LGのゲーミングモニター(UltraGearシリーズなど)は、購入直後の状態でも十分に使えますが、初期設定のままだと「本来の性能を出し切れていない」ことが少なくありません。たとえば、リフレッシュレートが60Hzのままで固定されていたり、応答速度が強すぎて逆残像が出ていたり、ブラックスタビライザーの調整が過剰で画面全体が白っぽくなっていたりします。
本記事では、モニター側(OSD設定)だけでなく、PC側(Windows・GPUドライバ)や家庭用ゲーム機側(PS5など)の設定も含め、段階的に最適化できる流れで解説いたします。最初に「必須の初期設定」をチェックリストで固め、そのうえで用途別のおすすめ設定テンプレート(FPS向け・RPG/映画向け・仕事兼用)を提示し、最後にトラブルシューティングで「つまずきやすい原因」を切り分けられるように整理します。
なお、OSDの項目名や細かな表示はモデルによって多少異なります。記事内では、LGゲーミングモニターで共通しやすい考え方と調整手順を中心に解説いたしますので、ご自身の機種のメニュー名称に読み替えてご利用ください。
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LGゲーミングモニター設定で最初に押さえるポイント
接続端子とケーブルの確認
最初に確認すべきは「モニターが出せる性能を、接続が邪魔していないか」です。ここが崩れていると、OSDをどれだけ調整しても、そもそも144Hzや165Hzが選べなかったり、VRR(可変リフレッシュレート)が有効にならなかったりします。
1) PCはDisplayPort優先が基本
PCで高リフレッシュレートを狙う場合、一般的にはDisplayPort接続の方が設定が素直に通りやすい傾向があります(機種・GPU・環境により異なります)。特に、WQHD以上や高Hzを使う場合は、まずDisplayPortを第一候補として考えるのが無難です。
2) PS5はHDMI側の仕様が肝になります
PS5で120HzやVRRを使いたい場合、モニター側がそれに対応していることに加え、HDMI側の仕様や設定が噛み合っている必要があります。
「PS5は120Hz対応なのに、モニター側が60Hz表示のまま」というケースは、モニターが非対応というより、入力端子・設定・ゲーム側の条件が未達のことが多いです。
3) ケーブルの使い回しは注意が必要です
見た目が同じでも、古いケーブルや品質が不安定なケーブルだと、高帯域の信号で不具合が出ることがあります。症状としては、以下が代表例です。
最大リフレッシュレートが選択肢に出ない
たまにブラックアウトする(瞬間的に暗転する)
HDRをオンにすると不安定になる
VRRオンでチラつきが増える
まずは「付属ケーブル」または「信頼できる規格準拠ケーブル」に統一して切り分けると、原因特定が速くなります。
推奨解像度と最大リフレッシュレートを出す手順
設定で最も体感差が出るのは、解像度とリフレッシュレートです。ここが整っていない状態で、応答速度やブラックスタビライザーを触ると、調整が迷走しやすくなります。必ず最初に固めてください。
Windows側で最大リフレッシュレートを選ぶ
Windowsでは、接続しただけだと60Hzに設定されていることがあります。以下の流れで確認します。
Windowsの「設定」→「システム」→「ディスプレイ」を開きます
対象のモニターを選びます(複数ある場合は特に注意します)
「ディスプレイの詳細設定」を開きます
「リフレッシュレート」を最大値に変更します(例:144Hz/165Hz/180Hzなど)
この時点で最大Hzが候補に出ない場合、次の可能性が高いです。
端子が適していない(HDMIの入力側差・変換アダプタ利用など)
ケーブルの規格不足または相性
GPUドライバや設定の問題
モニター側で特定モードが有効になっており制限がかかっている
解像度は「推奨」を基本にする
解像度を下げると高Hzが出る場合があり、逆に高解像度で高Hzを狙うと帯域の都合で制限が出ることがあります。まずは推奨解像度(ネイティブ)で安定させ、その後に必要があれば調整する順番が安全です。
