本記事では、League of Legends(LoL)の新モード「スイフトプレイ」について、基本ルールからノーマル/ランク戦との違い、日本サーバーでの実装状況、初心者向けの立ち回りまでをまとめて解説します。
「クイックプレイがなくなってよく分からない」「スイフトプレイってランクの練習になるの?」といった疑問をお持ちの方の参考になる内容を目指しています。
スイフトプレイとは? 基本ルールと特徴
まずは、スイフトプレイの目的と基本仕様を整理します。
サモナーズリフトをベースにした短時間モード
スイフトプレイは、LoLのメインマップであるサモナーズリフトをそのまま使用しつつ、「より短時間でテンポ良く遊べるようにしたカジュアル向けキュー」です。
通常のノーマル戦と同じく5対5で戦いますが、以下のような調整が入っています。
試合全体の進行速度が速くなるよう、経験値やゴールドの獲得量が増加
ゲーム時間の経過に応じて、獲得リソースがより加速
試合時間の目安が短くなり、1ゲームあたりの負担を軽減
「フルのサモナーズリフトを遊びたいが、1試合40〜50分は重い」というニーズに応えるために設計されたモードと考えられます。
経験値・ゴールド・オブジェクトタイマーの違い
主な違いは、以下のような“進行速度アップ”に関する部分です。
経験値の増加
チャンピオンキル、ミニオン、オブジェクトなど、さまざまな要素から得られる経験値が増加
ゴールドの増加
ミニオンラストヒットの失敗時でも、近くにいれば一部ゴールドを得られるような調整
時間経過とともに全体のゴールド獲得量も増加
オブジェクトの出現タイミングが前倒し
ドラゴンやリフトヘラルド、バロンなどの出現が早まり、試合進行がスピーディーに
これらにより、「序盤で多少ミスしても巻き返す余地が残りやすい」「レーン戦〜集団戦までを短時間で何度も経験できる」という特徴があります。
事前に2チャンピオン/2ポジションを選ぶピック方式
スイフトプレイでは、キューに入る際に以下を事前に選択します。
プレイしたいポジションを2つ
それぞれのポジションでプレイしたいチャンピオンを1体ずつ(合計2体)
マッチが成立すると、その候補の中から実際にプレイするチャンピオンを選択します。これにより、
「使いたいチャンピオンに触れないまま試合が始まってしまう」
「意図しないポジションを押し付けられる」
といったストレスが軽減されている点も特徴です。
スイフトプレイとノーマル/ランク戦の違い
次に、従来のノーマル戦・ランク戦と比較したときの違いを整理します。
試合時間・テンポの違い
おおまかなイメージとして、
ランク戦・ノーマル(ドラフト/以前のクイックプレイ)
1試合30〜40分前後が一般的
スイフトプレイ
それより短めになるよう設計されている(体感20分台〜30分弱の試合が増える)
正確な平均時間はパッチやメタに左右されますが、「1試合あたりの心理的ハードルが下がる」ようなバランスになっていると理解すると良いでしょう。
テンポが速い分、
レーン戦→中盤のスキirmish→集団戦
までの流れを「より短い時間で体験できる」メリットがあります。
MMR・練習効率の観点から見たメリット・デメリット
メリット(主に初心者〜初級者にとって)
負けても試合が短めなので、精神的ダメージが軽く済みやすい
経験値・ゴールドが多く、装備が揃いやすいため「チャンピオンのパワースパイク」を体感しやすい
一度のプレイ時間で、より多くの試合数をこなせる可能性がある
デメリット・注意点
通常のランク戦と比べると、リソース面が大きく異なるため、
「レーン管理」「オブジェクト管理」などをランクと同じ感覚で鍛えにくい部分もある一部コミュニティからは、「ランクの練習にはなりづらい」「別ゲー感がある」という声も挙がっている
ランクの直結練習というよりも、「チャンピオンのスキル回し・コンボの確認」や「レーンの基本パターンを体に染み込ませる場」と捉えるとバランスが良いと言えます。
ARAM・他モードとの使い分けの考え方
ARAM
集団戦中心で、通常のサモナーズリフトのレーン戦とは別物
スイフトプレイ
サモナーズリフトのレーン構造やオブジェクト管理を保ちつつ、テンポを上げたモード
そのため、
「サモリフのレーン戦・ローテーションも触りたいが、時間は短くしたい」
→ スイフトプレイ「とにかく集団戦だけを連続でやりたい」
→ ARAM
といった使い分けが考えられます。
日本サーバーでの実装状況とキューの変遷(2025年時点)
日本サーバーでは、スイフトプレイの実装に伴い、キュー構成が大きく変わりました。
クイックプレイ廃止〜ノーマル時間制限の経緯
2025年シーズン1から、スイフトプレイがクイックプレイの代わりとして実装されました。
同時に、日本サーバーでは以下のような構成となりました。
クイックプレイ:廃止
スイフトプレイ:終日プレイ可能
ノーマル(ドラフト):時間帯限定でしか利用できない期間が存在
この「日中はスイフトプレイしかできない」「普通のノーマルが夜しかない」といった状況に対し、日本コミュニティから多くの批判・懸念が出ました。
批判を受けた後のノーマル常時開放への変更
こうしたフィードバックを受け、Riotは2025年4月のパッチ25.07にて、日本サーバーでのノーマル(ドラフト)の時間制限を撤廃し、常時利用可能とする方針を発表しています。
現在(2025年時点)は、
スイフトプレイ:終日プレイ可能
ノーマル(ドラフト):終日プレイ可能
という構成になっています。
今、どのキューをどう選ぶべきか(目安)
スイフトプレイ
平日夜など、短時間で1〜2試合だけ遊びたいとき
新チャンピオン・新ビルドをまず軽く触ってみたいとき
ノーマル(ドラフト)
ランクと近いテンポで、フルのサモナーズリフトを練習したいとき
友人と真面目に構成を組んで遊びたいとき
ランク戦
LPを懸けて真剣に上を目指したいとき
このように、「時間・目的・メンバー」によって使い分けるのが現実的です。
スイフトプレイはどんな人に向いている? 向いていない?
