「下の血圧が40台」と表示された瞬間、頭の中に「危険なのか、それとも体質で済むのか」という不安が一気に広がる方は少なくありません。とくにYahoo!知恵袋などで「下が低い分には問題ない」「自分も40台だが平気」といった回答を目にすると、安心したい気持ちと「本当に信じてよいのか」という迷いが入り混じり、かえって判断に困ってしまいます。
本記事では、そのような不安を抱える方に向けて、「下の血圧40台」という数値が医学的にどのような意味を持つのかを、できるだけ分かりやすく整理いたします。単に「低いから危険」「体質だから大丈夫」といった極端な結論ではなく、「どのような場合に注意が必要か」「いつ医療機関を受診すべきか」「どのような準備やセルフチェックが役立つか」を具体的に解説いたします。
知恵袋の体験談を頭ごなしに否定するのではなく、「参考にしてよい部分」と「専門家の情報を優先すべき部分」を切り分けながら、読者の方が落ち着いて次の一歩を選べるようにすることが、本記事の目的です。まずは、ご自身の状況を重ね合わせながら、ゆっくり読み進めていただければ幸いです。
※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。
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下の血圧40台は「低め」であり、状況によっては注意が必要です。
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危険度は、
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症状の有無
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上とのバランス(脈圧)
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持病・家族歴
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数値の変化のしかた
によって大きく変わります。
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知恵袋は「他人の体験談」としては有用ですが、医学的判断の根拠にはなりません。
下の血圧が40台と表示され、不安になるのはなぜか
よくある状況と背景(健康診断・自宅血圧・体調不良)
「下の血圧が40台」と表示される典型的なパターンは、主に次の3つです。
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健康診断で初めて指摘されるパターン
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会社や自治体の健診で、血圧測定を1〜2回だけ行い、
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上:110〜130
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下:45〜55
といった結果が出る。
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検査項目が多いため、その場で詳しい説明はされず、「少し低めですね」程度で終わることも多いです。
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帰宅後に結果票を見て、「40台って大丈夫なのだろうか」と不安になり、インターネット検索を始めます。
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自宅血圧計で何度も40台が出るパターン
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倦怠感や立ちくらみを感じて、「念のため」と家の血圧計で測ってみる。
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1回だけではなく、時間を変えて測っても下が40〜50台であることが続く。
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「測り方がおかしいのか」「血圧計が壊れているのか」「本当に低いのか」が分からず、不安が高まります。
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体調不良をきっかけに測定するパターン
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風邪・胃腸炎などで食事や水分がとれない状態が続いたあとに測定し、下が40台になる。
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いつもは気にしていないが、「今日は特にふらふらする」と感じて測ってみたら低かった、というケースです。
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これらの状況では、共通して
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「何がどれくらい危ない状態なのか」が分からない
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「病院に行くレベルか、様子を見てよいのか」の基準がない
ため、不安が膨らみやすくなります。
知恵袋を読むと一度安心するが、不安が戻ってくる理由
Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトでは、次のような回答が多く見られます。
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「私も下が40台ですが、医者に体質と言われました」
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「高いより低い方がマシなので気にしなくていいですよ」
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「スポーツをしている人は血圧が低いことも多いです」
これらを読むと、一時的には
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「同じ人がたくさんいる」
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「体質として片付けている人もいる」
と感じ、安心感が得られます。
しかし、その後に医師監修サイトなどを読むと、
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「下の血圧が低いと、臓器への血流不足が起きる場合がある」
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「上とのバランスによっては、動脈硬化や心疾患が隠れていることもある」
と説明されており、今度は「本当は危険なのでは?」という不安が戻ってきます。
この「安心 ⇄ 不安」の揺れが起こる主な理由は、情報の性質の違いです。
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知恵袋:
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個人の体験・感想ベース
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「自分は大丈夫だった」というケースが目立ちやすい
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医療サイト:
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一般論・リスクを網羅的に説明
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「見逃してはいけないパターン」を強調しやすい
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どちらも「完全に間違い」ではありませんが、役割が違うため、そのまま並べて比較すると混乱してしまいます。
本記事では、このギャップを埋めるために、
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「下の血圧40台」という数値自体の意味
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「大丈夫な場合」と「注意すべき場合」の分かれ目
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知恵袋を読んだあとに、どう行動を決めればよいか
を体系的に整理して解説いたします。
下の血圧とは何か? 数値の意味を正しく理解する
上と下の血圧の違いと、正常値の目安
血圧の表示は通常「上/下(mmHg)」のように示されます。
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上:収縮期血圧
