テレビやSNSで話題になったロングブレス。「1日数分でお腹が凹む」「運動が苦手でも続けやすい」と聞き、試してみようか迷っている方も多いのではないでしょうか。
一方で、「ロングブレス 危険性」という言葉で検索してみると、肋骨が開く、血圧が上がる、腰痛が悪化するかもしれない──といった、不安になる情報も目に入ってきます。
実際のところ、ロングブレスは“ただの深呼吸”ではなく、全身に力を入れて行う負荷の高い呼吸法です。体質や持病、やり方によっては、メリットよりもデメリットのほうが大きくなってしまうケースもあります。
「本当に自分がやって大丈夫なのか」「体調が悪くなったのはロングブレスのせいなのか」と悩んでいる方にとって、一般論ではなく“自分ごと”として判断できる情報が必要です。
本記事では、ロングブレスの危険性や注意点を、
なぜ危険になり得るのかという“仕組み”
してはいけない人・控えたほうがよいケース
安全に行うためのポイントとチェックリスト
それでも不安な方のための「代わりの選択肢」
まで含めて、丁寧かつ現実的な視点で解説いたします。
ロングブレスを「やる・やらない」を決めるための材料として、そしてご自身の健康を守るための指針として、ぜひ最後までお読みください。
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ロングブレスは、短時間で姿勢や呼吸への意識を高められる一方で、肋骨の開きすぎによる体幹の不安定化、血圧の一時的な上昇、首や肩・腰への過度な負担、自律神経の乱れなど、いくつかの危険性を抱えた「負荷の高い呼吸法」であることがお分かりいただけたかと思います。
重要なのは、「ロングブレスが良いか・悪いか」という二択ではなく、
自分の体調・持病・年齢にとって安全か
どの程度の強度・回数なら無理なく続けられるか
体調不良のサインが出たときに、きちんと中止できるか
を冷静に見極めることです。
もし高血圧や心疾患、脳血管疾患、腰部の持病などがある場合は、自己判断で続けるのではなく、必ず主治医に相談したうえで可否を判断することが欠かせません。すでにロングブレス中や直後に、めまい・動悸・胸の痛み・強い頭痛・腰や首の悪化などを経験している場合は、一旦中止し、専門家の意見を求めることを強くおすすめいたします。
ロングブレスに潜む主な危険性・デメリット
肋骨が開きやすく体幹が不安定になるリスク
ロングブレスの危険性として専門家がよく指摘するのが、「肋骨が開きやすくなる」という問題です。
お腹を強く引き込むことに意識が偏る
表層の腹直筋ばかりを使ってしまう
姿勢を誤ると、胸郭が前にせり出し肋骨が浮きやすくなる
この状態が続くと、
腹圧が十分にかからなくなる
体幹の「筒構造」が崩れ、腰の支えが弱くなる
結果として反り腰・腰痛の悪化につながる
といったリスクが考えられます。
特に、もともと反り腰気味・肋骨が前に出やすい体型の方は、自己流ロングブレスによって体幹バランスを崩しやすく、注意が必要です。
努力性呼吸による首・肩こりや疲労感の増大
ロングブレスは腹筋だけでなく、首や肩周囲の筋肉も強く使いやすい呼吸法です。
息を吸う際に肩を大きくすくめてしまう
吐く際に首に過剰な力を入れてしまう
顎が前に突き出た姿勢で行う
といったフォームで続けると、
首こり・肩こりの悪化
頭痛や全身の疲労感の増大
に結びつく可能性があります。
現代人はデスクワークやスマートフォンの影響で、もともと首肩への負担が大きい生活を送っています。そのうえで努力性の高い呼吸を行うと、負担がさらに上乗せされる点に注意が必要です。
血圧が上がりやすい人へのリスクと息こらえの危険性
ロングブレスの危険性で特に重要なのが、血圧への影響です。
重い物を持ち上げる時や、いきんで息をこらえる動作(いわゆるバルサルバ様動作)では、一時的に血圧が大きく上昇することが知られています。ロングブレスも、
強く息を吐きながら全身に力を入れる
場合によっては息を止めた状態に近づきやすい
という特徴があり、高血圧や心疾患のある方にとってはリスクが高まる可能性があります。
