機種変更のたびに“Suicaだけが言うことを聞かない”。—そんな経験、ありませんか?
Walletの中にある交通系ICは、写真や連絡先のように自動では複製されません。同時に1台でしか使えないというルールがあるからこそ、正しい順番で移行しないと、改札前で固まる羽目に…。でも大丈夫。本記事では、最も失敗しにくい手順から復旧の奥の手まで、実体験ベースで整理しました。
「セットアップ中に一緒に移す」「後から“以前のカード”で受け取る」「最終手段として旧端末で削除→新端末で再追加」——やることはこの3つだけ。
つまずきやすいポイントや、Apple WatchのSuicaまでまとめてフォローします。
読んだその場で3分チェック→迷わず移行。次の通勤・通学を、今日のうちに安心へ切り替えましょう。
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ベストプラクティス:まずは新iPhoneの初期設定中に転送。逃したらWalletの「以前のカード」から再追加。それでも出てこないときだけ旧端末で削除→新端末で受け取り。
守るべきルール:同一Apple ID/旧端末は近く&オンライン/改札外で実行。
忘れ物ゼロ:作業後はエクスプレスカード設定、残高・定期の表示、Apple Watch側の状態を確認。
iPhoneの機種変更でWalletを移行する
おすすめ順の移行ルートは
① 新iPhoneの初期設定中に「Walletで転送(セットアップアシスタント)」
② 新iPhoneのWalletで「+>以前のカード」からSuicaを再追加
③ 旧iPhoneのWalletでSuicaをいったん削除→新iPhoneで再追加(最終手段)
いずれも旧端末が近くにありオンラインだと成功率が高いです。改札内では移行不可。トラブル防止の大原則です。
Apple WatchのSuicaは、iPhoneの「Watch」アプリ>WalletとApple Pay>対象Suica>「iPhoneに追加」で戻せます。
なぜ“正しい順番”が重要か
Apple Payの交通系IC(Suica/PASMO/ICOCA)は端末内に一時的に“所属”しており、同一カードを複数端末で同時利用できません。新端末への移行時は、
セットアップ中の転送(Previous Cardsの自動認識を含む)
Walletの「以前のカード」からの再追加
旧端末での削除→サーバ退避→新端末で受け取り
のいずれかで“所属の付け替え”を行います。旧端末が近く&オンラインだと転送・再認識がスムーズです。
3つの移行ルート:使い分けガイド
ルート①:セットアップアシスタントで自動転送(最優先)
シーン:新iPhoneの初期設定(クイックスタート)中に完了したい
手順
新iPhoneの初期設定を進め、「Wallet」の画面で転送対象のSuicaを選択
続けるをタップして転送開始(旧iPhoneは近く&オンライン)
画面の案内に従って完了
メリット:アカウント設定と同時にSuicaも移せ、エラーが少ない王道。
ルート②:Walletの「以前のカード(Previous Cards)」から再追加(後からでもOK)
シーン:初期設定では飛ばした/後日やりたい
手順
新iPhone>Wallet>右上「+」
「以前のカード」を開き、Suicaを選択
画面どおりに追加(旧端末が近く&オンラインだと速い)
ポイント:旧端末で事前に削除しなくても“以前のカード”として再追加できる設計(iOS 17以降)。
ルート③:旧端末でいったん「削除」→新端末で「受け取り」(最終手段)
シーン:②で見つからない/旧端末を手放す前に確実に退避したい
手順
旧iPhone>Wallet>Suica>…(詳細)>「このカードを削除」
残高や定期券情報はサーバへ退避されます
新iPhone>Wallet>+>以前のカードからSuicaを選び、再追加
注意:この操作は改札外で。改札内だと処理できません。
Apple WatchのSuicaも忘れずに
Watch→iPhoneへ戻す:iPhoneの「Watch」アプリ>WalletとApple Pay>対象Suica>「iPhoneに追加」。
iPhone→Watchへ:同画面からWatchに追加を選択。
ウォッチ⇄iPhoneの付け替えも同一Apple ID・オンラインが基本条件です。
事前チェック:失敗しないための準備
同一Apple IDでサインイン/2ファクタ認証オン
新旧とも最新のiOSに更新
デバイスのパスコードを設定(外すとWalletのカードは端末から削除される設計)
旧端末は近く&オンラインにしておく
改札内での操作はしない(入場中は移行不可)
1枚のSuicaは1台でのみ有効(同時利用は不可)
これらはAppleのサポート手順とJR東の機種変更ガイドに沿った基本要件です。
トラブルシューティング
Q1. 「以前のカード」にSuicaが出てこない
チェックリスト
旧端末が近くにありオンラインか
同一Apple IDでサインインしているか
数分置いてから再度Walletの「+」→以前のカードを開き直す
だめならルート③(旧端末で削除→新端末で受け取り)へ切替え
Appleの「移行できない場合の対処」ページの案内とも一致します。
Q2. 旧iPhoneが壊れて起動しない/手元にない
まず新iPhoneのWalletで「+>以前のカード」を試行。見つからなければ、モバイルSuicaの会員メニューやサポートに連絡して復旧相談を。改札外で落ち着いて対応しましょう。
Q3. Apple WatchにだけSuicaが残っている
Watchアプリ>WalletとApple Pay>対象Suica>「iPhoneに追加」で戻せます。戻したあとに必要なら再度Watchへ追加。
Q4. 入場中(改札内)に移行しようとして失敗した
いったん改札を出てからやり直し。入場・出場の整合性が取れない状態での操作は不可です。
Q5. 他人にSuicaを譲渡したい
不可です(Apple IDが異なると移せません)。使い切るか、払い戻し等を検討しましょう。
※条件や手数料は変更の可能性があるため、最新の公式情報を確認してください。
PASMO・ICOCAも基本は同じ
PASMO・ICOCAもWalletの「以前のカード」から再追加できます。
操作・注意点(改札内不可、旧端末の近接・オンライン推奨)はSuicaと同様です。
詳細はAppleのサポート「Suica/PASMO/ICOCAをiPhoneで使う」の該当項目を参照。
より安全・確実に移行する“小ワザ”
移行は日中に:サポート窓口や駅窓口の営業時間内だと安心
旧端末の“探す”も意識:手放す前に初期化する場合は、Suica移行→iCloudサインアウト→消去の順に
ウォレット以外の“生活系”も同時点検:免許証/学生証/会員証などをWalletに入れている人は表示・有効性の確認を
エクスプレスカード設定の再確認:Suicaをエクスプレス(かざすだけ)にするかは設定>WalletとApple Pay>エクスプレスカードで要チェック(地域/発行体により仕様差あり)