文字がにじむ:解像度やスケーリングが崩れている可能性が高いです
画面がぼやける:GPU側スケーリングやシャープネス過多のことがあります
ゲームだけ荒い:ゲーム内解像度が別設定になっている場合があります
GPU側(NVIDIA/AMD)でも最終確認する
Windows側で設定しても、GPU側のコントロールパネルで別設定が優先される場合があります。特に、以下は確認すると効果が大きいです。
出力の色形式(RGB / YCbCr)
出力のダイナミックレンジ(フル / リミテッド)
解像度のスケーリング(GPU/ディスプレイ側)
G-SYNC / FreeSyncの有効化状態
「画面が白っぽい」「黒が薄い」と感じる場合、OSDだけでなく、ダイナミックレンジがリミテッドになっているケースもあります。切り分けとして、まずGPU設定を標準に戻してから再調整するのが確実です。
OSDジョイスティック操作の基本
LGのゲーミングモニターは、背面または底面にジョイスティックがあり、これでOSDメニューを操作するモデルが多いです。操作に慣れていないと、設定の保存や戻り操作で迷いやすいので、最初に基本だけ押さえます。
よくある操作体系(目安)
押し込み:メニュー表示/決定
倒す:項目移動
戻る:ひとつ前の階層へ
モデルによって「クイックメニュー」からゲーム系項目に入れる構成になっている場合があります。重要なのは、設定を変えたら「適用」や「保存」に相当する操作が必要かどうかを確認することです。
「変えたつもりなのに戻っている」という場合は、戻り操作でキャンセル扱いになっているケースがあります。
LGゲーミングモニターのおすすめ設定テンプレート
ここでは「おすすめ設定」を数値固定で断言するのではなく、用途別に“迷いにくいテンプレート”として整理いたします。モニター設定は部屋の明るさ、目の疲れやすさ、ゲームジャンル、パネル特性(IPS/VA/OLEDなど)で最適値が変わります。したがって、本記事では「目的→設定→副作用→調整方法」の順で、再現しやすい形に落とし込みます。
以下は、テンプレートとして使いやすい比較表です(項目名は機種により近い名称へ読み替えてください)。
| 目的 | FPS向け | RPG/映画向け | 仕事兼用 |
|---|---|---|---|
| 体感の優先 | 視認性・反応 | 階調・自然さ | 疲れにくさ |
| 明るさ | 中〜やや高め | 部屋に合わせる | 低〜中 |
| 応答速度 | 中〜高速 | 中 | 中 |
| ブラックスタビライザー | やや上げる | 標準〜控えめ | 標準 |
| シャープネス | 標準付近 | 標準付近 | 標準付近 |
| VRR | オン推奨 | オンでも可 | 好み(安定重視) |
| HDR | 基本オフ(必要時のみ) | HDRコンテンツのみ | 原則オフ |
FPS向けおすすめ設定
FPS向けでは、主に以下の3点を最適化します。
反応速度(入力遅延を増やしにくい)
動きの見やすさ(残像を増やしにくい)
暗部視認性(見えないストレスを減らす)
設定の考え方
最大リフレッシュレートを出す
ここができていないと、残像やカクつきの改善が限定的になります。応答速度は“最速固定”にしない
応答速度(Overdrive)は、強すぎると逆残像(オーバーシュート)が出て、むしろ見づらくなります。
まずは「中」または「高速」で試し、違和感があれば1段階落とすのが安全です。ブラックスタビライザーは“上げすぎない”
暗部が見えるようになる反面、上げすぎると全体が白っぽくなり、色の締まりがなくなります。
FPSは視認性が重要ですが、白っぽさが強いと長時間で疲れやすくなります。
FPS向けのおすすめ設定(目安)
ゲームモード:FPS系(ある場合)
明るさ:中〜やや高め(部屋が明るいなら高め、暗室なら控えめ)
コントラスト:標準付近(上げすぎると白飛びしやすい)
応答速度:中〜高速
ブラックスタビライザー:標準から少し上げる
