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寒中見舞いとは?意味・送る時期・書き方と文例を状況別にわかりやすく整理

年賀状を出しそびれてしまった、返事が松の内に間に合わなかった、喪中で年始の挨拶を控えた――そんなときに「寒中見舞い」を思い出しても、いざ送ろうとすると「いつ出すのが正解?」「賀詞は入れていい?」「相手が喪中の場合はどう書く?」と迷いが増えてしまいがちです。
寒中見舞いは、寒さが厳しい時期に相手の健康を気遣う季節の挨拶状であり、年明けの挨拶の遅れや喪中対応を、失礼なく丁寧に整えられる便利な手段でもあります。

本記事では、寒中見舞いの意味と役割を最初に整理したうえで、松の内・立春を基準にした「送る時期」の判断方法、文面の基本ルールと避けたい表現、用途別にそのまま使える文例まで、迷いが残らないように順序立てて解説します。読み終えた頃には、状況に合った文面を選び、安心して投函できる状態になるはずです。

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寒中見舞いとは何かをやさしく整理

寒中見舞いとは、寒さが厳しい時期に相手の健康を気遣い、近況やお礼を添えて送る季節の挨拶状です。年賀状や喪中はがきのように「出すべき相手が決まっている通知」とは少し性格が異なり、相手への配慮を丁寧に形にできるのが特徴です。
一方で、現代では「年賀状を出しそびれた」「年賀状の返事が遅れた」「喪中で年始の挨拶を控えた」など、年明けならではの事情をカバーできる便利な挨拶状として定着しています。意味を理解し、送る時期と文面の基本さえ押さえれば、失礼を避けながら気持ちよくやりとりができます。

寒中見舞いの意味と本来の目的

寒中見舞いの中心は、相手の体調や暮らしを案じる「お見舞い」です。冬の寒さが厳しい頃は体調を崩しやすく、雪や凍結などで生活が大変な地域もあります。そうした季節の事情を踏まえ、「お変わりありませんか」「ご自愛ください」といった言葉を添えて相手を気遣うのが本来の目的です。

寒中見舞いは、文章量の多さや特別な表現の上手さよりも、相手を思う姿勢が伝わることが大切です。形式を整えつつも、相手に負担をかけない短さ・やさしさを意識すると、自然で品のある挨拶状になります。

また、寒中見舞いは「お祝い」ではありません。新年の慶事を祝う年賀状とは趣旨が違うため、年賀状で使うような賀詞(おめでとう系の言葉)を入れないことが大きなポイントになります。特に喪中が絡む場面では、ここを外すと意図せず失礼になってしまうため注意が必要です。

現代でよく使われる4つの場面

寒中見舞いは、現代の生活の中では次の4つの場面で使われることが多いです。自分の状況に近いものを選び、文面を少しだけ書き分けると失敗が減ります。

  1. 年賀状をいただいたが返事が遅れた
    先方から年賀状が届いたのに、こちらの返礼が松の内に間に合わなかった場合です。お礼とお詫びを添えて寒中見舞いとして返すと、丁寧な印象になります。

  2. 年賀状を出しそびれた
    忙しさや体調不良などで年賀状の準備が間に合わず、年始の挨拶が遅れてしまった場合です。「ご挨拶が遅くなりました」と一言添えるだけで、状況が伝わります。

  3. 自分が喪中で年賀状を控えた
    喪中はがきを出しそびれた場合や、年賀欠礼の連絡を出したものの、年明けに改めて近況と挨拶を伝えたい場合に適しています。祝いの言葉を避け、健康を気遣う言葉で整えるのが基本です。

  4. 相手が喪中で年賀状を控えている
    先方の服喪を知っており年賀状を控えたが、年が明けてから「体調はいかがですか」「寒い時期ですがお大事に」と気遣いを伝えたい場面です。お悔やみを長々と書くよりも、相手の負担にならない配慮が重要です。

このように、寒中見舞いは「年始の挨拶の遅れ」を自然にフォローしつつ、季節の気遣いを添えられる便利な手段です。次の章では、いつ送ればよいかを迷わないように、時期の考え方を整理します。


寒中見舞いはいつ出すのがよいか

寒中見舞いでいちばん迷いやすいのが「いつ出すか」です。ここが曖昧だと、急いで出したほうがよいのか、もう出さないほうがよいのか判断しにくくなります。基本はシンプルで、「松の内が明けてから立春まで」を目安に考えます。ただし、地域差や配送事情もあるため、到着日を意識して段取りするのが安全です。

