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【知恵袋で質問多数】選挙で「投票したい候補者がいない」ときの考え方と投票用紙の書き方|白票・無効票の基礎知識

選挙のたびに「どうしても入れたい候補者がいない」「結局、誰を選べばいいのか分からない」と悩んでしまうことは、多くの有権者にとって身近な迷いです。白票にするべきか、棄権するべきか、それとも「まだマシな候補」を選ぶべきか──正解のない選択肢の前で、モヤモヤした気持ちを抱えたまま投票日を迎えてしまう方も少なくありません。本記事では、特定の政党や候補者を勧めることなく、公的なルールに基づいた「有効票・無効票・白票」の基礎知識と、候補者がいないと感じたときに取り得る主な選択肢、そして無効票にしないための投票用紙の書き方や注意点を、中立的な立場から整理いたします。迷いを否定せずに向き合いながら、「自分はどう考え、どう意思表示したいのか」を落ち着いて検討するための判断材料として、ご活用いただければ幸いです。

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この記事のまとめ

「投票したい候補者がいない」という感覚は、政治への無関心ではなく、「自分の一票をどう扱うべきか」を真剣に考えているからこそ生じる迷いでもあります。
最終的にどの行動を選ぶかは、読者一人ひとりの価値観と状況によって異なりますが、制度上の仕組みを理解したうえで、自分なりに納得できる判断を下すことが何よりも重要です。
また、選挙に関するルールや運用は変更される可能性があるため、実際に投票する際には、お住まいの自治体や総務省など公的機関が発信する最新情報を必ずご確認ください。

目次

選挙の基本と投票用紙のルール

日本の主な選挙と投票方法の概要

日本の選挙では、選挙の種類によって「候補者名を書くのか」「政党名を書くのか」が異なります。代表的な選挙と、記入対象の大まかなイメージは次のとおりです。

  • 衆議院議員総選挙

    • 小選挙区選挙:候補者名を書く

    • 比例代表選挙:政党名を書く(拘束名簿式比例代表)

  • 参議院議員通常選挙

    • 選挙区選挙:候補者名を書く

    • 比例代表選挙:政党名または候補者名のいずれかを書ける制度

  • 地方選挙(知事・市区町村長・地方議会議員など)

    • 多くの場合、候補者名を書く

実際の投票では、投票所で渡される投票用紙や掲示物に「何をどう書くか」が明記されています。不安がある場合は、投票所の係員にその場で確認することができます。

有効票・無効票・白票の違い

投票結果の集計では、主に次のような区分があります。

  • 有効投票(有効票)
    候補者や政党を特定でき、法令やルールに合致している票です。
    当選者を決める際に票としてカウントされます。

  • 無効投票(無効票)
    票としての効力が認められず、当選者を決める票数には含まれないものです。

  • 白票(白紙投票)
    何も記入せずに投じられた票で、無効票の一種として扱われるのが一般的です。
    「投票に行った」という事実として投票率には反映されますが、候補者の得票としてはカウントされません。

無効票となる典型的な例として、次のようなものが挙げられます。

  • 所定の投票用紙以外を用いた場合

  • 候補者でない者の氏名が書かれている場合

  • 一枚の用紙に二人以上の候補者名が書かれている場合

  • 候補者名のほかにメッセージや記号などが書かれている場合(他事記載)

  • 誰の名前か判読できない場合

  • 白紙のまま投じられた票(白票)

  • 記号や意味のない文字のみが書かれている場合 など

最終的な有効・無効の判断は、各選挙の選挙管理委員会および立会人が行います。


候補者がいないと感じたときの主な選択肢

ここでは、「どうしても投票したいと思える候補者・政党が見つからない」という状況を前提に、現実的に取り得る主な選択肢を整理します。
どれが正しい・間違っていると断定するのではなく、それぞれの特徴と、一般的に語られている意味合いをまとめます。

1. 最も許容できる候補者を選ぶ(消去法投票)

