Windowsの右下に出たJavaの更新通知をクリックしたら、「このページのスクリプトでエラーが発生しました」「’)’がありません」と表示され、はい/いいえを押しても先へ進まない――。突然こんな画面が出ると、更新したいのに何もできず、不安になりますよね。
しかし、このトラブルは“スクリプトを直す”必要はありません。多くの場合、通知経由の更新ルートがうまく動いていないだけで、公式インストーラから上書き更新すれば安全に解決できます。
この記事では、Java updateのスクリプトエラーが起きる典型パターンを整理したうえで、最短で直す具体手順、更新後の確認方法、古いJavaの整理、通知が消えない場合の対処までを順番に解説します。迷わず進められるよう、判断ポイントもあわせてまとめました。
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ava updateのスクリプトエラーとは何が起きているか
よくある表示例(’)’がありません、はい/いいえで止まる)
Javaの更新通知をクリックした途端に、見慣れない小さなダイアログが出てきて困った経験は珍しくありません。典型的には「このページのスクリプトでエラーが発生しました」といった文言が表示され、続けて「ライン:1」「文字:1」「エラー:’)’がありません」など、専門的で意味が分かりにくい情報が並びます。さらに「このページのスクリプトを実行し続けますか?」という問いが出て、「はい」「いいえ」を選べるようになっているのに、どちらを押しても更新が進まず、ただ同じダイアログが繰り返される、あるいは何も起きないまま終わってしまう――こうした状態が、検索キーワードとしてよく見かける「java update スクリプトエラー」です。
このエラーの厄介な点は、表示されている内容が“Javaそのものの問題”のように見えるのに、実際は「Javaを更新するために開かれた画面」や「更新処理を呼び出す仕組み」の側に問題があるケースが多いことです。ユーザー側の感覚としては、更新通知を押しただけなのに「スクリプト?」「括弧がない?」と突然言われ、どうしてよいか分からなくなります。しかも、セキュリティ更新という言葉が頭をよぎると、「更新しないと危ないのでは」と焦りが増し、結果として危険なダウンロードサイトや不審な広告に誘導されてしまうリスクも高まります。
まず押さえておきたいのは、このメッセージは“プログラミングの知識がないと直せない”という類いのものではないということです。多くの場合、ユーザーがスクリプトの内容を直す必要はなく、更新の入り口を変える(通知経由をやめる)か、インストール手順を安全な形に整えることで解消できます。逆に言えば、「はい/いいえ」を連打しても状況が変わらないときは、そこで粘るのではなく、別ルートで更新を進める判断が重要になります。
また、表示の仕方にもいくつかパターンがあります。たとえば、通知を押したときだけ出る場合もあれば、PCを起動するたびに同じ確認が出てくる場合もあります。さらに、「スクリプトエラーが出るが、Javaのインストール自体は入っている」ケースと、「Javaが中途半端に壊れていて、コントロールパネルにも表示が出ない」ケースでは、対処の優先順位が変わることがあります。この記事では、一般的なケースに対応できるよう、まずは“確実に通る更新手順”を中心に説明し、その後に「通知が消えない」「古い版が残る」「どのJavaを選ぶべきか」といった派生の悩みを順序立てて整理します。
通知更新が失敗しやすい理由(Update Checker経路の問題として整理)
「なぜ通知から更新しようとすると失敗しやすいのか」を理解すると、余計な遠回りを避けられます。多くの環境では、タスクトレイ(右下)に表示されるJavaの更新通知は、いわゆる“更新チェッカー”が起点になっています。この更新チェッカーは、更新の必要性を確認し、必要があればダウンロードページやインストール処理を呼び出す役割を担いますが、その呼び出し先がブラウザや古い表示コンポーネントに依存していたり、PC環境の設定(セキュリティ強化、互換性、ネットワーク制限など)に影響されたりして、正常に動作しないことがあります。
実際、スクリプトエラーという文言が出る時点で、“何かの画面(Webページやスクリプト)を実行しようとして失敗している”状況が推測できます。つまり、Java本体のインストールとは別に、更新処理を開始するための画面が開けない、あるいはその画面で処理が止まっている可能性が高いわけです。ユーザーから見れば同じ「Javaの更新」でも、内部的には「通知→画面起動→ダウンロード→インストール」という複数の段階があり、そのどこかが詰まっています。
