Excelでマクロ付きファイルを開いた瞬間に「マクロの実行がブロックされました」と表示され、いつもの処理が止まってしまうと焦りが一気に増します。特に、月次締めや定型業務の最中であれば、原因を調べる時間もなく「とにかく今すぐ動かしたい」と感じるはずです。
この表示は、Excelが故障したわけではなく、ファイルの入手経路や保存場所が「安全ではない可能性がある」と判断され、マクロ実行に制限がかかっている状態で起こります。つまり、正しい順番で切り分ければ、余計な設定変更をせずに復旧できるケースが少なくありません。
本記事では、まず最短で試すべきブロック解除手順を示し、次に「ブロック解除が表示されない」「共有フォルダやOneDriveではなぜ起きるのか」といったつまずきポイントを分岐で整理します。さらに、毎回同じトラブルを繰り返さないために、信頼できる場所の使い方や配布フローの整え方まで解説します。読み終えたときに、今の問題が解決するだけでなく、次回も迷わず対処できる状態を目指しましょう。
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マクロの実行がブロックされましたが出る状況
代表的な表示パターン
Excelで「マクロの実行がブロックされました」と表示されるとき、画面上の見え方はいくつかのパターンに分かれます。まずは、どのパターンに当てはまるかを把握すると、原因の切り分けが一気に進みます。
メッセージバーに警告が出るが、実行ボタンがない
「セキュリティ リスク」や「Microsoft によりマクロの実行がブロックされました」などの趣旨で表示され、従来の「コンテンツの有効化」ボタンが見当たりません。
マクロボタンやショートカットが効かない
ファイル自体は開けるものの、ボタンやフォーム、ショートカット(例:Ctrl+Shift+○○)が反応しません。VBAを開こうとすると制限される場合もあります。
「コンテンツの有効化」を押したのに改善しない
以前の警告(黄色バー)と違い、押しても変化がない、またはそもそも押せないケースがあります。
同じファイルでも、保存場所や開き方で挙動が変わる
共有フォルダから直接開くとブロックされるが、ローカルへコピーすると動くなど、場所に依存して発生することがあります。
ポイントは、これは多くの場合「ファイルが壊れた」わけではなく、入手経路・保存経路が“安全ではない可能性がある”と判断され、Excel側がマクロ実行にブレーキをかけているという状態です。したがって、慌ててExcel全体の設定を大きく変える前に、まず「どの経路のファイルが、どの状況でブロックされたのか」を確認するのが近道です。
影響を受けやすいファイルと保存経路
同じ.xlsmでも「どこから来たか」「どこに置いたか」で判定が変わることがあります。特に影響を受けやすいのは、次のような経路です。
インターネットからダウンロードしたファイル
ブラウザで取得したファイル、各種サービスのダウンロードリンクから落としたファイルなど。
メール添付で受け取ったファイル
取引先・社内からの添付ファイル。保存時に“インターネット由来”として扱われることがあります。
チャットやクラウド経由で受領したファイル
Teamsのファイル受領、OneDrive/SharePointの共有リンクから取得、ファイル共有サービスなど。
共有フォルダやNAS上のファイル
社内共有でも、ネットワークの構成やアクセス方法により“インターネットゾーン扱い”のように判定されるケースがあります。
ZIPや圧縮ファイル経由
ZIPにして送られてきたファイルでも、展開後のファイルに同様の扱いが引き継がれることがあります。
この段階でおすすめの“状況メモ”は次のとおりです。後ほどの切り分けと、管理者への相談にも役立ちます。
入手経路:メール添付/ダウンロード/クラウドリンク/共有フォルダ
保存場所:ダウンロードフォルダ/デスクトップ/共有ドライブ/同期フォルダ
開き方:ダブルクリックで開いた/Excelから「開く」/リンクから直接開いた
影響範囲:そのファイルだけ/同じ送信元のファイル全般/同じ保存場所のファイル全般
マクロがブロックされる主な原因
インターネット由来扱いとWebのマーク
