突然イライラして強く当たってしまったり、涙が止まらなくなったり、理由がはっきりしないのに気分が急降下したり――。感情の起伏が激しい状態が続くと、「性格の問題かもしれない」「自分が壊れてしまうのでは」と不安になりやすいものです。けれど実際には、睡眠不足や強いストレスだけでなく、双極性障害などの気分障害、月経前不快気分障害(PMDD)といったホルモンの影響、甲状腺機能の異常、薬の副作用など、体調要因が関係していることもあります。
本記事では、病名を自己判断で決めつけるのではなく、「次に何を確認すればよいか」を順番に整理します。赤黄緑の目安で緊急度を見極め、受診先(心療内科・精神科・内科・婦人科)を迷わない導線を用意し、医師に伝わる症状記録テンプレと質問リスト、今日からできる対処法までまとめました。読み終えたときに、「自分を責めるより先に、やるべき一手が分かった」と思える状態を目指します。
※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。
感情の起伏が激しいと感じたときに最初に確認したいこと
感情の起伏が激しいかどうかは期間と支障で判断する
誰にでも気分の波はあります。問題になりやすいのは、「波が大きい」「頻度が高い」「期間が続く」「生活に支障が出る」という4点がそろうときです。たとえば、次のような状態が2週間以上続く、あるいは断続的でも数か月繰り返す場合は、体調要因を含めて確認する価値があります。
-
些細なことで激しく怒ってしまい、後から強い後悔が出る
-
泣き出すと止まらず、仕事や家事が手につかない
-
急にハイテンションになり、睡眠が減っても平気になったり、活動が止まらなくなったりする
-
落ち込みが強くなり、楽しみが感じられず、外出や連絡ができなくなる
-
対人関係の衝突が増え、社会的信用や生活が揺らいでいる
特に注意したいのは、「気分の波」が単なる気分転換ではなく、周囲から見ても“いつもと違う”レベルで行き過ぎ、本人や家族が困るほどの影響が出ているときです。双極性障害は躁状態とうつ状態を繰り返す病気であり、一般的な気分の波とは質が異なることがあるため、早めの専門家評価が重要になります。
生活への影響を言語化すると受診判断が一気に楽になる
「病気かどうか」を自分で結論づけるのは難しい一方で、「生活への影響」は客観的に把握しやすい指標です。次の3つの視点で、いま起きていることを短い言葉で整理してみてください。
-
行動面:暴言、衝動買い、過食・過飲、無断欠勤、SNSでの攻撃的投稿、急な別れ話、危険運転など
-
身体面:動悸、息切れ、多汗、体重変化、手の震え、下痢、極端な眠気、不眠など
-
パターン面:月経前に集中する、寝不足の翌日に悪化する、飲酒後に崩れる、薬の開始後に変化した、特定の相手・場面で爆発しやすい
身体面の情報は特に重要です。甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)では、動悸・息切れ、多汗、体重減少、不眠などが起こり得ます。
一方、甲状腺機能低下症では、疲れやすい、気力がない、寒がり、うつ状態になることがあるなど、心の不調に見える症状が出ることがあります。
「心の問題」と思っていたら身体要因が隠れていた、というケースを減らすためにも、身体症状の整理は価値があります。
今すぐ支えが必要な赤信号を把握する
以下は「様子見」ではなく、優先度を上げるべきサインです。自分ひとりで抱え込まず、受診や相談につながってください。
-
「死にたい」「消えたい」「自分を傷つけたい」気持ちが強い、具体的に考えてしまう
-
危険な行動(無謀な運転、過度な浪費、性的にリスクの高い行動、薬やアルコールの問題など)が増えている
-
眠らなくても平気な状態が続き、考えが止まらず活動が止まらない(躁状態の可能性も含め要注意)
-
幻覚・妄想のような症状、強い混乱がある
-
境界性パーソナリティ障害の特性として自傷や自殺企図が問題になり得るため、危険があると感じたら早めに医療につながることが大切です。
今すぐ支えが必要なときは、公的相談窓口に連絡することも有効です。厚生労働省の「こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)」は、地域の公的相談機関につながります。
また、「死にたい」「消えたい」気持ちが強いときの相談窓口として、#いのちSOS(ライフリンク)なども案内されています。
いのちの電話も全国で相談窓口を設けています。