ここで重要なのは、「通知経由は不安定でも、Java自体は別の方法で更新できる」という点です。更新通知が出ること自体は、“最新版ではない可能性”を示しているに過ぎず、更新通知を押さなければ更新できないわけではありません。よくある解決策が「公式インストーラを直接ダウンロードして実行する」なのは、通知経由という不安定な入口を飛ばして、最も確実なルート(インストーラ起点)で更新できるからです。
また、PCが企業や学校の管理下にある場合、更新チェッカーが外部サイトへアクセスしようとしたときに、プロキシやセキュリティポリシーでブロックされることがあります。この場合、通知を押しても更新に必要なページが開けず、途中でエラーになりやすくなります。逆に、インストーラを管理者が配布している環境では、そもそも通知経由で更新する運用が想定されていないこともあります。したがって、一般家庭のPCでは「公式インストーラで上書き」が基本解であり、組織PCでは「組織の手順で更新」が基本解になります。
さらに、Windowsの環境によっては、古い仕組みや互換表示が絡んで更新画面の動作が崩れることがあります。ここで原因追及に時間を使うよりも、「安全な手順で最新化する」ことが目的であれば、入口を変えて更新を完了させるほうが合理的です。スクリプトエラーの文言を読んで“プログラムを修正”しようとする必要はありません。更新の流れを再構築すれば、多くのケースで問題は解決できます。
放置リスク(セキュリティ更新の重要性)
「更新できないけれど、今のところ困っていない」場合ほど、放置しやすいのがこのトラブルです。しかし、Javaはセキュリティ更新が重要だと繰り返し言われるソフトウェアの一つであり、古いバージョンをそのままにしておくことはリスクにつながります。とくに、Javaを利用するアプリケーションや業務システムがある場合、外部からの攻撃面(脆弱性)を抱えた状態で使い続けることになり得ます。
もちろん、すべてのPCが常に危険という意味ではありません。重要なのは、「Javaが入っている」「Javaを使う場面がある」「ネットワークに接続して利用している」などの条件が重なるほど、更新の優先度が上がるということです。更新通知が出る状況は、“少なくとも更新が存在する可能性がある”というサインですから、スクリプトエラーで更新できない状態を長く放置するのは避けたほうがよいでしょう。
また、セキュリティだけでなく、「古いJavaが複数残っている」「更新が中途半端に失敗している」といった状態は、将来的に別の不具合の原因にもなります。たとえば、あるアプリが古いJavaを参照してしまい、最新版にしたはずなのに動作が不安定になる、といった現象が起きることがあります。これは、後半で説明する「古いJavaが残る問題」とつながります。
したがって、スクリプトエラーに遭遇したら、まずは安全な方法で更新を完了させ、そのうえで「不要な古い版が残っていないか」「通知が正しく落ち着いたか」を確認するのが最も安心です。次章から、実際の手順をできるだけ迷わない形で説明します。
Java updateスクリプトエラーを最短で直す方法
最短の結論は公式インストーラで上書き更新
スクリプトエラーが出て通知経由で更新できないとき、最短で解決しやすいのは「公式インストーラを使った上書き更新」です。ここでいう上書き更新とは、すでにJavaが入っているPCに対して、最新版のインストーラを実行し、既存のJavaを更新(置き換え)していくやり方です。多くのケースでこの方法が通る理由は、通知経由の“途中の仕組み”を飛ばし、インストール処理を直接スタートできるからです。
手順の全体像は次のように考えると分かりやすくなります。
公式サイトからインストーラを入手する
インストーラを管理者権限で実行する
途中で古い版の削除を促されたら、基本は削除する(例外は後述)
完了後に再起動し、バージョンを確認する
この流れを先に頭に入れておくと、途中で画面の表示が多少違っても迷いにくくなります。なお、「再インストール」という表現が使われることもありますが、目的は“最新版の適用”であり、実態としては上書き更新に近いイメージです。
更新前に確認するチェックリスト(権限・業務システム依存・バックアップ)
作業に入る前に、いくつか確認しておくと安全性が上がります。特に、企業・学校PCや、業務アプリが入っているPCでは重要です。以下は最低限のチェックリストです。
管理者権限があるか
Javaのインストールはシステムに変更を加えるため、標準ユーザーのままだと途中で失敗したり、途中で止まったりすることがあります。自分のアカウントが管理者かどうか分からない場合は、インストーラを右クリックして「管理者として実行」を選ぶ運用を前提にしてください。会社・学校PCのルールに違反しないか