最も多い原因は、「そのファイルがインターネット由来(またはそれに準ずる経路)として扱われている」ことです。Windowsでは、ダウンロードや添付など一定の経路を通ったファイルに対して、“インターネットから来た可能性がある”という属性情報(いわゆるWebのマーク)が付くことがあります。Excelはこの属性を根拠に、マクロを既定でブロックする方向に動きます。
この仕組みが厄介なのは、次の2点です。
Excelのマクロ設定を変えても、属性が残っているとブロックが解けないことがある
ファイル単体の属性の有無が、挙動を大きく左右する
したがって、最初の対処は「Excel全体の設定」ではなく、ファイル単体のブロック解除を確認するのが合理的です(手順は後述します)。
また、同じ送信元から届くファイルでも、受け取り方や保存方法で属性の付き方が変わることがあります。たとえば、メールソフトから直接開く、クラウドリンクから“そのまま開く”、一度保存してから開く、などで結果が変わる場合があります。
共有フォルダやサーバーのゾーン判定
次に多いのが、共有フォルダ・サーバー・NASに置いたファイルで起きるケースです。利用者の感覚としては「社内共有=安全」ですが、システムの判定は必ずしもそうなりません。
共有の判定が難しくなる理由は、主に次のような事情です。
共有先への接続方法(UNCパス、WebDAV、URL形式、VPN越しなど)が複雑
ネットワークの構成上、ゾーン判定が“社外扱い”に寄る
セキュリティポリシー上、ネットワーク上のマクロ実行を強く制限している
このタイプの特徴は、同じファイルでもローカルにコピーすると動くことが多い点です。つまり、原因はファイルそのものではなく「保存場所・開き方」にある可能性が高くなります。
組織のポリシーやセキュリティ製品の影響
会社PCでは、利用者の手元操作ではどうにもならない制限がかかっていることがあります。代表例は次のとおりです。
グループポリシーでマクロ関連の設定が固定されている
セキュリティ製品がマクロ実行を監視・制限している
管理者権限がないため、設定変更ができない(または反映されない)
“信頼できる場所”の追加自体が禁止されている
この場合、無理に突破するよりも、安全な運用手順に寄せる(署名、信頼できる場所の設計、配布フローの見直し)ほうが現実的です。緊急時の止血はできても、根本解決は運用と管理側の調整が必要になることがあります。
まず試すマクロのブロック解除手順
ファイルのプロパティでブロック解除する手順
最初に試すべきは、ファイル単体のブロック解除です。手順は短く、影響範囲も「そのファイルだけ」に限定されるため、安全性と即効性のバランスが良い方法です。
手順(Windows)
対象のExcelファイルを閉じます(開いたままだと反映が分かりにくいことがあります)。
エクスプローラーで対象ファイル(例:.xlsm、.xltm)を探します。
ファイルを右クリックして「プロパティ」を開きます。
「全般」タブの下部(セキュリティ関連の領域)に
「ブロック解除」または「許可する」があれば、チェックを入れます。「適用」→「OK」を押します。
もう一度ファイルを開き、マクロが動作するか確認します。
うまくいく確率を上げるコツ
ファイルは一度、ローカル(デスクトップ等)へコピーしてから試す
解除後、Excelを一度終了し、再起動してから開き直す
可能なら、同じ送信元の別ファイルでも同様に再現するか確認する(原因の特定が速くなります)
注意点
入手元が不明なファイルのブロック解除は避けてください。マクロは便利な反面、悪用も可能です。
「ブロック解除」がそもそも表示されない場合は、次の分岐(ZIPや保存経路の問題、組織制限)へ進みます。
ZIPから取り出した後に再確認するポイント
「ZIPにして送ります」「圧縮してあります」というやり取りはよくありますが、ここにも落とし穴があります。ZIP経由の場合、次のようなことが起こり得ます。
ZIP自体に“インターネット由来”の属性が付く
展開後のファイル側にも影響が及ぶ(条件によって挙動が変わります)
展開先が共有フォルダだと、保存場所起因のブロックも混ざる
このため、ZIP経由で受け取った場合は、次の順で確認すると迷いません。
確認の順番
ZIPをどこに保存したか(ダウンロードフォルダやメール添付保存先など)
ZIP自体のプロパティにブロック解除が出るか
展開先をローカルにする(共有やクラウド同期先を避ける)