感情の起伏が激しい原因を精神・ホルモン・身体・外因で整理する
原因は一つに決めつけず「重なり」を前提にする
感情の起伏が激しいとき、検索では「この病気ですか?」という答えを求めがちです。しかし実際には、原因がひとつだけとは限りません。たとえば、睡眠不足が続いて感情調整が難しくなり、そこに月経前の変動が重なり、さらに職場ストレスが火種になる、といった複合パターンはよくあります。
そこで、自己診断で病名を当てにいくよりも、まずは原因候補をカテゴリーで整理し、「可能性を絞る順番」を作るほうが安全で、結果的に早く楽になります。
原因候補の比較表で「次の一手」を決める
以下の表は、診断を確定するものではなく、「何を疑い、どこに相談し、何を記録すべきか」を整理するためのものです。
| 原因カテゴリ | 波の特徴 | 一緒に出やすい症状 | きっかけの傾向 | 受診先の目安 | まずやること |
|---|---|---|---|---|---|
| 双極性障害(気分障害) | 高揚(躁/軽躁)と落ち込みが周期的 | 不眠でも活動、考えが止まらない、衝動行動 | きっかけ薄く波が出ることも | 精神科/心療内科 | 気分・睡眠・行動を記録、赤信号があれば早急に受診 |
| うつ病(気分障害) | 落ち込みが中心、日内変動も | 不眠/過眠、食欲低下、疲労感 | ストレス後に発症も | 心療内科/精神科 | 2週間以上の持続と支障を記録 |
| PMDD(ホルモン) | 月経前に強く悪化し、月経開始後に軽快 | 抑うつ、不安、情緒不安定、怒り・イライラ、睡眠変化 | 月経周期に連動 | 婦人科(必要に応じ精神科) | 月経日・症状の関係を1〜2周期記録 |
| 甲状腺機能亢進(バセドウ病等) | 落ち着かなさ、焦燥、イライラが目立つことも | 動悸・息切れ、多汗、体重減少、不眠、手の震え | きっかけ不明でも進行 | 内科(甲状腺) | 身体症状をメモ、血液検査の相談 |
| 甲状腺機能低下 | 気力低下、落ち込み、反応が鈍い | 疲労感、寒がり、むくみ、便秘、眠気、うつ状態 | 見過ごされやすい | 内科(甲状腺) | 眠気・体温感・体重変化を記録 |
| 薬剤性(例:ステロイド等) | 開始・増量後に急変 | 不眠、気分高揚、焦燥など | 服薬タイミングと一致 | 処方元+精神科/内科 | 服薬変更日を記録し医師に共有 |
| 睡眠・生活リズム | 寝不足で悪化、休日に乱れる | 集中低下、イライラ、涙もろさ | 寝不足・夜更かし | まずは生活調整、必要なら心療内科 | 起床時刻固定、睡眠ログ |
| 強い対人ストレス・性格特性 | 対人場面で急激に揺れる | 見捨てられ不安、衝動、自傷が絡むことも | 特定の相手・関係で増悪 | 精神科/心理支援 | 感情の引き金と反応を記録 |
| 発達特性(ADHD/ASD特性) | 刺激・予定変更で爆発しやすい | 衝動、段取り困難、過集中の反動 | 環境負荷で顕在化 | 精神科/専門外来 | 困りごとを具体化し、環境調整案をメモ |
※薬剤性の項目は、必ず「自己判断で中止しない」を徹底してください。安全に調整できるかは処方医の判断が必要です。
感情の起伏が激しいときに疑われる代表的な病気と特徴
双極性障害は「落ち込み」だけでは説明できない波がヒントになる
双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す病気です。一般的な気分の波と違い、周囲が「いつもと違う」と気づき、本人や家族が困るほど行き過ぎる場合は疑われます。
特に注意したいのは、躁状態(または軽躁状態)が「本人の自覚としては調子が良い」と感じられやすい点です。調子が良いから受診しない、という流れが起きることがあります。
双極性障害を疑うヒントとしては、次のような“行動の変化”があります。
-
寝なくても平気、または睡眠が極端に減る
-
話が止まらない、アイデアが次々出てくる
-
自信が過剰になり、普段しない挑戦や浪費をする
-
周囲との衝突が増える(攻撃的、無謀な計画など)
-
その反動で深い落ち込みが来る
もちろん、これだけで判断はできません。ただ、赤信号(危険行動、睡眠の大幅減少など)があるときは早めの受診が重要です。
うつ病は「気分の落ち込み+身体症状+支障」がセットで考える
うつ病は気分障害の一つで、抑うつ気分や興味の低下などの精神症状に加え、不眠、食欲低下、疲れやすさなどの身体症状が現れ、日常生活に支障が出る場合に疑われます。
注意点として、うつ病と双極性障害は治療が異なり得るため、専門家の判断が重要です。