シャープネス:標準付近
VRR:オン(安定するなら推奨)
省電力・自動輝度調整系:基本オフ(変動が気になる場合)
仕上げの微調整(おすすめ手順)
暗い場所(影、室内、夕方マップ)で視認性を確認
ブラックスタビライザーを1段階ずつ動かし、「見えるけど白くない」地点で止める
次に、画面を素早く振り、輪郭が滲む・白い影が出る場合は応答速度を1段階下げる
この順番で行うと、失敗しにくいです。
RPGや映画向けおすすめ設定
RPGや映画向けでは、勝敗よりも「見た目の気持ちよさ」「階調の自然さ」「色の破綻が少ない」ことを重視します。FPS向けの設定を流用すると、暗部が浮きすぎたり、コントラストが不自然になったりするため、方向性を明確に切り替えます。
設定の考え方
ブラックスタビライザーは控えめにし、黒を締める
ガンマや色温度は極端に振らず、自然に寄せる
シャープネスを上げすぎない(映像がギラつきます)
RPG/映画向けのおすすめ設定(目安)
ゲームモード:標準、シネマなど(派手すぎないもの)
明るさ:部屋の明るさに合わせる
暗室:下げる(目の疲れを減らせます)
明室:上げる(黒つぶれ回避のため)
コントラスト:標準付近
ブラックスタビライザー:標準〜控えめ
ガンマ:標準付近(暗部重視に振りすぎない)
応答速度:中(映像の自然さ優先)
HDR:HDRコンテンツ時のみオン
HDRの扱い方(ここが重要です)
HDRは「オンにすれば常に良くなる」という性質ではありません。モニター性能、コンテンツ側のマスタリング、部屋の明るさが揃ったときに効果が出ます。
常時オンにして「暗い」「白飛びする」「色が不自然」と感じる場合は、まずHDRをオフに戻し、標準モードで安定させるのが確実です。
仕事兼用おすすめ設定
仕事兼用では「見やすい文字」「目が疲れにくい輝度」「色の派手さを抑えた落ち着き」を重視します。ゲーム向け機能は刺激が強い方向に寄りがちなので、必要時のみオンにする運用が向きます。
仕事兼用のおすすめ設定(目安)
色モード:sRGBや標準(ある場合)
明るさ:低〜中(長時間作業なら特に重要)
コントラスト:標準付近
シャープネス:標準付近(上げすぎると文字がザラつくことがあります)
ブルーライト低減:必要に応じて(色が変わるため、編集作業時は注意)
ブラックスタビライザー:標準
応答速度:中
ゲーム系補正(DASなど):普段はオフ、ゲーム時のみオン
仕事→ゲームの切り替えを楽にする工夫
「ゲーマー1」を仕事用、「ゲーマー2」をゲーム用など、プリセットを分ける
モニター側で入力を分けている場合、入力ごとに設定が保持されるか確認する
PC側でも「HDRはゲーム時だけ」など、切り替えルールを固定する
このように運用を決めておくと、設定迷子になりにくいです。
LGゲーミングモニターのゲーム機能を正しく使う
DASモードの考え方と設定手順
DAS(Dynamic Action Sync)は、入力遅延を抑える目的の機能として搭載されていることが多いです。体感差が出やすいのは、反応速度が重要なジャンル(FPS、格闘、音ゲーなど)です。
使い分けの目安
FPS・格闘・音ゲー:オン推奨
RPG・映画・作業:好みで問題ありません(違和感がなければオンでも可)
設定手順(OSDの目安)
OSDメニューを開きます
ゲーム系の設定項目へ移動します
DASモードをオン/オフで切り替えます
注意点として、機種によっては特定モード(HDRや特定の画質モード)で一部項目が固定化されることがあります。オンにできない場合は、いったん画質モードを標準に戻して確認すると切り分けしやすいです。
ブラックスタビライザーの調整手順
ブラックスタビライザーは、暗部の視認性を上げるための機能です。ただし、使い方を誤ると「画面全体が白っぽい」「黒が締まらない」「映像が薄い」と感じやすくなります。重要なのは「暗部だけを救う」ように調整することです。
調整の基本ルール
いきなり大きく動かさない(1段階ずつ)
暗部が多いシーンで調整する
白っぽさが出たら戻す
おすすめの調整手順
ゲーム内で暗い場面(屋内、洞窟、夜、影が濃い場所)を表示します
