「米油は危険」「発がん性があるらしい」——そんな言葉をインターネットやSNSで目にして、不安になって検索された方も多いのではないでしょうか。家族の健康を考えてサラダ油やキャノーラ油から米油に切り替えようとしたところ、「実は危険」という情報を見て戸惑い、「結局どれが安全なのか分からない」と感じておられるかもしれません。
本来、米油は玄米の米ぬかや胚芽から作られる、日本人にとってなじみの深い植物油です。一方で、溶剤抽出に使われるノルマルヘキサン、トランス脂肪酸、グリシドール脂肪酸エステル、油の酸化といった専門的なキーワードが単独で拡散されることで、「なんとなく怖い」という印象だけが先行しがちです。危険性を強調する記事もあれば、「ヘルシーな万能油」としてだけ語る記事もあり、読み手が冷静に判断することは簡単ではありません。
本記事では、「米油は本当に危険なのか?」という疑問に対して、感情論ではなく、できる限り公的機関や専門機関の情報に基づいて整理していきます。そのうえで、米油のメリットとリスクをバランスよく理解し、「どのくらいなら安心か」「どう選び、どう使えばよいか」という“具体的な行動レベル”まで落とし込んで解説いたします。読み終えるころには、「何となく不安」ではなく、「こうすれば大丈夫」と自信を持ってキッチンに立てる状態を目指します。
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米油について調べれば調べるほど、「危険」「安全」「発がん性」「ヘルシー」など、相反する言葉が入り混じり、かえって混乱してしまった方も多いと思います。整理しておきたいのは、米油は“絶対に避けるべき危険な油”でも、“何も考えずに大量に摂ってよい魔法の健康油”でもないということです。製造方法や成分、使い方に一定の注意を払いながら、適量をバランスよく取り入れることで、十分に安全に付き合うことができます。
そのためのポイントは、次の3つです。
1つ目は、「何の油か」だけでなく、「どれくらい・どう使うか」を意識することです。揚げ物の頻度や油の使い回し、保存状態といった「扱い方」は、米油かどうかに関わらず、健康リスクに大きく影響します。
2つ目は、ラベルやメーカー情報を確認し、自分が納得できる基準で商品を選ぶことです。圧搾・溶剤不使用・国産など、こだわりたいポイントがあれば、それに合致する商品を選ぶことで、不安は大きく軽減できます。
3つ目は、米油ひとつに頼り切るのではなく、オリーブオイルやオメガ3系の油などと組み合わせて、脂肪酸バランスを整えることです。
米油は本当に危険なのか?
ネットで「米油 危険」と言われる主な理由
「米油 危険」と検索すると、さまざまな不安をあおる情報が目に入ります。主な論点は次の4つです。
溶剤抽出(ノルマルヘキサン)を使う製造方法が危険ではないか
トランス脂肪酸が含まれていて、心血管リスクが高まるのではないか
グリシドール脂肪酸エステル(グリシジル脂肪酸エステル)と呼ばれる物質が発がん性と関連すると聞く
油自体のカロリーや酸化による健康リスク
さらに、「台湾向け日本産米油から基準値を超えるグリシジル脂肪酸エステルが検出され、輸出品が不合格になった」というニュースもあり、不安が強まっています。
通常の使い方なら「極端に危険」とは言えない
公的機関の評価や大手メーカーのデータを総合すると、通常の食生活で適量を使う範囲では、米油だけが特別に「極端に危険」とは言えないというのが現状です。
日本人全体のトランス脂肪酸摂取量は、平均で総エネルギーの約0.3%と推定され、WHOが目標とする「1%未満」を下回っていること
代表的な米油製品では、トランス脂肪酸量がサラダ油や一部キャノーラ油より少ない水準にあること
グリシドール脂肪酸エステルについては動物実験で懸念はあるものの、現在の食用油摂取が直接の健康被害につながったとする報告はないこと
などがその根拠です。
一方で、「全くゼロリスク」であるとは言えません。油全般に共通するカロリー・酸化・脂肪酸バランスの問題は、米油でも意識する必要があります。
それでも知っておきたい「注意ポイント」は4つある
本記事では、次の4つの観点から「米油は危険なのか?」を整理いたします。
製造方法(溶剤抽出・ノルマルヘキサン)の安全性
トランス脂肪酸と脂肪酸バランス(リノール酸の摂りすぎ)
グリシドール脂肪酸エステルと台湾でのニュース
酸化・加熱・使い方の問題
