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公正証書遺言は死亡したら何をする?最初の30日ロードマップと謄本取得の全手順

家族が亡くなった直後は、葬儀や役所の手続きで頭がいっぱいになります。そんな中で「公正証書遺言があるはず」と聞かされても、手元に見当たらなかったり、誰が何から動けばよいのか分からなかったりして、相続の初動で止まってしまう方が少なくありません。
公正証書遺言は検認が不要で進めやすい一方、謄本の取得、遺言執行者の有無による進め方の違い、相続税10か月・相続登記3年といった期限の管理を押さえないと、思わぬ手戻りや家族間の混乱につながります。
本記事では、死亡後すぐにやるべきことを「最初の30日ロードマップ」として整理し、謄本請求の具体手順(郵送を含む)、手続きの全体像、詰まりやすいポイントの回避策まで、順番通りに解説します。読み終えたときに「今日やること」と「期限までの段取り」が明確になり、家族にも説明できる状態を目指します。

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目次

公正証書遺言で死亡後にまずやることは3つ

最初の30日でやることは、突き詰めると次の3つです。

  1. 公正証書遺言の謄本(または正本)を入手し、内容を確認する

  2. 遺言執行者の有無を確定し、手続きの窓口を一本化する

  3. 期限のある手続(相続税10か月、相続登記3年)から逆算して、全体計画を作る

「公正証書遺言=検認不要でラク」と言われることがありますが、実際は“スタートが早く切れる”という意味に近いです。つまり、早く着手できるぶん、早く整えるべき書類や段取りがはっきりします。ここからは、迷いやすいポイントを先回りしながら、順番に解説します。

よくある混乱は手元に遺言がないこと

公正証書遺言は、原本が公証役場(公証人の事務)に保管される仕組みです。そのため、故人の自宅から遺言書が見つからないことは珍しくありません。自筆証書遺言のように「紙が出てこない=存在しない」とは限らないのが、公正証書遺言の特徴です。

逆にいえば、遺言の内容を確定させるには、謄本の取得が必要になります。相続手続きは、内容が確定しないと前に進みません。まずは「入手できる状態を作る」ことが最初のゴールです。

検認不要でも書類は必要になる

公正証書遺言は家庭裁判所の「検認」が不要です。しかし、検認が不要だからといって、金融機関や法務局の手続きが自動的に進むわけではありません。

多くの手続きでは、次のような書類が必要になります。

  • 故人が亡くなったことが分かる戸籍(除籍謄本等)

  • 相続人の関係が分かる戸籍

  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)

  • 印鑑証明書(求められる場面が多い)

  • 遺言書(公正証書遺言の正本・謄本の写し)や、各機関所定の申請書

この「必要書類の収集」を、30日以内に着手できるかどうかで、以後の負担が大きく変わります。


公正証書遺言は死亡後すぐ効力が生じるが油断は禁物

公正証書遺言は、公証人が関与して作られ、原本も保管されるため、形式面のトラブルが比較的起こりにくいのが利点です。死亡後は、検認を待たずに手続きを開始できます。

ただし、次の点は誤解されがちです。

  • 検認不要=「揉めない」ではない

  • 検認不要=「書類が要らない」ではない

  • 公正証書遺言=「どんな内容でも通る」ではない

遺言は「意思を残す道具」である一方で、相続人の生活や感情に直結します。遺留分など、内容面で争いが起きる可能性は残ります。だからこそ、初動で「期限に関わる作業」と「感情の調整が必要な作業」を切り分けるのが重要です。

自筆証書遺言との違いを表で整理

相続手続きの入り口で混乱しないよう、遺言の代表的な形を比較します。

項目 公正証書遺言 自筆証書遺言(自宅保管) 自筆証書遺言(法務局保管)
検認 不要 原則必要 不要
原本の保管 公証役場に保管 自宅等で保管 法務局で保管
紛失・変造リスク 低い 相対的に高い 低い
死亡後の初動 謄本取得→手続き開始 検認→手続き開始 証明書取得→手続き開始
詰まりやすい点 謄本請求(どこに?誰が?) 発見・保管場所、検認 申請先や必要書類