ブラックスタビライザーを1段階上げます
「敵や物陰が見えるようになったか」を確認します
さらに必要ならもう1段階上げます
画面全体が白っぽく感じたら、1〜2段階戻します
ありがちな失敗例と対処
失敗例:暗部は見えるが全体が灰色で疲れる
対処:ブラックスタビライザーを下げ、明るさを微調整して折衷点を探します
失敗例:暗部が見えないのに上げても改善しない
対処:ガンマやPC側のダイナミックレンジ、ゲーム内の明るさ設定を確認します
ブラックスタビライザー“だけ”で解決しようとすると限界があるため、周辺設定とセットで調整するのがポイントです。
応答速度設定の選び方
応答速度(Overdrive)は「動きの輪郭をはっきりさせる」方向に効きますが、強くしすぎると逆効果になります。初心者の方が最もハマりやすいポイントでもあります。
応答速度の副作用(必ず理解しておくべき点)
強くするほど残像は減りやすい
しかし強すぎると、輪郭の前後に白い影や色ズレが出る(逆残像)
逆残像が出ると、視認性が落ちたり、目が疲れたりします
おすすめの選び方(再現しやすい手順)
応答速度を「中」に設定します
デスクトップでウィンドウを素早く動かす、スクロールする
ゲーム内で視点を左右に振り、輪郭の崩れや白い影を確認します
残像が気になるなら「高速」に上げます
逆残像が出たら、1段階下げて戻します
「最速にすれば勝てる」という単純な話ではありません。最終的には「自分が違和感なく追える設定」が勝ちやすい設定です。
VRR FreeSyncとG-SYNC Compatibleの設定
VRR(可変リフレッシュレート)は、フレームレートが変動する場面で、ティアリング(画面のズレ)やカクつきを減らす方向に効きます。FPSでもRPGでもメリットが出ますが、環境によっては副作用としてチラつきが出ることがあります。
基本方針
基本はVRRオン推奨(安定しているならオンが快適です)
チラつきが気になる場合は、VRRをオフにして症状が消えるかで切り分けます
VRRがうまく効かないときのチェックポイント
モニター側:FreeSync/VRRがオフになっていないか
GPU側:G-SYNC/FreeSyncが有効化されているか
接続:適切な端子・ケーブルか(変換アダプタで不具合が出ることがあります)
ゲーム側:フルスクリーン/ボーダーレス等のモードで挙動が変わる場合があります
VRRは「オンにするだけで終わり」ではなく、環境要因が多い設定です。違和感が出たら、オンオフで原因の切り分けを行うのが最短です。
PS5やSwitchでLGゲーミングモニターを最適化する
PS5で120HzとVRRを有効化する手順
PS5で120HzやVRRを有効にするには、以下の条件がすべて揃う必要があります。どれか1つ欠けると「設定が出ない」「120Hzにならない」という状態になります。
まず押さえるべき条件
モニターが120Hz入力に対応している
PS5の映像設定が適切になっている
接続が適切(HDMI側)になっている
プレイするゲームが120Hzモードに対応している
切り分けしやすいチェック手順
PS5の設定で映像出力関連(解像度・120Hz出力・VRR)を確認します
モニターの入力がPS5を挿しているHDMIになっているか確認します
ゲーム内に「120Hzモード」「パフォーマンスモード」等があるか確認します
可能なら、別の120Hz対応ゲームでも同様に検証します(ゲーム依存の切り分け)
「PS5側では120Hz自動にしたのに反映されない」という場合、ゲーム内が未設定であるケースも多いため、ゲーム設定まで必ず確認するのが重要です。
HDRを使うときの注意点
PS5やPCでHDRを使う場合、以下の点に注意すると失敗が減ります。
HDRが「暗い」「白飛びする」と感じる主な理由
HDRのトーンマッピングが環境に合っていない
モニターの明るさ・コントラスト・ガンマがHDR向けではない
部屋が明るいのに、HDRのピーク輝度が足りず暗く感じる
HDRと特定の画質モードの相性が悪い
安定運用のおすすめ
