突然、iPhoneの画面に「support.apple.com/iphone/restore」と表示され、ケーブルとパソコンの絵が出て動かなくなった――この状態になると、「壊れたのでは」「写真やLINEは消えたのか」と不安が一気に押し寄せます。けれども、ここで焦って操作すると、本来なら残せたはずのデータを自分で消してしまうこともあります。
この表示は、iPhoneが通常起動できず、復旧のために手順が必要になっているサインです。大切なのは、データが残る可能性を優先しながら、正しい順番で対処することです。強制再起動で戻る場合もあれば、PCでの「アップデート(再インストール)」で復帰できることもあります。一方で、改善しない場合は「復元(初期化)」や修理相談へ進む判断が必要になります。
本記事では、support.apple.com/iphone/restoreが表示されたときに、まず何を確認し、どの手順をどの順番で進めればよいかを、初心者でも迷わないように整理して解説します。データを守るための分岐、Mac/Windows別の考え方、うまくいかないときの切り分け、サポートへ切り替える基準まで網羅しています。いま画面が変わらず困っている方も、手元の状況に合わせて一つずつ確認していけば、次に取るべき行動がはっきりします。
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iPhoneにsupport.apple.com/iphone/restoreが表示される状態とは
復元画面とリカバリーモードの関係
iPhoneの画面に「support.apple.com/iphone/restore」という文字と、ケーブルやパソコンのイラストが表示されたとき、多くの場合は「復元画面」と呼ばれる状態に入っています。これは、iPhoneが通常の起動プロセスを最後まで完了できず、外部の機器(パソコン、あるいは条件によっては別のAppleデバイス)を使ってiOSを修復する必要があると判断した際に表示される案内です。
ここで混同されがちなのが「復元画面」と「リカバリーモード」です。一般的に、復元画面は“見た目として表示されている状態”を指し、リカバリーモードは“復旧作業を行うための特別な動作状態”を指す、と捉えると整理しやすいです。つまり、画面にsupport.apple.com/iphone/restoreが出ているという事実は、iPhoneが復旧用のモードに入り、外部接続を促しているサインだと考えてください。
また、この画面が出たからといって、即座に「故障」「データ消失」と決めつける必要はありません。iOSのアップデート途中で通信が途切れた、ストレージが不足していた、アプリやシステムが一時的に不整合を起こした、といった“ソフトウェア由来のトラブル”でも表示されることがあり、その場合は正しい順番で対処すれば復旧できるケースが少なくありません。反対に、落下や水濡れなどの物理的要因が絡むと、同じ画面を繰り返し表示したり、途中でエラーになったりして、手順だけでは解決しづらくなることもあります。まずは「今起きている状態は、復旧の入口であり、手順次第で戻る可能性がある」という前提で落ち着いて進めることが重要です。
さらに、復元画面の最も大きな意味は「iPhone側だけで完結する操作が難しくなっている」ことです。通常の再起動や設定操作ができないため、最初の対応としては強制再起動で通常起動に戻るか、それが難しい場合はパソコン側の操作でiOSの修復を行う、という流れになります。手順は後述しますが、重要なのは“いきなり初期化(復元)に進まない”ことです。データを守る可能性を残すなら、優先順位を守って試す必要があります。
よくある発生きっかけ
support.apple.com/iphone/restoreが表示される状況は、ある日突然起きるように見えますが、背景にはよくあるきっかけがあります。代表的なものを整理すると、次のようなパターンに集約されます。
1つ目は、iOSアップデートや復元作業の途中で止まってしまったケースです。アップデートは端末にとって大きな処理であり、通信が不安定だったり、バッテリーが不足していたり、ストレージが逼迫していたりすると、途中で失敗する可能性が高まります。失敗した結果、通常起動ができず復元画面に移行することがあります。
2つ目は、いわゆるフリーズやリンゴループです。画面が固まってタッチが効かない、Appleロゴが出たまま進まない、再起動を繰り返す、といった症状は、システムやストレージ、アプリの不整合で起こることがあります。長時間改善しない場合、復旧を促すために復元画面が表示されることがあります。