特に以下のような方は、自己判断でロングブレスを行わない方が安全です。
高血圧の診断を受けている、降圧薬を服用している
心筋梗塞・狭心症・心不全・不整脈などの既往がある
脳梗塞・脳出血など脳血管疾患の既往がある
このような場合、一時的な血圧上昇が重大な合併症の引き金となる可能性があるため、必ず主治医に相談したうえで可否を判断すべきです。
自律神経が乱れやすい人への影響
呼吸は自律神経と密接に関わっています。
ゆっくりした深い呼吸 → 副交感神経が優位になりやすい
速く浅い呼吸・力みを伴う呼吸 → 交感神経が優位になりやすい
ロングブレスはやり方によっては、交感神経を強く刺激する側面を持つことがあります。
不眠
不安感
動悸や息苦しさなど自律神経失調症状
がある方が、強い努力性呼吸を繰り返すと、かえって緊張状態を高めてしまう可能性も否定できません。
そのため、自律神経の乱れが気になる方は、まずは力みの少ない穏やかな腹式呼吸から始めることをおすすめいたします。
腰痛が悪化するケースと姿勢の問題
考案者本人はロングブレスによる腰痛改善を語っていますが、すべての腰痛にロングブレスが適しているわけではありません。
腰を大きく反らし過ぎた姿勢
肋骨を前に突き出すフォーム
お腹を凹ませることに意識が偏り、腹圧が適切にかからない
こうした条件が重なると、
椎間板ヘルニア
脊柱管狭窄症
すべり症
などの疾患を持つ方では、症状悪化の可能性があります。
腰痛がある方、とくに診断名がついている方は、ロングブレスを始める前に整形外科医や理学療法士など専門家へ相談し、安全な運動方法を確認することが重要です。
ロングブレスをしてはいけない人・注意が必要な人
高血圧・心疾患・脳血管疾患の既往がある場合
以下に該当する方は、自己判断でロングブレスを行うべきではありません。
高血圧で治療中、または血圧が高めだと指摘されている
心筋梗塞・狭心症・心不全・不整脈など心疾患の既往がある
脳梗塞・脳出血など脳血管疾患の既往がある
ロングブレスに伴う一時的な血圧変動・心拍数の変化が、
心臓や脳の血管に負担をかけるリスクがあるためです。
このような場合は、
ロングブレスを行ってよいか
行うとすればどの程度の強度・回数まで許容されるか
について、必ず主治医と相談してください。
妊娠中・術後・ヘルニアなど医師の管理が必要なケース
次のような方も、医師の許可なくロングブレスを行うことは推奨できません。
妊娠中・産後間もない
手術後(特に腹部・胸部・脊椎などの手術)
椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、すべり症などを指摘されている
これらはいずれも、強い腹圧や姿勢変化が症状悪化の要因になり得る状態です。
ロングブレスにこだわらず、医師やリハビリ担当者の指導のもとで、
より負荷の少ない運動・呼吸法に切り替えることを検討すべきです。
めまい・動悸・頭痛など症状が出たことがある人
すでにロングブレス実施中や直後に、
めまい・ふらつき
動悸・胸の違和感
強い頭痛
息苦しさ
などを経験したことがある場合、そのまま継続することは危険です。
一旦中止したうえで、
「いつ・どのような状況で・どの程度の症状が出たのか」を整理し、
医師に相談してから再開の可否を判断することをおすすめいたします。
安全に行うためのロングブレスの基本ルール
息を止めない・無理に長くしない呼吸比率の目安
ビギナーがロングブレスを試す場合は、次のような控えめな比率から始めてください。
吸う:3秒(鼻から穏やかに)
吐く:6〜7秒(口をすぼめて静かに)
重要なポイントは、
吐ききることにこだわりすぎない
息を止めない(いきまない)
苦しくなる前に吐くのをやめてよい
という点です。
呼吸の秒数はあくまで目安であり、「自分が自然に続けられる長さ」に調整することが何より大切です。
肋骨を開きすぎない姿勢づくりと体幹の安定
安全なロングブレスのための姿勢のポイントは以下のとおりです。
背筋は伸ばすが、胸を張りすぎない
肋骨を前に突き出さず、やや下方向におさめる意識
骨盤をわずかに後傾させ、お腹とお尻を軽く締める
肩の力を抜き、首を長く保つ