松の内と立春を基準にする理由

寒中見舞いの時期が「松の内明け〜立春まで」とされるのには、季節の区切りと年始の挨拶文化が関係しています。

  • 松の内は、正月飾りを飾る期間であり、年賀状が届く時期の目安にもなっています。松の内の間は「新年の挨拶」が前面に出るため、年賀状のやりとりが中心になります。

  • 松の内が明けると、年賀状を出す時期としては遅くなり、「年賀状」として出すと違和感が出ます。そこで、年始の挨拶の遅れを補いつつ、季節の気遣いを伝える寒中見舞いが自然に機能します。

  • 立春は暦の上で春の始まりです。立春を過ぎると「寒中」という言葉が季節感としてずれやすくなり、同じ趣旨の挨拶でも「余寒見舞い」へ切り替える考え方が一般的です。

つまり、寒中見舞いは「年賀状の季節が終わり、春に向かう前の冬の厳しさが残る期間」に送る挨拶状と捉えると理解しやすくなります。

地域差があるときの判断手順

松の内には地域差があり、一般に「1月7日まで」とする地域が多い一方で、「1月15日頃まで」とする地域もあります。どちらが正しいというより、生活文化としての違いです。迷ったときは、次の手順で判断するとスムーズです。

  1. 自分の地域(または相手の地域)の松の内の感覚を確認する
    家族や年配の方、地域の慣習に詳しい人に聞くのが早いこともあります。相手が明らかに地域文化を大切にする方なら、相手側の感覚に寄せると安心です。

  2. 「投函日」ではなく「到着日」を基準にする
    同じ日に投函しても、距離や天候、配送状況で到着日はずれます。「遅れた挨拶を丁寧に届けたい」という目的からすると、相手の手元に届く日を意識したほうが失礼を避けやすくなります。

  3. 迷うなら“早めに出す”方向で段取りする
    寒中見舞いは遅れるほど「なぜ今?」という印象が出やすくなります。文面を丁寧にしようとして準備が長引くより、基本形で整えて早めに投函するほうが気持ちが伝わりやすいことが多いです。

  4. 立春にかかりそうなら、表題だけでも切り替える
    到着が立春を過ぎそうなら「余寒見舞い」に切り替えます。本文は寒中見舞いの考え方と大きく変わりませんが、季節感が整うため違和感が減ります。

この判断手順を覚えておけば、地域差があっても落ち着いて対応できます。

立春を過ぎたら余寒見舞いに切り替える

立春を過ぎても寒さは続きます。むしろ体感としては「ここからが寒い」という地域もあります。そのため、立春以降は「余寒見舞い」という表題に切り替えて、同じように相手の健康を気遣う挨拶状を送るのが一般的です。

余寒見舞いに切り替えるときのポイントは次の通りです。

  • 表題を「余寒お見舞い申し上げます」にする

  • 「立春を過ぎましたが寒い日が続いております」など、季節のひと言を入れる

  • 年賀状の返事が遅れた場合は、「ご挨拶が遅くなりました」などの一文を残す

  • 喪中関連の場合は、賀詞や祝いの語を引き続き避ける

「立春を過ぎたから、もう出さないほうがよい」と決めつける必要はありません。相手との関係性にもよりますが、気遣いを伝えたいなら、表題を整えて丁寧に送るほうが自然な場合も多いです。


寒中見舞いの書き方で押さえる基本ルール

寒中見舞いの文面は、型を押さえるだけで整います。ポイントは「表題」「季節の挨拶」「用件」「結び」「日付」の流れです。ここに、状況に応じた一文(年賀状のお礼、遅れたお詫び、喪中で年始を控えた旨など)を差し込むと完成します。

文章の基本構成と入れるべき要素

寒中見舞いの基本構成は次の通りです。初めて書く場合も、この順番に沿って文章を置くと迷いません。

  1. 表題
    「寒中お見舞い申し上げます」
    余寒見舞いの場合は「余寒お見舞い申し上げます」

  2. 季節の挨拶と相手への気遣い
    例:
    「厳しい寒さが続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。」
    「寒さ厳しき折、どうぞご自愛ください。」

  3. 用件(状況に合わせた一文)
    年賀状への返礼なら:
    「ご丁寧な年賀状をいただきながら、ご挨拶が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。」
    喪中が絡むなら:
    「喪中のため年頭のご挨拶を控えさせていただきました。」
    相手が喪中なら:
    「ご服喪中と伺い、年頭のご挨拶を差し控えました。」

  4. 近況(必要に応じて短く)
    近況は長文にせず、1〜2文程度が読みやすいです。相手が喪中の場合は特に、明るすぎる話題や冗長な近況は避け、負担にならない配慮を優先します。

