「家族や子どもと連絡を取りたいが、電話番号は登録したくない」「まだ電話番号を持たせていないが、LINEのように使える連絡手段が必要」──このような理由から、電話番号なしで使えるLINE代替アプリを探す方は少なくありません。
現在、日本ではLINEの新規登録に電話番号が求められるケースが一般的となっており、子どものスマホデビューやサブ連絡用としてはハードルが高くなっています。その一方で、DiscordやSlack、Messenger Kidsなど、電話番号を使わずにチャットや通話ができる現実的な選択肢も存在します。
ただし、「電話番号なし」という条件だけで選んでしまうと、知らない人とつながりやすいアプリを選んでしまったり、子どもにとって安全とは言えない環境になったりする可能性があります。重要なのは、どのサービスが、どんな用途・年齢・家族構成に向いているのかを正しく理解したうえで選ぶことです。
本記事では、
電話番号なしで使える「LINEみたいなアプリ」の具体的なサービス名
家族・子ども利用で失敗しにくい選び方の基準
安全に使うための設定と運用ルール
を、初めて検討する方にも分かりやすく整理して解説します。
「これなら安心して使える」と納得できる連絡手段を見つけたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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電話番号なしで使えるLINEみたいなアプリを探す前に
「家族や友人と連絡を取りたいが、電話番号は登録したくない」「子どもに連絡手段を持たせたいが、まだ電話番号を契約していない」といった事情から、LINEの代替を探すケースは増えています。ところが、検索して出てくるアプリの中には、電話番号不要で始められても、知らない人とつながりやすい設計だったり、公開コミュニティへの導線が強かったりして、家庭用途では注意が必要なものも少なくありません。
まず大切なのは、「電話番号なし」だけで選ばず、用途に必要な機能と、安全に運用できる設計・設定があるかをセットで確認することです。たとえば、家族連絡なら「チャット」「通話」「グループ」の優先度は家庭ごとに違いますし、子どもが使う場合は「連絡先の追加を誰が管理するか」「知らない相手からの接触をどう遮断するか」が最重要になります。
また、LINEの新規登録条件は状況が変わることがあるため、「どうしてもLINEを電話番号なしで使いたい」よりも、目的を満たせる代替アプリを決めて運用を整える方が、結果としてスムーズなケースが多いです。以下では、必要条件の整理から、具体的なアプリの選び方、安全に使うための設定・家庭ルールまで、順序立てて解説します。
電話番号なしでLINEみたいに使える条件を整理
チャット・通話・グループのどれが必要か
「LINEみたいなアプリ」を探すときは、最初に“LINEの何を代替したいのか”を明確にすると、候補が一気に絞れます。特に重要なのは、次の3機能です。
1つ目はチャット（文字・画像のやり取り）です。家族の連絡や習い事の連絡であれば、文字と写真が送れて履歴が残るだけでも十分な場合があります。通知の見逃しが不安なら、既読機能の有無や、メンション機能（特定の人に確実に通知を飛ばせる仕組み）があるかも確認しておくと安心です。
2つ目は通話（音声・ビデオ）です。家族連絡では「迎えに来て」「今どこにいる」など、急ぎの連絡に通話が役立ちます。ビデオ通話が必要かどうかも家庭によって異なりますが、ビデオは通信量が増えるため、子どもの端末で使う場合はWi-Fi環境を前提にする、あるいは音声中心にするなど運用の線引きが必要になります。
3つ目はグループ（複数人での連絡）です。家族だけでなく、部活・クラス・習い事・PTAなど複数人の連絡に使うなら、グループが作りやすいこと、管理者がメンバーを整理しやすいこと、通知が流れすぎないことが重要です。逆に、家族だけの用途なら「少人数のグループチャット＋通話」が安定しやすく、機能が多すぎないアプリの方が扱いやすいこともあります。
ここまで整理できると、判断基準がはっきりします。
家族だけで使う：通話のしやすさ、連絡先の閉じやすさ、設定の簡単さ
複数人で使う：グループ管理、話題の整理、招待・権限設定
子どもが使う：保護者管理、知らない人との接触遮断、利用時間の制御
「電話番号なし」という条件は入口であり、最終的にはこの機能要件に合うかどうかで選ぶのが失敗しにくい方法です。