組織によっては、ソフトウェアの更新を利用者が勝手に行うことを禁止している場合があります。通知が出ても、実際の更新は情シスが一括で行う運用かもしれません。この場合、勝手に更新すると業務システムとの整合性が崩れたり、監査上の問題になったりする可能性があります。特定バージョン依存の業務システムがないか
古い社内システムや特殊な業務ソフトが、特定のJavaバージョンに依存していることがあります。もし「このシステムはJava 8の特定更新番号で動く」といった指示を受けているなら、更新の前に必ず確認してください。入手元は必ず公式サイトに限定する
検索結果や広告経由で“それらしく見えるダウンロードページ”に誘導されることがあります。Javaは知名度が高いぶん、紛らわしいページも存在します。必ず公式サイト(Java.com等)から入手する姿勢を徹底してください。心配なら復元ポイントを作成する
Windowsにはシステムの復元機能があります。普段使っていない方でも、「戻せる手段」があるだけで心理的な負担が減ります。特に不安が強い場合は、作業前に復元ポイントを作成しておくとよいでしょう。
このチェックを済ませたら、あとは手順通りに進めるだけです。次の小見出しでは、実際の操作の流れを丁寧に説明します。
手順1:公式サイトからダウンロードして上書きインストール
ここからは、スクリプトエラーを回避して更新する具体手順です。ポイントは「通知から更新する」のではなく、「公式サイトで最新版インストーラを入手して実行する」ことです。
公式サイトへアクセスする
Javaの公式ダウンロードページから、Windows用のインストーラを入手します。検索で辿り着く場合でも、公式ドメインや表記を確認し、紛らわしいサイトを避けてください。ダウンロードボタンが複数ある場合、広告のボタンと混在することがあるため、慎重に選びます。インストーラ(.exe)を保存する
ダウンロードしたファイルは、どこに保存されたか分かる場所(例:ダウンロードフォルダ)に置きます。ダウンロード中にセキュリティソフトが警告を出す場合は、ファイル名と入手元を確認したうえで、公式であることを再チェックしてください。インストーラを実行する(推奨:管理者として実行)
右クリックから「管理者として実行」を選ぶと、権限不足による失敗を避けやすくなります。実行すると、ユーザーアカウント制御(UAC)で確認が出る場合がありますが、正規のインストーラであれば「はい」を選択します。案内に従いインストールを進める
基本的には「次へ」「インストール」などを進めます。途中でオプションのチェックが出ることがありますが、不要な追加ソフトが含まれていないかを確認し、不要ならチェックを外す判断が必要な場合もあります(画面の内容は時期や版で変わります)。インストール完了を確認する
完了画面が出たら終了します。ここまで来れば、通知更新で止まっていた“入口の問題”を回避できています。
この段階で、スクリプトエラーそのものを見なくなるケースが多いです。ただし、インストール途中で「古いバージョンが見つかった」といった案内が出ることがあります。次の小見出しで、その判断基準を整理します。
手順2:旧バージョンの削除を促された時の判断
上書きインストールの途中や完了後に、「古いJavaを削除しますか」「古いバージョンが検出されました。削除することを推奨します」などのメッセージが出ることがあります。このとき、基本方針としては 削除を進める ほうがトラブルが少なくなります。理由は次の通りです。
古い版が残ると、どのJavaが使われているか分かりにくくなる
セキュリティ更新が適用されていない古い版が残り続ける
アプリやブラウザが意図せず古い版を参照してしまうことがある
一方で、例外があります。削除を慎重に考えるべき典型例は、以下のような状況です。
業務システムが特定バージョン固定
会社から「このシステムは特定のJavaで動く」と明確に指示されている場合、勝手に削除・更新すると動かなくなるリスクがあります。この場合は、組織の手順に従うのが原則です。古いアプリがどうしても必要
古いアプリが新しいJavaでは動かないことがすでに分かっている場合は、環境を分ける(別PC、仮想環境、管理者の指示に従う)といった判断が必要になります。
ただし、一般家庭のPCで、特定の業務依存がない場合は、古いJavaを残すメリットはあまりありません。更新通知が出続けたり、同じような不具合が再発したりする原因になりやすいからです。削除を実行したあとでも、必要なら改めて適切な版を入れ直すことは可能なので、迷う場合は「まずは最新版に統一する」方向が安全です。
手順3:再起動と反映確認
