仕事や家事の合間に、気づけばマグカップの紅茶が何杯目――。
その日の夜に「寝つけない」「動悸がする」「胃がムカつく」「お腹がゆるい」といった不調が出ると、「これって紅茶の飲み過ぎ?」と不安になりますよね。
本記事では、紅茶の“飲み過ぎライン”を「杯数」ではなくカフェイン量(mg)とマグ換算、さらに他の飲み物との合算で分かりやすく整理します。加えて、今日すぐできる対処、受診を考えるサイン、そして**明日から無理なく整える飲み方(時間帯・濃さ・置き換え)**まで、迷わず行動できる形でまとめました。
妊娠中・授乳中、胃が弱い、貧血が気になる、腎臓や結石が心配といった「条件がある方」も、自分の状況に合わせて安全に調整できる内容です。
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紅茶の飲み過ぎは何杯から起こりやすい
杯数よりカフェイン量で考えると迷いが減る
「紅茶は1日何杯まで?」という疑問に、いきなり“杯数”で答えるのは実は難しいです。理由は単純で、同じ1杯でも次の要素で体に入るカフェイン量が変わるからです。
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カップの大きさ(ティーカップか、マグか)
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濃さ(茶葉の量、抽出時間)
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その日に飲んだ他のカフェイン(コーヒー、緑茶、エナジードリンク、市販薬など)
まず前提として、国際機関の整理では、健康な成人は1日400mgまでのカフェイン摂取は一般に安全性の懸念が少ないとされています。妊娠中・授乳中は1日200mgまでが目安です。
ここで重要なのは、紅茶だけでなく“1日の合算”で見積もることです。農林水産省も、妊婦・授乳婦や服薬中の人は影響を受けやすい場合があるため、かかりつけ医に相談することを推奨しています。
公的データで見る紅茶のカフェイン量(マグ換算まで)
厚生労働省のQ&Aでは、文部科学省の成分表に基づく目安として、紅茶(浸出液)は100mLあたり30mgと示されています。さらに、浸出条件(茶5gを熱湯360mLで1.5〜4分)が明記されています。
この「100mLあたり30mg」を生活に直すと、ざっくり以下の計算になります。
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ティーカップ200mL:約60mg
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マグカップ300mL:約90mg
もちろん濃さや抽出時間で上下しますが、目安としては非常に使いやすい基準です。
飲み物別の目安(100mL換算)で“合算”を作る
同じ厚労省Q&Aでは、代表的なお茶の目安も並んでいます(浸出条件つき)。
| 飲み物(浸出液) | カフェイン目安(mg/100mL) | 200mL換算 | 300mL換算 |
|---|---|---|---|
| コーヒー(レギュラー) | 60 | 120 | 180 |
| 紅茶 | 30 | 60 | 90 |
| 煎茶 | 20 | 40 | 60 |
| ほうじ茶 | 20 | 40 | 60 |
| ウーロン茶 | 20 | 40 | 60 |
| 玄米茶 | 10 | 20 | 30 |
※数値は目安で、浸出条件により変わります。
この表を使うと、「今日はマグの紅茶2杯(約180mg)+コーヒー200mL(約120mg)=合計約300mg」のように、頭の中で素早く合算できます。
妊娠中・授乳中は“200mg/日”を上限の軸にする
妊娠中・授乳中は、カフェイン摂取を200mg/日以下に抑える目安が、NHS(英国の公的医療情報)でも示されています。
厚労省Q&Aでも、海外の助言として「妊娠した女性に対して1日200mgに制限する」旨が紹介されています。
迷う場合は「午後以降はノンカフェイン中心」「紅茶は小さめのカップで」「コーヒーやチョコも合算」といった守り方が現実的です。
紅茶を飲み過ぎたときに出やすい症状と原因
「飲み過ぎたかも」と感じるとき、体はわりと正直です。ここではよくある症状を、“なぜ起こるか”とセットで整理します。なお、症状が強い、長引く、別の原因が疑われる場合もあるため、自己判断で我慢しないことが大切です。
不眠・寝つきが悪い・眠りが浅い
カフェインには覚醒作用があるため、夕方〜夜に摂ると寝つきや睡眠の質に影響が出やすくなります。食品安全委員会のファクトシートでは、就寝直前のカフェイン摂取が一部の成人で睡眠障害を引き起こす可能性がある旨が整理されています。
「夜だけ控えているつもりでも、夕方のマグ紅茶が効いている」ことはよくあります。
動悸・ソワソワ・不安感・手の震え
カフェインは中枢神経を刺激するため、体質によっては動悸、不安感、震え、落ち着かなさを感じることがあります。食品安全委員会でも、過剰摂取時の急性作用として心拍数増加などが示されています。
睡眠不足やストレスが重なると体感が増幅することもあります。
胃のムカつき・吐き気・胃痛・胸やけ
紅茶で胃が荒れやすい人は、次の条件が重なると症状が出やすくなります。
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空腹で濃い紅茶を飲んだ
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短時間に連続で飲んだ
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胃が弱っている(寝不足、ストレス、食生活の乱れ)
胃の不快感は、カフェインの刺激や、紅茶の成分による影響など複合的で、個人差が大きい領域です。ここは「量」よりも先に「飲むタイミング(空腹を避ける)」と「濃さ」を見直すと改善しやすいです。
下痢・腹痛
カフェインの刺激でお腹がゆるくなる人もいます。特に、冷たい紅茶を短時間に多量に飲む、空腹で飲む、体が疲れている、こうした状況で起きやすい傾向があります。
妊娠中:摂り過ぎは合併症リスクに関係しうる
妊娠中のカフェインについて、NHSは「1日200mg以下」を推奨し、これを超える習慣が妊娠合併症リスク(低出生体重など)につながりうる旨を案内しています。
EFSAの説明資料でも、妊娠・授乳中は200mg/日までが安全性懸念を生じない摂取量として示されています。
腎臓・結石が心配:大量摂取の継続は避ける
農林水産省は、カフェイン摂取に関する情報整理の中で、妊婦・授乳婦や服薬中の人などは影響を受けやすい場合があるとし、医師相談を推奨しています。
腎機能に不安がある場合は、紅茶を“水分補給の主役”にして大量摂取を続けるより、水を中心にしつつ嗜好品として適量にとどめるほうが安全です。
今日できる対処と、受診を考えるサイン