HDRは「HDRコンテンツのときだけオン」にする
まずSDRで見やすい基準を作り、HDRは別枠で調整する
HDRをオンにするとOSD項目が固定化される場合があるため、戻せるように「変更前の値」をメモする
HDRを常用して違和感がある場合は、無理に使い続けるより「必要なときだけ」使う方が満足度が上がりやすいです。
音声出力とHDMI周りのよくある落とし穴
モニター周りで意外と多いのが、音声の扱いと入力切替の混乱です。
音声の落とし穴
モニターにスピーカーがない(または品質が期待と違う)
イヤホンジャックはあるが、機器側で出力先が別になっている
HDMIで音が出る前提で組んでいるが、実際は別出力が必要
PS5の場合は、音声をコントローラーやヘッドセットに出している設定になっていることもあります。モニター側だけでなく、PS5側の音声出力先も確認すると解決しやすいです。
HDMI入力切替で映らないとき
入力が自動切替になっており、意図しない入力に飛んでいる
ケーブルの抜き差しで一時的にハンドシェイクが崩れている
省電力設定やスリープ復帰で認識が不安定になっている
対処としては「入力を手動固定する」「一度電源を切って入れ直す」「別ポートに挿し替える」など、物理的な切り分けが効果的です。
LGゲーミングモニターのトラブルシューティング
ここからは、よくある症状別に「原因の候補」と「切り分けの順番」を整理します。トラブル対応で最も大切なのは、やみくもに設定を変え続けないことです。
おすすめは「原因を1つずつ潰す」「変更前の値を残す」「段階ごとに戻れる状態にする」の3点です。
高リフレッシュレートが選べない
代表的な原因は次の通りです。
| 症状 | 主な原因 | 優先して試す対処 |
|---|---|---|
| 144Hz/165Hzが表示されない | Windows側が60Hz固定 | 詳細表示設定で最大Hzを選ぶ |
| 最大Hzが候補に出ない | 端子/ケーブル/変換の問題 | DPへ変更、ケーブル交換、変換排除 |
| ゲームだけHzが低い | ゲーム内設定が別 | ゲームの表示設定を確認 |
| VRRオンで不安定 | VRRと環境の相性 | VRRオフで安定するか確認 |
切り分けのコツは、まず「デスクトップで最大Hzが出るか」を確認することです。デスクトップで出ないなら、ゲーム以前に接続・OS・ドライバ側の問題である可能性が高いです。
暗い場面が見えない、白っぽい
この症状は、以下の要因が複合して起きやすいです。
明るさが低すぎる(暗室向けの設定のまま)
ブラックスタビライザーが低すぎる(暗部が潰れている)
逆にブラックスタビライザーが高すぎる(白っぽい)
GPU側のダイナミックレンジがリミテッド(黒が薄い)
HDR常用でトーンが合っていない
おすすめの切り分け順
HDRをいったんオフにしてSDR基準に戻す
明るさを部屋に合わせて調整する
ブラックスタビライザーを1段階ずつ調整する
それでも白っぽい場合はGPU側の出力設定(レンジ等)を確認する
「白っぽいからコントラストを上げる」という対応は、白飛びを増やすことがあるため、先にブラックスタビライザーとレンジの確認をおすすめいたします。
残像が増えた、逆残像が出る
残像系は、応答速度設定が原因であることが多いです。
残像が気になる:応答速度を1段階上げる
逆残像が出る:応答速度を1段階下げる
また、以下も影響します。
VRRオン時に特定のフレームレート帯で見え方が変わる
ゲーム内のモーションブラー設定がオンになっている
画面のシャープネス過多で輪郭が不自然に見える
まずは「応答速度」と「ゲーム内モーションブラー」を切り分けるのが最短です。
VRRが有効にならない
VRRは有効化箇所が複数あるため、どこか1つがオフでも動きません。
チェックリスト
モニターOSDでFreeSync/VRRがオン
GPU側でG-SYNC/FreeSyncがオン
接続端子・ケーブルが適切
変換アダプタを使っていない(または相性がない)
ゲームがフルスクリーン/ボーダーレスで挙動が異なる可能性を理解している