そのうえで、「米油を選ぶなら何に気をつけるべきか」「どのように使えばよいか」を具体的に解説いたします。
米油の基礎知識と特徴
米油はどこから取れる油か(原料と製造の基本)
米油(こめ油)は、玄米を白米に精米するときに出る「米ぬか」と「胚芽」から搾られる油です。
原料は国産米ぬかであることが多く、日本人にとってなじみのある植物油
精米時の副産物である米ぬかを有効活用する側面もある
抽出方法には大きく分けて以下の2種類があります。
圧搾法:物理的な圧力をかけて油を搾り出す方法
溶剤抽出法:ノルマルヘキサンなどの溶剤を使って油を抽出し、その後高温で溶剤を揮発させて取り除く方法
米油に多い栄養成分とメリット(抗酸化成分など)
米油は、次のような成分を比較的多く含みます。
ガンマオリザノール
トコトリエノール(ビタミンEの一種)
植物ステロール
ビタミンE
これらは抗酸化作用を持ち、体内の酸化ストレスを抑える働きがあるとされます。
また、揚げ物がカラッと揚がりやすく、油臭さやクセが少ないため、「使いやすい油」としても人気があります。
他の植物油との違い(クセ・加熱安定性など)
他の植物油と比較した米油の特徴は次の通りです。
クセが少なく、和洋中どの料理にも合わせやすい
比較的加熱安定性に優れており、揚げ物や炒め物に適していると評価されることが多い
一方で、オリーブオイルのような強い香りはなく、風味を楽しむ油というより「汎用性重視」の油と言えます
「危険」と言われる主な原因① 溶剤抽出(ノルマルヘキサン)の不安
溶剤抽出法とは何か・なぜ使われるのか
溶剤抽出法では、テクニカルヘキサン(主成分はn-ヘキサン)などの溶剤を用い、米ぬかから効率良く油分を取り出します。その後、高温で加熱し溶剤を蒸発させて回収します。
この方法には次のようなメリットがあります。
圧搾法よりも高い収油率(多くの油を取り出せる)
コストが抑えられ、価格を安くできる
その一方で、「ガソリンにも含まれる成分を使う」といったイメージから不安を抱く方も多く、「米油は危険」という印象につながっています。
ノルマルヘキサンは最終製品に残るのか?公的評価と実際
食品用溶剤として使用されるテクニカルヘキサンは、各国・国際機関で安全性評価が行われています。
食品に残留しないよう、高温での蒸留・精製工程が義務づけられている
日本でも、食品衛生法に基づき溶剤の使用や残留基準が管理されている
日本の米油メーカー各社も、「最終製品には溶剤が残留しないよう管理している」と説明しています。
したがって、適切に管理された製品を通常量使用する限り、ノルマルヘキサンそのものによる健康リスクは非常に低いと考えられます。
圧搾法との違いと、どの程度リスクに差があると考えられるか
圧搾法と溶剤抽出法の違いを簡単に整理します。
| 項目 | 圧搾法 | 溶剤抽出法 |
|---|---|---|
| 抽出に使うもの | 物理的な圧力のみ | テクニカルヘキサンなどの溶剤 |
| 抽出効率 | 低め | 高い |
| 価格 | 高くなりがち | 比較的安価 |
| 溶剤の残留リスク | 元々溶剤不使用 | 精製により実質的にゼロを目指す |
| イメージ | よりナチュラル・安心感 | 工業的で不安を感じる人もいる |
「溶剤を一切使いたくない」「少しでも不安要素を減らしたい」という方は、圧搾法・溶剤不使用と明記された米油を選ぶとよいでしょう。
一方で、公的な基準に従って製造された溶剤抽出の米油を通常量で使うことが、直ちに健康被害につながるという根拠は、現時点では示されていません。
「危険」と言われる主な原因② トランス脂肪酸と脂肪酸バランス
米油に含まれるトランス脂肪酸量と、日本人全体の摂取量
トランス脂肪酸は、心血管疾患リスクとの関連が指摘されている脂肪酸です。
日本の大手メーカーの分析例では、代表的な米油製品のトランス脂肪酸量は100gあたり0.3g程度とされています。
同じ資料における一部油脂の例(100gあたり)は次の通りです。
| 商品名 | トランス脂肪酸量(g/100g) |
|---|---|
| サラダ油 | 約1.2 |
| キャノーラ油 | 約0.8 |
| 米油 | 約0.3 |
| アマニ油 | 約0.3 |
| オリーブオイル | 0.1未満の製品も多い |
このように、米油のトランス脂肪酸量は、サラダ油や一部のキャノーラ油より少ない水準です。
また、公的な評価によれば、日本人全体のトランス脂肪酸摂取量は平均で総エネルギーの約0.3%と推定され、WHO目標(1%未満)を下回るとされています。