「飲み過ぎたかも」と感じた日の過ごし方は、翌日の体調に影響します。ここは行動を固定しておくと迷いません。
まずやることチェックリスト(最短で落ち着かせる)
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その日は追加のカフェインを中止(紅茶・コーヒー・エナジードリンク・カフェイン入り薬を含む)
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水や白湯などで水分を少しずつ補給(一気飲みは避ける)
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胃が気持ち悪いなら空腹を避ける(消化に負担の少ないものを少量)
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動悸・不安があるなら安静+深呼吸、刺激(運動・仕事の追い込み)を止める
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眠れないなら照明を落とし、スマホ刺激を減らす
ポイントは「その日これ以上悪化させない」ことです。カフェインは“追いカフェイン”で波が増えることがあります。
症状別:今日のセルフケア
不眠がつらい
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眠ろうと頑張りすぎず、照明・室温・音の刺激を減らす
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翌日に響くため、夜更かしの連鎖を断つ(寝床に入る時刻だけは守る)
動悸・震えがある
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まず座る/横になる
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胸が苦しい、痛い、息がしづらい場合は無理に我慢しない
胃のムカつき・吐き気
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濃い飲み物、脂っこいもの、刺激物を避ける
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可能なら白湯、消化のよい食事へ
下痢・腹痛
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冷たい飲み物を控え、温かい水分へ
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脱水を避ける(少量頻回)
受診を検討したい目安(迷いやすいポイントを具体化)
以下のような症状がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。
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自分で水分がとれないほど吐いている
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心臓のドキドキが激しく、胸が痛い
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手足の震えが止まらない
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意識がぼんやりする、普段と違う
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カフェイン錠剤や高カフェイン飲料を短時間に大量摂取した(症状が軽くても急変することがある)
妊娠中・持病がある・薬を飲んでいる場合は、同じ症状でも早め相談が安心につながります。
明日からの飲み方を整えるコツ(我慢ではなく設計で減らす)
「紅茶をやめなきゃ」と思うほど、反動で続きません。現実的に成功しやすいのは、時間帯→濃さ→量の順に整えることです。
まず時間帯を動かす(これが一番効く)
不眠や動悸がある人は、まずここを変えるだけで改善することが多いです。
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紅茶は午前〜昼過ぎに寄せる
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夕方以降はノンカフェイン(ハーブティー、麦茶、白湯など)へ
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「仕事の区切りの一杯」を、紅茶以外の温かい飲み物に置き換える
食品安全委員会の整理でも、カフェイン摂取は睡眠に影響しうるため、とくに就寝近くは注意が必要です。
次に濃さを下げる(杯数はそのままでも体感が変わる)
同じマグ2杯でも、“濃い2杯”と“薄い2杯”では体感が変わります。
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抽出時間を短くする(まずはいつもより30〜60秒短く)
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茶葉を減らす
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2杯目は同じ茶葉で“薄め”にする
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マグなら途中でお湯を足して調整する
合算を前提に“その日の上限”を決める
健康な成人の目安が1日400mgだとしても、毎日ギリギリまで攻める必要はありません。
また妊娠中・授乳中は200mgを目安に、より余裕を持たせるほうが安心です。
例:デスクワーカーの現実的な上限設計(目安)
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コーヒー200mLを飲む日:紅茶(マグ300mL)は1杯までにする(合算約210mg)
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紅茶をマグ2杯飲む日:コーヒーはなし/午後は煎茶やノンカフェインへ
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夜に飲みたくなる日:昼までに紅茶を寄せ、夜は置き換える
「今日は何を飲む日か」を朝に決めてしまうと、迷いが減ります。
減らし方の具体例(1週間プラン)
いきなりゼロにすると、習慣や体質によっては頭痛やだるさを感じる人もいます。ここでは“生活を崩さず減らす”ことを優先した、1週間の調整例を示します。
| 日程 | 目的 | やること(チェック) |
|---|---|---|