  5. 結び(相手の健康を祈る言葉/今後の関係)
    例:
    「寒さ厳しき折、皆様のご健勝をお祈り申し上げます。」
    「本年も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。」

  6. 日付・差出人
    「令和○年○月」など、月まで入れるのが一般的です。差出人名はフルネームが無難で、ビジネスなら社名・部署名も添えます。

この型をベースに、状況別の一文だけ差し替えると、文面を整えやすくなります。

賀詞や句読点など避けたい表現

寒中見舞いで避けたいのは、主に次の2つです。

1. 賀詞や祝いのニュアンスが強い語
寒中見舞いはお祝いではないため、年賀状に使う表現を混ぜないようにします。特に喪中関連では重要です。

  • 避けたい例:
    「あけましておめでとうございます」
    「謹賀新年」「賀正」「寿」
    「お慶び申し上げます」
    「年賀」「新春」など、祝いを連想させる語

  • 言い換えの例:
    「年賀」→「年始」
    「新年」→(必要なら)「本年」「今年」
    ただし「今年もよろしくお願いいたします」は一般的に問題になりにくい一方、喪中の相手に送る場合は言い回しを控えめにし、健康を気遣う言葉中心に整えるとより安心です。

2. 句読点の扱い
句読点については、「慶事文書では句読点を避ける」という作法が紹介されることがあります。一方で、寒中見舞いは慶事に限らず、読みやすさを優先する考え方もあります。迷った場合は次の方針が無難です。

  • 目上の方や改まった相手、喪中が絡む相手:句読点を控えめにし、改行で読みやすくする

  • 親しい友人やカジュアルな相手:自然な読みやすさを優先してもよい

  • ビジネス:社内ルールや業界慣習に合わせる(定型に揃える)

「絶対に句読点を入れてはいけない」と決めつけず、相手との距離感を基準に整えると失敗しにくくなります。

はがきと切手、デザインのマナー

寒中見舞いは、はがきで送るのが一般的です。とくに喪中が絡む場合は「何を使って送るか」も配慮の一部になります。

はがきの選び方

  • 喪中関連で送る場合:年賀はがきは避け、通常はがき(郵便はがき)または私製はがきを選びます

  • 年賀状の返礼として送る場合:年賀はがきでなくても構いません。寒中見舞い用・冬の挨拶用のデザインはがきや、シンプルな私製はがきが無難です

切手の扱い

  • 私製はがきを使う場合は切手が必要です。派手すぎる図柄よりも、落ち着いたものを選ぶと印象が整います。喪中が絡む場合は、なおさら控えめなデザインが安心です。

デザインの注意点

  • 避けたいモチーフ:門松、鏡餅、日の出、干支など「年賀」を連想させるもの

  • 喪中が絡む場合:明るすぎる色合い、過度に華やかな装飾は控える

  • 無難な方向性:雪、椿、南天、冬の風景、シンプルな罫線やワンポイント

寒中見舞いは、文章だけでなく全体の雰囲気も含めて相手への配慮が伝わります。迷ったら「控えめ」「読みやすい」「年賀っぽくない」の3つを基準に選ぶと安心です。


相手や状況別に使える寒中見舞いの文例集

ここでは、状況別にそのまま使える文例を紹介します。文例は「表題→気遣い→用件→結び→日付」の型に沿っています。自分の状況に近いものを選び、相手の名前や関係性に合わせて語尾だけ整えれば十分です。

年賀状の返事が遅れたときの文例

文例(親戚・知人向け)
寒中お見舞い申し上げます
厳しい寒さが続いておりますが お変わりなくお過ごしでしょうか
ご丁寧な年賀状をいただきながら ご挨拶が遅くなりましたことをお詫び申し上げます
本年も変わらぬお付き合いのほど よろしくお願いいたします
寒さ厳しき折 どうぞご自愛ください
令和○年○月

短くまとめたい場合の文例
寒中お見舞い申し上げます
年賀状をいただきありがとうございました
ご挨拶が遅くなりましたことをお詫び申し上げます
寒さが続きますので どうぞご自愛ください
令和○年○月

書き換えのコツ

  • お礼とお詫びはセットで入れると誠意が伝わります

  • 近況を入れるなら1文だけにし、読みやすさを優先します

  • 先方が目上の場合は「申し上げます」を中心に、丁寧語に揃えます

喪中の相手へ送る文例

文例(相手が喪中の場合)
寒中お見舞い申し上げます
ご服喪中と伺い 年頭のご挨拶を差し控えました
寒さ厳しき折 いかがお過ごしでしょうか
皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます
令和○年○月