3つ目は、ストレージ不足です。iPhoneの空き容量が少ない状態は、アップデートだけでなく日常的な動作にも影響します。システムが必要な領域を確保できず、重要な処理が完走できないと、起動不良に繋がることがあります。
4つ目は、物理的要因です。落下による内部コネクタの緩み、水濡れによる腐食、バッテリー劣化による電圧の不安定化などが起きると、ソフトウェア的には復旧できそうに見えても途中で失敗するケースが出ます。復元画面が出た直前に、落下や水濡れがあった、急に発熱や異音が出た、充電が不安定になった、といった心当たりがあれば、後半の「修理・サポートへの切り替え判断」も視野に入れるべきです。
5つ目は、パソコン接続時に表示されるケースです。iPhoneをPCに繋いだら「アップデートまたは復元が必要」と出て、案内のまま進めた結果、復元画面に入ったという流れもあります。特に、操作に不慣れな場合、画面の選択肢を理解しないまま進めてしまい、途中で詰まって検索に至ることが多いです。
このように、きっかけ自体は珍しくありません。重要なのは「原因の当たりをつけつつも、まずは安全な順番で復旧を試す」ことです。原因の特定は後からでもできますが、復旧の選択肢は一度初期化を行うと戻せないため、優先順位が非常に大切になります。
まず確認したいこと(データ・充電・時間)
復元画面に遭遇したとき、焦ってすぐに操作を始めるより、最初に確認しておくべきことがあります。ここでの確認は、失敗やデータ消失のリスクを下げるための“準備”です。
まず最重要なのが「データが消える操作に踏み込む前に、データを守る可能性を最大化する」ことです。復旧手順には大きく分けて、データを残せる可能性がある手段(強制再起動、アップデート=再インストール)と、原則データが消える手段(復元=初期化)があります。多くの人が混乱するのは、「復元」という言葉が日常的に“元に戻す”という意味で使われる一方で、iPhoneの復旧文脈では“初期化して入れ直す”意味を持つことがある点です。操作の意味を理解しないまま進めると、データを守れるはずの段階で消去に進んでしまう危険があります。
次に、充電と電源の安定です。復旧作業は途中で電源が落ちると失敗します。バッテリー残量が少ない場合は電源アダプタに接続し、できれば作業中も充電状態を維持してください。また、ケーブルの接触が悪いと途中で切断されて失敗します。可能であれば純正または認証品(MFi認証など)のケーブルを使い、延長ケーブルやUSBハブ経由は避けるのが無難です。
時間の確保も重要です。iOSの再インストールは、端末側だけでなくPC側でファイルをダウンロードして処理するため、通信状況や回線速度により時間が大きく変わります。短時間で終わると思って途中で中断すると、状態が悪化したり、手順を最初からやり直す必要が出たりします。時間に余裕のある環境で進めることが、結果的に復旧率を上げます。
最後に、PC環境です。MacとWindowsでは操作の入口が少し異なります。MacはFinder、WindowsはiTunesやAppleのデバイス管理アプリを使うことが多く、どちらを使えるかで進め方が変わります。自宅にPCがない場合は、家族のPCを借りられるか、あるいは別のAppleデバイス復元が可能か、といった分岐を早めに把握しておくと迷いません。
iPhoneのsupport.apple.com/iphone/restoreを消す最優先手順
手順の全体像(データを守る順番)
復元画面を消してiPhoneを使える状態に戻すためには、「どの順番で試すか」がすべてと言っても過言ではありません。順番を間違えると、復旧できてもデータを失う、復旧が難しくなる、原因切り分けができなくなる、といった問題が起きます。ここでは、データを守る可能性を残しながら進める“優先順位の設計”を明確にします。
基本の流れは次の通りです。
強制再起動
まずは端末の状態を強制的にリセットし、通常起動に戻る可能性を試します。データ消去の操作ではないため、最初に行う価値が高いです。PC(または条件により別デバイス)を使ってアップデート(再インストール)
iOSを上書きで入れ直し、起動不良を解消することを狙います。成功すればデータが残る可能性があります。多くのケースでここが勝負所になります。復元(初期化)
