Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトでも、「耳のふちだけズキズキ痛いのですが、これって大丈夫でしょうか?」といった相談が多く見られます。
耳の奥ではなく「耳のふち(耳介の外側)」がズキズキ・ズキンと痛むとき、
どういう病気が考えられるのか
病院に行くべき症状なのか
自宅で様子を見てもよいのか
判断に迷う方が多い症状です。
本記事では、知恵袋などでよくある質問パターンを踏まえながら、
主な原因
受診の目安が分かるチェックリスト
家庭でできる応急ケア
Q&Aサイトの情報を鵜呑みにしないための注意点
を整理して解説いたします。
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「耳のふちがズキズキ痛い」という症状は、知恵袋などでも多く相談される身近な悩みです。
一方で、原因は耳介軟骨膜炎・外耳炎・中耳炎・耳ろう孔の感染・帯状疱疹・神経痛など幅広く、素人判断が難しい領域でもあります。
Q&Aサイトの経験談は参考になりますが、「自分も同じだ」と決めつけるのは危険です。
次に取るべき行動の目安は以下のとおりです。
1〜2日で軽快傾向にある軽い痛み → 耳をいじらず様子見しつつ、変化があれば受診
赤み・腫れ・水ぶくれ・耳だれ・めまい・顔面麻痺などがある → 早めに耳鼻科を受診
痛みが3日以上続く/悪化傾向 → 知恵袋での質問よりも、医療機関での相談を優先
なぜ「耳のふち」がズキズキ痛むのか?よくある原因
耳介軟骨膜炎(耳の軟骨の炎症)
耳の外側(耳介)の軟骨を覆う膜に炎症が起きる状態です。
打撲・強い摩擦・虫刺され・ピアスなどをきっかけに炎症が起こることがあります。
耳のふちが赤く腫れ、触るとズキズキ痛い、熱をもつような感じが出るのが典型です。
知恵袋でも、
「耳をぶつけてから、耳のふち全体がズキズキする」「横向きに寝ると痛い」
といった相談は、この病態が疑われるパターンに近いと言えます。
外耳炎/外耳道炎(耳の入り口〜耳の穴の炎症)
耳かきのし過ぎ、イヤホンの長時間使用、水泳後などに起きやすい炎症です。
「耳のふち」というより耳の穴の入り口付近に痛みやかゆみを感じることが多いです。
耳だれ・耳の中の違和感・耳が詰まった感じを伴うこともあります。
知恵袋では、
「耳掃除をした翌日から耳のふちが痛い」「綿棒を深く入れてからズキっとする」
といった相談がこれに該当するケースが多く見られます。
中耳炎・乳様突起炎など耳の奥の炎症が波及しているケース
中耳炎など耳の奥での炎症が周囲へ広がると、耳のふち〜耳の後ろに痛みを感じることがあります。
発熱・耳だれ・聞こえにくさ・ズキズキした強い痛みを伴うことが多いです。
知恵袋では、
「耳のふちも痛いが、耳の中もズキズキしてきた」「熱も出てきた」
といった症状が語られている場合、自己判断で様子見するのは危険なパターンです。
先天性耳ろう孔の感染
耳の付け根付近に生まれつき小さな穴があり、そこに炎症や膿がたまる病気です。
耳のふち・付け根周辺に、ズキズキした痛み・赤み・腫れ・しこりを感じることがあります。
知恵袋では、
「耳の付け根に小さい穴が昔からある」「そこが腫れて痛い」
といった相談内容がこれに近いパターンです。
耳の帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)・神経痛
過去に水ぼうそうにかかった方で、ウイルスが再活性化して起こる「帯状疱疹」が耳まわりに出ることがあります。
耳のふちや耳たぶにピリピリ・ズキズキした痛みと水ぶくれ(小さな水疱)が出るのが特徴です。
顔面神経の麻痺やめまいを伴うこともあり、早期受診が非常に重要です。
知恵袋の相談でも、
「最初は耳のふちがピリピリ痛いだけだったのに、その後ぶつぶつが出てきた」
と書かれているケースは、帯状疱疹の初期の可能性を疑うべきパターンです。
知恵袋の質問に当てはめて考える「受診の目安チェックリスト」
Q&Aサイトでは、病院に行くべきかどうかが最も悩まれているポイントです。
以下のチェックリストをもとに、ご自身の状態を整理してみてください。
様子見も選択肢になり得る「比較的軽い」ケース
次の項目にすべて当てはまる場合は、短期間の経過観察が可能なこともあります。
痛みは軽度〜中等度で、波のようにときどきズキッとする程度
赤み・腫れ・熱感がほとんどない
耳だれ・水ぶくれ・発疹がない
聞こえにくさ・耳鳴り・めまい・顔の麻痺など神経症状がない
1〜2日程度で徐々に痛みが軽くなってきている
※それでも不安が強い場合や、過去に耳の病気を繰り返している方は、早めに受診して問題ありません。
すぐに耳鼻科受診を検討すべきケース
以下のうち一つでも当てはまる場合は、自己判断で様子見しないほうが安全です。
耳のふちがはっきり赤く腫れ、熱を持つような感じがある
水ぶくれ・発疹・耳だれが出てきた
ズキズキ・ズキンという強い痛みが続き、夜眠れないほどつらい