したがって、通常の日本の食生活で、米油からのトランス脂肪酸摂取が健康影響の主因になる可能性は高くないと考えられます。
リノール酸(オメガ6)過多のリスクと、油全体のバランス
米油は、オメガ6系脂肪酸であるリノール酸と、オメガ9系のオレイン酸を主成分とする植物油です。
リノール酸は必須脂肪酸であり、適量は健康維持に必要
一方で、現代の食生活ではオメガ6が過剰になりやすく、炎症・アレルギー・動脈硬化リスクとの関連が指摘されている
このため、「米油だけを大量に使う」のではなく、
オメガ3系脂肪酸(えごま油・アマニ油・青魚など)を意識して増やす
オメガ9が多いオリーブオイル・アボカドオイルなど果実油も併用する
といった「油全体のバランス」が非常に重要です。
他の油との比較表(トランス脂肪酸量・脂肪酸バランス)
(数値はおおよそのイメージであり、製品により異なります)
| 油の種類 | 主な脂肪酸 | トランス脂肪酸量の傾向 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| 米油 | オレイン酸+リノール酸 | 少なめ(0.3g/100g程度の例) | 揚げ物・炒め物・ドレッシング全般 |
| キャノーラ油 | オレイン酸+リノール酸+αリノレン酸少量 | 0.8g/100g程度の例も | 汎用 |
| オリーブオイル | オレイン酸が多い | ごく少ない | 生食・軽い炒め物 |
| ごま油 | リノール酸が多い | 製品による | 風味付け |
米油だけを問題視するのではなく、総摂取量と油全体の構成を見直すことがポイントです。
「危険」と言われる主な原因③ グリシドール脂肪酸エステル(台湾ニュースなど)
グリシドール脂肪酸エステルとは何か
グリシドール脂肪酸エステル(グリシジル脂肪酸エステル)は、食用油を高温で精製する際に生成することがある成分です。
体内で分解されると、「グリシドール」という物質を生じる可能性がある
グリシドールそのものは、国際機関で「おそらく発がん性がある(グループ2A)」と評価されています
このため、各国で「グリシドール脂肪酸エステルをできるだけ低く抑える」ことが求められており、日本でも実態調査やリスク評価が行われています。
台湾での日本産米油の基準値超過ニュースの概要
台湾向けに輸出された日本産米油から、台湾が定める基準値を超えるグリシジル脂肪酸エステルが検出され、輸出品が廃棄・積み戻しとなった事例が報じられています。
ポイントは以下の通りです。
台湾側の基準値を超過したロットが見つかり、台湾で販売前に不合格となった
該当品は廃棄・積み戻しされており、台湾国内で一般消費者に販売されていない
台湾は日本より厳しい基準を採用している部分もあり、「輸出先の基準に合わせた改善」が求められている
このニュースが「日本の米油から発がん性物質」といった強い見出しで広がったため、「米油は危険」という印象が強まりました。
日本国内での評価・基準と、家庭での実際のリスク
日本では、関係省庁がグリシドール脂肪酸エステルに関するリスクプロファイルや評価を行っています。
現在までに、食用油に含まれるグリシドール脂肪酸エステルが直接の原因とされた健康被害は報告されていない
一方で、長期的なリスクをできるだけ低く抑えるために、「製造工程の改善」や「国際的基準との整合」を進めるべきとされています
家庭でできる対策としては、
信頼できるメーカーの製品を選ぶ
同一メーカーの中でも、精製温度を抑えた製法や圧搾法などにこだわった製品を選ぶ(記載があれば)
油全体の摂取量を適正範囲に抑える
といった基本を押さえることが重要です。
「危険」と言われる主な原因④ 酸化・加熱・使い方の問題
油が酸化・劣化すると何が問題なのか
油は時間とともに酸化し、温度や光・酸素の影響で劣化します。酸化・劣化した油には、風味の低下だけでなく、酸化脂質など健康に悪影響を与えうる成分が増えることが懸念されています。
古い揚げ油や、長時間高温にさらされた油は、なるべく避けるべき
これは米油に限らず、すべての油に共通する問題です
米油の加熱安定性と、揚げ油として使う際の注意点
米油は、比較的加熱に強く、揚げ物がカラッと揚がりやすいとされています。
ただし、以下のような使い方をすると、どんな油でも劣化が進みます。
180℃を大きく超える高温で長時間加熱し続ける
