iPhoneでVPNをオフにしたいのに、スイッチが戻ってしまったり、グレーアウトして操作できなかったりしてお困りではありませんか。
特に、銀行アプリや決済アプリから「VPNをオフにしてください」と表示され、先へ進めない状況は、急いでいるときほど深刻です。
実はこの症状、原因はひとつではありません。
セキュリティアプリによる自動接続、残ったままの古いプロファイル、オンデマンド接続の設定、そして会社・学校の管理による制限など、さまざまな要因が絡んで発生します。
本記事では、
「どの症状が自分に当てはまるのか」→「何が原因か」→「どう直すか」
という流れで、はじめての方でも迷わず解決できるよう丁寧に整理しています。
今まさに操作ができず困っている方でも、この記事を読みながら順に確認していただくことで、
数分で解決できるケースが非常に多いため、ぜひそのまま読み進めてください。
※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。
iPhoneで「VPNをオフにできない」ときにまず確認すべきこと
iPhoneで「vpn オフにできない」「VPNをオフにしてもすぐオンに戻る」といった症状が出ると、不安に感じる方が多いと思います。
特に、決済アプリや銀行アプリから「VPNをオフにしてください」と表示されると、急いでいるときほど困ってしまいます。
最初に押さえておきたいポイントは次の3つです。
iPhone側の設定だけで直せるケース
セキュリティアプリ・VPNアプリ側の設定が原因のケース
会社・学校の管理(MDM)でロックされており、そもそも自分ではオフにできないケース
これを意識しながら読み進めていただくと、どこまで自分で対応できるかが分かりやすくなります。
よくある症状パターン
よくある症状は、概ね次のように分類できます。
VPNをオフにしても、数秒〜数分で自動的にオンに戻ってしまう
VPNのスイッチがグレーアウトしており、タップしても切り替えられない
VPNのオン/オフが勝手に切り替わり、通信が不安定になる
決済アプリやキャリアのサービスで「VPNをオフにしてください」と表示され、先に進めない
本記事では、これらのパターンごとに考えられる原因と対処法を整理していきます。
原因の大まかな分類(自分で直せるケース/直せないケース)
ざっくり整理すると、原因は次のように分かれます。
自分で直せることが多い原因
セキュリティアプリやVPNアプリの自動接続設定
過去に使ったVPNのプロファイルが残っている
オンデマンド接続などの自動起動設定
自分では変更が難しい・してはいけない原因
会社・学校が配布した構成プロファイル(MDM)でVPN設定が固定されている
業務用ネットワークに接続するためのVPN設定がロックされている
後者の場合は、無理にオフにしようとすると業務システムにつながらなくなるなどの支障が出るため、必ず管理者に相談する必要があります。
症状別チェックリスト:あなたのiPhoneはどのパターンか
ここからは、症状パターンごとに原因の当たりをつけていきます。
ご自身の状況に一番近い項目を確認してください。
パターン1:VPNをオフにしてもすぐオンに戻ってしまう
この場合、次のような原因が考えられます。
セキュリティアプリ(ウイルスバスター、ノートンなど)のVPN機能が「常に保護」などで自動接続になっている
VPNアプリの「自動接続」「常時接続」設定がオンになっている
VPNのプロファイルにオンデマンド接続が設定されている
まずは、インストール済みのセキュリティアプリ・VPNアプリを開き、「VPN」「Web脅威対策」「安全ブラウジング」などの項目で自動接続設定がオンになっていないかを確認してください。
パターン2:VPNスイッチがグレーアウトして操作できない
設定アプリのVPNスイッチがグレーになっていて、オンオフができない場合は、
会社・学校の構成プロファイル(MDM)でVPN設定が固定されている
セキュリティアプリがVPN接続を強制・制御している
といったケースが多いです。
「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」に、会社名・学校名・不明な管理プロファイルが表示されている場合は、勝手に削除せず、必ずIT管理者やサポート窓口に確認してください。
パターン3:VPNがオンオフを繰り返し、通信が不安定になる
次のような原因が考えられます。
セキュリティアプリのバグや、古いバージョンによる不具合
iOSアップデートとVPNアプリの相性問題
複数のVPNアプリが同時に入っており、制御が競合している
この場合は、次の順番で対応することをおすすめいたします。
セキュリティアプリ/VPNアプリを最新バージョンに更新する
使用していないVPNアプリを削除する
それでも改善しなければ、アプリのサポートページを確認し、既知の不具合情報がないかを確認する
パターン4:決済・銀行アプリで「VPNをオフにしてください」と表示される