向いているプレイヤー像
特に、以下のような方と相性が良いモードです。
社会人・学生で、1日あたりのプレイ時間が限られている人
「ランクはまだ怖いが、サモリフで練習はしたい」という初心者〜初級者
1回のゲームで、チャンピオンの成長〜集団戦までをテンポ良く体験したい人
「ARAMだけだとLoLの別ゲームになってしまうが、ランクのフルゲームは重い」という層にとって、ちょうど間の立ち位置と言えます。
ランクの練習として使う場合の注意点
スイフトプレイはランク戦と比べ、リソース獲得ペースやオブジェクトのタイミングが異なるため、以下に注意が必要です。
ランクと同じ感覚で「ウェーブ管理」「オブジェクトタイミング」を完全に再現することは難しい
とはいえ、「レーンの基本理論」「スキル精度」「視界確保の習慣」など、汎用的なスキルは十分に鍛えられる
したがって、
チャンピオン操作・コンボ・スキルショット精度の強化
レーン戦の“型”を身につける
といった目的であれば、スイフトプレイは有効な練習場となります。
「別ゲー」と感じやすいケースとその対処
一部のプレイヤーからは、「ゴールドが入り過ぎて別ゲー」「サポートのゴールドが多すぎる」といった批判も出ています。
こうした“違和感”は、
これまでのノーマル戦の感覚と差が大きい
サポートを含む一部ロールのプレイフィールが変化している
ことが主な要因です。
対処としては、
「ランクと全く同じ練習をしたいときはノーマル(ドラフト)を選ぶ」
「今日はチャンピオン操作中心で軽く練習したいときはスイフトプレイにする」
といった具合に、目的で使い分ける意識を持つと違和感が減ります。
初心者〜初級者向けスイフトプレイ立ち回りの基本
ここからは、初心者〜初級者を主な対象として、スイフトプレイで意識したいポイントを整理します。
序盤のレーン戦で意識したいポイント
スイフトプレイでは、試合全体のテンポが速いとはいえ、序盤のレーン戦の重要性は変わりません。
ラストヒットを意識しつつ、安全第一で立ち回る
多少ラストヒットを逃してもゴールドが入る仕様とはいえ、できる範囲で丁寧にCSを取る習慣は重要です。
不要なトレードでHPを大きく削られないようにする
テンポが速い分、リコール→復帰→再度トレードまでのサイクルも短くなりますが、無理な殴り合いは避けた方が安定します。
レーンの“押し過ぎ”に注意する
ゴールド・経験値が多くても、ガンクを受けて何度もデスすると意味がありません。
視界(ワード)を置き、敵ジャングラーの位置を意識しましょう。
中盤以降の集団戦・オブジェクトの優先順位
中盤以降は、ドラゴンやリフトヘラルドなどのオブジェクトが試合の流れを大きく左右します。
ドラゴンファイトの前は無駄なデスをしない
スイフトプレイではオブジェクトタイマーが早い分、1回のデスがオブジェクト損失に直結しやすくなります。
サイドレーンのプッシュは、味方の位置を確認してから
味方がリコール中やバラバラに動いているときに深く押し込むと、捕まってしまうリスクが高まります。
「今はファーム」「今は集団戦」とメリハリをつける
常に戦い続けるのではなく、オブジェクト前後で意識的に時間の使い方を変えることが大切です。
高テンポ環境で意識したい「無駄死にを減らす」考え方
スイフトプレイはテンポが速い分、気付くと「デス数だけ増えてしまう」ことも多くなりがちです。
「このデスで何を得るか?」を短く考える癖をつける
味方がオブジェクトを取れるデスなのか
敵のフラッシュやウルトを複数落とせたのか
“取り返せないデス”を減らす意識
オブジェクトもタワーも守れず、相手にだけゴールドが入るようなデスは極力避ける
完璧を目指す必要はありませんが、「無意味な前のめりで捕まる回数を減らす」だけでも勝率は上がりやすくなります。
ロール別の考え方とおすすめチャンピオン例
特定のチャンピオンを強く推奨することは避けつつ、ロールごとの考え方を整理します。
トップ・ジャングルで意識したいこと
トップレーン
テンポが速い分、テレポートの使い所がより重要になります。