インストールが終わったら、そのまま作業を終えずに、再起動と確認まで行うのが重要です。更新作業では、ファイルの入れ替えや設定の反映が行われるため、再起動を挟むことで状態が安定します。また、ブラウザやアプリがJava関連のモジュールを読み込んだままになっていると、更新後の状態がすぐに反映されないことがあります。
確認の観点は次の3つです。
再起動後に更新通知が落ち着くか
すぐに通知が出なくなることもあれば、しばらくして落ち着くこともあります。Javaのバージョンが更新されているか
コントロールパネルや設定画面から、最新版が入っていることを確認します(確認方法は次章で詳述します)。普段使っているアプリに影響がないか
Javaを利用しているアプリがある場合、起動して簡単な動作確認をしておくと安心です。
もし、ここまでやっても通知が消えない、あるいは更新を求められる場合は、次章の「通知が消えない時の対処」に進んでください。多くの場合、再起動や確認手順を踏むことで収束します。
Java update後に必ずやる確認と、通知が消えない時の対処
Javaのバージョン確認(コントロールパネル等)
上書きインストールが完了したら、「本当に更新できたか」を確認することが重要です。更新作業は“完了”と表示されても、環境によっては古い版が残っていたり、別の場所に複数のJavaが共存していたりすることがあります。確認をしておけば、「まだ古いままだった」という後戻りを防げます。
Windowsでの基本的な確認先として、まず挙げられるのがJavaコントロールパネルです。コントロールパネル(あるいはWindowsの検索)から「Java」を探すと、Javaの設定画面を開ける場合があります。そこに「更新」タブがあり、「今すぐ更新」や更新の確認機能が用意されていることがあります。通知更新が壊れていたとしても、この画面経由で状態を確認できることが多いです。
バージョン確認の具体的な考え方は次の通りです。
Javaコントロールパネルが開けること
現在のバージョン情報が確認できること
更新の確認を実行しても異常が出ないこと
もしJavaコントロールパネル自体が見つからない場合や、開くとエラーが出る場合は、インストールが中途半端になっている可能性があります。この場合は、一度「古いJavaの整理」章の手順を見ながら、Javaを整理したうえで、改めて最新版を入れると安定しやすくなります。
それでも更新を求められる場合の基本対処(再起動/ブラウザ)
「更新したのに、また更新通知が出る」「更新を求められる」「同じスクリプトエラーが出る」といった場合、焦らずに基本の切り分けを行います。ここで大切なのは、“更新が完全に反映されていないだけ”なのか、“古い版が残っていて通知が出続けている”のか、“別の原因(権限やネットワーク)で更新確認がうまくいっていない”のかを分けて考えることです。
まず試すべきは、次の順番です。
PCを再起動する
すでに再起動したつもりでも、シャットダウンと起動を短時間で繰り返している場合、完全に反映されていないことがあります。可能なら一度「再起動」を明示的に実行します。ブラウザを完全に閉じて開き直す
もし更新の途中でブラウザが開いたり、Java関連の画面がブラウザ上で表示されたりしていたなら、ブラウザを一度すべて閉じます。タブを閉じるだけでなく、プロセスとして終了させる意識で閉じると確実です。Javaコントロールパネルで更新状態を確認する
「今すぐ更新」やバージョン情報の確認を行い、矛盾がないかを見ます。古いJavaが残っていないか確認する
「アプリと機能」に複数のJavaが残っている場合、通知の元になっているのが古い版の可能性があります。この場合、後述の整理が有効です。
ここまでの対処で収束することが多いですが、企業・学校のネットワーク環境では、更新確認の通信がブロックされ、通知が出続けることがあります。この場合は、通知を消すことだけにこだわらず、「最新版が入っている」ことを確認したうえで、組織のルールに従って通知設定を調整するほうが現実的です。
自動更新・通知設定の見直し(必要な人だけ)
通知が煩わしいからといって、更新そのものを止めるのはおすすめできません。とはいえ、通知が繰り返し出る状況では、作業の妨げになり、結果的に「放置」につながりやすいのも事実です。そこで考えるべきなのが、「更新は必要なタイミングで行うが、通知の出方は自分に合う形にする」という整理です。
Javaの設定画面(Javaコントロールパネル)には、更新のチェックや通知に関する設定が用意されていることがあります。たとえば、自動的に更新をチェックするタイミング、通知の頻度などが調整できる場合があります。ここでの判断は、利用環境によって変わります。
家庭用PCで、Javaを使う機会がある
通知を完全に切るよりも、定期的に手動で確認するルールを決めるほうが安全です。例えば「月に一度、更新タブで確認する」など、運用に落とし込むと放置になりにくくなります。企業・学校PCで、更新は管理者が行う