アップデートでも改善しない場合に検討します。原則としてデータが消去されるため、バックアップ状況を踏まえて判断します。環境・故障の切り分け、サポート/修理
操作が完了できない、同じ状態に戻る、物理的要因の可能性が高い場合は、無理に続けず専門サポートへ切り替えます。
この順番の意義は「取り返しがつかない操作(初期化)を後ろに回す」ことです。焦りが強いと“とにかく直しそうなボタン”を押したくなりますが、復元画面の対処は、最初の判断がその後の結果を大きく左右します。ここから先の手順は、この順番を前提に、各ステップを丁寧に進めていきます。
iPhoneを強制再起動する(モデル別)
強制再起動は、通常の再起動操作ができないときに行う緊急手段です。画面が固まっている、起動途中で止まる、復元画面が出て操作できない、といった場合でも試せるのが利点です。操作方法はモデルで異なるため、必ず該当する手順を選んでください。
iPhone 8以降(Face ID搭載機、SE第2世代以降を含む)
音量を上げるボタンを押してすぐ離します。
音量を下げるボタンを押してすぐ離します。
サイドボタンを、Appleロゴが表示されるまで長押しします。
ポイントは、1と2は“短く押して離す”こと、3は“長押し”することです。途中でロゴが出るまで押し続ける必要があり、数秒〜十数秒かかることがあります。
iPhone 7 / 7 Plus
音量を下げるボタンとサイドボタンを同時に長押しし、Appleロゴが出るまで押し続けます。
iPhone 6s以前
ホームボタンと上部(またはサイド)ボタンを同時に長押しし、Appleロゴが出るまで押し続けます。
強制再起動で通常起動に戻った場合は、復旧としては大きな前進です。ただし、戻った直後は再発することもあるため、すぐにやっておきたいことがあります。たとえば、可能ならバックアップを作成する、ストレージ残量を確認して不要データを整理する、iOSアップデートを安定した環境で行い直す、といった再発防止策です。復元画面に一度入ったという事実は、システムが不安定だった可能性を示すため、復旧後の整備が重要になります。
PCがない場合にできること
PCがない場合、復元画面からの復旧は難易度が上がります。とはいえ、まったく手がないわけではありません。現実的な選択肢を、できることから順に整理します。
まず、強制再起動はPCがなくても試せます。復元画面が一時的な不整合で出ている場合、ここで戻ることもあります。最初に確実に行ってください。
次に、家族や知人のPCを借りられるかを検討します。復旧の成功率を上げるには、結局PCでiOSを修復するのが確実な道になりやすいからです。借りる際は、USBポートが安定していること、通信ができること、必要なソフト(FinderやiTunes等)が使えることが条件になります。会社のPCは管理者制限でインストールや通信ができない場合があるため、可能なら個人PCが望ましいです。
そして、条件が合う場合に限られますが、近くのAppleデバイスを使って復元するという考え方もあります。これは端末と環境条件に左右されるため、必ずしも全員が使える手段ではありませんが、「PCが手元にない」場合に検討しやすい選択肢です。利用できるなら、実務的には“PCの代替”になり得ます。
それでも難しい場合は、Appleサポートや修理窓口への相談が現実的です。特に、落下や水濡れの心当たりがある、PCを借りられない、操作に不安が強い、といった場合は、無理に試行回数を増やすより安全です。復旧作業は「手順を誤ると取り返しがつかない」局面があるため、状況によっては早期にプロに任せる判断が結果的に損失を抑えます。
PCでiPhoneを復旧する方法(アップデートと復元)
MacはFinderで対応する
Macでの復旧は、macOSのバージョンにより入口が変わりますが、現在の主流はFinderを使う方法です。iPhoneをケーブルでMacに接続すると、FinderのサイドバーにiPhoneが表示され、そこから復旧作業に進めます。
復元画面が出ている場合、Mac側が端末を「回復が必要な状態」と認識し、アップデートまたは復元といった選択肢が提示されることがあります。ここでの基本方針は、先に述べた通り「まずアップデート(再インストール)を試す」です。アップデートはiOSを入れ直す操作で、成功すればデータが残る可能性があります。