同じ油を何度も繰り返し使い回す
使用後の油を鍋に入れっぱなしで放置する
揚げ物をする際は、
温度は160〜180℃程度を目安にする
同じ油の使い回しは2回程度までに留める(見た目・ニオイが変わってきたら廃棄)
使用後は粗熱をとってから密閉容器に移し、冷暗所に保管する
といった基本的なルールを守ることで、リスクを下げられます。
家庭で避けたいNGな使い方(高温・使い回し・放置など)
次のような使い方に当てはまるほど、油の劣化リスクは高まります。
揚げ物のたびに、鍋から煙が出るまで加熱している
色が濃くなった油を、5回以上繰り返し使っている
フタをせず、コンロ横に出しっぱなしにしている
開封から1年以上経っているのに、そのまま使い続けている
これらは米油だけでなく、どの油でも避けるべき使い方です。
安全に使うための米油の選び方
ラベルでチェックしたいポイント(製法・原材料・原産国など)
米油を選ぶ際に、ラベルで確認したいポイントは次の通りです。
原材料名
「食用こめ油」「食用米ぬか油」など
「遺伝子組み換え原料不使用」等の表示がある場合もあります
製法
「圧搾」「一番搾り」「溶剤不使用」などと書かれていれば、溶剤抽出を避けたい方には分かりやすい指標になります。
原産国・原料米の産地
「国産米ぬか使用」など、産地にこだわりたい方には重要な情報です。
メーカー名
実績と情報公開がしっかりしたメーカーを選ぶと安心感につながります。
溶剤不使用・圧搾・国産を選ぶべき人/そこまでこだわらなくてもよい人
できるだけこだわりたい人の例
妊娠中・授乳中で、できるだけ不安要素を減らしたい
小さな子どもがいて、安心感を重視したい
食生活全体をオーガニック・ナチュラル志向にしている
このような場合は、「圧搾」「溶剤不使用」「国産米ぬか」などの表示がある商品を優先すると良いでしょう。
一方で、次のような方は、そこまで厳格にこだわる必要はない場合もあります。
もともと揚げ物や炒め物の頻度が少ない
油の摂取量を全体として控えめにしている
加熱には米油、ドレッシングにはオリーブオイルなど、複数の油を使い分けている
いずれの場合も、「信頼できるメーカーの製品を適量使う」ことが大前提です。
米油と他の油の賢い使い分け方(オリーブオイル等との併用)
油は1種類に偏らせるより、特性に応じて使い分けるのがおすすめです。
揚げ物・炒め物:加熱に強くクセの少ない米油
生食・ドレッシング:オリーブオイルやえごま油・アマニ油(加熱せず使用)
風味付け:ごま油、バターなど
このように使い分けることで、脂肪酸バランスの偏りを緩和しつつ、米油のメリットも活かすことができます。
実践ガイド:米油を安全に使うためのチェックリスト
1日の使用量・頻度の目安
日本人の脂質摂取の目安は、総エネルギーの20〜30%程度とされますが、日常生活のイメージとして、次のような「米油としての目安量」を示します。
目安:1日あたり大さじ1〜2杯(約15〜30g)程度
揚げ物を多く食べる日は、他の日の油量を少し控えめにする
これは厳密な上限ではありませんが、「無意識に多く使いすぎない」ためのひとつの指標とお考えください。
加熱温度・使い回し回数・保存方法のチェックリスト
米油を安全に使うためのセルフチェック
揚げ物の温度が180℃前後を超えないよう、温度計や目安時間で管理している
同じ揚げ油を3回以上使い回していない
使用後の油は、粗熱をとってからフタ付き容器に入れ、冷暗所で保管している
光が当たる場所に放置せず、戸棚など暗い場所に保管している
開封日をボトルにメモし、半年〜1年以内を目安に使い切っている
匂いを嗅いで「油くさい」「酸っぱい」と感じたら、無理に使わず処分している
このチェックリストは、どの油にも共通で有効です。米油だけを特別扱いするのではなく、「油全体の扱い方」を見直すことが大切です。
こんな人は特に油全体の摂り方に注意したい(生活習慣病リスクなど)
以下に当てはまる方は、米油に限らず油全体の量や質を見直すことをおすすめします。
コレステロール値や中性脂肪が高いと指摘されている
高血圧・糖尿病など生活習慣病の治療中、または予備軍と診断されている
揚げ物・加工食品を頻繁に食べる習慣がある
体重増加が気になるが、油の量をあまり意識していない
このような場合、医師や管理栄養士のアドバイスを受けつつ、油の摂取量・種類・調理方法を総合的に見直すことが重要です。
よくある質問(FAQ)
子どもや妊娠中でも米油を使って大丈夫?