匿名性と安全性は別物
電話番号を登録しなくてよいアプリは、気軽に始められる一方で、安全面の設計がアプリごとに大きく違う点が重要です。ここで誤解されやすいのが「匿名＝安全」という発想です。実際には、匿名で始められることが、知らない相手との接触を増やす方向に働くことがあります。
家庭用途、特に子どもが使う用途では、次の特徴があるアプリは慎重に扱う必要があります。
不特定多数とつながる導線が強い
「近くの人」「暇な人と通話」「ランダムチャット」など、知らない相手に接続される仕組みがあると、連絡手段としての目的から外れやすく、トラブルの入口になりがちです。連絡先追加が本人任せで、管理が難しい
追加した相手が誰なのか、いつ増えたのかが把握しにくい設計だと、家庭での見守りが効きにくくなります。公開プロフィールの露出が大きい
アイコン・ユーザー名・自己紹介が公開範囲広めで、検索やリンク共有で第三者に見られやすいと、個人情報の漏れ方が増えます。通報・ブロックの導線が分かりにくい
何か起きたときにすぐ遮断できるか、子どもでも操作できるかは重要です。
同じ「電話番号なし」でも、知っている相手だけで閉じた連絡網を作れるかで安全性は大きく変わります。アプリの候補を選ぶ段階で、「招待制で使えるか」「DM（個別メッセージ）の受信を制限できるか」「公開参加の機能をオフにできるか」を必ず確認しておくと安心です。
電話番号なしで始めやすいおすすめアプリ
Discord（メールで登録しやすい）
Discordは、もともとコミュニティやグループ通話に強いサービスとして広く利用されています。特徴は、複数人の会話や通話を「サーバー（グループの箱）」の中で整理できる点です。家族用途であれば、家族だけのサーバーを作り、その中に「連絡」「写真」「学校」「予定」など話題ごとの部屋（チャンネル）を作る運用ができます。LINEのように雑談と重要連絡が混ざって流れてしまう問題を、チャンネル分けで軽減できます。
向いている使い方
家族や親しい友人など、限られたメンバーでのグループ連絡
複数人での音声通話・ビデオ通話
話題を整理しながら連絡したい（「迎え」「買い物」「学校」など）
使い始めのポイント
招待リンクの共有範囲を家庭内に限定する
まずは「家族サーバーだけ」を使う方針にする
子どもが使う場合は、公開サーバー探索・外部コミュニティ参加の導線を最小化する
注意点
Discordは強機能ゆえに、公開コミュニティへ参加する導線もあります。家庭連絡が目的なら、「知らないサーバーに入らない」「招待リンクは家族からのみ」「DMの受信は制限する」など、運用ルールと設定をセットにする必要があります。
また、端末の通知設定が多彩なぶん、初期状態だと通知が多すぎることもあるため、家庭内で「重要チャンネルは通知オン、雑談は通知オフ」といった調整をすると快適です。
Slack（メールまたはGoogle/Appleで利用）
Slackはビジネス向けの印象が強いものの、実際には「連絡を整理する」用途に非常に向いています。最大の利点は、話題ごとにチャンネルを切って、情報が流れて埋もれるのを防げることです。家族の用途に置き換えると、たとえば「#予定」「#連絡」「#学校」「#写真」などに分け、必要な人だけが見ればよい形にできます。LINEグループのように、すべてが一箇所に積み上がる形ではないため、後から見返しやすく、連絡のミスが減ります。
向いている使い方
予定やタスクを整理しながら連絡したい家庭
書類・写真・リンクをまとめて残したい
家族の会話が多く、重要連絡が流れてしまいがちな場合
使い始めのポイント
最初はチャンネルを増やしすぎない（2〜4本で十分）
「重要連絡用」チャンネルだけ通知を強める
家族全員が迷わない導線（固定メッセージ、ピン留め）を作る
注意点
Slackは「通話もできる」ものの、LINEの“電話の代わり”のような体験とは少し異なります。連絡の主軸をチャットに置き、通話は補助として使う方が運用しやすいでしょう。また、家族のITリテラシーによっては最初の慣れが必要になるため、導入時は「やることを決める」「使い方を固定する」ことが重要です。
Messenger Kids（保護者管理で子ども向け）
子どもに連絡手段を持たせる目的が中心なら、最優先すべきは「保護者が管理できる仕組み」です。Messenger Kidsは、子ども向けに保護者管理を前提として設計されている点が強みです。一般的なメッセージアプリでは、子どもが連絡先を増やしたり、知らない相手から接触されたりするリスクを完全に防ぐのが難しい場合がありますが、保護者管理型はその不安を減らしやすい選択肢です。