Finderでの作業で大切なのは、途中でケーブルを抜かないこと、Macがスリープしないようにしておくこと、通信が安定していることです。iOSファイルのダウンロードが必要な場合、時間がかかることがあります。途中でスリープしてしまうと処理が止まり、再試行が必要になります。ノートMacの場合は、電源アダプタに接続し、バッテリーを安定させた状態で行うのが安全です。
また、Finderでの作業は「iPhoneが正しく認識されている」ことが前提です。認識されない場合は、ケーブル・ポート・Macの再起動・別ポートの利用など、環境要因の切り分けが重要になります。後半でチェックリストを提示しますので、詰まった場合はそこに戻ってください。
WindowsはiTunesまたはAppleデバイスアプリで対応する
Windowsでの復旧は、環境によって入口が複数あります。従来はiTunesを使う方法が一般的でしたが、Windows側の構成やバージョンにより、Appleのデバイス管理アプリを使うケースもあります。いずれにしても、考え方は共通で「PCがiPhoneを回復が必要な状態として認識し、アップデートまたは復元の操作を行う」という流れです。
Windowsで特に起こりやすいのは、USBドライバやセキュリティ設定の影響で「認識しない」「途中で切れる」問題です。会社PCや共有PCでは、管理者権限がなくて更新できないこともあります。可能であれば、個人のWindows PCで試すのが安定しやすいです。
作業中の注意点として、iOSファイルのダウンロードが必要になる場合、通信が安定していないと失敗します。また、USB接続はハブを介さず本体ポートに接続する、ケーブルを認証品にする、他のUSB機器を外して干渉を減らす、といった基本を守るだけで成功率が上がることがあります。
アップデート(再インストール)と復元(初期化)の違い
ここは最も重要な判断ポイントです。復元画面に対してPC側から提示される選択肢は、主に「アップデート」と「復元」です。しかし、言葉の印象だけで選ぶと危険です。違いを明確に整理します。
| 観点 | アップデート(再インストール) | 復元(初期化) |
|---|---|---|
| 何をするか | iOSを上書きで入れ直す | iPhoneを消去してiOSを入れ直す |
| データの扱い | 残る可能性がある | 原則として消える |
| 目的 | 起動不良を“修復”して通常起動へ | 深刻な不具合を“リセット”して作り直す |
| 優先度 | 先に試す | 最終手段に近い |
| 失敗時の次 | 復元へ移行、または切り分け | サポート/修理の検討が増える |
アップデート(再インストール)は、OS自体の破損や不整合を修復するための操作で、成功すればデータが残る可能性があります。もちろん、状況によってはデータが戻らないケースもゼロではありませんが、「データを守りたい」検索意図に対して、最初に選ぶ価値が高い選択肢です。
一方で復元(初期化)は、端末を消去して工場出荷状態に近い状態へ戻す操作です。これを実行すると、バックアップがない限り、写真やメモ、アプリデータなどは基本的に戻せません。したがって、復元を選ぶのは、アップデートを試しても改善しない、あるいは初期化しても構わない(バックアップがある、またはデータを失っても端末を使える状態に戻すのが最優先)と判断できる場合に限られます。
検索している段階では、状況が混乱していることが多いはずです。そのため、判断基準を短くまとめると次の通りです。
迷ったらアップデート(再インストール)
アップデートで改善しない場合に復元(初期化)
復元しても戻らない、あるいは操作自体が完了できないなら切り分け・修理
復旧後にバックアップから戻す手順
復旧作業の結果、初期化が必要になった場合や、端末を消去して再セットアップした場合、最後に重要になるのがバックアップからの復元です。ここで慌てないためにも、復旧前から「バックアップがあるか」「いつのバックアップか」を意識しておくことが大切です。
復元方法は大きく2つです。
1つ目は、iCloudバックアップからの復元です。iPhoneの初期設定を進める途中で「iCloudバックアップから復元」を選び、Apple Accountでサインインしてバックアップを選択します。Wi-Fi環境が必須になりやすく、復元には時間がかかることがあります。写真やアプリは後から順次戻る場合があるため、復元直後に「全部戻っていない」と焦らず、しばらく時間を置いて確認することも必要です。