1つめは、「100%賛成できるわけではないが、相対的にまだ許容できる候補者・政党を選ぶ」という考え方です。

考え方の一例

  • 「絶対に避けたい政策・方向性」を持つ候補者を先に除外する

  • 自分が特に重視するテーマ(税・社会保障・教育・環境・地域課題など)で比較する

  • すべてに賛同できなくても、「評価できる点」と「懸念点」を整理して天秤にかける

メリットの例

  • 有効票としてカウントされ、当選者を決める票に直接反映される

  • 「自分なりに考えて選んだ」という感覚を持ちやすい

デメリット(感じやすい点)の例

  • 妥協した感覚やモヤモヤが残る可能性がある

  • その候補者・政党の後の行動に不満を持ったとき、「自分が入れたのに」と余計に落胆することがある

2. 白票・無効票を投じるという選択

2つめは、投票所には行くものの、あえて白票または無効票になる書き方をする選択肢です。

一般的には、

  • 白票:何も書かずに投じる

  • 無効票:ルールに合わない書き方になってしまった票

といった扱いになります。白票は無効票の一種ですが、「投票に行った」という事実として投票率には反映されます。

白票・無効票の特徴(概要)

  • 投票率には「投票した一人」としてカウントされる(白票の場合)

  • 当選者を決める有効票数には加算されない

  • 集計結果では「無効票の総数」としてまとめて扱われることが多く、理由の違いまでは分からない

一般的に語られるメリット

  • 「選挙には関心があるが、今回の候補者や選択肢には納得していない」という姿勢を、自分なりに貫けると感じる人もいる

  • 「投票に行かなかった」のではなく、「行ったうえで白票を選んだ」という点を重視する人もいる

一般的に語られるデメリット・限界

  • 制度上、当選者を決める票には直接反映されない

  • 白票・無効票が増えても、必ずしも候補者や政党が具体的に反省・対応するとは限らない

  • 「結果的に、当選者の選出を事実上容認する行動と変わらない」と評価する意見もある

3. 今回は投票に行かない(棄権)という選択

3つめは、投票所に行かず「今回は投票しない(棄権する)」という選択です。

棄権の制度上の扱い(概要)

  • 投票所に行っていないため、投票率の分子には含まれません

  • 得票数にも無効票数にも含まれません

一般的に指摘される点

  • 白票と比べ、「選挙への関心を持っていない」と受け取られることもありますが、実際には「納得できる選択肢がないため棄権する」という意図を持つ人もいます

  • 棄権を選んだ場合、結果に不満を感じたときに「何も行動しなかった」という感覚が気になる方もいます


主な選択肢の比較イメージ

選択肢投票率への反映当選者決定への影響意思表示としての一般的な受け止め方主な注意点
消去法での有効投票直接反映される「特定の候補・政党を支持した」と見なされることが多い妥協感が残る場合がある
白票・無効票白票は○原則として反映されない「候補者に不満」「選択肢に納得していない」と解釈されることもあるが、集計上は一括扱い抗議の意図がどこまで伝わるかは不明確
棄権(投票に行かない)×直接は反映されない「関心がない」と見なされる場合もあれば、「納得できないから行かない」と理解される場合もある後からの自己評価・後悔などを含めて判断が必要

あくまで制度と一般的な議論の整理であり、「どれが良い・悪い」と断定するものではありません。


投票用紙の正しい書き方とチェックリスト

ここでは、誤解の多い「投票用紙の書き方」と「無効票にしないためのポイント」を整理します。

小選挙区・選挙区選挙の書き方

多くの選挙(衆議院小選挙区、参議院選挙区、地方選挙など)では、投票用紙には候補者(一人)の氏名のみを記入することが求められています。

一般的なポイントは次のとおりです。

  • 用紙に印刷された枠の中に候補者の氏名を書く

  • 候補者の氏名は、投票所内の掲示や選挙公報で確認できる

  • 「さん」「先生」「へ」「に」など、敬称や助詞は原則不要

  • 候補者名のほかにメッセージや記号を書き込むと、無効票となるおそれがある

姓のみ・名のみ・略字・旧字体など細かいケースについては、最終判断を選挙管理委員会が行います。迷う場合は、なるべく正式名称に近い形で、読みやすく書くことが安全です。

比例代表選挙の書き方(政党名・候補者名など)

比例代表選挙では、「政党名」「候補者名」のどちらを書くかが制度によって異なります。

  • 衆議院比例代表選挙
    原則として政党名を記入します。

  • 参議院比例代表選挙
    政党名または候補者名のいずれかを記入できる制度となっています。

  • 一部の地方選挙(比例代表制)
    政党名の記入などが求められる場合があります。

いずれの場合も、投票所で渡される投票用紙や掲示に「政党名を書いてください」「候補者名を書いてください」と案内されています。不安があれば、その場で係員に確認することが重要です。