顎を前に突き出さず、軽く引く
鏡で横から姿勢を確認し、
腰が過度に反っていないか
肋骨が前に突き出ていないか
をチェックしながら、少しずつ修正していくと安全性が高まります。
セット数・頻度・休憩の取り方の目安
ビギナー向けの一般的な目安は次のとおりです。
1セット:1分前後(6〜8呼吸程度)
1日のセット数:2〜3セット
セット間休憩:1〜2分以上
ポイントは、
「少ない回数から始め、体調を見ながら必要に応じて増やす」
という考え方であり、最初から長時間を目指さないことです。
疲労感が強い日や、睡眠不足・体調不良の日は、ロングブレス自体をお休みする判断も重要です。
セルフチェック用チェックリスト
ロングブレスを行う前のチェック項目
大きな睡眠不足ではない
発熱・強い頭痛・二日酔いがない
胸の痛み・締め付け感・強い動悸がない
腰や首・肩に鋭い痛みがない
医師から運動やいきみを制限されていない
実施中・直後に当てはまったら中止すべきサイン
めまい・ふらつきが強く出る
胸の痛み・締め付け感がある
今までにない強い頭痛が出る
脈が極端に速くなる、乱れる感じがする
腰や首に鋭い痛みが走る
一つでも当てはまる場合は、ただちに中止し、必要に応じて医師に相談してください。
ロングブレスの手順と強度別アレンジ(ビギナー向け)
立って行う基本ロングブレス(安全版ステップ)
足を肩幅に開く
片足を半歩前に出し、安定しやすいスタンスにします。姿勢を整える
かかとから頭頂まで軽く引き上げるイメージで背筋を伸ばします。
肋骨を前に出さず、みぞおちをほんの少し引き込む意識を持ちます。鼻から3秒かけて息を吸う
肩をすくめず、お腹と背中がふくらむ感覚を大切にします。口をすぼめて6〜7秒かけて吐く
「フー」と静かに音を立てながら、
お腹を軽く引き込み、肋骨がゆっくり下がる感覚を意識します。
力みは「7割程度」を目安にし、全力では行いません。通常の呼吸に戻り、数呼吸休む
苦しくなる前にやめ、1セット1分程度から始めます。
NG例
肩や首に力を入れすぎる
顎を前に突き出す
腰を大きく反らせて胸を誇張して張る
息を止めて顔が真っ赤になってしまう
これらに当てはまる場合は、回数よりもフォームの修正を優先してください。
座って行う低負荷ロングブレス(デスクワーク向け)
椅子の前半分に浅く座る
足裏を床にしっかりつける
骨盤を立てて背骨をやさしく伸ばす
肩の力を抜き、顎を軽く引く
吸3秒・吐6〜7秒を3〜5呼吸だけ行う
パソコン作業の合間に、「数呼吸だけ」行うリセットメニューとして取り入れると、
首・肩の緊張を和らげる助けになります。
疲れを感じたら、無理に続けず、背もたれにもたれて休みましょう。
体調が不安な人向け・穏やかな腹式呼吸への置き換え案
ロングブレスに不安がある方や持病のある方は、
より穏やかな腹式呼吸に切り替えることをおすすめいたします。
鼻から4秒かけて息を吸う
鼻または軽く開いた口から4〜6秒で息を吐く
お腹がふくらみ、やさしくしぼむ感覚を味わう
力みを伴わない腹式呼吸でも、
リラックスや自律神経の安定に役立つ可能性があります。
ロングブレスで不調を感じたことがある場合は、無理に続けず、
まずはこのような穏やかな呼吸法から取り入れてください。
他の呼吸法・運動との比較(メリットと限界)
ロングブレス・腹式呼吸・ウォーキングの比較
| 項目 | ロングブレス | 穏やかな腹式呼吸 | ウォーキング(軽め) |
|---|---|---|---|
| 負荷レベル | 中〜高(努力性呼吸) | 低 | 中 |
| 血圧への影響傾向(一般) | 一時的上昇の可能性に注意 | 安定・低下方向に働くことも | 徐々に上昇し、その後安定 |
| 必要時間 | 1〜5分でも可 | 5〜10分程度 | 20〜30分以上が目安 |
| 向いている人 | 姿勢・呼吸を積極的に鍛えたい人 | リラックス・自律神経の安定を重視する人 | 体力や心肺機能も高めたい人 |
| 向かない人 | 高血圧・心疾患・強い腰痛がある人 | 過換気になりやすい人は注意 | 歩行困難・関節疾患が強い人 |