向いている使い方
小学生〜中学生の「初めての連絡手段」
家族・親戚など、連絡相手を限定できるケース
保護者が連絡先を把握・管理したい場合
使い始めのポイント
連絡先は家族・親戚など必要最小限から開始する
使う時間帯（夜は使わない等）を家庭ルールにする
「困ったら保護者に見せる」約束を先に作る
注意点
周囲の友達が別アプリを使っていないと、子ども同士の連絡には使いにくい場合があります。その場合は、家族連絡はMessenger Kids、友達との連絡は保護者同席で別手段を検討するなど、用途を分ける発想が必要です。目的が「親子の連絡」なら非常に相性がよい一方、「クラス全体の連絡」などには向かないことがあります。
電話番号が必要になりやすいアプリの注意点
Signalは登録自体に電話番号が必要
プライバシー重視のメッセンジャーとして知られるSignalは、セキュリティ面の評価が高い一方で、利用開始時に電話番号が必要になる設計として知られています。ユーザー名の機能などがあっても、登録フローに電話番号が含まれるため、「電話番号なしで始めたい」という条件とは合いにくいのが実情です。
ただし、ここで重要なのは「安全そう＝電話番号不要」ではないという点です。安全性を上げるために、あえて電話番号でアカウントの一意性を担保しているサービスもあります。したがって、Signalは「電話番号を出したくない」用途より、「電話番号は構わないが、より安全性重視で使いたい」用途の方に向きます。
Telegramは登録に電話番号が必要
Telegramも人気の高いメッセンジャーですが、一般的には登録時の確認として電話番号を求められることが多いサービスです。後からユーザー名でやり取りできる仕組みがあっても、初期登録に電話番号が必要であれば、「電話番号なしで始めたい」という条件の段階で候補から外れることがあります。
また、家族・子ども用途では「公開性」「コミュニティ参加」「知らない相手との接点」をどう管理するかがポイントになります。Telegramに限らず、コミュニティ参加やチャンネル文化が強いサービスは、家庭連絡用途と混ざりやすいので、導入前に運用範囲を明確にしておく必要があります。
家族・少人数で「チャット＋通話」をしたい
Messenger Kids（メッセンジャーキッズ）
子ども向け。保護者管理が前提で、連絡先を限定しやすいタイプです。Discord（ディスコード）
メールで始めやすく、グループ通話・ビデオ通話が強いサービスです（家族専用サーバー運用が可能）。Google Chat（グーグル チャット）＋Google Meet（グーグル ミート）
Googleアカウント（＝メール）で運用しやすく、チャットと通話を分けて使えます。Microsoft Teams（マイクロソフト チームズ）
Microsoftアカウント（メール）で利用しやすく、家族内のグループ運用にも転用できます。
「連絡を整理」しながらグループ運用したい
Slack（スラック）
話題ごとにチャンネルを分けられるため、重要連絡が流れにくいのが特徴です。Notion（ノーション）＋Notion Calendar / コメント機能
チャット中心ではないものの、家族の情報共有・予定・メモを一元化しやすい構成にできます（連絡はコメントや通知で補完）。BAND（バンド）
グループ運用（部活・習い事・家族）に特化。招待制で閉じた運用をしやすいサービスです。
「音声通話を手早く」したい（チャットは補助）
Google Meet（グーグル ミート）
参加リンクで通話を始めやすく、家族の緊急連絡に向きます（チャットはGoogle Chatで補完）。Zoom（ズーム）
通話・ビデオ通話に強く、リンク参加が分かりやすいです（チャットは補助的）。
注意：登録に電話番号が求められやすい代表例
Signal（シグナル）
Telegram（テレグラム）
この2つは「電話番号なし」という条件では合わないケースが多いです。
子ども・家族で安全に使うための設定とルール
連絡先の追加を保護者承認にする
子どもが使う場合、最初に整えたいのは「連絡先が増える仕組み」です。危険が起きる多くの起点は、知らない相手とつながること、あるいは連絡先が増えて保護者が把握できなくなることにあります。