展開後の.xlsmのプロパティにもブロック解除が出るか
解除後にExcelで開き直す
特に重要なのは、「ZIPを解除した後の.xlsmそのもの」でプロパティを確認することです。ZIPを解除しただけで安心せず、ファイル側までチェックするのが安全です。
ローカルに保存して開き直す手順
共有フォルダ・NAS・クラウド同期・メール添付など、経路が絡むほど原因が複合化しやすくなります。そこで効果的なのが、ローカルへ保存して開き直すという切り分けです。
手順
対象ファイルをローカル(デスクトップやドキュメント)へコピーします。
※「移動」ではなく「コピー」にして、元の場所を残すと安全です。ローカルにコピーしたファイルのプロパティを開き、「ブロック解除」を確認します。
解除できるなら解除してから開きます。
ローカルのコピーでマクロが動くか確認します。
結果の読み取り
ローカルで動く → 保存場所(共有/NAS/クラウド)側の要因が濃厚
ローカルでも動かない → ファイルの属性(Webのマーク)や組織制限の可能性
ローカルで「ブロック解除が出る」 → 入手経路由来の可能性が高い
この切り分けができるだけで、次に取るべき手がはっきりします。闇雲に設定を触るより、ずっと早く解決に近づけます。
ブロック解除が表示されないときの対処
共有フォルダやNASで起きる時の回避策
共有フォルダやNASでだけ発生し、「ブロック解除」が見当たらない場合、利用者側でできる回避策は主に3つです。
回避策1:ローカルで作業し、最後に共有へ戻す
マクロ処理はローカルで実行
成果物(集計結果や出力ファイル)だけ共有に置く
共有上でのマクロ実行を避けることで、ブロックの影響を最小化できます。
回避策2:共有の“作業用フォルダ”を整備する
信頼できる場所として扱う専用フォルダを設計する(管理者と相談が必要なことがあります)
誰でも書き込み可能なフォルダで運用しない
運用設計で再発を減らす方向です。
回避策3:開き方を変える
共有上で直接開くのではなく、いったんローカルに保存してから開く
Excelを起動してから「ファイル → 開く」でローカルファイルを指定する
状況によってはこれだけで通ることがあります。
共有やNASが絡む場合は、利用者側の操作で限界があることも多いため、次の情報を揃えて管理者に相談できるようにしておくとスムーズです。
共有パス(例:\server\share…)
ローカルコピーでは再現するか
同じ共有内の別ファイルでも再現するか
いつ頃から起き始めたか(更新や切替のタイミング)
OneDriveやSharePointで受け取った時の注意
OneDriveやSharePointは便利ですが、受け取り方次第で挙動が変わります。代表的には次のような違いが出ます。
ブラウザ上で「開く」→ デスクトップアプリで開く
共有リンクから直接開く
いったんダウンロードしてローカル保存してから開く
トラブルが出たときは、まずは次の順番で確認してください。
推奨する確認順
必ずローカルへ保存してから開く(直リンクや“そのまま開く”を避ける)
ローカル保存したファイルのプロパティで「ブロック解除」を確認
可能なら、社内で決めた“信頼できる運用フォルダ”に移してから使う
また、同期フォルダ(OneDrive同期配下)で作業している場合は、同期状態や保存場所が複雑になりやすいので、原因切り分けの段階では「同期外のローカルフォルダ」で試すと判断が速くなります。
フォルダ名やパスが原因になるケース
頻度は高くありませんが、「ブロック解除が出ない」「解除できない」状況で、ファイル名・フォルダ名・パスの条件が影響しているように見えるケースがあります。例えば次のような状況です。
パスが非常に長い(深い階層)
記号や特殊文字が多い
ネットワーク経路とローカル経路が混在している
同期フォルダ内でパスが複雑化している
この場合は、原因切り分けとして次を試す価値があります。
試す手順(切り分け)
C:\Temp\など短いパスのローカルフォルダを作る問題のファイルをそこへコピーする
そのコピーで挙動が変わるか確認する
これで改善するなら、運用として「深い共有階層で直接作業しない」「作業はローカル、保管は共有」といった整理が効果的です。
再発を防ぐ安全な運用
信頼できる場所を正しく使う