このケースでは、次のような可能性があります。
実際にVPNがオンになっている
VPNはオフのつもりでも、構成プロファイルやセキュリティアプリが一部通信をVPN経由にしている
公共Wi-Fi+VPNの組み合わせにより、サービス側でアクセス制限がかかっている
決済アプリ側の指示どおりVPNをオフにする必要がありますが、後述する「自分でできる基本対処」と「セキュリティアプリ・VPNアプリが原因のとき」の章を順番に確認することで、多くの場合は解消できます。
自分でできる基本対処:iPhone側の設定を見直す
ここからは、個人用iPhoneを前提とした「ご自身で行ってよい操作」を中心に解説いたします。
設定アプリからVPNをオフにする基本手順
まずは、iPhone標準のVPN設定を確認します。
「設定」アプリを開く
必要に応じて「一般」→「VPNとデバイス管理」をタップ
「VPN」または「VPN構成」の一覧から、現在接続中のVPNを確認
ステータスが「接続」や「接続済み」になっている場合、スイッチを「オフ」に切り替える
ここでオフにできれば、単純な一時的接続だった可能性が高いです。
オフにしてもすぐに元に戻るようであれば、次のセクションに進んでください。
「VPNとデバイス管理」でプロファイルを確認・削除する
過去にインストールしたVPNや、通信事業者・会社から配布されたプロファイルが原因になっている場合があります。
基本的な確認手順は次のとおりです。
「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」を開く
「構成プロファイル」や「デバイス管理」の項目に、見覚えのないプロファイルがないか確認する
不明なプロファイルがある場合は、まず名前をメモし、インストール元(アプリ・会社・学校)を思い出す
明らかに不要なVPNプロファイルであれば、タップして「プロファイルを削除」を選択
削除後は一度iPhoneを再起動する
重要な注意点
会社や学校から支給されたiPhoneの場合、業務用プロファイルを削除すると業務アプリが使えなくなるおそれがあります。必ず管理者の指示に従ってください。
通信キャリア(docomo・au・SoftBankなど)のAPN/プロファイルを削除すると、モバイルデータ通信ができなくなる場合があります。削除前にキャリアのサポートページを確認するか、サポート窓口にご相談ください。
オンデマンド接続・自動接続の設定をオフにする
一部のVPNプロファイルやVPNアプリでは、「オンデマンド接続」「自動接続」などの機能により、特定の条件で自動的にVPNがオンになります。
例として、以下のようなタイミングが挙げられます。
Wi-Fiからモバイルデータ通信に切り替わったとき
特定のドメイン(社内システムなど)にアクセスしたとき
公共Wi-Fiに接続したとき
アプリによって画面は異なりますが、一般的には次のような項目をオフにします。
「常時接続」「自動起動」「自動接続」
「オンデマンド接続」「信頼されていないネットワークでは自動接続」などのチェック
これらの設定は、iPhone本体の「設定」ではなく、VPNアプリ・セキュリティアプリ側の設定画面に用意されていることが多いため、アプリごとに確認が必要です。
セキュリティアプリ・VPNアプリが原因のとき
ウイルスバスターやノートンなどのVPN機能の無効化
ウイルス対策アプリの中には、危険なサイトへのアクセスをブロックするためにVPNを利用するものがあります。
代表例として、ウイルスバスター モバイルの「Web脅威対策」機能などが該当します。
一般的な確認の流れは以下のとおりです。
該当するセキュリティアプリを起動
「Web脅威対策」「セーフブラウジング」「VPN」などのメニューを開く
「VPNを有効にする」「常に保護する」といったスイッチがオンになっていないか確認
一時的にオフにし、VPNが自動でオンにならなくなるかを確認
アプリごとに操作は異なるため、詳しい手順は各ベンダーの公式サポートページを参照してください。
不要なVPNアプリ・古いプロファイルを整理する手順
すでに使っていないVPNアプリや、試用期間だけ利用したVPNサービスのプロファイルが残っていると、思わぬタイミングでVPNが起動する原因になります。
整理のステップは次のとおりです。
ホーム画面・Appライブラリから、使っていないVPNアプリを洗い出す
不要なアプリは、アイコン長押し→「Appを削除」でアンインストール
あわせて、「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」で、対応するVPNプロファイルが残っていないか確認
アプリ削除後も不要なプロファイルが残っている場合は、「プロファイルを削除」で整理する
削除前に、後で再インストールする可能性があるアプリ名やアカウント情報はメモしておくと安心です。
アプリを削除してよいか判断するポイント