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心臓が収縮し、全身に血液を「送り出している瞬間」の圧力
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血管への最大の負担を示すイメージです。
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下:拡張期血圧
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心臓が拡張し、次の拍動のために血液をためている休憩中の圧力
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血液が全身に「常に流れ続ける」ための最低限の圧力を反映します。
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一般的に、成人では以下のような目安が用いられることが多いです(あくまで一例です)。
| 状態の目安 | 上(mmHg) | 下(mmHg) |
|---|---|---|
| 正常域のイメージ | 120未満 | 80未満 |
| やや低い印象 | 100〜90台 | 60未満 |
| かなり低い印象 | 90未満 | 50台以下 |
ここで重要なのは、
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低血圧には「高血圧ほど明確な診断基準がない」
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「数値」だけでなく「症状・年齢・体格・他の病気」と合わせて判断される
という点です。
下が40台という数値はどの程度低いのか
下が40台というのは、一般的な成人からすると「かなり低め」の領域です。
ただし、全員が同じ危険度になるわけではありません。
いくつかのパターンに分けて考えるとイメージしやすくなります。
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昔から低血圧気味で、上も90〜100台・下40〜60台の人
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本人は「昔から低い」と自覚しており、立ちくらみ以外大きなトラブルはない。
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医療機関で定期的に検査を受けても、特に大きな病気が見つかっていない。
→ このケースでは、リスクは比較的低めで、「体質的低血圧」と判断されることがあります。
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最近になって下だけが40台まで下がってきた人
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以前は下60〜70台だったのが、最近40〜50台になってきた。
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だるさ、息切れ、動悸、体重減少など、ほかの変化も感じる。
→ ホルモンバランスの変化、心機能の低下、貧血、出血など、何らかの原因が背景にある可能性があります。
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上が高め(130〜140以上)なのに下だけが40台の人
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上と下の差(脈圧)が非常に大きい。
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動脈硬化や血管の硬さなどが関与している可能性もあります。
→ 年齢・持病・家族歴によっては、念入りなチェックが望まれます。
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このように、「40台」という数字だけではなく、経過・症状・他の数値との組み合わせが非常に重要です。
脈圧(上と下の差)が大きいときの注意点
脈圧とは、
脈圧 = 上(収縮期血圧) − 下(拡張期血圧)
で表されます。
例:
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110/70 → 脈圧40:標準的なイメージ
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130/50 → 脈圧80:やや広い
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140/45 → 脈圧95:かなり広い
脈圧が広いケースでは、
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動脈硬化などによる血管の硬さ
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心臓弁の異常(大動脈弁閉鎖不全など)
が背景にある場合もあります。
もちろん、脈圧が広い=必ず病気というわけではありませんが、
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年齢が高め
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喫煙歴が長い
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コレステロールや血糖が高い
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家族に心筋梗塞・脳卒中経験者がいる
といった条件が重なる場合は、一度循環器内科などで相談しておくと安心です。
下の血圧が40台になる主な原因
体質・本態性低血圧
「昔から低い」と言われている人の多くは、本態性低血圧(はっきりした原因がないが低いタイプ)に分類されます。
この場合、
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背が高くやせ型
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冷え性
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立ち上がり時にクラクラしやすい
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朝が極端に苦手
といった特徴を持つ方も少なくありません。
本態性低血圧だけで、将来必ず重い病気になるとは限りませんが、
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立ちくらみで転倒し骨折する
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集中力が続かず仕事や勉強に支障が出る
といった「生活の質の低下」を招くことがあります。
自律神経の乱れ・起立性低血圧
自律神経は、血圧・心拍数・発汗などを自動的に調整するシステムです。
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睡眠不足
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過労
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強いストレス
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昼夜逆転の生活
などが続くと、自律神経のバランスが崩れ、以下のような症状が出やすくなります。
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立ち上がるときにクラッとする
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朝は特に血圧が低い
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気分の浮き沈みが激しい
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胃腸の不調が続く
「起立性低血圧」と診断される場合は、
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立つ前に足を動かす
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ゆっくりと姿勢を変える
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弾性ストッキングを使用する
といった対策がとられることもあります。
心臓・ホルモン・出血などの病気による場合
下の血圧が低いことが、「重大な病気の一部」として現れていることもあります。例としては、
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心臓の病気
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不整脈、心不全、心筋梗塞などで心臓のポンプ機能が落ちると、血圧が保てなくなります。