2つ目は、PCバックアップ(Finder/iTunes等)からの復元です。PCに保存しているバックアップを使うため、iCloudより速い場合があります。暗号化バックアップを取っていた場合は、ヘルスケアデータや各種パスワード情報が含まれることがあり、復元後の利便性が高くなります。ただし、暗号化のパスワードを忘れていると復元できないため、普段から管理が必要です。
バックアップ復元で注意したいのは、「端末側のiOSバージョン」「バックアップ作成時点」「アプリ側のログイン状態」です。復元が終わっても、アプリは再ログインが必要なものが多く、二段階認証のSMSや認証アプリが絡むことがあります。復旧直後に慌てないよう、可能なら別端末やメールで認証できる準備をしておくと安心です。
iPhoneのsupport.apple.com/iphone/restoreが直らない時の原因切り分け
PCが認識しない・途中で失敗する時のチェック
復旧作業で最も多い詰まりは、「PCがiPhoneを認識しない」「途中で失敗する」「エラーが出て進まない」です。この場合、iPhone本体だけが原因とは限りません。むしろ、ケーブル・ポート・PC環境が原因で失敗していることも多いです。ここでは、実際に切り分けやすい順にチェックリスト化します。
ケーブルを変える
断線や接触不良は見た目ではわかりません。可能であれば純正または認証品に変更します。長く使っているケーブルは内部で劣化していることがあります。USBポートを変える
同じPCでもポートによって安定性が異なります。USBハブやモニター経由の接続は避け、PC本体のポートへ直接接続します。PCを再起動する
ドライバやプロセスの不整合が解消されることがあります。iTunesやデバイス管理アプリを再起動するだけでなく、PC自体を再起動するのが確実です。別のPCで試す
最も強い切り分けです。別PCで認識できるなら、端末ではなくPC側の環境要因が濃厚になります。ソフトを最新にする
MacならmacOSやFinder環境、WindowsならiTunesや関連アプリの更新が必要になる場合があります。古い環境だと認識が不安定になります。セキュリティ・権限の影響を疑う
会社PCや共有PCでは、USB機器の利用が制限されていたり、通信が遮断されていたりします。復旧が必要な状況では、制限が少ない個人PCのほうが成功率が上がります。
このチェックで重要なのは、「同じ作業を同じ環境で何度も繰り返さない」ことです。繰り返しても結果が変わらない場合、環境を変えるのが最短ルートになります。
ダウンロードが終わらない・時間切れの対処
アップデート(再インストール)を選んだ際、PCがiOSファイルをダウンロードして処理します。この工程で止まると、「何も進んでいない」「iPhoneがまた復元画面に戻る」という状況になりやすく、焦りが増します。ここでは、よくある原因と対策を整理します。
まず、通信環境です。Wi-Fiが不安定、回線が混雑している、VPNやプロキシが影響している、といった要因でダウンロードが遅くなったり失敗したりします。可能なら、安定した回線に切り替える、ルーターに近づく、混雑の少ない時間帯に行うなどを試してください。会社のネットワークは制限が強いことがあるため、自宅回線のほうが安定する場合があります。
次に、PCの空き容量です。iOSファイルはサイズが大きく、PC側に一時ファイルとして保存されます。空き容量が不足しているとダウンロードに失敗することがあります。不要なファイルを削除し、十分な空きを確保してください。
さらに、PCの省電力設定やスリープも盲点です。ダウンロード中や復旧処理中にスリープすると、処理が止まってしまうことがあります。ノートPCの場合は電源アダプタに接続し、スリープしない設定にしてから作業するのが安全です。
時間切れのような挙動が出た場合は、いったんPCを再起動し、ケーブルやポートを変えてから再実行すると改善することがあります。作業が長引くほど焦りが出ますが、復旧は「安定した環境に整え直す」ことが成功率を上げる近道です。
繰り返し復元画面に戻る場合
一度復旧の兆しが見えたのに、再起動のたびに復元画面へ戻る場合、原因が深い可能性があります。典型的には次のようなケースです。
iOSの破損が大きく、アップデート(再インストール)だけでは修復しきれない
端末のストレージに問題があり、起動に必要な処理が完走できない
バッテリーや内部部品の不安定さが影響し、途中で処理が落ちる
水濡れや落下によるダメージで、通信や起動が不安定になっている
この場合、判断は段階的になります。まずはアップデート(再インストール)を安定した環境で再度試す価値があります。それでも改善しないなら、復元(初期化)に進むか、サポートに切り替えるかを判断します。
