朝から体が重く、何をするにも気力が湧かない。休んでも回復せず、仕事や家事の効率が落ちてくると、「怠けているだけかも」と自分を責めてしまいがちです。けれど、だるさや無気力は、睡眠の乱れやストレス、食事や活動量の偏りなど、日常の条件が重なって起こることもあれば、体の病気が隠れているサインとして現れることもあります。
本記事では、まず最初に確認したい「危険サイン」「続いている期間」「生活への支障」の3点から、今日の行動を迷わず決める方法を提示します。そのうえで、1週間で整える睡眠・食事・活動の立て直し手順、改善しない場合の受診の目安と受診先、医師に伝えると役立つ記録テンプレまでまとめました。読み終えたら、今の状態に合わせて「まず何をすればよいか」がはっきりし、不安を小さくしながら次の一歩を踏み出せます。
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体がだるい、やる気が出ないときに最初の5分で決めること
体がだるくてやる気が出ない状態が続くと、「自分が弱いだけでは」「怠けていると思われたらどうしよう」と感じやすくなります。しかし、だるさや無気力は、睡眠不足やストレスといった身近な要因でも起こりますし、体の病気が背景にある場合もあります。大切なのは、気合いで押し切るのではなく、短時間で判断し、次の行動を確定させることです。
ここでは、最初の5分で行うべき確認を「3点」に絞ります。
1つでも当てはまるものがあれば、次の章の表を使って行動を決めてください。
危険サインがあるかを確認する
まずは「様子見してよい不調」なのか、「早めに受診すべき不調」なのかを分けます。次のような症状がある場合は、我慢して仕事や家事を続けるより、医療機関への相談を優先してください。
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胸の痛み、強い動悸、息苦しさがある
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意識が遠のく、立てないほどのめまいがある
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高熱が続く、急にぐったりして動けない
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強い脱水が疑われる(口渇が強い、尿が少ない、嘔吐が続く など)
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「消えてしまいたい」気持ちが出る、眠れない状態が続く
特に、うつ状態は心の不調としてだけでなく、体の症状として現れ、本人も周囲も気づきにくいことがあるとされています。体の不調が続くときは、かかりつけ医に相談する選択肢が重要です。
どれくらいの期間続いているかを確認する
次に、続いている期間で行動を変えます。疲労感は原因が多岐にわたり、増大したり、以前は平気だった活動でも強い疲労が出る場合は、病気の症状である可能性も示されています。
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1〜7日:まず生活要因(睡眠・食事・活動・ストレス)を整える
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8〜14日:整えつつ、受診も視野に入れて情報をまとめ始める
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15〜30日:受診の検討を具体化し、記録を持って相談する
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1か月以上:早めに医療機関へ(睡眠障害や内科的疾患、メンタル不調も含めて確認)
日常生活への支障を確認する
最後に「生活が回っているか」を見ます。支障があるほど、早めの相談の価値が上がります。
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仕事や家事のミスが増えた、集中できない
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朝起き上がれず遅刻が増えた
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休日に寝ても回復感がない
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会話や家事が億劫で、人と会うのがつらい
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だるさで外出や身支度ができない日がある
体がだるい、やる気が出ないときの危険サインと緊急度
ここでは、判断を迷わせないために、症状と推奨行動を表にまとめます。該当がある場合は「予定をこなす」より「体を守る」を優先してください。
| 状態 | 例 | 推奨行動 |
|---|---|---|
| 緊急度が高い | 胸痛、呼吸困難、意識がもうろう、立てないめまい、急激な悪化 | 救急含め早急に医療へ |
| 早期受診を検討 | 強い動悸・息切れ、発熱が続く、体重が急に減る、脱水が疑われる、食事が取れない | 近日中に受診(内科など) |
| 様子見の余地 | 軽いだるさで日常は回るが、疲れやすい・眠い | 1週間のセルフケア+記録 |
「脱水が疑われる」「口渇・多飲・多尿がある」「体重減少と全身倦怠感がある」などは糖代謝の問題が背景にある場合もあるため、放置せず相談してください。日本糖尿病学会の一般向け解説でも、症状として「体がだるい」ことに言及されています。
体がだるい、やる気が出ない原因を大きく分けて整理する
原因を当てにいくより先に、「どの箱に入る不調か」を整理すると、改善の優先順位が決まります。ここでは原因を6つのまとまりで整理します。
睡眠の量が足りない
睡眠不足は、だるさ・意欲低下・集中力低下の大きな要因です。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、睡眠に関連する症状が生活習慣・睡眠環境・嗜好品によるものと、睡眠障害によるものに分かれること、ガイドの実践で改善する可能性がある一方、続く場合は睡眠障害が潜む可能性があることが示されています。
睡眠時間が短い日が続くと、回復が追いつかず、気力や意欲の“材料”が不足します。まずは「確保」を最優先にすることが重要です。
睡眠の質が落ちている
睡眠時間が確保できていても、質が落ちると日中の眠気やだるさが出ます。代表例として、閉塞性睡眠時無呼吸は夜間の呼吸停止・酸欠により眠りが浅くなり、日中の眠気が出るとされています。
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いびきが大きいと言われる