一般的に、市販の食用油は食品衛生法などの基準に基づいて製造されており、通常の量を使う範囲では、子どもや妊娠中でも特別に米油だけを避ける必要はないと考えられます。
ただし、
揚げ物の頻度が高い
油を大量に使う料理が続く
といった場合は、米油に限らず油全体の摂取量を見直した方がよいでしょう。
持病や食事制限がある場合は、必ず主治医にご相談ください。
今使っている米油に問題がないか不安なとき、どう判断すればよい?
以下のステップで確認してみてください。
メーカー名・商品名を確認する
メーカー公式サイトで、製法や安全性に関する説明をチェック
ラベルの表示を確認する
「圧搾」「溶剤不使用」「国産米ぬか使用」などの表示があれば、それを踏まえて判断
保存状態を見直す
開封からの期間(半年〜1年以内か)
保管場所(直射日光や高温を避けているか)
それでも不安が強い場合は、これを機に圧搾法の米油や他の油へ切り替えるのも一つの方法です。
米油より避けた方がよい油はある?
米油そのものよりも、次のような油・状態に注意が必要です。
トランス脂肪酸を多く含む一部の加工油脂(マーガリン、ショートニングなど)を大量に摂る習慣
古くて酸化した揚げ油(飲食店などで使い回し回数が多いものを頻繁に摂る場合など)
重要なのは、「特定の油だけを悪者にする」のではなく、油全体の量・質・扱い方をトータルで見直すことです。
まとめ:米油と上手に付き合うために大切なこと
米油のリスクとメリットの要点おさらい
米油は、玄米の米ぬか・胚芽から取れる油で、抗酸化成分を多く含み、加熱にも比較的強いというメリットがあります。
「危険」と言われる主な理由は、溶剤抽出(ノルマルヘキサン)、トランス脂肪酸、グリシドール脂肪酸エステル、油の酸化・使い方にあります。
公的機関の評価や実測値から見ると、通常量を適切に使う範囲では、米油だけが特別に危険とは言えないのが現状です。
一方で、油全体の摂りすぎや、酸化した油・トランス脂肪酸の多い加工油脂を多く摂ることは、健康リスクを高める可能性があります。
次にとるべき行動(選び方・使い方の具体的ステップ)
まずは今使っている油を棚卸しする
種類・量・開封時期・用途を確認する
米油を使うならラベルをチェック
圧搾・溶剤不使用・国産米ぬか等を確認
不安が強い方は、圧搾・国産に切り替える
油全体の扱い方を見直す
量:1日大さじ1〜2杯程度を目安にし、揚げ物の頻度とバランスを取る
温度:180℃前後を意識し、煙が出るほど加熱しない
保存:冷暗所・密閉・開封から半年〜1年以内に使い切る
他の油とのバランスを取る
米油だけでなく、オリーブオイルやオメガ3系の油も取り入れる
情報に振り回されないための考え方
単一のブログやSNSの発信だけで判断せず、公的機関や信頼できるメーカーの情報を確認する
「絶対安全」「絶対危険」といった極端な表現には注意する
「どの油か」だけでなく、「どれくらい・どう使うか」という視点を持つ
本記事が、「米油 危険」という言葉に不安を感じていた方の判断材料となり、油との付き合い方を冷静に見直す一助となれば幸いです。