もう少し気遣いを添える文例
寒中お見舞い申し上げます
ご服喪中と伺い 年頭のご挨拶を差し控えました
寒さが一段と厳しくなってまいりましたが お疲れが出ておりませんでしょうか
くれぐれもご無理なさらず お体を大切になさってください
令和○年○月

書き方の注意

  • お悔やみを長々と書きすぎないほうが、相手の負担が小さくなります

  • 相手の心情を想像し、「励ましすぎない」「急かさない」文章が無難です

  • 文面全体は落ち着いたトーンに揃えます

自分が喪中で年賀状を控えたときの文例

文例(自分が喪中の場合)
寒中お見舞い申し上げます
喪中のため 年頭のご挨拶を控えさせていただきました
厳しい寒さが続いておりますが お変わりなくお過ごしでしょうか
寒さ厳しき折 どうぞご自愛のほどお願い申し上げます
令和○年○月

年賀状をいただいた相手に返す場合の文例
寒中お見舞い申し上げます
喪中のため 年頭のご挨拶を控えさせていただきました
ご丁寧なご挨拶状をいただき 誠にありがとうございました
寒さが続きますので どうぞご自愛ください
令和○年○月

書き換えのコツ

  • 喪中であることは1文で十分です。理由を細かく書きすぎないほうが落ち着きます

  • 「おめでとう」に近い表現は避け、健康祈念の言葉を中心に置きます

  • 近況を書くなら、明るすぎる話題は控えめにし、短くまとめます

会社や取引先に送る寒中見舞いの文例

文例(取引先向け)
寒中お見舞い申し上げます
厳寒の折 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます
旧年中は格別のご厚情を賜り 厚く御礼申し上げます
本年も変わらぬご指導ご鞭撻のほど 何卒よろしくお願い申し上げます
寒さ厳しき折 皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます
令和○年○月
株式会社○○
部署名 氏名

社内での差出人表記のポイント

  • 会社名、部署名、氏名(必要なら電話番号やメール)を揃える

  • 宛名は「株式会社○○ ○○部 ○○様」のように正確に

  • 文章は定型に寄せ、個人的な近況は基本的に入れない

ビジネスの場合、相手が喪中かどうかを把握していないケースもあります。寒中見舞い自体は季節の挨拶なので問題になりにくい一方、祝いの言葉は避けておくと安全です。定型の範囲で整えると、余計な誤解が起きにくくなります。


寒中見舞いと喪中はがきや喪中見舞いの違い

「寒中見舞い」「余寒見舞い」「喪中はがき」「年賀状」は、目的と時期が違います。違いが曖昧なままだと、「本当は喪中はがきを出すべきだったのに寒中見舞いで済ませてしまった」「年賀状で出してよい時期を過ぎてしまった」といった迷いにつながります。ここで整理しておくと、状況に応じた判断が楽になります。

喪中はがきとの役割の違い

まず、年末に出す「喪中はがき(年賀欠礼状)」と、年明けに出す「寒中見舞い」は役割が違います。

種類目的送る時期の目安使ってよい表現の方向性典型シーン
年賀状新年の挨拶松の内までに届くように賀詞や新年の祝意が中心通常の年始挨拶
喪中はがき年賀欠礼の事前連絡年賀状が届く前(年末)お祝いを避け、欠礼の通知自分が喪中で年賀状を控える
寒中見舞い冬の健康伺い/年始挨拶のフォロー松の内明け〜立春まで賀詞は避け、気遣い中心返礼遅れ、喪中配慮、挨拶の遅れ
余寒見舞い立春後の健康伺い立春以降の寒さが残る時期寒さを気遣う表現が中心寒中見舞いに間に合わなかった

喪中はがきは「年賀状を控えることを先に知らせる」通知の側面が強いのに対し、寒中見舞いは「年が明けてからの気遣い」や「遅れた挨拶のフォロー」です。目的が違うため、同じ文章で代用できるものではありません。ただし、喪中はがきを出しそびれた場合に、寒中見舞いで丁寧に事情を添えることで、関係性によっては十分に気持ちが伝わることもあります。

喪中見舞いとの使い分けポイント

「喪中見舞い」という言葉は、厳密な決まりが一つに定まっているというより、相手の服喪に対する配慮や弔意を込めた便りを指して使われることがあります。一般的な考え方としては、次のように整理すると分かりやすいです。

  • 喪中はがき:年末に、年賀欠礼を知らせる

  • 寒中見舞い:松の内以降に、健康を気遣いながら年始の挨拶の代わりをする(喪中の相手にも配慮して送れる)