通知が出ても利用者が更新できない環境では、通知は“余計なノイズ”になります。組織の手順に従い、必要なら管理者に相談して通知を抑制するのが筋です。
大切なのは、「通知を止めたから安心」ではなく、「最新版を維持する仕組みを自分の環境に合わせて用意する」という考え方です。次章では、更新後に多い“古いJavaが残る問題”を整理し、再発しにくい状態に整える方法を説明します。
再発防止のための整理:古いJavaが残る問題とアンインストール
複数バージョンが残ると起きること
Javaのトラブルで意外に多いのが、「更新したのに、古いJavaが残っている」問題です。これは、インストールの仕組みや、過去の更新履歴によって発生します。複数のJavaが共存していると、次のような困りごとが起きやすくなります。
更新したはずなのに通知が出続ける
通知の元になっているのが古い版で、最新版を入れても古い版が残っているために“更新が必要”と判断され続けることがあります。どれが使われているか分からない
アプリが参照するJavaがどれか分からず、トラブルシューティングが難しくなります。セキュリティ上の不安が残る
古い版が残ると、その古い版を狙われる可能性がゼロではありません。アプリの動作が不安定になることがある
アプリが意図せず古い版を参照すると、最新版で直っている不具合が再発するように見える場合があります。
この問題を避けるには、更新後に“整理の工程”を入れ、できるだけバージョンを一本化しておくことが効果的です。
安全な削除手順(アプリと機能等)
古いJavaを削除する基本手順は、Windowsの標準機能で行えます。難しい操作は不要ですが、削除対象を間違えないように、順番と確認を意識します。
「アプリと機能」または「プログラムと機能」を開く
Windowsの設定から「アプリ」→「アプリと機能」へ進む、またはコントロールパネルから「プログラムのアンインストール」を開きます。一覧でJavaを探す
「Java」「JRE」「Java 8 Update…」などの名前で複数表示されることがあります。ここで焦ってすべて削除するのではなく、まずは「どのバージョンがあるか」を把握します。古いものから削除する
原則として、更新番号が小さいもの、明らかに古いものから削除します。最新版を入れた直後であれば、最新版が一覧にあるはずです。判断が難しい場合は、いったん一覧をメモし、「最新版だけ残す」方針で進めると整理しやすくなります。削除後に再起動する
削除直後は状態が安定していないことがあるため、一度再起動して、残ったJavaの状態を確認します。必要なら最新版を入れ直す
整理の過程で不安が残る場合は、改めて公式インストーラで最新版を上書きすることで、状態が整いやすくなります。
ここで注意したいのは、「削除は一度に全部やらない」ことです。特に不安がある場合は、古いものを1つ削除したら動作確認、というように段階的に行うと安心です。
削除してはいけないケース(業務アプリが特定版依存)
古いJavaは基本的に整理したほうがよいとはいえ、削除してはいけない(あるいは、削除前に必ず確認すべき)ケースがあります。典型的なのは、業務アプリや学校の学習システムが特定のJavaに依存している場合です。
たとえば、社内の基幹システム、電子申請システム、特殊な署名ソフトなどが、特定バージョンのJavaでのみ動作確認されていることがあります。この場合、最新版に統一すると動作保証から外れ、システムが使えなくなるリスクがあります。利用者側で勝手に更新・削除を進めると、業務に支障が出るだけでなく、復旧に時間がかかる可能性もあります。
もし「このシステムではこのJavaを使う」と明確な指示があるなら、その指示を最優先してください。指示がないが不安がある場合は、次のように整理すると安全です。
まずは情シスや管理者に確認する
どうしても今すぐ対応が必要なら、復元ポイントを作ってから作業する
削除は段階的に行い、重要なアプリの動作確認を挟む
家庭用PCであればここまで慎重になる必要は少ないですが、組織PCでは「安全に更新する」ことと同じくらい「業務を止めない」ことが重要です。
Oracle JavaかOpenJDKか迷う人のための選び方
個人利用で迷わない基準
「Javaを更新したい」と言っても、配布元や種類がいくつもあり、迷う方も多いはずです。個人利用で、特定の要件(開発や業務指定)がない場合、最も迷いにくい基準は次の2つです。
Javaを“動かすため”に必要な人は、公式の案内に従う
一般的な利用(アプリの実行環境として必要)であれば、公式サイトのダウンロードを利用し、最新版に更新することが第一です。重要なのは、怪しい配布元を避け、正規の手順で最新版を維持することです。Javaで“作る(開発する)”人は、JDKを軸に選ぶ