公正証書遺言は、検認不要のメリットが大きい反面、「どの公証役場に保管されているか」が分からないと詰まりやすいのが特徴です。次章で、ここを具体的に潰します。


公正証書遺言の正本や謄本を取得する手順

相続手続きの成功率を上げる最大のコツは、「遺言の内容を確定させるスピード」です。遺言の内容が確定すれば、金融機関・不動産・保険・税の動きが一気に現実的になります。

ここでは、謄本取得の具体手順を「窓口」「郵送」「詰まりポイント」まで整理します。

まず確認する:正本・謄本・原本の違い

  • 原本:公証役場に保管される“元の文書”。通常、相続人が直接触れるものではありません。

  • 正本:原本と同一の効力をもつ公証人作成の文書。遺言者が保管していることがあります。

  • 謄本:原本の写し。相続手続きの現場では謄本(または正本の写し)を提示して進めることが多いです。

遺言者の自宅から正本が見つかる場合もありますが、「見つからないことが多い」前提で、謄本取得のルートを確保しておくと安心です。

請求できる人と必要書類の目安

公正証書遺言の謄本は、公証役場に請求できます。請求できる人の代表例は、相続人、受遺者、遺言執行者などです。実務的には、相続人が動くケースが最も多いでしょう。

必須になりやすい書類(基本セット)

  • 謄本請求書(押印要否は本人確認の方法による)

  • 遺言者が死亡した事実を証明する書類(除籍謄本等)

  • 遺言者の相続人であることを証明する戸籍謄本

  • 謄本請求者の本人確認書類(顔写真付き身分証、または印鑑登録証明書等)

この「基本セット」を先に揃え、保管公証役場へ連絡したうえで請求すると手戻りが減ります。

よくある詰まりポイント:本人確認

郵送請求の場合、本人確認の運用が厳格で、提出書類によっては追加確認が入ることがあります。ここで詰まると、全体のスケジュールが遅れます。迷ったら「保管公証役場に先に相談」し、必要書類の最終確認を取るのが安全です。

公証役場が分からないときの探し方

「どこの公証役場で作ったか分からない」ケースは非常に多いです。探し方は、当てずっぽうではなく、次の順番で確度を上げていくのが現実的です。

ステップ1:手元資料から当たりを付ける

  • 金庫・重要書類ファイル・保険証券の束

  • 終活ノート、エンディングノート、手帳

  • 公証役場名のメモ、封筒、電話番号の控え

  • 司法書士・弁護士・税理士の名刺や契約書

ステップ2:関係者から情報を得る

  • 遺言執行者に指定されていそうな人

  • 生前に相談していた親族

  • 出入りしていた士業(遺言作成をサポートしていることがあります)

ステップ3:生活圏から推測して照会する

公正証書遺言は、遺言者がアクセスしやすい公証役場で作成されることが多いです。以下を手がかりに照会先を絞ります。

  • 亡くなった方の自宅(住所地)周辺

  • 入院していた病院周辺(出張作成の可能性)

  • 介護施設や老人ホーム周辺

  • かつて長く住んでいた地域

  • 主な資産(不動産所在地)が集中している地域

この段階で重要なのは、複数の公証役場へ同時に当たる前に、情報を整理して“最初の照会先”を絞ることです。照会の仕方や必要情報は役場ごとに異なるため、電話で相談しながら進めると現実的です。

郵送で取得する場合の注意点

遠方の場合や平日に動けない場合は、郵送で謄本請求が可能です。郵送請求は便利ですが、次の点でつまずきやすいので、事前にチェックしてください。

  • 書類の原本提出が必要か、コピー可か

  • 本人確認の方法(身分証の種類、追加確認の有無)

  • 返信用封筒や手数料の支払い方法

  • 取得までの日数(急ぐ場合は相談)

相続税や登記の期限があるため、謄本取得が遅れると後工程がすべて押されます。「郵送=ラク」ではなく、「郵送=丁寧に準備して最短で通す」と考えるのがコツです。


公正証書遺言がある相続手続きの流れは執行者で変わる

公正証書遺言がある場合の手続きは、ざっくり言うと次の流れです。

  1. 遺言(謄本)を取得し、内容と関係者を確定

  2. 遺言執行者の有無を確認し、窓口を決める

  3. 財産と負債の全体像を把握(目録化)