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息切れ、胸の痛み、むくみ、急な体重増加などが伴うこともあります。
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ホルモンの病気
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甲状腺機能低下症や副腎の病気などでは、血圧が低めになることがあります。
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だるさ、むくみ、寒がり、体重増加/減少、脱力感など、他の症状も同時に起こることがあります。
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出血・脱水
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消化管出血(月経過多、胃潰瘍、痔など)
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激しい嘔吐・下痢・発熱による脱水
などでは、体内の水分・血液量そのものが減り、血圧が下がります。
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これらは早期に原因治療を行う必要があるケースです。
「いつもと違う」「急に悪くなった」という感覚がある場合は、早めの受診が重要です。
薬や生活習慣の影響
以下のような要因も、下の血圧を下げる要因となりえます。
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降圧薬の量が体に対して多すぎる
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利尿薬で水分が抜けすぎている
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心臓の薬・精神科の薬の一部
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アルコールの飲み過ぎ
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過度な減量・偏った食事
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十分な水分をとらない習慣
特に薬に関しては、
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「血圧が低いから」と自己判断で中止する
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指示量より減らしたり、飲んだり飲まなかったりを繰り返す
といった行為は非常に危険です。
必ず処方した医師に相談のうえで調整してもらってください。
危険なケースと受診の目安
今すぐ救急受診を検討すべき症状
以下のような症状がある場合は、下の血圧が40台かどうかに関わらず、救急要検討の状態です。
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強い胸痛/胸の圧迫感が続く
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息が苦しい・横になれないほどの呼吸困難
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突然の激しい頭痛・片側の麻痺・言葉が出にくい
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意識がもうろうとする・呼びかけに反応しにくい
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吐き気や冷や汗を伴った強いめまい、立っていられない
このような場合、
「血圧の数値」よりも「症状の強さ・急激さ」を優先して判断する必要があります。
数日以内に内科・循環器内科を受診したいケース
次のような場合は、できるだけ近いうちに内科や循環器内科で相談されることをおすすめいたします。
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下の血圧が40〜50台で、
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だるさ・息切れ・動悸・頭痛・冷えなどの症状が続いている
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上との差が広く(脈圧が大きく)、以前より広がっている気がする
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最近、体重が急に減った・増えた
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生活習慣病(糖尿病・脂質異常症・慢性腎臓病など)を持っている
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家族に心筋梗塞・脳卒中・大動脈解離などを起こした人がいる
「自分で心配し続ける」より、「一度検査してもらい、医師と一緒に考える」方が精神的にも身体的にも安全です。
経過観察でもよい可能性があるケース
次の条件が揃う場合は、短期間の様子見が認められることもあります(ただし、最終判断は医師によります)。
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昔から同じ程度の低血圧であり、現在も大きな症状はない
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健診のほかの項目(心電図、血液検査、尿検査など)に大きな異常がない
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風邪や胃腸炎など、「明らかな一時的な体調不良」のときだけ下がっている
それでも、
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数日〜1週間程度、自宅で血圧を測り記録する
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体調の変化があれば診察のタイミングを早める
など、「変化を追いかける意識」は持っておくと安心です。
受診前に準備したい情報(チェックリスト)
受診の際にあると役立つ情報をまとめます。
受診前チェックリスト
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□ 血圧記録(最低3日分、可能なら1〜2週間分)
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□ 測定した時間帯(朝・夜)、体勢(座位・立位)、状況(食後、入浴後など)
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□ めまい・息切れ・胸痛などの症状の有無とタイミング
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□ 現在服用している薬・サプリメントの名前と量
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□ 持病(糖尿病、脂質異常症、腎臓病、心臓病など)の有無
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□ 家族の病歴(心筋梗塞、脳卒中、突然死など)
これらをメモしておくと、短い診察時間の中でも必要な情報を過不足なく伝えやすくなります。
正しく向き合うためのセルフケアと対策
血圧測定のチェックリスト
下の血圧が40台と出たとき、「本当にその数値が正確か」を確認することも大切です。
測定時に確認したいポイント
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□ 測定前5分は静かに座っていた
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□ 会話やスマホ操作をしながら測っていない
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□ 足を組まず、背中を背もたれにつけて座っている
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□ カフを巻く位置が正しい(上腕の中心)
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□ 薄い服1枚越し、もしくは直接肌に巻いている
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□ 腕の高さが心臓と同じ位置になっている
これらが守られていないと、実際より低く/高く表示されることがあります。
日常生活のポイント(睡眠・食事・水分・運動)
日常生活の見直しは、低血圧だけでなく全身の健康にもつながります。