開発用途の場合、実行環境だけでなく開発ツールを含むJDKが必要になります。ここでは、配布元(OracleかOpenJDK系か)を含めて、プロジェクトの要件に合わせた選択が必要になります。
個人利用で「何を選べばよいか分からない」場合は、まず“自分がJavaを何に使っているか”を整理してください。具体的なソフト名が分かるなら、そのソフトの公式ヘルプや動作環境に記載されているJavaの要件を確認するのが確実です。
企業・学校PCで注意したいポイント(無償アップデート/ポリシー)
企業や学校など組織環境では、Javaの扱いが個人利用より複雑になります。理由は主に次の3つです。
組織としての運用ルールがある
更新は管理者が行う、特定バージョンで固定する、配布物は指定のものを使う、といったルールが定められていることがあります。ライセンスや契約の観点が絡む場合がある
Oracle Javaの利用やアップデートに関しては、組織の契約や方針が関与するケースがあります。個人PCの感覚で「最新版を入れればよい」と進めると、運用上の問題になる可能性があります。業務システムとの整合性が最優先になる
“最新版で安全”であることと同じくらい、“業務が止まらない”ことが重要です。動作確認済みのバージョンを守る必要がある場合があります。
そのため、組織PCでスクリプトエラーが出た場合は、「勝手に更新してよいのか」を最初に確認することが非常に重要です。もし更新が許可されているとしても、組織が推奨する配布元(OracleかOpenJDK系か)や、更新の手順に従うのが基本となります。
開発用途(JDK)と実行用途(JRE)の考え方
最後に、混乱しやすい「JDK」と「JRE」の考え方を整理します。難しく考える必要はありません。
JRE(実行環境):Javaで作られたプログラムを“動かす”ためのもの
JDK(開発環境):Javaでプログラムを“作る”ための道具(JRE相当も含むことが多い)
スクリプトエラーは、一般的には「更新通知からの更新が進まない」という実行環境側の困りごとですが、開発者の場合はJDKの更新やバージョン管理が絡みます。開発では、プロジェクトが要求するJavaのバージョンが決まっていることが多く、むやみに最新版へ上げるとビルドや動作に影響が出る場合があります。一方、実行環境としてのJavaは、古い脆弱性を残さないためにも、適切な範囲で更新を続けることが望まれます。
迷ったときは、「何のためにJavaが必要か」「誰がその環境を管理しているか」を基準にすると、選び方が整理できます。
Java updateスクリプトエラーのよくある質問
「はい」を押しても進まないのはなぜ?
スクリプトエラーが出る場面では、更新通知が呼び出した画面や処理が途中で止まっていることが多く、「はい/いいえ」は“その画面のスクリプトを続けるかどうか”を尋ねているに過ぎません。つまり、「はい」を押しても、更新処理そのものが正常に開始できるとは限りません。何度押しても状況が変わらない場合は、通知経由をあきらめて、公式インストーラで上書き更新するほうが解決が早くなります。
上書きインストールは危険ではない?
公式インストーラを使い、正規の手順で上書きする限り、一般的には安全性の高い方法です。むしろ、通知経由で中途半端に失敗し続ける状態を放置するほうが、更新が進まずリスクを抱えたままになりやすいと言えます。ただし、業務PCで特定バージョン依存がある場合は例外です。そこだけは、組織のルールやシステム要件を確認してください。
旧バージョン削除で動かなくならない?
多くの家庭用PCでは、旧バージョンを削除しても問題になりません。しかし、業務アプリや特定の学習システムが古いJavaに依存している場合、削除や更新で動かなくなる可能性があります。その場合は、削除前に動作要件を確認し、必要なら管理者へ相談するのが安全です。削除は段階的に行い、重要なアプリの起動確認を挟むとリスクを下げられます。
更新できない場合の最終手段は?
公式インストーラでの上書きでも更新できない場合は、次の切り分けを行うと解決に近づきます。
権限の問題:管理者として実行しているか、組織の制限がないか
セキュリティソフトの干渉:一時的にブロックされていないか(解除は慎重に)
古いJavaの残骸:複数バージョンが残っているなら整理してから入れ直す
ネットワーク制限:企業ネットワークで外部アクセスが制限されていないか
それでも難しい場合、組織PCなら情シスへ、家庭用PCなら「Javaが本当に必要か」を改めて確認し、不要なら削除する判断も選択肢になります。ただし、削除する場合も“必要なアプリがないか”を確認してから進めるのが安全です。