  4. 金融機関・保険・不動産の名義変更や解約などを実行

  5. 相続税の要否判断→必要なら10か月以内に申告・納税

  6. 不動産があるなら相続登記(原則3年以内)

最大の分岐は「遺言執行者がいるかどうか」です。ここを曖昧にしたままだと、各所の手続きが止まりやすくなります。

役割分担を表で整理:執行者あり/なし

項目 遺言執行者がいる 遺言執行者がいない
手続きの窓口 執行者が基本窓口 相続人代表(窓口役)を決める
金融機関対応 執行者が中心に進めやすい 相続人全員の協力が必要になりやすい
不動産の手続き 執行者主導で進めやすい 相続人の意思統一が重要
詰まりやすい点 執行者の連絡・就任確認 窓口不在、書類収集の分担崩れ
最初に決めること 執行者に連絡し進め方を確認 相続人代表を決め、役割分担表を作る

どちらの場合でも共通して重要なのは、窓口が一本化されていることです。金融機関や役所は、同じ話を複数人が別々に聞くと、必要書類が食い違い、やり直しが増えます。

遺言執行者がいる場合の流れ(具体)

  1. 謄本を取得し、遺言執行者の指定を確認

  2. 執行者へ連絡し、就任の意思と進め方を確認

  3. 相続人へ遺言内容を共有し、手続き窓口を執行者に一本化

  4. 財産調査(預金、証券、不動産、保険、負債)を進め、目録化

  5. 金融機関・保険会社・証券会社へ必要書類を確認し、手続きを実行

  6. 不動産がある場合、相続登記の準備(固定資産税通知書、登記事項等)

  7. 相続税が必要なら、評価・特例の検討を含めて10か月期限に合わせる

執行者がいる場合、相続人の署名押印が必要な場面が減るケースもありますが、実務は案件ごとに異なります。早めに「どこで相続人の協力が必要か」を執行者とすり合わせると安心です。

遺言執行者がいない場合の流れ(具体)

  1. 謄本を取得し、遺言内容を相続人全員で確認

  2. 相続人代表(窓口役)を決める

  3. 役割分担(戸籍収集担当、金融機関担当、不動産担当、保険担当)を決める

  4. 財産調査と目録化を進める

  5. 金融機関・保険・証券・不動産の手続きを、窓口役が取りまとめて進める

  6. 相続税の要否判断→必要なら10か月以内に申告・納税

  7. 不動産があるなら3年以内に相続登記を申請

「執行者がいない」場合に最も起きやすい失敗は、窓口不在で情報が散らばり、期限のある手続きが遅れることです。代表者を決めるだけで、手続きの速度は大きく変わります。


公正証書遺言がある場合の初動30日ロードマップ

ここからは、実際に動くためのロードマップを提示します。目標は「30日で、遺言内容が確定し、窓口が決まり、期限から逆算した計画ができている」状態です。

死亡当日〜7日:手続きの土台を作る

  • □ 公正証書遺言の正本・謄本を探す(重要書類、金庫、終活ノート)

  • □ 見つからない場合、作成した公証役場の手がかりを整理する(メモ、名刺、封筒)

  • □ 相続人の候補を洗い出す(配偶者、子、兄弟姉妹など)

  • □ 遺言執行者の可能性がある人へ連絡(指定がありそうな場合)

  • □ 財産の当たりを付ける(通帳、証券口座、保険、借入、不動産)

  • □ 期限を把握する(相続税10か月、相続登記3年)

この段階では、金融機関へ急いで「解約」を申し込むより、まず“必要書類を聞く”ことが有効です。金融機関ごとに手続き書類が異なるため、一覧を取っておくと後で迷いません。

8日〜14日:謄本取得と窓口一本化

  • □ 保管公証役場へ連絡し、謄本請求に必要な書類を最終確認

  • □ 戸籍(除籍謄本等)と相続人関係の戸籍を取り寄せる

  • □ 謄本請求(窓口または郵送)を実行

  • □ 遺言執行者がいる場合:執行者を窓口に確定し、相続人へ共有

  • □ 執行者がいない場合:相続人代表(窓口役)を決め、役割分担表を作る

ここでのポイントは、「窓口が誰か」を家族内で言語化することです。曖昧にすると、同じ確認を何度も繰り返し、疲弊します。

15日〜30日:財産目録と期限逆算スケジュール

  • □ 財産と負債を一覧化(目録化)し、漏れを減らす

  • □ 不動産がある場合、登記事項や固定資産税通知書を確認

  • □ 相続税が必要になりそうか概算する(財産規模、特例の可能性)