無効票にしないためのチェックリスト

投票所で記入する前に、次のポイントを確認しておくと安心です。

チェックリスト

  • □ 候補者(一人)の氏名だけを書いているか

  • □ 「さん」「様」「先生」などの敬称や、「へ」「に」などの言葉を付けていないか

  • □ 絵や顔文字、記号、メッセージなど、候補者名以外のものを書いていないか

  • □ 一枚の投票用紙に複数の候補者名を書いていないか

  • □ 読み取れる字で、枠から大きくはみ出さずに書いているか

  • □ 書き間違えた場合に、職員へ用紙交換を申し出ることを理解しているか

自治体の案内でも、「候補者の氏名のほか、それ以外のことを書くと無効になる場合がある」旨が示されています。心配な場合は、記入前に一度深呼吸をしてから確認するとよいでしょう。


よくある勘違い・トラブルと対処法

メッセージや記号を書いたらどうなる?

政治への不満や抗議の気持ちを伝えたいという理由から、投票用紙に

  • 「反対」「NO」などの言葉

  • 候補者へのメッセージ

  • 絵や顔文字、記号

を書きたくなる方もいらっしゃいます。

しかし、候補者名のほかに他のことが書かれている投票は、多くの場合「他事記載」として無効票扱いとなります。

そのため、

  • 抗議や皮肉を込めたメッセージ

  • 記号だけを書いた票

  • 候補者名以外を大きく書いた票

は、「意思表示のつもり」でも、結果として票としてはカウントされません。

不満や問題意識を表す方法は、投票以外にもいろいろ存在します。投票用紙そのものは、原則どおり「候補者名(または政党名)のみ」を書くと考えておくのが無難です。

読みにくい字・略称・ニックネームの扱い

「字がきれいではないので読んでもらえるか不安」「候補者のフルネームを覚えていない」といった不安を持つ方もよくいます。

一般的には、誰のことを書いたかが判別できれば有効票と扱われる場合もありますが、最終判断は開票作業を行う選挙管理委員会と立会人に委ねられます。

より安全にするために、

  • できる限り正式な氏名を、掲示を見ながらそのまま写す

  • 略称を使う場合でも、他の候補者と紛れない表記にする

  • 難しい漢字は、見本を見て正確に書く

といった点を意識するとよいでしょう。

書き間違えたときはやり直せる?

投票用紙に別の候補者の名前を書いてしまったり、誤字を書いてしまったりした場合は、投票所の係員に申し出ることで、新しい投票用紙を交付してもらえる制度があります。

  • 無理に二重線で消したり、上から書き直したりすると、かえって判読が難しくなることがあります

  • 間違えたことに気づいた時点で、落ち着いて「書き間違えたので、用紙を交換してほしい」と伝えることが重要です

分からない点や不安な点は、その場で遠慮なく係員に相談しましょう。


自分の考えを整理するためのステップ(応用)

ここからは、少し時間に余裕がある方向けに、「自分はどう考えたいのか」を整理する簡単なステップをご紹介します。

重視するテーマを洗い出す

すべての政策を1つ1つ比較しようとすると、情報量が多くて負担になります。まずは自分が特に重視するテーマを3つ程度に絞ってみる方法があります。

例としては、

  • 税金・社会保障

  • 子育て・教育

  • 雇用・経済政策

  • 環境・エネルギー

  • 防災・インフラ・地域づくり

などが挙げられます。

紙やスマホのメモアプリに、「自分にとって特に大切だと思うテーマ」を箇条書きするだけでも、判断の軸が見えやすくなります。

候補者・政党の情報の調べ方

次に、重視するテーマについて、各候補者や政党がどのように考えているかを確認します。
参考になる情報源の例は以下のとおりです。

  • 選挙公報(各家庭に配布、または自治体サイトに掲載)

