「iPhoneで撮った動画、途中のいらないところだけ消したいのに、うまくできない……。」
そのようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
iPhoneの「写真」アプリには、動画を短くする編集機能が用意されていますが、実はできるのは「前後のトリミング」が中心です。多くの方が、「やり方が悪いのかな」「ボタンを見落としているのかな」と感じながら、真ん中のNGシーンや手ブレの場面だけを削除できずに困っていらっしゃいます。
本記事では、そのモヤモヤを一度で解消できるように、
写真アプリでできること・できないこと
iMovieを使って動画の途中だけをカットする具体的な手順
目的別のおすすめアプリと選び方
よくあるつまずきと対処法
までを、動画編集が初めての方でも迷わないレベルのステップに分解して解説いたします。
「専門用語はよく分からないけれど、家族や仕事で使う動画のいらない部分だけはきれいに消したい」という方でも大丈夫です。画面のどこをタップすればよいか、どのタイミングで保存すれば失敗しないかを具体的にお伝えしますので、この1本を読みながら操作すれば、iPhoneだけで「途中カット」を安心して行えるようになります。
※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。
iPhoneで「途中カット」がややこしく感じる理由
写真アプリでできるのは「前後のトリミング」だけ
iPhoneの「写真」アプリには、動画の編集機能が標準で用意されています。
ただし、この編集でできるのは「動画の前後を短くするトリミング」が中心です。
多くの方がつまずくポイントはここです。
例えば、動画の真ん中あたりに「手ブレがひどい部分」や「撮影ミスのシーン」があっても、写真アプリだけではその部分だけを削除することはできません。
前後のいらない部分だけを短くする → 写真アプリのトリミングで対応可能
動画の途中にある一部のシーンを削除したい → 別の編集アプリが必要
この違いを押さえておくと、「なぜ自分のやり方では途中カットができないのか」がすっきり整理できます。
「途中カット」と「トリミング」の違いを簡単に整理
用語が分かりにくいと感じる方も多いため、ここで一度整理します。
トリミング
動画の「最初」と「最後」の不要な部分を削ること
写真アプリで可能な編集
途中カット(分割+削除)
動画を途中で分割し、「真ん中のいらない部分だけ」を取り除くこと
iMovieなどの編集アプリで行う操作
途中カットを行うには、一度動画を細かく「分割」し、不要な部分だけを削除して、残したい部分同士をつなげる必要があります。
この操作ができるアプリが、iMovieやその他の動画編集アプリです。
途中カットしたいときに必要なアプリの考え方
途中カットを行う場合、次のような考え方でアプリを選ぶと分かりやすくなります。
できるだけ標準機能で済ませたい
→ iMovie(Apple純正・無料)が基本の選択肢です。途中カットに加えて、テロップやスタンプ、BGMも入れたい
→ CapCutやAdobe Expressなどの無料アプリも候補になります。まずは途中カットだけ覚えたい
→ 写真アプリで前後をトリミング → iMovieで途中カット、というシンプルな流れがおすすめです。
以下では、この流れに沿って具体的な手順を説明いたします。
まずは標準の「写真」アプリで前後のいらない部分を削る
写真アプリで動画を開く手順
iPhoneで「写真」アプリを開きます。
途中カットしたい動画をタップして再生画面を開きます。
画面右上または右下付近にある「編集」ボタンをタップします。
ここまでで、動画のトリミング編集画面が表示されます。
スライダーを動かして前後をトリミングする方法
画面下部に、コマが並んだバー(タイムライン)が表示されます。
バーの両端にある「黄色いハンドル」を左右にドラッグします。
左側を動かす → 動画の開始位置を変更
右側を動かす → 動画の終了位置を変更
残したい範囲だけが黄色く表示されるように調整します。
プレビューを再生して、開始位置と終了位置に問題がないか確認します。
問題なければ「完了」をタップし、「ビデオとして新規クリップを保存」または「ビデオを保存」を選択します。
途中カットを行う前に、まずこのトリミングで前後の明らかに不要な部分を削っておくと、後の作業がかなり楽になります。
「オリジナルを残す」ための保存の考え方
動画編集でよくある失敗が、「元の動画を上書きしてしまった」というケースです。
撮り直しが難しい動画の場合、これは大きなリスクになります。
そのため、特に最初のうちは次のような運用をおすすめいたします。
写真アプリでトリミングする際は、「ビデオとして新規クリップを保存」を選ぶ
元の動画は残したままにし、編集用のコピーを別に持つ
容量が気になる場合は、仕上がった動画を確認してから、不要になったオリジナルを削除する
こうしておけば、途中カットに失敗してもやり直しが可能です。
動画の途中だけカットする基本手順(iMovie編)
iMovieをインストール・起動する
iPhoneの「App Store」を開きます。
検索欄に「iMovie」と入力し、Apple純正の「iMovie」アプリをインストールします。
インストールが完了したら、ホーム画面からiMovieを起動します。
iMovieはApple製の無料アプリのため、追加料金は不要です。
動画をタイムラインに読み込み、分割する
iMovieを開いたら、「プロジェクトを作成」または「+」ボタンをタップします。
「ムービー」を選択し、編集したい動画にチェックを入れて「ムービーを作成」をタップします。
画面下部に、動画のタイムライン(横長のバー)が表示されます。
途中カットしたい位置まで、タイムライン上の白い線(再生ヘッド)を移動します。
分割したい位置でタイムラインのクリップをタップし、メニューから「分割」を選択します。