業務でマクロを継続利用する場合、都度ブロック解除をする運用は現実的ではありません。そこで検討したいのが「信頼できる場所」です。ただし、便利な分だけ扱いは慎重にする必要があります。
信頼できる場所の基本方針
対象フォルダは必要最小限に絞る
誰でもファイルを置ける場所を信頼対象にしない
“受領直後のファイル”は信頼場所に直行させない(検査・確認後に移す)
おすすめの運用例
C:\CompanyMacros\のような専用フォルダを作るそのフォルダには「承認済みのマクロファイル」だけを置く
受領したファイルは一旦「受領フォルダ」で確認し、問題がないものだけ移動する
可能なら、フォルダのアクセス権限を絞る(組織環境では管理者と相談)
運用の目的は、「便利にする」だけではありません。“安全なファイルだけを動かす”ための境界線を作ることが重要です。
署名付きマクロと信頼された発行元
配布対象が多い場合や、社内で標準化したい場合は「署名付きマクロ」が選択肢になります。これは、作成者(発行元)を明確にし、利用者側で信頼判断をしやすくする仕組みです。
署名付き運用が向くケース
社内配布のマクロが複数部署に渡る
取引先へも配布する(または取引先から受領する)機会が多い
“信頼できる場所”だけでは管理が追いつかない
セキュリティ監査や統制が必要
注意点
署名運用は「作る側」「配る側」「受け取る側」の合意が必要です
会社環境では証明書や信頼設定をどう扱うか、情シス・管理者の設計が欠かせません
個人で完結する対処というより、組織で再発を減らすための“仕組み化”に近い対策です。
配布時に避けたいやり方と推奨フロー
再発を招きやすい配布・受領の癖は、一定のパターンに集約されます。まず「避けたい例」を明確にし、その反対の「推奨フロー」を決めるのが効果的です。
避けたい配布・受領の例
受領者が毎回ダウンロードフォルダから直接開いてしまう
誰でも書き込み可能な共有フォルダに雑多に置く
共有リンクから“直接開く”運用が固定化している
ZIPのまま転送し、展開場所が人によってバラバラ
推奨フロー(例)
受領:メール添付/共有リンク/クラウド受領
保存:まずローカルの「受領フォルダ」に保存
確認:入手元・内容・必要に応じてスキャンやチェック
解除:必要な場合のみファイル単体でブロック解除
移動:承認済みファイルを「信頼できる運用フォルダ」へ移す
運用:マクロ実行は信頼フォルダ内のファイルで実施
このフローに寄せるだけで、「毎月どこかの誰かが詰まる」状態をかなり減らせます。
それでも解決しない場合の切り分け
Excelのマクロ設定と注意点
最後の手段として、Excelのマクロ設定(トラストセンター)を確認する場面があります。ただし、ここは誤ると影響範囲が大きくなりやすいため、順番を守ることが重要です。
先にやるべき優先順位
ローカルコピーで再現するか確認
ファイル単体のブロック解除ができるか確認
保存場所(共有・クラウド・同期)起因の可能性を確認
それでもだめなら、Excelの設定や組織制限を疑う
避けたい操作
「すべてのマクロを有効にする」方向へ安易に寄せること
これはセキュリティ上のリスクが高く、組織環境では規程違反になる可能性もあります。実務としては、影響範囲が限定される対処(ファイル単体、運用フォルダ、署名など)を優先する方が安全です。
管理者に相談すべき情報のまとめ
社内PCで、どうしても解決しない場合は管理者への相談が近道です。その際、情報が揃っているほど対応が早くなります。以下をコピーしてメモとして使ってください。
相談用メモ(埋めて渡すと早いです)
対象ファイル名:
拡張子:.xlsm / .xltm / その他
入手経路:メール添付 / ダウンロード / OneDrive / SharePoint / Teams / 共有フォルダ / その他
保存場所(パス):
いつから発生:○月○日頃(更新の直後など)
影響範囲:このファイルのみ / 同じ送信元のファイル全般 / 同じフォルダ全般
ローカルコピーで再現:する / しない
プロパティの「ブロック解除」表示:ある / ない
ZIP経由:あり / なし
具体的な表示文言(可能ならスクリーンショット):
この情報があるだけで、「保存場所のゾーン判定」「ポリシー」「セキュリティ製品」のどこを当たるべきかが絞り込めます。
代替策としての手動運用や形式変更
締切が迫っている場合は、根本解決と並行して“止血策”も確保しておくと安心です。状況に応じて次を検討してください。