聞こえにくい、耳鳴り、めまい、顔のゆがみ・力が入りにくい等がある
3日以上経過しても痛みが改善せず、むしろ悪化している
知恵袋でも、これらの症状がありながら
「少し様子を見てみます」「もう少し我慢してから病院へ」
という自己判断がしばしば見られますが、重症化を招くリスクがあります。
家庭でできる応急ケアと、知恵袋では誤解されやすいポイント
まず「耳をいじらない」「耳掃除をやめる」
痛む部分を何度も触る
綿棒や耳かきで掻きむしる
といった行為は、炎症悪化や感染のきっかけになります。
知恵袋の回答では、
「もう一度しっかり耳掃除をしたら治った」
などの経験談が書かれることもありますが、一般的には推奨されません。
温める/冷やすのは「症状を見て」判断
冷やす:腫れ・熱感が強いときの一時的な痛みの軽減
温める:血行不良からくるような鈍い痛みの緩和
を目的として使われることがあります。
ただし、どちらも対症療法に過ぎず、原因治療にはなりません。
知恵袋では「温めたら治った」「冷やしたら楽になった」という体験談がバラバラに出てきますが、自分の症状に合わない方法を真似ると逆効果の可能性があります。
市販の鎮痛薬の使用は“一時的な痛み対策”にとどめる
短期間だけ痛みを抑える目的での使用は選択肢となり得ます。
ただし「薬で痛みだけ消して原因を放置」するのは危険です。
知恵袋では、
「ロキソニンを飲んだら楽になったのでそのまま様子見しました」
という書き込みもありますが、症状が繰り返す/長引く場合は必ず受診してください。
どのタイミングで耳鼻科に行くべきか
以下のいずれかに当てはまる場合は、**“知恵袋で相談する”より“耳鼻科で相談する”**ほうが安全です。
痛みが2〜3日以上続く
痛みがだんだん強くなっている
見た目に赤み・腫れ・水ぶくれ・耳だれなど明らかな変化がある
めまい・耳鳴り・聞こえにくさ・顔面の動かしにくさがある
知恵袋などQ&Aサイトの情報をどう見るか?自己判断の落とし穴
「自分と完全に同じケース」はほぼ存在しない
知恵袋を見ていると、
「自分と似ている症状だから同じだろう」
「回答者が大丈夫と言っているから安心」
と考えたくなりますが、実際には
体質
持病
既往歴
症状の細かい違い
がそれぞれ異なり、完全に同じケースはほぼありません。
軽いと思って様子見→実は重い病気だった、というリスク
Q&Aサイトでは、治った人は経過を詳細に書き込まないことが多く、
「たまたま軽症で済んだケース」だけが目立つ傾向があります。
同じように真似すると、
帯状疱疹の初期を見逃す
中耳炎・乳様突起炎の悪化を見逃す
といったリスクがあり得ます。
正しい情報の見分け方
医療機関・公的機関のサイトで説明されている内容と矛盾していないか
「必ず治る」「絶対大丈夫」など断定的な表現が多すぎないか
市販薬や民間療法を強く勧めていないか
などをチェックし、最終判断は必ず医師に委ねることが重要です。
病院では何をする?診断・治療の流れ
受診する診療科
原則:耳鼻咽喉科
発疹・水ぶくれが目立つとき:皮膚科も検討
難治性・全身症状がある場合:総合内科などでの相談も選択肢
診察・検査の流れ
問診:いつから・どこが・どのように痛いかを確認
視診:耳のふち・耳の穴・耳の後ろの腫れや発疹を確認
耳鏡検査:耳の中(外耳道〜鼓膜)に異常がないかチェック
必要に応じて、細菌・ウイルス検査や血液検査など
主な治療のイメージ
抗菌薬・抗真菌薬・抗ウイルス薬などの薬物療法
耳の洗浄や処置
鎮痛薬・消炎薬による痛みのコントロール
帯状疱疹の場合は、早期の抗ウイルス薬投与が重要になるケースもあります
知恵袋でよくある疑問を整理したFAQ
Q. 「耳のふちだけ痛くて、耳の中は平気です。それでも受診したほうがいい?」
A. 軽い違和感程度で、1〜2日以内に改善していくようなら経過観察も一案です。
しかし、
痛みが強い
赤み・腫れがある
数日続く
場合は、耳介軟骨膜炎などの可能性もあるため、耳鼻科受診をおすすめいたします。
Q. 「熱も腫れもないけれど、ズキズキした痛みが続きます。放置しても大丈夫?」
A. 「熱や腫れがない=安全」とは限りません。
ズキズキした痛みが何日も続く、間隔をあけながら繰り返す場合は、神経痛や軟骨膜炎の初期なども考えられます。3日以上続くようなら一度受診しておくと安心です。
Q. 「耳掃除のあとに痛くなりました。どうしたらいいですか?」
A. まずは耳掃除をストップし、耳をいじらないことが大切です。
痛みが軽くて1〜2日で治まるなら問題ないこともありますが、
強い痛み
耳だれ
触るとズキンと響く
といった症状がある場合は、外耳炎などの可能性があるため耳鼻科へご相談ください。
Q. 「水ぼうそうをしたことがあり、耳のふちがチクチク痛くてぶつぶつも…。帯状疱疹でしょうか?」
A. 帯状疱疹の可能性を否定できません。自己判断は危険ですので、すぐに耳鼻科または皮膚科を受診してください。
早期に抗ウイルス薬を開始することで、後の神経痛のリスクを減らせる場合があります。