切り分けとしては、VRRをオンにして不具合が出る場合も、オフにして改善する場合もあります。どちらにしても「オン/オフの挙動差」を確認すると原因に近づけます。
文字がにじむ、推奨解像度が見当たらない
この症状は、モニター故障よりも設定問題の可能性が高いです。
原因になりやすいもの
解像度がネイティブではない
スケーリング(拡大縮小)が不適切
GPUスケーリングが入っている
シャープネスや特殊な画質補正が強い
HDMIで色形式が変わり、文字がにじんで見えることがある
対処のおすすめ順
解像度を「推奨」に戻す
拡大縮小を標準付近(例:100%〜150%)で試す
シャープネスを標準に戻す
GPU側のスケーリング設定を標準へ戻す
可能ならDP/別ケーブルで再確認する
「推奨解像度が見当たらない」場合は、GPUドライバの更新や、接続の認識が正しくない可能性もあります。まずはドライバ更新と再起動、別ポートでの再認識を行うと改善することがあります。
初期設定チェックリスト
最後に、この記事の内容を「最初にやるべき順」にまとめます。迷ったら、このチェックリストに戻るのが確実です。
推奨解像度(ネイティブ)になっている
Windowsでリフレッシュレートが最大値になっている
PCは可能ならDisplayPort、PS5は目的に合うHDMI入力を使っている
ケーブルは規格準拠のものを使い、変換を避けている
応答速度は最速固定にせず、中〜高速で逆残像が出ない範囲にしている
ブラックスタビライザーは上げすぎず、暗部が見える最小限で止めている
VRRは安定するならオン、チラつくならオフで切り分けしている
HDRは常用せず、必要なときだけ使う運用にしている
変更前の値をメモし、戻せる状態で調整している
よくある質問
DASモードは常にオンで良いですか
FPSや格闘、音ゲーなど、入力遅延が気になる用途ではオンが向きます。一方で、映画や作業では体感差が小さいため、違和感がなければオンでも問題ありません。迷う場合は「ゲーム時のみオン」にしておくと運用が安定します。
ブラックスタビライザーは上げるほど有利ですか
上げすぎると画面全体が白っぽくなり、逆に見づらくなることがあります。暗部が見えるようになった最小限のポイントで止め、白っぽさが出たら1〜2段階戻す調整が安全です。
応答速度を最速にすると何が起きますか
残像が減る方向に効きますが、逆残像(輪郭の前後に白い影が出る等)が発生しやすくなります。多くの場合は「中〜高速」がバランスがよく、最速固定はおすすめしにくいです。
HDRはオンにした方がきれいですか
HDR対応コンテンツでは効果がありますが、常時オンにすると暗さや白飛び、色の違和感を感じる場合があります。基本は「HDR対応コンテンツ時のみオン」にする運用が無難です。
PS5で120Hzが出ない原因は何ですか
モニターの対応、PS5側設定、接続(HDMI側)、ゲーム側の120Hz対応のいずれかが不足していることが多いです。切り分けとしては「別の120Hz対応ゲームでも同じか」「デスクトップや別機器で高Hzが出るか」を確認すると原因に近づきます。
UltraGear Control Centerは必須ですか
必須ではありません。OSDだけでも設定は完結します。ただし、対応モデルではプロファイル管理や切り替えが楽になる場合があるため、運用を簡単にしたい方には有用です。
まとめ
LGゲーミングモニターの設定は、最初に「接続」「解像度」「最大リフレッシュレート」を固めるだけで体感が大きく改善します。そのうえで、用途別テンプレート(FPS向け・RPG/映画向け・仕事兼用)に沿って、応答速度とブラックスタビライザーを“やり過ぎない範囲”で調整するのがポイントです。VRRとHDRは快適さを伸ばせる反面、環境によって副作用が出ることがあるため、オン/オフで切り分けしながら採用すると失敗が減ります。
最後に、設定は一度で完成させる必要はありません。変更前の値を控え、段階的に調整し、違和感が出たら「標準に戻す→一項目ずつ確認」の手順で整えると、最短で理想に近づけます。