一時的に手動手順で代替する
重要なのは業務を止めないことです。マクロが復旧するまでの暫定手順を作ります。
検証用PC(隔離環境)で実行して成果物を受け渡す
組織ルールに従いつつ、作業を前に進めるための迂回路になります。
入力データと出力の形を見直す
マクロが担っている処理が「単純な集計」「転記」「整形」であれば、Power Queryや関数、ピボットで代替できる場合もあります。
配布形式を変える
取引先から毎回ブロックされるなら、受領後の運用手順(保存→確認→移動)を固定化する、または署名運用を相談するのが再発防止につながります。
止血策は“恒久策の代わり”ではありませんが、納期や締切がある現場では非常に重要です。まず仕事を進められる形を確保し、そのうえで再発しない運用へ移すのが現実的です。
よくある質問
ブロック解除は安全ですか
安全かどうかは「ファイルの入手元」と「内容の信頼性」で決まります。信頼できる相手から受け取ったもので、用途も明確、社内ルールにも沿っているなら、ファイル単体のブロック解除は現実的な対処です。
一方で、次に当てはまる場合は解除しない方が安全です。
送信元が不明、またはいつもと違うメールアドレスから届いた
用途が不明、依頼していないファイルが突然届いた
ファイル名が不自然(乱数のような文字列、誤字だらけなど)
解除を急かす文面がある(「今すぐ有効化してください」など)
不安がある場合は、管理者や詳しい人に確認してから進めるのが確実です。
すべてのマクロを有効にしてよいですか
おすすめできません。Excel全体の設定を大きく緩めると、影響範囲が「そのファイルだけ」ではなく「今後開くすべてのファイル」に広がります。結果として、万一危険なファイルを開いた場合に被害が拡大する恐れがあります。
基本方針としては次の順番が安全です。
ファイル単体でブロック解除できるか
ローカルで動くか(保存場所起因か)
運用フォルダ(信頼できる場所)で管理できるか
組織として署名運用などを検討するか
“全面許可”は最終手段というより、原則避ける選択肢と考えてください。
社内の共有フォルダだけなのにブロックされるのはなぜですか
社内共有でも、システム側の判定は「社内=必ず安全」とは限りません。共有先への接続経路、VPN、URL形式、セキュリティポリシーなどが絡むと、結果としてマクロ実行が抑止されることがあります。
切り分けとしては、次が有効です。
ローカルコピーで動くか確認
同じ共有フォルダ内の別ファイルでも起きるか確認
いつから起き始めたか(更新、切替、構成変更)を確認
原因が共有側に寄っていると分かったら、管理者に共有パスや再現条件を伝えると解決が早まります。
取引先から届くファイルだけ毎回ブロックされます
取引先からのファイルは、メール添付やダウンロードを経ることが多く、結果として“インターネット由来”扱いになりやすい傾向があります。毎回起きる場合は、属人的に解除するのではなく、次のように手順を固定化すると再発が減ります。
受領したらまずローカルの受領フォルダへ保存
必要ならファイル単体のブロック解除
承認済みファイルを運用フォルダへ移してから使用
可能なら、取引先と配布方法(ZIP、クラウド、署名)の相談をする
“毎回同じところで詰まる”状態は、手順の標準化だけで改善することが多いです。
まとめ
「マクロの実行がブロックされました」は、Excelの不具合ではなく、入手経路・保存経路に基づくセキュリティ判定によってマクロが止められているケースが大半です。焦って設定を大きく変更するより、順番を守って対処することで、安全性を保ちながら復旧しやすくなります。
まずは次の流れで進めてください。
ローカルへコピーして再現するか確認する
ファイルのプロパティで「ブロック解除」を試す
ZIP経由・共有/NAS・クラウド経由など、経路要因を切り分ける
業務で継続利用するなら、信頼できる場所や配布フローを整備する
どうしても解決しない場合は、再現条件を整理して管理者へ相談する
最後に、再発防止の観点で最も効くのは「運用の型」を作ることです。受領から実行までの手順を固定化し、承認済みファイルだけを安全な場所で運用する仕組みに寄せると、毎月のトラブルが大幅に減ります。必要に応じて署名運用なども検討し、業務を止めない環境へ整えていきましょう。