うつ状態が強いときは「何もできない」「休めない」「迷惑をかけてしまう」など、自責が増えます。自責の強さそれ自体が症状の一部になり得るため、「まず休む」「相談する」を優先して問題ありません。
PMDDは「月経周期との連動」が最大の手がかり
PMDD(月経前不快気分障害)は、月経(生理)が始まる2週間前ごろから心身が不安定になるPMSの中でも、心の不安定さが特に強い場合に診断されます。抑うつ気分、不安・緊張、情緒不安定、怒り・イライラが中心で、月経前に出現し社会活動や人間関係に支障をきたすとされています。
また、月経が始まると症状が軽快していく、という周期性が特徴として説明されます。
PMDDを疑う場合は、気分だけでなく「睡眠」「食行動」「対人摩擦」が月経前に集中していないかを記録し、婦人科で相談するのが第一歩になります。
甲状腺の異常は「心の症状に見える」ことがあるので外さない
甲状腺機能亢進症では、新陳代謝が過度に促進され、動悸や息切れ、多汗、体重減少、手足の震え、不眠、下痢などがよくある症状として挙げられます。
こうした身体症状と一緒に、落ち着かなさやイライラが前面に出ることもあり、心の不調と誤認されることがあります。
逆に、甲状腺機能低下症では、疲れやすい、気力がなくなる、寒がり、低体温、うつ状態になることがあるなど、多彩な症状が現れる可能性があります。
「気分が落ちる=こころだけ」と決めつけず、身体のサインも一緒に拾うことが大切です。
感情の起伏が激しいときの赤黄緑チェックで緊急度を判断する
赤黄緑トリアージ表で迷いを減らす
以下はあくまで目安ですが、判断の軸があるだけで不安が整理されます。
| 区分 | 状態の例 | 推奨アクション | 受診先 | 相談先 |
|---|---|---|---|---|
| 赤(今すぐ) | 希死念慮、自傷の危険、危険行動、極端な不眠と高揚、強い混乱 | すぐに受診・連絡。ひとりにならない | 救急/精神科 | こころの健康相談統一ダイヤル等 |
| 黄(数日〜2週間以内) | 波が2週間以上続く、仕事や関係が壊れ始めた、睡眠が崩れて戻らない | 受診予約+記録開始 | 心療内科/精神科、必要に応じ内科/婦人科 | 公的相談や家族への共有 |
| 緑(まず調整+記録) | 一時的、支障は軽いが不安、原因の見当がつかない | 生活調整+2週間記録 | かかりつけ医や心療内科を検討 | 相談先を把握しておく |
赤に該当する可能性があると感じたときは、迷うほどしんどい状況であることが多いです。厚生労働省の「こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)」は公的な相談機関につながります。
「死にたい」「消えたい」気持ちが強いときの窓口として、#いのちSOS(ライフリンク)なども案内されています。
感情の起伏が激しいときに役立つ症状記録テンプレと付け方
記録は自己診断のためではなく医師の判断材料にする
記録の目的は「病名当て」ではありません。医師が鑑別しやすくすること、そして自分のパターンを客観視することです。記録があるだけで、受診時のコミュニケーションが格段にスムーズになります。
2週間〜1か月の症状記録テンプレ(コピペ用)
以下をメモアプリや紙に貼り付け、可能な範囲で埋めてください。完璧でなくて構いません。
-
日付:
-
気分(-5〜+5):
-
その日の一言(例:涙が止まらない/妙に強気/落ち着かない):
-
睡眠(就寝・起床・途中覚醒・睡眠の満足度):
-
食欲(増/減/普通):
-
身体症状(動悸、発汗、震え、寒がり、便秘/下痢、むくみ等):
-
出来事(引き金になったこと・対人トラブル・予定変更):
-
月経関連(生理開始日、排卵期っぽい時期、PMSの有無):
-
飲酒・カフェイン:
-
服薬・サプリ(開始/増減/飲み忘れ):
-
危険行動の有無(浪費、衝動的連絡、運転、過量服薬など):
-
今日できたセルフケア(散歩、入浴、早寝、相談など):
記録で特に価値が高い3点
-
睡眠:気分の波と最も結びつきやすい要素です(睡眠不足は多くの不調を増幅します)。
-
月経周期:PMDDは月経前に症状が出現することが特徴として説明されています。
-
服薬タイミング:薬剤性が疑われる場合、開始日・増量日が重要になります。
感情の起伏が激しいときの受診先の選び方と検査の考え方
何科に行けばいいか迷ったときの早見表
受診先は「症状の中心」と「身体サインの強さ」で決めると迷いが減ります。