運用としておすすめなのは、次のいずれかです。
保護者が連絡先を管理できるアプリを選ぶ（承認制があるもの）
承認制が弱い場合は、家庭ルールで補う（追加する前に必ず見せる、追加したらその場で報告する）
さらに、招待リンクで参加できるタイプのアプリ（Discordなど）では、招待リンクの扱いが要になります。
招待リンクは家族内でのみ共有する
SNSや学校のグループなど外部へ貼らない
期限付き・回数制限付きのリンクが使えるなら活用する
「連絡先は増えない前提」を作ると、子どもの利用は一気に安全側に寄ります。
公開プロフィール・DM許可・通話許可を絞る
次に重要なのは、知らない相手からの接触を遮断する設定です。設定項目はアプリごとに異なりますが、考え方は共通しています。
DM（個別メッセージ）を受け取れる範囲を限定する
「サーバー参加者なら誰でもDMできる」などの設定がある場合は、家庭利用では制限が必要です。フレンド申請・検索・ID公開を最小化する
ユーザー名やIDが分かれば接触できる設計の場合、公開範囲が広いほどリスクは増えます。通話の権限を限定する
いきなり通話がかかってくる状態は、子どもにとって心理的負担になることがあります。必要な相手だけ通話できる形が望ましいです。参加できる場所を限定する
公開コミュニティの探索、近くの人、ランダムマッチなどがある場合は、家庭用途ではオフにするか使わない運用に固定します。
設定を整える目的は、「危険をゼロにする」よりも、危険が起きにくい構造にすることです。外部から入り込む入口を減らすほど、トラブルは減ります。
運用ルールを先に決める
設定だけでは不十分で、家庭内ルールがあると安心が大きく増します。特に子どもが使う場合は、「何が起きたらどうするか」を先に決めておくと、いざというときに対応が早くなります。
おすすめのルール例は次の通りです。
連絡先を追加するときは保護者に見せる
変なメッセージが来たら返信しないで保護者に見せる
画像・住所・学校名など個人情報は送らない
夜間は通知を切る（端末の集中モードも併用）
「ブロック」「通報」の場所を一緒に確認しておく
さらに、家族全体の運用ルールとして、
重要連絡は決まったチャンネル（部屋）に書く
緊急連絡は通話、それ以外はチャット
返信が必要なときはスタンプ代わりのリアクションで意思表示する
など、ルールがあると混乱が減ります。
「アプリを入れたら終わり」ではなく、「家庭の連絡手段として安定運用する」視点で整えることが重要です。
よくある質問
LINEは電話番号なしで作れる？
状況によって条件が変わることがあるため、「今この時点で確実にできる方法」を探すほど、時間がかかりやすくなります。家庭連絡の目的であれば、電話番号なしで始められる選択肢を選び、必要な相手と確実につながる仕組みを作る方が現実的です。
どうしてもLINEが必要な場面（学校連絡や地域連絡など）がある場合は、家庭の方針として「保護者の端末で対応する」「子ども用は別アプリで連絡網を作る」といった役割分担にして、無理に子ども側でLINE運用を抱えない方法も検討できます。
メールアドレスだけで通話もできる？
メールアドレスで始めやすいアプリの中には、音声通話・ビデオ通話に対応しているものがあります。ただし、通話品質は端末や回線状況に左右されるため、次の観点で確認すると失敗しにくいです。
家族全員の端末で通話が安定するか（古い端末でも動くか）
Wi-Fi中心か、モバイル回線でも使うか
連絡相手が同じアプリを入れられるか（導入のハードル）
通話の着信を許可する相手を制限できるか
「通話ができる」だけでなく、「家庭で問題なく使える」かを試すことが大切です。導入初期は、家族内で短いテスト通話を行い、通知や音量、着信の挙動を確認しておくと安心です。
危険な匿名チャットを避ける見分け方は？
家庭連絡の目的であれば、アプリ選びの時点で避けたい特徴があります。特に次の文言・機能が目立つ場合は慎重に判断してください。
「近くの人」「暇な人と通話」「ランダム通話」「誰でもチャット」
掲示板・タイムライン中心で、知らない人と交流する設計
連絡先の追加が簡単すぎて、制限や承認が弱い
年齢配慮や保護者管理の説明が薄い
安全性は「アプリの評判」だけで決まりません。知らない人とつながる導線が弱く、閉じた関係を作りやすいかが最大の判断軸です。家族連絡なら、招待制でメンバーを限定できるもの、保護者管理がしやすいもの、公開性が低いものを優先するとよいでしょう。