  • 候補者・政党の公式サイトや政策集

  • 信頼できるニュースメディアの解説記事

SNSの情報も手がかりになりますが、

  • 出典が示されているか

  • 極端な表現だけを切り取っていないか

  • 一つの投稿だけで判断していないか

といった点には注意が必要です。

それでも決めきれないときにできること

情報を集めても「どうしても決めきれない」という場合もあるでしょう。その際には、

  • 今回の選挙では「このテーマだけは特に重視する」と基準を1〜2個に絞る

  • 「今回どの候補者に入れたか」「なぜそう判断したのか」をメモとして残し、次回の選挙で振り返る

といった長期的な視点を持つことで、自分なりの判断軸を育てていくことができます。


法的・実務的なリスクと注意点

公職選挙法で禁止されている主な行為

投票に関連しては、公職選挙法などにより禁止されている行為が多数定められています。ここでは代表的なものを挙げます。

  • 投票用紙を投票所の外へ持ち出すこと

  • 投票用紙を撮影してSNS等に投稿すること

  • 金品その他の利益を供与して投票を依頼すること など

具体的な禁止行為や罰則の内容は、総務省およびお住まいの自治体の選挙管理委員会が公表している案内を必ずご確認ください。
本記事はあくまで一般的な情報提供であり、法的アドバイスを行うものではありません。

「抗議票」としての行為で気をつけること

投票用紙に落書きや侮辱的な表現を書くことは、票として無効になるだけでなく、内容によっては法的なトラブルにつながるおそれもあります。

制度上想定されていない方法で抗議の意思を示そうとすると、意図とは逆に、票としてもメッセージとしても十分に届かない可能性があります。

不満や問題意識を持つこと自体は自然なことですが、その表現方法は慎重に選ぶことが重要です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 白票と無効票は同じですか?

白票は、何も記入せずに投じられた票を指し、一般的には無効票の一種として扱われます。
そのため、関係性としては

  • 白票は無効票の内側に含まれる(白票 ⊂ 無効票)

と考えると分かりやすいです。

Q2. 白票は誰の得にもならないのですか?

制度上、白票は当選者を決める有効票数には加算されません。
一方で、投票率には「投票した有権者」としてカウントされます。

  • 特定候補や政党の得票数を増減させることはない

  • 投票率には影響を与える

という点を押さえておくと理解しやすくなります。

Q3. 投票に行かないのと白票を投じるのは、どちらがよい/悪いですか?

これは価値観に強く依存する問題であり、「どちらが良い・悪い」と一概には言えません。

制度面だけを整理すると、

  • 棄権:投票率には反映されず、得票・無効票のどちらにも含まれない

  • 白票:投票率には反映されるが、得票数には含まれず、無効票として扱われる

という違いがあります。

どちらを選ぶかは、「自分がどのような意思表示を重視したいのか」「後からどのように感じそうか」を踏まえて判断することになります。

Q4. 候補者名を一部間違えた場合はどうなりますか?

誰の名前を書いたのかが判別できれば有効票と扱われる場合もありますが、最終的な判断は選挙管理委員会および立会人が行います。

不安な場合は、

  • 投票所内の掲示を見ながら正式な氏名をそのまま写す

  • 誤って書いてしまったときは、無理に上書きせずに係員に用紙交換を申し出る

といった対応をとると安全です。

Q5. あえて無効票を投じることに意味はありますか?

あえて白票や無効票を投じることについては、

  • 「候補者への不満や政治への不信を示す行為だ」と評価する意見

  • 「結果には直接反映されず、現状を事実上容認するのに近い」とする意見

など、さまざまな見解があります。

制度上は、無効票として一括して扱われる点を踏まえたうえで、自分がどのような意思表示を重視したいのかを検討することが大切です。


まとめ|自分なりの意思表示を大切にする

最後に、本記事のポイントを整理します。

  • 投票用紙には、原則として「候補者(一人)の氏名」または「政党名」のみを記載し、メッセージや記号などを書くと無効となるおそれがあります。

  • 白票は無効票の一種であり、投票率には反映されますが、当選者を決める票数には加算されません。

  • 「投票したい候補者がいない」と感じたときに取り得る選択肢として、消去法による有効投票・白票や無効票・棄権などがあり、どれが絶対的な正解というものではありません。

  • それぞれの選択肢について、制度上の扱いと一般的な意味合いを理解したうえで、「自分はどうしたいのか」を考えることが重要です。

  • 選挙や投票のルールは、法改正や運用の変更によって変わる可能性があります。実際に投票する際には、お住まいの自治体の選挙管理委員会や総務省など、公的機関が公表する最新情報をご確認ください。