復元(初期化)を行うかどうかは、バックアップの有無と、端末をどうしても使える状態に戻したいか、で決まります。バックアップがあり、端末の復旧を最優先したい場合は、復元(初期化)は合理的な選択肢になります。一方、バックアップがなく、どうしてもデータを守りたい場合は、復元(初期化)に進む前に、できる範囲で環境を変えてアップデートを試す、専門窓口に相談する、といった慎重な判断が必要です。
修理・サポートに切り替える判断基準
復旧作業は、どこかで「自力で粘るか」「プロに任せるか」の分岐が必要です。判断基準を明確にしておくと、無駄な試行やリスクの高い操作を避けられます。
次の条件に当てはまる場合は、修理やサポートへの切り替えを強く検討してください。
複数のケーブル・複数ポート・別PCでも認識しない
端末側のUSB接続部や内部回路の問題、あるいは深刻な状態である可能性が上がります。アップデート(再インストール)が何度も失敗する
環境要因が排除できているのに失敗が続く場合、端末側のストレージやハードウェア不良の可能性が増えます。復元(初期化)まで進めても完了できない
初期化ですら完了しない場合、ソフトウェア以上の問題が疑われます。落下・水濡れ・発熱・充電不良などの心当たりがある
物理的要因が絡むと、復旧手順で一時的に改善しても再発することがあります。操作が不安で、データ消失のリスクを取りたくない
迷いながら操作するほど、誤って復元(初期化)を実行するリスクが上がります。早めに相談するほうが安全です。
また、修理に出す前に可能であれば、バックアップが取れる状態かどうかの確認も重要です。起動できる瞬間があるなら、そのタイミングでバックアップを試みる価値があります。ただし、端末が不安定な状態で無理に操作を続けると悪化する場合もあるため、発熱や異音があるなら中断し、安全を優先してください。
iPhoneの復元後にやるべきこと(再発防止とデータ保護)
バックアップの見直し(iCloud/PC)
復旧が完了したら、まずは「次に同じことが起きても困らない状態」を作ることが最優先です。復元画面に入った経験がある端末は、再発リスクがゼロではありません。精神的な負担を減らすためにも、バックアップ運用を見直してください。
iCloudバックアップは、Wi-Fi接続と充電中に自動で行われることが多いですが、設定がオフになっていたり、容量不足で止まっていたりすることがあります。設定画面でバックアップが有効か、最後のバックアップ日時がいつか、iCloud容量に余裕があるかを確認します。容量が不足している場合は、不要なデータを整理するか、プラン変更を検討する必要があります。
PCバックアップは、iCloudに依存せず手元にバックアップを残せるのが利点です。特に暗号化バックアップを使うと、復元後の利便性が高まる場合があります。普段から定期的にバックアップを取る習慣をつけると、今回のようなトラブル時の選択肢が増えます。
バックアップ運用の要点は「頻度」「確認」「復元できる状態か」の3点です。取っているつもりでも、実際には失敗していることがあります。月に一度でも良いので、バックアップ日時を見て“最近のものが存在する”ことを確認するだけで、安心感が大きく変わります。
ストレージ・アップデート運用
復元画面に至る引き金として多いのが、ストレージ不足やアップデート失敗です。復旧後にこの2点を整備しておくと、再発確率を下げられます。
ストレージについては、「常にギリギリ」にならないことが重要です。写真・動画が増えがちな人は、iCloud写真や外部保存、不要な動画の削除などで余裕を作ってください。アプリも、使っていないものを削除するだけで空きが増えます。iOSアップデートは一時的に大きな容量を使う場合があるため、更新前に空き容量を確保しておくのが安全です。
アップデート運用では、次の条件を整えると失敗しにくくなります。
バッテリー残量が十分で、充電しながら実施できる
回線が安定している(可能ならWi-Fi環境)
更新前にバックアップが取れている
ストレージに余裕がある
「アップデートが怖い」と感じる方もいますが、逆に古いiOSのまま放置すると不具合が解消されず、アプリやセキュリティ面でのリスクも増えます。条件を整えたうえで、計画的にアップデートするのが最も安全です。
ケーブル・PC環境の整備
今回のような復旧作業では、安定した接続環境が重要だと実感されたはずです。復元画面は突然出ます。次に備える意味でも、最低限の環境を整備しておくと安心です。