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夜中に息苦しくて目が覚める
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起床時に頭痛がある
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日中、会議中に眠気が強い
こうした場合は、生活改善だけで引っ張り続けず、医療機関への相談も選択肢になります。
栄養と水分が足りない、偏っている
食事が偏る、食事量が落ちる、朝食を抜く、過度なダイエットをするなどは、だるさを長引かせやすい要因です。特に、タンパク質が不足すると回復が遅れやすくなります。また水分不足でも倦怠感は出やすくなります。
ここで大切なのは「理想の食事」ではなく、「回復に必要な最低限」を満たすことです。
活動量が少なく、回復スイッチが入っていない
体を動かさないと、血流や睡眠の質が落ち、だるさが固定化しやすくなります。一方で、無理な運動は逆効果にもなります。重要なのは、最小ステップで“体を起こす”ことです。
ストレス負荷が高く、自律神経が乱れている
緊張や環境変化が続くと、だるさ・頭がぼーっとする・やる気が出ないといった形で現れることがあります。さらに「休んでも回復しない」と感じやすくなります。ストレス対策は、根性論ではなく、回復を妨げる条件を減らす作業です。
体の病気が背景にある
だるさは多くの病気で起こり得ます。例えば、甲状腺機能低下症では無気力、疲労感、むくみ、寒がり、体重増加などが一般的な症状として挙げられています。
また、慢性腎臓病では「体がだるい」「貧血」などの症状が見られる場合があり、症状がある場合は検査が必要とされています。
「休めば治るはずが治らない」「他の症状がセットで出ている」場合は、早めに相談したほうが安心につながります。
体がだるい、やる気が出ないときの期間別アクションプラン
ここからは、記事のUVPである「期間×強さ×危険サイン」を、そのまま行動に変える形で提示いたします。読後に迷わないことを最優先にしています。
1〜7日の場合は生活を整えるのが最優先
この期間は、まず「回復の土台」を作ることが効果的です。ポイントは、全部を一気に直すのではなく、効果が出やすい順に手を付けることです。
優先順位は次の通りです。
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睡眠(起床時刻固定+確保)
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食事(タンパク質+水分)
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活動(5分歩く)
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ストレス(減速時間の確保)
8〜14日の場合は整えながら受診準備を始める
2週目に入ったら、「整える」だけでなく「相談の準備」も同時に進めます。理由は、生活要因だけでは改善しないケースが混ざり始めるためです。
この段階では、7日記録を始めるだけで価値があります。医師に説明しやすくなり、検査の判断も早くなります。
15〜30日の場合は受診を具体化する
3〜4週続く場合は、受診を“検討”ではなく“具体化”してください。
「内科でよいのか」「何を伝えればよいか」が分かると、受診の心理的ハードルが下がります(次章で整理します)。
1か月以上の場合は早めに相談する
1か月以上続く場合、睡眠障害や内科的疾患、メンタル不調なども含めた評価が必要になることがあります。睡眠ガイドでも、実践しても睡眠関連症状が続く場合は睡眠障害が潜む可能性がある旨が示されています。
長期化すると「不調に慣れてしまう」ことがあるため、早めに相談して見通しを作ることが重要です。
体がだるい、やる気が出ないときの1週間セルフケア手順
ここでは「今日からできて、続けやすく、効果が出やすい」手順に絞ります。完璧を目指すほど挫折しやすいので、最低ラインを作ることを優先します。
まず睡眠を立て直す
睡眠は回復の基盤です。厚労省の睡眠ガイドでは、睡眠に関連する症状が生活習慣等で改善する可能性がある一方、続く場合は睡眠障害が疑われるとされています。
したがって、1週間は次の「固定」だけを守ってください。
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起床時刻を固定する(休日も±1時間以内)
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就寝前60分は減速時間にする(仕事・刺激の強いSNSを切る)
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カフェインは夕方以降控える(眠りの質を落としやすい)
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寝床で考え事をしない(眠れない日は一度起きて、暗い部屋で落ち着く)
「寝つけない」人ほど就寝時刻を早めがちですが、うまくいかない場合は、起床固定を守りながら就床を少し遅らせるほうが整うこともあります。ここは個人差が大きいので、1週間の記録で自分のパターンを見てください。
食事はタンパク質と水分で下支えする
食事は「回復の材料」です。次のルールだけで十分です。
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毎食、タンパク質を1品足す(卵、納豆、豆腐、魚、鶏肉、ヨーグルトなど)
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主食だけで終わらせない(おにぎり+卵、麺+豆腐などでよい)
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朝が無理なら小さく始める(バナナ+ヨーグルトなど)
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水分を意識する(のどが渇く前に、こまめに)
「口渇・多飲・多尿」などがある場合は糖代謝の問題が関与している可能性もあるため、早めの相談が安心です。
動けないときほど最小ステップで体を起こす
運動は「頑張る」ものではなく、回復のスイッチです。次のどれか1つで構いません。
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1日5分だけ歩く
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1時間に1回立ち上がる(伸びをするだけでも可)