  • □ 金融機関・保険・証券へ必要書類を揃え、手続きの段取りを組む

  • □ 税務(10か月)と登記(3年)を、カレンダーに落として逆算する

  • □ 揉めそうな点(遺留分、分配の偏り)が見えたら、期限作業と交渉を分離する

30日で「全部終える」必要はありません。30日のゴールは、終わらせるのではなく“終わる道筋を作る”ことです。これができると、以後のストレスが大幅に減ります。


公正証書遺言の期限と優先順位は逆算で管理する

相続手続きは量が多いだけでなく、期限がばらばらです。特に重要なのは次の2つです。

  • 相続税:10か月以内に申告・納税(必要な場合)

  • 相続登記:不動産を取得したことを知った日から3年以内(義務)

期限が近いものから、そして「遅れると不利益が大きいもの」から優先順位を付けます。

期限一覧表(実務で迷わないための最低限)

手続き 期限の目安 優先度 迷いやすいポイント
相続税の申告・納税 10か月 分割未了でも期限は延びない。評価に時間がかかる
相続登記(不動産) 3年(義務) 2024年4月施行の義務化。過去相続も対象になり得る
金融機関の名義変更・解約 期限は機関ごと 必要書類が金融機関ごとに違う
保険金請求 契約による 受取人が誰か、必要書類、時効の確認
年金・各種届出 期限は制度ごと 早めに窓口へ確認し漏れを防ぐ

「相続税がかかるか分からない」段階でも、概算と資料収集は早めに着手してください。申告が不要でも、判断が遅れると無駄な焦りが増えます。

相続税10か月:先に“要否判断”だけでも進める

相続税は全員にかかるわけではありません。しかし、かかる場合は準備が重く、期限も動きません。まずは次の順で考えると整理できます。

  1. 財産の全体像を把握(預金・証券・不動産・保険・負債)

  2. 概算で税が必要そうか当たりを付ける

  3. 必要そうなら、評価(特に不動産)に時間がかかるため早めに専門家へ相談

  4. 分割が揉めそうなら、期限作業と交渉を分離し、期限内申告の方針を先に決める

「揉めているから申告を遅らせる」は危険です。揉めていても期限は来ます。ここは“感情”と“期限”を分けて考えるのが鉄則です。

相続登記3年:後回しにしないための現実策

相続登記は、以前は「やった方がよいが放置されがち」な領域でした。しかし義務化により、放置がリスクになりました。不動産がある場合は、早めに次の準備をするとスムーズです。

  • 対象不動産を特定する(登記事項、固定資産税通知書)

  • 遺言で誰が取得するか確定する(謄本で確認)

  • 必要書類(戸籍、住民票、評価証明など)を一覧化し、収集計画を立てる

  • 手続きが難しい場合は司法書士へ依頼する(費用と時間の見積りも含めて)


公正証書遺言でも揉めるポイントと対処法は早めに分離する

公正証書遺言は形式的に強い一方で、揉めるとすれば内容面です。揉めやすい代表例は次のとおりです。

  • 遺留分の問題(配分が偏っている)

  • 財産の特定が曖昧(どの不動産か、どの口座か分かりにくい)