| 主症状 | 疑う要因 | 推奨科 | 検査・確認 | 受診時に伝える要点 |
|---|---|---|---|---|
| 不眠+高揚+衝動行動 | 双極性障害の可能性 | 精神科/心療内科 | 生活・睡眠・行動の経過 | 睡眠時間の変化、浪費やトラブル |
| 落ち込み+疲労+楽しめない | うつ病など | 心療内科/精神科 | 2週間以上の持続と支障 | 何ができなくなったか |
| 月経前に情緒不安定・怒り | PMDD等 | 婦人科(必要に応じ精神科) | 月経周期と症状の関係 | 月経前何日前から悪化するか |
| 動悸・多汗・体重減少・震え | 甲状腺機能亢進 | 内科(甲状腺) | 血液検査等 | 身体症状の具体と期間 |
| 眠気・寒がり・むくみ・気力低下 | 甲状腺機能低下 | 内科(甲状腺) | 血液検査等 | 体調変化がいつからか |
| 薬開始後に不眠・気分変調 | 薬剤性 | 処方元+必要に応じ専門科 | 服薬変更履歴 | 自己判断で中止せず相談 |
「精神科が怖い」という気持ちは自然です。その場合、身体症状が強いなら内科、月経周期が関係しそうなら婦人科から始めるのも一つの手です。ただし、危険行動や希死念慮があるときは、受診や相談の優先度を上げてください。
受診で医師に伝えるべき要点(短くても強い)
医師にとって判断材料になりやすいのは、次の情報です。
-
いつから、どれくらいの頻度で、どんな波があるか
-
一番困っている支障(欠勤、衝突、家事不能、浪費など)
-
睡眠がどう変わったか(減った/増えた/中途覚醒)
-
身体症状(動悸、発汗、体重変化、寒がり、便秘等)
-
月経との関係(いつ悪化するか)
-
服薬の変更(いつ始めたか、増減したか)
-
赤信号(希死念慮、危険行動、自傷)があるか
受診時の質問リスト(不安を減らすための台本)
-
いま疑うべき原因候補は何か(精神・ホルモン・身体・薬剤)
-
追加で必要な検査はあるか(血液検査など)
-
悪化したときはどうすればよいか(連絡先、夜間対応)
-
生活で優先して整える点は何か(睡眠、刺激物、休養)
-
家族や職場にはどう説明すればよいか(診断名の開示は必要か)
感情の起伏が激しいときの対処法を「今日」「今週」「中長期」で分けて考える
今日できることは衝動の事故を減らす安全策に寄せる
感情が荒れている日に“気合いで落ち着く”のは難しいものです。目標は「うまくやる」ではなく「事故を減らす」です。
-
返信・決断・買い物は24時間保留(衝動買い、退職宣言、別れ話を防ぐ)
-
長文の連絡は送らず、短文の定型で済ませる
-
例:「今は落ち着いて話せないので、○時以降に返します」
-
-
刺激を減らす(ニュース、SNS、カフェイン、アルコール)
-
可能なら人に宣言する
-
例:「今日は判断しない日。大事な決断は明日に回す」
-
「判断を先送りする」ことは逃げではなく、危険な行動を防ぐ有効なスキルです。
今週やることは睡眠の再建と記録の開始
気分の波は、睡眠と強く結びつきます。最優先は「起床時刻の固定」です。寝る時間を固定できなくても、起きる時間を揃えるだけでリズムが戻りやすくなります。
-
起床時刻を固定し、朝の光を浴びる
-
昼寝は短時間にする(できるなら)
-
カフェインは午後遅くに減らす
-
軽い運動(散歩レベル)を週2〜3回から
-
食事を抜かない(空腹でイライラが増える人は多い)
同時に、前述のテンプレで2週間の記録を始めると、受診の質が上がります。
中長期は「環境調整」と「支援を借りる設計」が鍵になる
感情の起伏が激しい状態が続くと、本人の努力だけでは限界があります。環境側を調整し、支援を借りるほうが回復が早いことが多いです。
-
仕事:締切の再設計、連絡頻度の調整、休暇の検討
-
対人:距離を取るルール、話し合いは落ち着いている時間に限定
-
家族:支援の役割分担(受診同行、家事の一時分担)
-
医療:必要に応じて精神科/心療内科、婦人科、内科の併用
重要なのは「全部を一度に直す」ではなく、「悪化ループを断つ」ことです。睡眠、刺激、衝動、孤立、この4つのうち一つでも改善すると、波は小さくなりやすいです。
感情の起伏が激しいときに周囲へ伝える言い方と避けたい言い方
家族・恋人へ伝える30秒版と90秒版
-
30秒版:
「最近、感情の波が大きくて自分でも制御が難しい。病気の可能性も含めて受診と記録を始めたい。荒れているときは少し距離を置かせてほしい」 -
90秒版:
「きっかけが小さくても強く反応してしまって、あとで後悔することが増えた。睡眠や体調、月経周期、身体の問題も関係しているかもしれないから、記録をつけて医師に相談したい。落ち着くまでの時間が必要なので、衝突しそうなときは一旦中断するルールを作りたい」
職場へ伝える短文テンプレ
-
「体調面で通院が必要になりそうです。勤務調整が必要になったら相談します」
-
「睡眠と体調の治療を進めています。連絡の締切を○時に合わせたいです」
診断名を言う必要はありません。必要なのは「調整の相談がある」ことだけです。
避けたい言い方(炎上しやすい禁句)
周囲にも余裕がないとき、つい言ってしまいがちな言葉がありますが、悪化しやすいので注意が必要です。
-
「気の持ちようでしょ」
-
「甘えだよ」
-
「普通はそんなに怒らない」
-
「そんなことで泣くな」
代わりに、「いま何が一番つらい?」「安全のために今は休もう」「医師に伝えるメモを一緒に作ろう」といった“行動”に寄せる言葉が有効です。
感情の起伏が激しい悩みでよくある質問
性格と病気の違いはどう考えればよい?
二択で考えると苦しくなります。現実的には「以前と比べて悪化したか」「支障が出ているか」「身体症状や睡眠の変化があるか」で判断します。双極性障害は躁状態とうつ状態を繰り返す病気で、通常の気分の波とは区別が必要な場合があります。
また、うつ病と双極性障害は治療が異なり得るため、専門家判断が重要とされています。
受診するとすぐ薬になる?一生飲むことになる?
治療方針は状態や背景(ホルモン、甲状腺、生活要因など)で変わります。PMDDのように周期性が明確な場合や、甲状腺機能異常のように身体側の治療が必要な場合など、アプローチは一律ではありません。
大切なのは「最小限で安定を目指す」ことと、「自己判断で中断しない」ことです。迷いや不安は受診時に質問リストで確認してください。
受診が怖いときはどうすればよい?
怖さの多くは「何をされるか分からない」ことから来ます。症状記録テンプレを持参し、「まず整理したい」「生活への支障を減らしたい」と伝えれば十分です。精神科への抵抗が強い場合は、身体症状が強ければ内科、周期性が強ければ婦人科から始めるのも一つの方法です。ただし、赤信号がある場合は優先度を上げてください。
家族ができることは何?
家族ができることは、説得よりも安全確保と受診・記録の支援です。
-
荒れている最中に正論で説得しない(火に油になりやすい)
-
落ち着いているときに、記録テンプレを一緒に埋める
-
危険サイン(希死念慮、危険行動、極端な不眠と高揚)があるときは、相談窓口や医療につなぐ
参考にした情報源
-
国立精神・神経医療研究センター こころの情報サイト(双極性障害)
https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?%40uid=RM3UirqngPV6bFW0 -
国立精神・神経医療研究センター こころの情報サイト(うつ病)
https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?%40uid=9D2BdBaF8nGgVLbL -
済生会(月経前不快気分障害 PMDD)
https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/premenstrual_dysphoric_disorder/ -
隈病院 甲状腺ナビ(バセドウ病)
https://thyroid-navi.kuma-h.or.jp/disease/basedow/ -
Medical Note(甲状腺機能低下症と気分の落ち込み)
https://medicalnote.jp/diseases/%E7%94%B2%E7%8A%B6%E8%85%BA%E6%A9%9F%E8%83%BD%E4%BD%8E%E4%B8%8B%E7%97%87/contents/250127-003-DY -
厚生労働省(こころの健康相談統一ダイヤル)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/kokoro_dial.html
https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/tel/ -
NPO法人 自殺対策支援センターライフリンク(#いのちSOS)
https://www.lifelink.or.jp/inochisos/ -
一般社団法人 日本いのちの電話連盟
https://www.inochinodenwa.org/