認証品のケーブルを1本、予備として確保する
自宅で使えるPCがない場合は、いざという時に借りられる相手を把握しておく
会社PCは制限があることを想定し、個人環境で復旧できる手段を用意する
Mac/Windowsのどちらを使うか、家族内で共有しておく
また、復旧後にPCへ繋いでバックアップを取っておくと、「PCで復旧できる状態」が維持されます。普段からPCとの接続を一度でも経験しておくと、トラブル時に手順の心理的ハードルが下がります。
iPhoneのsupport.apple.com/iphone/restoreに関するよくある質問
データは消えていますか
support.apple.com/iphone/restoreが表示された段階で、データが必ず消えているとは限りません。この状態は「起動に必要な処理が完走できないため、復旧作業が必要」というサインであり、データそのものが即座に消去されたことを意味しない場合が多いです。
ただし、ここから先の操作によってはデータが消える可能性があります。強制再起動やアップデート(再インストール)はデータ保持の可能性がある一方、復元(初期化)に進むと原則としてデータは消去されます。したがって、データを守りたい場合は「復元(初期化)に踏み込む前に、アップデート(再インストール)までを丁寧に試す」ことが基本方針になります。
また、バックアップがある場合は、最終的に初期化が必要になっても復元で戻せる可能性があります。逆にバックアップがない場合は、復元(初期化)を実行する前に、できる限りデータ保持の可能性がある手段を試すべきです。
アップデートを選べばデータは残りますか
一般的に、アップデート(再インストール)はデータ保持の可能性があるため、最初に試すべき選択肢です。ただし、必ず残ると断言できるものではありません。iOSの破損の程度や端末の状態によっては、アップデートが失敗する、あるいは結果としてデータが戻らないケースもあり得ます。
ここで重要なのは、「データが残る可能性を最大化する」ことです。アップデートを安定した環境(認証ケーブル、直接接続、安定した回線、スリープなし)で実施するだけで、成功率が上がりやすくなります。反対に、環境が不安定だと失敗が続き、結果として復元(初期化)に追い込まれるリスクが高まります。
したがって、アップデートを選ぶ際は、成功率を高める準備をしたうえで実行するのが合理的です。もし数回試しても改善しない場合は、復元(初期化)に進むか、サポートに切り替えるかを、バックアップ状況と端末の重要度から判断してください。
どれくらい時間がかかりますか
所要時間は、どの手順で復旧できるか、そして通信環境がどうかで大きく変わります。目安としては、強制再起動は数分で終わることが多い一方、PCでのアップデート(再インストール)はiOSファイルのダウンロード時間が影響します。回線が速ければ短く、遅ければ長くなります。
また、復元(初期化)を行った場合は、初期化自体の時間に加え、バックアップからの復元に時間がかかります。iCloud復元はWi-Fi速度に左右され、写真やアプリは後から順次戻る場合があるため、完全に元通りになるまで数時間以上かかることもあります。PCバックアップは比較的早い場合がありますが、バックアップ容量が大きいと時間は延びます。
重要なのは、復旧作業は「途中で中断しない」ことです。時間が読めない状況では、余裕のあるタイミングを選び、PCのスリープを防ぎ、安定した回線で行うのが安全です。
自分でやるのが不安な場合はどうすべきですか
不安が強い場合は、無理に一人で抱え込まず、早めにサポートを利用するのが安全です。復元画面の対処は、手順自体は定型ですが、「アップデートと復元の選択」「認識しない場合の切り分け」「初期化判断」といった局面で迷いが生じやすく、誤操作が起こりやすいからです。
特に、バックアップがなくデータを守りたい場合、落下や水濡れなどの心当たりがある場合、PCを借りられない場合は、相談する価値が高いです。サポートや修理窓口では、端末の状態確認や、必要な案内、修理の可否判断が行えます。
一方で、どうしても自分で進めたい場合は、この記事の「データを守る順番」に沿って、強制再起動→アップデート(再インストール)→復元(初期化)の順に進め、途中で詰まったらチェックリストで環境要因を潰す、という流れを守ってください。手順を飛ばさず、安定した環境で行うことが、最も確実な近道になります。