  • 相続人が非協力、連絡不能

  • 遺言執行者が亡くなっている、または動けない

  • 生前の意思能力が争点になりそう

対処の基本は、「期限のある作業」と「争点整理・交渉」を切り分けることです。期限作業を止めると、争いが長引いたときに被害が拡大します。

遺留分があるときの現実的な進め方

遺留分は、一定の相続人に最低限保障される取り分です。遺言で配分が偏っていると、遺留分請求(侵害額請求)につながる可能性があります。

ここでの現実的な進め方は次の3点です。

  1. まず財産を“見える化”し、数字で話せる状態にする

  2. 税・登記など期限作業は止めず、並走させる

  3. 交渉がこじれそうなら、早期に専門家へ相談し、当事者間の直接対立を避ける

感情でぶつかるほど長引き、結局コストが増えるのが相続の怖いところです。「話し合いの場」と「期限作業の場」を分けるだけで、疲労は大きく減ります。

無効や内容不明確が疑われるとき

公正証書遺言でも、内容の特定が曖昧だったり、財産状況が変わっていたりすると、解釈が難しくなることがあります。例えば「自宅を長男へ」と書いてあっても、自宅が複数ある、名義が違う、すでに売却済み、といったケースです。

この場合は、次の順で整理すると混乱が減ります。

  • 遺言の文言から対象を特定(地番、家屋番号、口座名義、支店名など)

  • 現在の資産状況を資料で確認(登記事項、残高証明、契約書等)

  • 判断が割れるなら、法的整理が必要になるため早めに専門家へ

相続人が非協力・連絡不能のとき

相続は「書類の協力」が必要になる場面が多く、非協力者がいると止まりやすいです。ここで重要なのは、無理に説得を続けて期限を落とさないことです。

  • 期限作業(税・登記・名義変更の準備)を先に進める

  • 連絡不能が続くなら、専門家に相談して選択肢(手続きの取り方)を整理する

  • 家族内の窓口を固定し、情報を一元管理する

遺言執行者が死亡したとき

遺言執行者が亡くなっていても、遺言の効力が消えるわけではありません。ただし、執行者が担うはずだった役割が空席になるため、手続きが詰まりやすくなります。

この場合は、手続きの状況に応じて、相続人間で窓口を決め直す、あるいは必要に応じて執行者に関する手続きを検討します。放置すると、金融機関や不動産の手続きが停滞しやすいので、早めに専門家へ相談するのが安全です。


よくある質問

公正証書遺言でも家庭裁判所に行くことはある?

公正証書遺言は検認が不要です。一方で、争いがある、手続きの判断が割れる、関係者の整理が必要など、別の理由で裁判所手続きが関係する可能性はあります。検認不要=裁判所と無縁、とは限りません。

遺言の内容と違う遺産分割はできる?

相続人全員の合意があれば、遺言と異なる分け方を選ぶこと自体はあり得ます。ただし、受遺者がいる場合や第三者が関係する場合、税務・登記の取り扱いが複雑になることがあります。変更を考えるなら、先に「期限作業」を落とさない計画を作り、必要に応じて専門家へ相談してください。

口座はいつ凍結される?払い戻しは?

多くの金融機関では、死亡の事実を把握すると口座取引が制限されることがありますが、運用は金融機関や取引内容で異なります。大切なのは「止まる前に引き出す」ではなく、「必要書類を確認し、手続きで動かす」準備です。早めに各金融機関へ連絡し、必要書類の一覧を取って戸籍収集と並行するのが安全です。

謄本取得にどれくらい日数がかかる?

公証役場の混雑状況、戸籍の取り寄せ状況、窓口か郵送かで変わります。いずれにせよ、相続税10か月や相続登記3年といった期限は動きません。遅れを取り戻すのは大変なので、「早めに請求の道筋を作る」ことが最も重要です。

相続税がかかるか分からない場合はどうする?

まずは財産の全体像を把握し、概算で要否判断をします。不動産評価や特例検討は時間がかかるため、必要になりそうなら早めに税理士へ相談すると安心です。「分からないから放置」が一番リスクになります。


まとめ:公正証書遺言は死亡後の初動30日で勝負が決まる

  • 公正証書遺言がある場合、検認を待たずに手続きを始めやすいのが大きな利点です。

  • ただし最初にやるべきことは明確で、①謄本(または正本)の入手、②遺言執行者の有無で窓口一本化、③期限(相続税10か月・相続登記3年)から逆算した計画作成の3つです。

  • 揉めそうな点が見えたら、期限のある作業と交渉を分離し、必要に応じて専門家へ切り替えるのが結果的に安全です。

相続は、正しい順番で進めれば「やることの積み上げ」にできます。最初の30日で道筋を作り、焦りを減らしながら一歩ずつ進めていきましょう。


参考情報