無理にソロキルを狙うより、ドラゴン・ヘラルドのタイミングで集団戦に参加し、数的有利を作る意識が有効です。
ジャングル
経験値・ゴールドが多いため、ジャングラーの影響力は高まりやすいモードです。リーグ・オブ・レジェンド+1
ただし、ガンクのし過ぎで自分のレベルが遅れないよう、ファームとガンクのバランスを意識する必要があります。
ミッド・ボット・サポートで意識したいこと
ミッドレーン
中央に位置するため、サイドレーンへのローム(他レーンへの支援)が重要です。
スイフトプレイでは試合テンポが速いため、ロームでの一度の成功が大きく影響します。
ボットレーン(ADC)
装備が揃いやすいため、火力役としての役割が大きくなります。
ただし、位置取りを一度ミスすると一気に落とされるため、前に出るタイミングに注意することが重要です。
サポート
ゴールド獲得量が増えたことで、従来よりアイテムを揃えやすくなっています。
その分、ワード設置・ピール・エンゲージなど、チームに与える影響力も上がっています。
初心者でも扱いやすいチャンピオンの考え方
具体名は環境やパッチで変化するため、ここでは「選び方」の考え方のみ記します。
スキルショット依存度が低く、明確な役割を持てるチャンピオン
前に出るべきタイミングが分かりやすいタンク・イニシエータ
集団戦で1つの役割(例:相手のダイバーを止める、前線でダメージを受ける)に集中できるチャンピオン
このような基準で選ぶと、スイフトプレイのテンポの速さにも比較的対応しやすくなります。
マッチング・MMRに関するよくある悩みと付き合い方
格上とマッチングしやすい理由の整理
Q&Aサイトなどでは、アイアン帯のプレイヤーが「スイフトプレイでシルバーやゴールドと当たってしまう」といった相談が見られます。
これは、
プレイヤー人口・キューの状況
各モードのMMR(実力指標)が必ずしもランクと完全一致しないこと
などが影響していると考えられます。
「スイフトプレイ=自分と完全に同じ実力の相手とだけ当たる場」ではない、という前提を持っておくことが大切です。
「勝ち負け」以外に得られる経験値の考え方
格上に当たる試合は、確かにつらい場面もありますが、視点を変えると以下のような学びがあります。
レーンでのウェーブ管理の差
集団戦での位置取り・フォーカスの違い
オブジェクトへの判断スピード
試合後に、
「最初の3ウェーブの処理をどうすれば良かったか」
「どのデスが特に痛かったか」
といった点を1つか2つだけ振り返るだけでも、上達のきっかけになります。
AFKしたくなったときの視点の切り替え方
一方的な試合が続くと、モチベーションが下がり、AFKしたくなる瞬間もあるかもしれません。実際、そうした悩みを吐露する投稿も見られます。
そのようなときは、
「この試合で1つだけ、新しいことを試す」と決める
例:ワードの位置を変えてみる、集団戦での入るタイミングを変えてみる
「味方や相手のプレイから1つ真似したい動きを探す」
といった“学びのテーマ”に意識を切り替えると、ただのストレス試合になりにくくなります。
まとめ|スイフトプレイを“自分に合った遊び方”に落とし込もう
最後に、本記事の要点を整理します。
スイフトプレイは、サモナーズリフトをベースにした短時間・高テンポのカジュアルモード
経験値・ゴールド獲得量やオブジェクトタイマーが調整され、1試合あたりの心理的負担を軽くするよう設計されています
日本サーバーでは、クイックプレイ廃止やノーマルの時間制限を経て、現在はノーマル・スイフトプレイともに常時利用可能な構成になっています
「時間が限られた初心者〜初級者」「チャンピオン操作をテンポ良く練習したいプレイヤー」との相性が良い一方、ランクとまったく同じ感覚での練習には向かない部分もあります
勝ち負けだけでなく、「1試合で何を学ぶか」「どのデスを減らすか」という視点を持つことで、格上相手の試合でも経験値を得やすくなります
今後もパッチや運営方針によってモードの仕様や評価は変化し得ますが、
「自分の目的に合うモードを選び、スイフトプレイをうまく活用する」という考え方を持っておくと、LoLをより長く、楽しく続けやすくなります。