※血圧や心血管系への影響は個人差が大きく、持病や服薬状況によって異なります。
必ず主治医の指示を優先してください。
ロングブレス vs ウォーキング・軽い有酸素運動
ダイエット目的だけで見た場合、ロングブレス単独で大きな体重減少を期待するのは現実的ではありません。
ロングブレス:短時間で済むが、消費カロリーは限定的
ウォーキング:時間は必要だが、全身運動として心肺機能や血管の健康にも寄与
したがって、ロングブレスは
「姿勢や呼吸を意識し直すための補助的なツール」
と位置づけ、食事管理やウォーキングなどと組み合わせて利用するのが現実的です。
ロングブレスの得意分野と向かないケース
ロングブレスが比較的得意とする領域
短時間で姿勢と呼吸の意識を高める
身体を温め、「スイッチを入れる」ような感覚を得る
ロングブレスが向かないケース
高血圧・心疾患・脳血管疾患の既往がある
強い腰痛や首・肩の痛みがある
自律神経の乱れが強く、刺激よりも安定を優先したい
ご自身がどのケースに当てはまるのかを冷静に見極めたうえで、
ロングブレスに固執しない選択も視野に入れてください。
トラブルシューティング:こんな症状が出たら中止・受診
めまい・頭痛・胸の痛み・動悸が出た場合
ロングブレス中あるいは直後に、次のような症状が出た場合は直ちに中止してください。
強いめまい・ふらつき
胸の痛み・締め付けられる感じ
今までにないレベルの頭痛
脈が極端に速い・不規則な感じがする
これらは、心臓・血管・脳の疾患のサインである可能性も否定できません。
症状が強い、あるいはおさまらない場合は、速やかに医療機関を受診してください。
腰痛や首肩の痛みが増した場合
ロングブレスを始めてから、
腰痛が強くなった
首や肩の痛み・こりが増した
といった変化が見られる場合、フォームの問題だけでなく、
ロングブレスそのものが身体に合っていない可能性があります。
その場合は、
ロングブレスを一旦中止する
整形外科や理学療法士など専門家に相談する
ウォーキングやストレッチなど、負荷の低い運動に切り替える
といった対応を検討してください。
どのタイミングで医師に相談すべきかの目安
持病がある場合:開始前に主治医へ相談
強い症状が一度でも出た場合:できるだけ早く受診
軽い違和感が繰り返し出る場合:定期診察時に必ず伝える
医師から「ロングブレスをしていますか?」と聞かれることは少ないため、
ご自身から積極的に情報提供する姿勢が重要です。
日常生活への安全な取り入れ方と応用例
朝・昼・夜、シーン別の取り入れ方の例
体調に問題がない方を前提にした一例です。
朝
立位で安全版ロングブレスを1セット(1分程度)
その日の体調チェックも兼ねて、無理のない範囲で行う
昼(仕事の合間)
座位で3〜5呼吸の低負荷ロングブレス
首・肩のこりをリセットする目的で活用
夜
ロングブレスではなく、穏やかな腹式呼吸に切り替える
入眠前は刺激よりもリラックスを優先する
いずれのタイミングでも、「今日は何となく体調がすぐれない」と感じたら中止することが大切です。
他の運動・習慣との組み合わせ
ロングブレスだけに頼るのではなく、
週数回のウォーキング
毎日のストレッチや軽い筋トレ
睡眠時間や就寝・起床時間の見直し
バランスの良い食事
といった要素と組み合わせて、総合的な健康づくりの一部として位置づけることが重要です。
ロングブレスは「絶対にやらなければならないもの」ではなく、
数ある選択肢のひとつと考えてください。
ロングブレスをやめる判断も含めた付き合い方
次のように感じる場合は、ロングブレスから距離を置く判断も十分合理的です。
体調が以前より悪くなった気がする
不安感が強く、安心して続けられない
楽しさやスッキリ感より、ツラさや義務感が勝っている
健康法は、身体との相性や生活スタイルによって向き・不向きがあります。
合わない方法を無理に続けることは、ストレスや体調悪化につながりかねません。
ロングブレスにこだわりすぎず、ウォーキングやストレッチなど、
より安全で続けやすい方法に切り替える選択も積極的に検討してください。
法的・医療的な注意点と情報の読み解き方
メディア・SNSの健康情報とエビデンスの限界