この操作を、削除したいシーンの「始まり」と「終わり」の二箇所で行うことで、その部分だけを1つのクリップとして切り出すことができます。
不要なシーンを削除し、残したい部分だけをつなげる
分割によってできた「不要部分のクリップ」をタップします。
ハサミのマークや削除アイコンから「削除」を選択します。
不要なクリップがタイムラインから消え、前後のクリップ同士が自動的にくっつきます。
再生して、自然に再生がつながっているか確認します。
切り替えが不自然な場合は、分割位置を少しずらしてやり直すのも効果的です。
必要に応じて、前後のクリップの長さを微調整することで、違和感のない途中カットが行えます。
仕上がった動画を保存・書き出しする
編集が完了したら、画面左上の「完了」ボタンをタップします。
プロジェクト一覧画面で、今編集したムービーを選び、共有アイコン(四角から矢印が出ているマーク)をタップします。
「ビデオを保存」を選択し、書き出す解像度(例:HD 1080pなど)を指定します。
書き出しが完了すると、編集済みの動画が「写真」アプリの中に保存されます。
ここまでの操作で、「途中のいらない部分だけを削除した動画」が完成します。
アプリ別のおすすめパターンと選び方
「途中カットだけできればいい」人に向くアプリ
できるだけシンプルに済ませたい
細かい装飾やテロップは不要
このような場合は、次の組み合わせが分かりやすいです。
写真アプリ:前後のトリミング
iMovie:途中カット(分割+削除)
Apple純正だけで完結するため、余計なアプリを増やしたくない方に向いています。
テロップやBGMも入れたい場合の候補アプリ
途中カットに加えて、以下のような編集も行いたい場合は、専用の動画編集アプリを検討してください。
文字テロップを入れたい
BGMや効果音を追加したい
SNS向けに縦長・正方形動画を作りたい
代表的な候補としては、次のようなアプリがあります。
CapCut:無料で使える機能が多く、ショート動画向けのテンプレートも豊富
Adobe Express:デザイン性の高いテンプレートを使って、動画全体の雰囲気を整えやすい
どちらも途中カットに対応しているため、iMovieの代わりとして使うことも可能です。
仕事・副業で使うなら押さえたいポイント
業務で動画を扱う場合は、次の点も意識すると安心です。
編集履歴の管理:
元動画・編集済み動画・書き出し版をきちんとフォルダ分けしておく
画質と容量のバランス:
社内共有用は画質より容量を重視、顧客向けや公開用は画質を優先するなどの基準を持つ
アプリの更新・サポート状況:
長期的に使いたいアプリは、定期的にアップデートが提供されているかも確認する
よくあるつまずきと対処法Q&A
Q1:編集ボタン・トリミングボタンが出てこない
次のポイントを順に確認してください。
写真ではなく、確かに「動画」を開いているか
iOSやアプリが最新バージョンに更新されているか
低電力モードやストレージ不足で動作が不安定になっていないか
一度iPhoneを再起動し、写真アプリやiMovieを最新版にアップデートすると解決するケースも多いです。
Q2:途中カットしたのに保存されていない
考えられる原因は次のとおりです。
iMovieで編集後、「完了」ではなくそのままアプリを閉じてしまった
「ビデオを保存」ではなく、他の共有手段を選んだが送信が完了していない
書き出し中にアプリをバックグラウンドにしすぎて処理が中断された
対処策としては、編集完了後は必ず
「完了」をタップしてプロジェクトを保存する
共有アイコンから「ビデオを保存」を選ぶ
書き出しが終わるまでアプリを閉じない
という流れを徹底してください。
Q3:動画が重すぎてアプリが落ちてしまう
長時間の動画や高解像度の動画では、iPhoneの性能やストレージ状況によっては、編集アプリが落ちやすくなることがあります。
対策としては、
事前に写真アプリで前後をある程度短くトリミングしておく
同時に開くアプリを減らし、メモリの余裕を持たせる
どうしてもつらい場合は、動画を2〜3本に分けて別々に編集する
などの方法があります。
Q4:画質を落とさずに書き出したい
画質を重視したい場合は、次の点に注意してください。
iMovieや他の編集アプリで「書き出し解像度(例:1080p、4K)」を確認し、撮影時と同じかそれ以上の設定を選ぶ
不要な再圧縮を避けるため、編集と書き出しはなるべく1つのアプリ内で完結させる
SNS側で自動圧縮されることもあるため、「アップロード後にどの程度の画質になるか」も確認する
失敗しないためのチェックリストと運用のコツ
作業前に確認しておきたい3つのポイント
バッテリー残量
編集中に電源が切れると、作業内容が失われることがあります。
ストレージの空き容量
編集後の書き出しには元動画と同程度の容量が必要になるため、十分な空き容量を確保してください。
元動画のバックアップ
オリジナルはiCloudやPC、外部ストレージ等にバックアップしておくと安心です。
毎回迷わないための「マイルール」を決める
動画編集に慣れていないと、毎回操作を忘れてしまいがちです。
そこで、次のような「マイルール」を決めておくと、作業効率が上がります。
私用の簡単な動画:
写真アプリ → iMovieの2ステップで編集
仕事用の動画:
必ず元データを別フォルダにコピーしてから編集
SNS公開用:
最終的に投稿するプラットフォーム(Instagram、TikTokなど)を決めてから縦長・正方形に調整
紙やメモアプリに、簡単な手順を書き出しておくのも効果的です。
用途別のおすすめワークフロー(プライベート/仕事)
プライベート(家族・友人向け)
写真アプリで前後をトリミング
iMovieで途中カット
必要に応じてスタンプ・BGMを追加(CapCutなど)
SNSやメッセージアプリで共有
仕事・副業(顧客・社内向け)
元動画をバックアップ
写真アプリでざっくり前後をトリミング
iMovieまたは業務で使っている編集アプリで途中カット+最低限のテロップ
解像度・容量を調整して書き出し
納品用・アーカイブ用など用途別にファイルを整理