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階段を1フロア分だけ使う
大事なのは「できた日を増やす」ことで、できなかった日を責めないことです。
ストレスを減らすのではなく回復を邪魔する要因を減らす
ストレス対策は、派手な発散ではなく「回復の邪魔を減らす」ことが効きます。
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就寝前は連絡やSNSを見ない
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今日やることを3つまでに絞る
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1日のどこかで10分だけ外の光を浴びる
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休憩を先に予定として確保する
「やる気が出ない」日は、やる気を出そうとするほど空回りします。回復を邪魔する要因を減らして、勝手に回復する条件を作るほうが現実的です。
体がだるい、やる気が出ないときに役立つ7日記録テンプレ
不調が続くと、頭の中で状況整理ができなくなります。そこで「記録」を使います。記録は、セルフケアの改善点を見つけるだけでなく、受診時の説明にも役立ちます。
1日1分でよい記録項目
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睡眠:就寝/起床、途中覚醒、起床時の回復感(0〜10)
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だるさ:強さ(0〜10)、つらい時間帯(朝/昼/夜)
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日中の支障:仕事や家事への影響(0〜10)
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食事:朝昼夕の有無、タンパク質を摂れたか
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活動:5分歩いたか、座りっぱなしを切れたか
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気分:落ち込み/不安(0〜10)
記録から見つけたいパターン例
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平日に睡眠が短いと翌日だるさが増える
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朝だけ極端にだるい(睡眠の質の問題が疑われる)
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口渇が強い日が続き、だるさが増える(血糖や脱水の評価が必要かもしれない)
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週末に寝だめすると月曜がつらい(体内リズムの乱れ)
体がだるい、やる気が出ないときの受診目安と何科
受診で大切なのは「正解の科を当てること」ではなく、入口で評価してもらい、必要に応じて適切な専門科へつなぐことです。
受診を検討したい基準
次のどれかに当てはまる場合、受診を具体化してください。
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2週間以上続く
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1か月以上続く
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日常生活(仕事・家事・学業)に明確な支障がある
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息切れ、動悸、むくみ、体重の急変、口渇など他症状がある
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生活改善を1週間続けても悪化または変化がない
まずの受診先は内科・総合診療が基本
迷う場合は、内科・総合診療科が入口として適しています。だるさの原因は幅広く、初期評価では血液検査・尿検査などで全身状態を確認し、必要に応じて専門科へ紹介されます。
加えて、症状が特徴的な場合は次のように考えます。
症状パターン別の受診先と想定検査
| 目立つ症状 | まずの受診先 | 想定される評価 | 次の紹介先の例 |
|---|---|---|---|
| いびき、日中の眠気、起床時頭痛 | 内科 | 睡眠の質の評価 | 睡眠外来など |
| 口渇、多飲、多尿、体重減少、だるさ | 内科 | 血糖関連の評価 | 必要により専門外来 |
| むくみ、寒がり、体重増加、無気力 | 内科 | 甲状腺関連の評価 | 内分泌領域 |
| 尿の変化、むくみ、だるさ、食欲低下 | 内科 | 尿検査・腎機能の評価 | 腎臓内科 |
| 検査で原因が見つからない不調が続く、気分低下や不眠 | かかりつけ医/内科 | 体と心の両面 | 心療内科など |
睡眠時無呼吸は睡眠時間が確保できても質が悪く、日中の眠気が出ること、また生活習慣病にも影響し得ることが示されています。
糖尿病は症状として口渇や多尿に加え、体重減少や「体がだるい」ことがあるとされています。
甲状腺機能低下症では無気力、疲労感、むくみ、寒がり等が症状として挙げられています。
慢性腎臓病でも「体がだるい」等の症状が見られる場合があり、症状があるときは検査の必要性が示されています。
受診前にまとめると良い情報
受診をスムーズにするため、次をメモして持参すると安心です。
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いつから(開始日、悪化したタイミング)
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だるさの強さ(0〜10)と時間帯(朝/昼/夜)
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睡眠(就寝/起床、途中覚醒、いびき、日中の眠気)
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食事量、体重変化、口渇や多尿の有無
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息切れ・動悸・むくみ・発熱などの付随症状
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服薬中の薬、サプリ、カフェイン・飲酒