  • 喪中見舞い:相手の喪に対して、より弔意や気遣いを前面に出した便り(香典や供花と一緒に送るケースも含まれることがある)

相手との距離が近い場合は、寒中見舞いの文面でも気遣いを少し厚めにし、言葉選びを慎重にすると丁寧さが増します。一方、取引先などビジネス関係では、寒中見舞いの定型表現に寄せ、過度に踏み込みすぎないほうが無難な場面もあります。大切なのは、相手の立場と心情に合わせて「負担にならない気遣い」を選ぶことです。


寒中見舞いで失敗しないためのチェックリストとFAQ

最後に、投函前に確認したい点をチェックリスト化し、よくある疑問に答えます。寒中見舞いは、細かな決まりを完璧に覚えるよりも、「大事な落とし穴を避ける」ほうが成功しやすい挨拶状です。ここを確認してから出せば、失礼を避けながら安心して投函できます。

投函前チェックリスト

次の項目を一つずつ確認してみてください。とくに喪中が絡む場合は、年賀要素が混ざっていないかの確認が重要です。

  • 時期の確認:松の内が明けた時期に送る段取りになっている

  • 到着日の想定:相手の手元に届くのが立春を過ぎそうかどうか

  • 表題の整合:立春を過ぎるなら「余寒見舞い」に切り替えた

  • 賀詞の排除:「おめでとう」「賀正」など、祝いの言葉が入っていない

  • 祝い語の排除:「年賀」「新春」などの語が混ざっていない(必要なら「年始」「本年」へ)

  • 喪中配慮:喪中が絡む場合、年賀はがきを使っていない/デザインが落ち着いている

  • 文面の目的:健康を気遣う言葉が入っている(寒中見舞いの中心)

  • 遅れた理由の一言:返礼遅れならお礼+お詫びが入っている

  • 宛名・差出人:住所・氏名・敬称に誤りがない

  • 全体の雰囲気:明るすぎる近況や装飾になっていない(相手が喪中の場合は特に)

チェックがすべて付けば、基本的な失敗はかなり防げます。

よくある質問

寒中見舞いは、いつまでに出せばよいですか?
一般的には、松の内が明けてから立春までに相手に届くように送るのが目安です。地域差はありますが、迷ったら「到着日」を基準にし、立春を過ぎそうなら余寒見舞いに切り替えると季節感が整います。

立春を過ぎてしまいました。もう出さないほうがよいですか?
気遣いを伝えたい相手がいるなら、余寒見舞いとして送る選択肢があります。表題を余寒見舞いに変え、寒さが続くことへの気遣いを一言添えると違和感が減ります。年賀状の返礼が遅れた場合も、「ご挨拶が遅くなりました」と添えれば、気持ちは伝わりやすくなります。

喪中の相手に送るとき、どこまでお悔やみを書けばよいですか?
相手の負担にならない範囲で十分です。一般的には、長文でお悔やみを重ねるよりも、「年頭の挨拶を控えた旨」と「体調を気遣う言葉」を中心に、落ち着いたトーンでまとめるほうが丁寧に感じられることが多いです。親しい間柄で、どうしても一言添えたい場合は短く控えめにし、相手の心情に踏み込みすぎない表現を選びます。

句読点は入れてはいけませんか?
相手との関係性や文面のトーンによって考えるのが現実的です。より改まった相手や喪中が絡む場合は句読点を控え、改行で読みやすく整える方法が無難です。親しい相手には読みやすさを優先しても問題になりにくいでしょう。ビジネスは社内ルールや慣習に合わせて統一すると安心です。

ビジネスで送る場合、担当者名は必要ですか?
取引先との関係や社内方針にもよりますが、部署名と氏名を明記すると、受け取った側が確認しやすくなります。宛名も「会社名+部署名+個人名」を正確に書くと、行き違いが起きにくくなります。文面は定型表現中心にして、個人的な近況は基本的に入れないほうが無難です。

寒中見舞いをメールで送ってもよいですか?
本来ははがきが一般的ですが、事情がある場合はメールで気遣いを伝えること自体は失礼とは限りません。ただし、改まった相手や喪中が絡む相手には、はがきのほうが丁寧に受け取られやすい傾向があります。迷ったら、はがきで送るのが安全です。


寒中見舞いは、相手との関係を気持ちよく整えるための挨拶状です。意味・時期・文面の型を押さえ、賀詞や年賀要素を避けるだけで、失礼を防ぎながら気遣いを伝えられます。迷ったときは「相手の負担にならないこと」「季節の気遣いが中心になっていること」を軸に、シンプルに整えて投函してみてください。