テレビ番組やSNS、動画配信サービスなどの健康情報は、
視聴者の興味を引くために誇張された表現が用いられることがあります。
「1日○分で−○kg」
「これだけで病気知らず」
といったキャッチコピーは、必ずしも科学的根拠を十分に示しているとは限りません。
健康情報を受け取る際は、
誰が発信しているのか(医師・専門家かどうか)
どのような根拠・データに基づいているのか
自分の年齢・持病・体力に当てはまるのか
といった観点から、慎重に見極める姿勢が重要です。
持病がある場合、必ず主治医と相談すべき理由
持病の有無、現在の体調、服薬状況、過去の検査結果などを総合的に把握しているのは、主治医だけです。
同じ「血圧が高め」と言われている方でも、
数値の程度
合併症の有無
家族歴や他の疾患
によって、許容できる運動強度は大きく異なります。
ロングブレスのように、血圧や心拍に影響を与え得る運動・呼吸法を行う際には、
自己判断ではなく、必ず主治医の指示を仰いでください。
自己責任で行う際に守るべき最低限のルール
どうしても自己判断で行う場合でも、次のルールは守るべき最低限のラインです。
痛みや強い不調が出たらただちに中止する
発熱時・飲酒後・極端な寝不足時には行わない
定期的に健康診断を受け、自身の血圧や心血管リスクを把握しておく
情報は複数の信頼できる情報源から確認する
よくある質問(FAQ)
1日何分くらいなら安全か?
個人差が大きいため一概には言えませんが、
持病のない一般的な成人であれば、
1回あたり1〜3分
1日2〜3回
程度から様子を見るのが無難です。
それ以上に増やす場合は、体調や疲労感を確認しながら、
少しずつ慎重に増やすようにしてください。
血圧が少し高めでもやってよいか?
健康診断で「やや高め」と言われただけでは、
ロングブレスをしてよいかどうかを判断することはできません。
すでに降圧薬を服用している
家族に心血管疾患が多い
などの要素がある場合は特に、
主治医に相談したうえで可否を判断することが重要です。
ロングブレスだけで痩せるのか?
ロングブレス単体で大きな減量効果を期待することは、現実的ではありません。
減量には、
食事内容と量の見直し
日常の活動量アップ(歩数・階段利用など)
睡眠やストレス管理
といった要素が強く関わります。
ロングブレスはあくまで「補助的な一要素」と捉え、生活全体の改善と組み合わせて取り組むことが重要です。
子どもや高齢者が行っても大丈夫か?
子どもや高齢者は、心肺機能や筋力、自律神経の反応が成人と異なるため、
無理な努力性呼吸は基本的に避けた方が安全です。
もし行う場合は、
秒数を短くする
力みを入れすぎない
保護者や医療・運動の専門家がそばで見守る
といった配慮が欠かせません。
特に高齢者で持病がある場合は、必ず主治医へ相談してください。
まとめ|ロングブレスと上手に付き合うために
危険性とメリットの要点おさらい
ロングブレスは、負荷の高い努力性呼吸であり、
体質ややり方によっては腰痛悪化・血圧上昇・首肩こり・自律神経の乱れなどの危険性を伴います。一方で、適切な対象・強度・フォームで行えば、
姿勢や呼吸の意識づけという面では役立つ可能性もあります。危険性は、「やり方(フォーム・強度)」と「体質・持病」の組み合わせによって変化します。
次に取るべき具体的な一歩
自分の体調・持病・現在の症状を振り返る
高血圧・心疾患・脳血管疾患・腰部疾患などがある場合は、
ロングブレスを始める前に主治医へ相談する不安が強い場合やすでに不調を感じている場合は、
ロングブレスにこだわらず、穏やかな腹式呼吸やウォーキングから始める
情報のアップデートと自己管理の重要性
健康情報や運動の知見は、今後もアップデートされていきます。
本記事の内容も、将来的には新しい研究やガイドラインに基づき、見直しが必要になる可能性があります。
最終的に重要なのは、
「どの健康法よりも、自分の身体の声を尊重すること」
です。
ロングブレスを取り入れるかどうかは、本記事で紹介した危険性・注意点・代替案を踏まえつつ、主治医とも相談しながら慎重に判断なさってください。