削除してよいか迷う場合は、以下の観点で判断してください。
どのサービスに紐づくVPNか(会社・学校・キャリア・一般VPNサービスなど)
現在も料金を支払って利用しているか
削除するとログインできなくなる社内システム・サービスはないか
不明な場合は、
会社・学校支給端末 → 情報システム部門・IT担当へ
キャリアが提供するプロファイル → キャリアのサポート窓口へ
事前に確認してから削除することをおすすめいたします。
会社・学校の管理(MDM)端末でVPNをオフにできない場合
構成プロファイルとMDMで制御されるVPNの仕組み
会社や学校から支給されたiPhoneには、構成プロファイルや**MDM(モバイルデバイス管理)**が設定されていることが多く、VPNの設定が一括で配布・管理されています。
この場合、
VPNのオンオフは管理者が決めたポリシーに従う
ユーザー側ではスイッチがグレーアウトしている
プロファイルを削除できないようロックされている
といった仕様になっていることが一般的です。
自分で変更してはいけない設定の見分け方
次のような場合は、自分で設定変更・削除を行わないでください。
「VPNとデバイス管理」に会社名・学校名が表示されている
プロファイルの説明に「このプロファイルは管理者がインストールしました」などの記載がある
プロファイル削除ボタンが表示されない、またはグレーアウトしている
このようなプロファイルは、業務アプリや社内ネットワーク接続のために必須である可能性が高く、削除すると業務に支障が出るおそれがあります。
IT管理者・情シスに相談するときの伝え方
会社・学校の端末でVPN周りの不具合がある場合は、次の情報を整理してからIT管理者に連絡するとスムーズです。
利用している端末の種類(例:iPhone 14、iOSバージョン)
どのアプリ利用時に問題が起きているか(例:◯◯銀行アプリ、◯◯社内アプリ)
エラー表示の文言(スクリーンショットがあると尚良い)
「VPNをオフにしたい理由」(決済ができない、社外サービスにアクセスできない等)
「VPNを完全に削除したい」というよりも、「このアプリがVPNの影響で使えないので、どうすればよいか教えてほしい」と伝える方が、適切な代替策を提示してもらいやすくなります。
VPNをオフにしても大丈夫?セキュリティと注意点
VPNをオフにするときのリスクと、オフにしてよい場面
VPNは、通信の暗号化やプライバシー保護のために利用される仕組みです。
そのため、公共Wi-Fiなど信頼できないネットワークでは、VPNをオンにしておく方が安全です。
一方で、以下のような場面では、一時的にVPNをオフにしても、一般的な利用において大きな問題は生じにくいと考えられます。
自宅のWi-Fi(適切に設定されたルーターを使用)
信頼できるモバイル回線(キャリアの4G/5G)
決済・銀行アプリから VPNオフを求められている場面
ただし、会社・学校が業務上必須としているVPNをオフにすることは、セキュリティポリシー違反となる可能性があるため、必ず管理者に相談してください。
公共Wi-FiでVPNをオフにする場合の代替策・最低限の対策
どうしても公共Wi-FiでVPNをオフにしなければならない場合は、次のような対策をとることをおすすめいたします。
重要なID・パスワードの入力や、決済情報の入力を避ける
ブラウザのアドレスバーが「https://」から始まっているか確認する
利用後は必ずWi-Fi接続をオフにし、公衆Wi-Fiのプロファイルを削除する
可能であれば、Wi-Fiではなくモバイルデータ通信に切り替えて利用する
再発防止のチェックリストとまとめ
最後に、「vpn オフにできない iphone」という状態を繰り返さないためのチェックポイントをまとめます。
毎月確認したい設定・プロファイル・アプリ
使っていないVPNアプリ・セキュリティアプリが残っていないか
「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」に、不明なプロファイルが増えていないか
セキュリティアプリ・VPNアプリが最新バージョンに更新されているか
iOSアップデート後にVPN挙動に変化がないか
これらを定期的に見直すことで、突然「VPNがオフにできない」というトラブルに見舞われるリスクを低減できます。
ここまで試して直らない場合に取るべき次の一手
本記事の手順を一通り試しても症状が改善しない場合は、以下の順で相談先を検討してください。
利用中のVPNアプリ・セキュリティアプリのサポート窓口
利用している通信キャリアのサポート(モバイル通信・APNプロファイルの影響が疑われる場合)
会社・学校のIT管理者(MDM・構成プロファイルが関係していそうな場合)
Appleサポート(端末側の問題や設定全般の確認が必要な場合)
「いつから」「どのアプリ利用時に」「どのようなVPN表示やエラーになるのか」を整理して伝えることで、原因特定が早くなります。