悪化+鼻症状 歯科で歯原性除外+耳鼻科評価も検討
数秒の電撃痛が反復し、軽い刺激で誘発 歯科で歯原性除外→必要時に連携受診
歯科で原因が見つからず長引く 非歯原性歯痛の枠組みで相談(連携受診)

歯科で伝えると診断が早い情報テンプレ(コピペ可)

表C-1:歯科用テンプレ

  • いつから:

  • 場所:右/左、上/下、奥歯のあたり(1本に絞れる/広い)

  • 痛み方:噛むと痛い/しみる/ズキズキ/電撃痛

  • 誘因:噛む・冷たい・甘い・歯磨き・前かがみ・入浴・運動

  • 持続:○秒/○分/○時間、夜間に増えるか

  • 併発:腫れ、出血、口臭、開口しづらい

  • 最近の治療:詰め物・被せ物、噛み合わせ調整、親知らずの状態

耳鼻科で相談したい症状テンプレ(コピペ可)

表C-2:耳鼻科用テンプレ(副鼻腔炎が疑わしいとき)

  • 上の奥歯が痛い(複数本のことも)

  • 前かがみで痛みが増す

  • 鼻づまり、黄色い鼻水、後鼻漏、頬の重さ

  • 風邪/アレルギー症状の後に始まった

歯科で原因不明と言われたときの「紹介依頼」テンプレ

表C-3:紹介依頼テンプレ

  • 「歯科的に原因が見つからない痛みが続いています。副鼻腔や神経、筋肉など歯以外の可能性も含めて評価したいので、必要な診療科や専門外来をご相談したいです。」


虫歯じゃない奥歯の痛みでよくある質問

レントゲンで異常なしでも痛いのはなぜ?

画像検査は重要ですが万能ではありません。細いひび、筋・神経・副鼻腔由来の痛み、痛みの「関連痛」などは、画像だけでは説明できないことがあります。非歯原性歯痛は、歯や歯周組織に原因がないのに歯痛を感じる状態として整理されています。

噛むとだけ痛いのは放置してよいですか?

軽い違和感が数日で改善するなら経過観察もありますが、噛む痛みが続く場合は、亀裂や噛み合わせなど、早期対応が有利な原因が含まれる可能性があります。特に「特定の歯だけ痛い」「硬い物で悪化」は早めに歯科へ相談してください。

副鼻腔炎の歯痛はどう見分けますか?

MSDマニュアルの原因表では、副鼻腔炎は多くの上顎臼歯が過敏頭を下げる姿勢変化で疼痛鼻汁や圧痛などが特徴として挙げられています。
ただし歯の問題と同時に起きることもあるため、歯科で歯原性を除外しつつ耳鼻科評価を併用するのが合理的です。

市販のマウスピースで食いしばり対策をしてもよいですか?

合わないマウスピースは噛み合わせに影響し、症状を悪化させる可能性もあります。食いしばりが疑われる場合は、歯科で歯や顎の状態を確認し、適応を相談する方が安全です。非歯原性歯痛の原因に筋・筋膜痛が含まれる点も踏まえ、自己判断で悪化させない設計が重要です。

何科に行っても原因不明のときはどうすればよいですか?

原因不明の歯痛は、筋・神経・副鼻腔など多因子があり得ます。Mindsにも掲載されている非歯原性歯痛ガイドラインは、歯科医療者向けに鑑別や診断、治療を体系化しています。
受診が空回りする時ほど、「症状の記録」「誘因(前屈・冷刺激・電撃痛など)」を整え、歯科で連携受診の相談をすることが近道になります。


参考にした情報源