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7日記録(可能なら)
体がだるい、やる気が出ない状態を繰り返さないための予防設計
不調を繰り返す人の多くは、「忙しい時期に崩れ、戻り切らないまま次の忙しさに入る」パターンを持っています。予防は、根性ではなく設計です。
起床時刻を基準に生活リズムを固定する
睡眠は「寝る時刻」より「起きる時刻」のほうが固定しやすく、生活の土台になります。睡眠ガイドでも生活習慣等に起因する睡眠関連症状はガイド実践で改善する可能性が示されており、まず習慣を整える価値があります。
休日の寝だめを最小化し回復行動を入れる
休日は休める一方で、寝だめでリズムが崩れると、月曜にだるさが出やすくなります。次の3点を意識してください。
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休日も起床は±1時間以内
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午前中に光を浴びる
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5分だけ歩く(買い物でも良い)
再発の引き金を先に潰す
よくある引き金は以下です。
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夜更かしが続く
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食事が主食だけになる
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座りっぱなしが増える
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休憩が消える
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不安が増え、睡眠にこだわり過ぎる
対策は、引き金が出た瞬間にやる「最小行動」を決めておくことです。
例:夜更かしが続いたら、翌日は就寝時刻調整より起床固定と昼の散歩だけ守る、など。
体がだるい、やる気が出ないに関するよくある質問
何もしていないのに疲れるのはなぜですか
活動量が少なくても、睡眠の量や質、食事の偏り、ストレス負荷が重なると疲労感は出ます。また、体の病気が背景にある場合もあります。疲労感は病気の症状である可能性も示されているため、増大する・長引く場合は相談が安心です。
朝だけ特にだるいのは病気でしょうか
睡眠不足や睡眠の質の低下で朝のだるさが強く出ることは珍しくありません。いびきや日中の強い眠気がある場合は、睡眠時無呼吸などで睡眠の質が落ちている可能性もあります。
1週間のセルフケアで改善しない、生活に支障がある場合は受診も検討してください。
やる気が出ないのは甘えでしょうか
甘えと決めつける必要はありません。うつ状態は体の症状が目立つことがあり、本人も周囲も気づきにくいことがあります。検査をしても原因が見つからないのに不調が続く場合は、かかりつけ医への相談が勧められています。
更年期の影響でだるさが出ることはありますか
更年期は睡眠が浅くなりやすく、不眠や睡眠時無呼吸が起こりやすいことが示されています。睡眠の乱れはだるさや意欲低下に影響し得るため、症状が続く場合は婦人科やかかりつけ医に相談する選択肢があります。
体がだるい、やる気が出ないときの要点整理と次の行動
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まず最初の5分で、危険サイン、期間、生活への支障を確認する
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1週間は睡眠を最優先に、食事と水分、最小の活動で土台を作る
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2週間以上続く、支障が強い、他症状がある場合は受診を具体化する
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受診は内科・総合診療が入口で、必要に応じて専門科へつながる
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7日記録を作ると、改善点も受診もスムーズになる
不調が続くと、自分を責めたくなります。しかし、だるさや無気力は「条件」が揃うと誰にでも起こり得ます。判断軸を持ち、回復の条件を整え、必要なら相談する――この順番で進めれば、不安は確実に小さくなります。
参考情報
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厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf
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厚生労働省「健康・医療 睡眠対策」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html
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e-ヘルスネット(厚生労働省)「体の不調はうつ病でも現れます」https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-07-004.html
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日本内分泌学会「甲状腺機能低下症」https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=38
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日本糖尿病学会「糖尿病ってどんな病気?」https://www.jds.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=2
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e-ヘルスネット(厚生労働省)「昼間の眠気」https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-002.html
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国立循環器病研究センター「慢性腎臓病」https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/nierenkrankheit/