| Day1 | 現状把握 | □ 今日は紅茶・コーヒーの杯数と時間帯をメモする |
| Day2 | 夜を置き換え | □ 夕方以降の1杯をノンカフェインに置き換える |
| Day3 | マグの濃さ調整 | □ 抽出時間を短くする/薄める |
| Day4 | 合算設計 | □ コーヒーを飲む日は紅茶を1杯減らす |
| Day5 | 量の調整 | □ マグ→小さめカップへ(容量を下げる) |
| Day6 | 休む日を作る | □ “紅茶少なめの日”を固定(週1回でもOK) |
| Day7 | 自分の最適化 | □ 眠り・胃・動悸の変化を見て継続ルール化 |
「夜の置き換え」さえ定着すると、睡眠の質が上がり、日中の“追いカフェイン”が減る好循環が起きやすくなります。
体質・状況別に気をつけたいポイント
妊娠中・授乳中:200mg/日を軸に、午後は控えめに
妊娠中・授乳中は、カフェイン摂取を1日200mg以下にする目安が示されています。
目安を守りつつ楽しむコツは次の通りです。
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紅茶は午前〜昼に
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コーヒー、チョコ、コーラなども合算
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夜はノンカフェインに寄せる
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不安が強いときは数値より「できるだけ減らす」に寄せてもよい(ストレスを増やさない)
胃が弱い:空腹で濃い紅茶を避け、食後か薄めから
胃のムカつきが出る人は、いきなり杯数を減らすより、次の順で試すと失敗が少ないです。
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空腹で飲まない(食後に回す)
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濃さを下げる(抽出短め、薄め)
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量を減らす(マグ→小カップ)
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夕方以降は置き換える
「胃がつらい日に無理に飲まない」も立派な調整です。
不眠が気になる:夕方以降は“基本ノンカフェイン”にする
睡眠が崩れると、翌日さらにカフェインが増える悪循環になりがちです。食品安全委員会の整理でも、就寝近くの摂取は睡眠に影響する可能性が示されています。
まずは「夕方以降はノンカフェイン」を2週間続け、変化を見てください。
腎臓・結石が心配:嗜好品として適量に、医師相談を視野に
農林水産省は、妊婦・授乳婦、服薬中の人などはカフェインの影響を受けやすい場合があるため、医師へ相談することを推奨しています。
腎臓に不安がある場合は、紅茶を大量に飲む習慣を続けるよりも、水分補給は水中心にし、紅茶は“楽しむ量”に留めるのが安心です。
よくある質問
紅茶は1日何杯までが無難ですか?
目安は「杯数」より「カフェイン量(mg)」で考えるのが確実です。健康な成人は1日400mg、妊娠・授乳中は1日200mgが目安として示されています。
紅茶は100mLあたり30mgが目安なので、マグ300mLで約90mgとして合算してください。
寝る何時間前から控えるべきですか?
個人差はありますが、寝つきが悪いなら「夕方以降は避ける」から始めるのが現実的です。就寝近くのカフェイン摂取が睡眠に影響しうることは整理されています。
空腹で紅茶を飲むと気持ち悪くなるのはなぜ?
空腹時は胃が刺激を受けやすく、濃い飲み物や短時間の連続摂取でムカつきが出る人がいます。対策は「食後」「薄め」「量を減らす」の順で試すのがおすすめです。
デカフェなら夜に飲んでも大丈夫ですか?
デカフェはカフェインが少ない一方、ゼロではない場合があります。夜の置き換えなら、より安心なのはノンカフェインです。妊娠中は200mg/日の上限を軸に、合算で管理してください。
受診するか迷うときの目安は?
水分がとれないほど吐く、胸痛を伴う強い動悸、震えが止まらない、意識がぼんやりする等があれば早めに相談してください。
参考にした情報源
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厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html
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食品安全委員会「食品中のカフェイン(ファクトシートPDF)」https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf
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EFSA(欧州食品安全機関)「Caffeine(説明資料PDF)」https://www.efsa.europa.eu/sites/default/files/corporate_publications/files/efsaexplainscaffeine150527.pdf
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EFSA Journal「Scientific Opinion on the safety of caffeine(2015)」https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/j.efsa.2015.4102
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農林水産省「カフェインの過剰摂取について」https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html
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NHS(英国公的医療情報)「Foods to avoid in pregnancy(Caffeine)」https://www.nhs.uk/pregnancy/keeping-well/foods-to-avoid/
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文部科学省 食品成分データベース(紅茶/浸出液・出典:日本食品標準成分表)https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=16_16044_7&MODE=0