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睡眠
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毎日同じ時間帯に寝起きする習慣を作る
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寝る直前のスマホ・PC・カフェインはできるだけ控える
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食事
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朝食を抜かず、炭水化物とタンパク質をバランスよく摂る
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極端な低カロリー食・塩分ゼロのような偏った制限は避ける
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水分
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こまめに少しずつ飲む(1日を通して分散)
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アルコールや砂糖の多い飲料に偏りすぎない
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運動
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軽いウォーキングやストレッチから始める
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急に激しい運動を始めるのではなく、「息が弾む程度」の強度から
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これらは即効性のある「薬」ではありませんが、数週間〜数ヶ月単位で見たときの体調安定に大きく影響します。
フラついたときの対処法
フラつきが出たときには、以下のような安全確保を優先してください。
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その場にしゃがむ・座る(転倒防止)
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可能であれば足を少し高く上げる姿勢をとる
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周囲に人がいる場合は、遠慮せず「少しフラついたので休みます」と伝える
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落ち着いてから、ゆっくりと立ち上がる
頻度が多い場合や、症状が強くなっている場合は「慣れているから」と放置せず、必ず医師に相談してください。
避けたい自己判断
やってはいけない対処の例
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「血圧を上げたい」と、塩辛いものやカフェイン飲料を大量に摂る
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「今日は低いから」と降圧薬を自己判断で中止する
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ネットで見た健康法を、医師に相談せずに極端に実践する
短期的に数値が変わっても、長期的には心臓・腎臓・血管の負担となる可能性があります。
必ず医療者と相談しながら調整してください。
知恵袋を参考にするときの注意点
「下が低いのは問題ない」という回答の落とし穴
知恵袋では、
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「低い分には安心」
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「高血圧よりはマシ」
といったコメントが目立ちます。
しかし、「問題ない」と言えるかどうかは
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年齢
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症状の有無
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上と下のバランス
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持病・家族歴
によって大きく変わります。
「そのコメントを書いた人にとっては問題なかった」だけであり、
あなたの身体にも当てはまる保証はありません。
「体質だから大丈夫」と思い込むリスク
過去に医師から「体質的な低血圧」と言われていても、
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数年経って状況が変化している
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新しい持病が増えている
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生活習慣が変わっている
といったことはよくあります。
「以前そう言われたから一生大丈夫」とは限りません。
定期的に状況を見直し、「本当に今も同じ状態なのか」を確認することが安全です。
情報の使い分け
情報の役割分担は次のように考えると整理しやすくなります。
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医療ガイドライン・医師監修サイト
→ 「基礎知識・一般論・リスクの範囲」を知るための情報源 -
知恵袋・SNSなどの体験談
→ 「似た悩みの人の存在」「実際の感覚・苦労」を知るための情報源 -
医師の診察
→ 「自分の身体に当てはめた時、どう判断するか」を決める場
知恵袋をまったく見てはいけない、ということではなく、「最終判断はあくまで医療機関で」という線引きを意識していただくことが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q. 下の血圧が40〜50台ですが、病院に行くべきですか?
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めまい・息切れ・胸痛・意識が遠のく感じなどがある → 受診を強く推奨
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症状はほとんどないが、最近急に低くなってきた → 一度内科で相談を推奨
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昔から同じ程度で、健診で他に異常がない → 経過観察もあり得るが、心配なら相談を
不安が強い場合や、「どうせ体質」と思い込みたくない場合は、受診しておいた方が安心です。
Q. 上が130〜140で下が40台です。本当に危険ですか?
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脈圧が大きく、血管の状態を確認した方がよいケースがあります。
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喫煙、糖尿病、脂質異常症、家族歴などがある場合は、なおさら注意が必要です。
循環器内科で、一度詳しい評価(心電図・エコー・血液検査など)を受けると安心材料になります。
Q. 昔から低血圧ですが、どこまでが「体質」ですか?
「体質」と「病気」は、症状や検査結果を総合して判断されます。
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昔から低いが、最近になって
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動悸が増えた
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息切れが強い
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むくみが出てきた
などがあれば、体質だけでは説明できない可能性があります。
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迷ったときは「体質だから仕方ない」と片付ける前に、一度検査を受けることをおすすめいたします。
Q. エナジードリンクやサプリで血圧を上げても良いですか?
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エナジードリンクにはカフェインや糖分が多く含まれ、心臓や血管に負担をかけることがあります。
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サプリメントも、持病や服用中の薬と相互作用を起こす可能性があります。
一時的に血圧が上がっても、健康全体にとって必ずしも良いとは限りません。
安易に頼るのではなく、生活習慣の見直しと医師への相談を優先してください。