突然、iPhoneで電話がかけられない・着信しない――。
仕事中の大事な連絡や、家族とのやり取りの最中にこのトラブルが起きると、「いったいどこが悪いのか」「故障なのか」「今日中に直るのか」と不安になってしまう方が多いです。しかも、設定・キャリア・SIM・故障など、原因の候補が多いため、どこから手を付ければよいか分かりにくいのが厄介なポイントです。
本記事では、「とりあえず全部試す」のではなく、今の症状から原因の“当たり”をつけて、最短ルートでチェックしていくことを重視しています。機内モードやおやすみモードといった基本設定の見直しから、キャリアや料金・SIMの問題、さらにはハードウェア故障が疑われるケースまで、順番にたどるだけで現状とるべき行動が分かる構成です。
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機内モード・モバイル通信・おやすみモードを確認したか
サイレントモード・着信音量・不明な発信者の消音・着信拒否・自動転送を見直したか
電波状況・通信障害・料金未納・利用制限の有無を確認したか
SIMカード(またはeSIM)の状態、抜き差しや再有効化を試したか
iOS・キャリア設定のアップデート、ネットワーク設定のリセットを検討したか
スピーカー・マイク・落下や水濡れなど、ハードウェアの状態を確認したか
必要に応じて、キャリア・Appleサポート・修理店に相談したか
iPhoneで「電話できない」ときにまず確認したいこと(全体像)
iPhoneで急に電話の発信や着信ができなくなると、不安になるだけでなく、仕事や大切な連絡にも支障が出てしまいます。
ただし多くの場合は、設定や通信環境を順番に確認することで、ご自身で解決できるケースが少なくありません。
この章では、よくある原因と、最初に優先して試したいポイントを整理いたします。
よくある原因をざっくり整理する
iPhoneで「電話できない」ときに多い原因は、概ね次の5つに分類できます。
設定まわりの問題
機内モード・モバイル通信・おやすみモード
サイレントモード・着信音量
着信拒否・不明な発信者の消音・自動転送・通話制限など
通信環境・キャリア側の問題
電波が弱い、建物の構造などで電波が届きにくい
通信障害が発生している
料金未納やネットワーク利用制限がかかっている
SIMカード・eSIMの問題
SIMカードの接触不良や破損
APN構成プロファイルなどの設定不備
ソフトウェア・iOSの問題
iOSやキャリア設定が古い
一時的な不具合が発生している
ハードウェアの問題
スピーカー・マイクの故障
落下・水濡れによる本体・基板の故障
本記事では、これらを「今すぐできること」から順にチェックしていく構成としています。
今すぐ優先して試すべき3つのステップ
時間がない場合は、まず次の3ステップだけを実施していただくことをおすすめいたします。
機内モードとモバイル通信の確認・オン/オフ切り替え
「設定」→「機内モード」を一度オン→数秒待ってからオフ
「設定」→「モバイル通信」でスイッチがオンになっているか確認
iPhoneの再起動と、SIMカードの抜き差し(物理SIMの場合)
電源を一度オフにしてから再度オンにする
物理SIMの場合、電源オフの状態でSIMトレイを抜き差しし、その後再起動
おやすみモード・サイレントモード・着信拒否の確認
「設定」→「集中モード」→「おやすみモード」がオフになっているか
本体側面のサイレントスイッチがオフ(オレンジ色が見えていない)か
「設定」→「電話」→「着信拒否した連絡先」に誤登録がないか
これでも改善しない場合は、以降の章で症状別に原因を切り分けていきます。
症状別チェック:どの「電話できない」かを切り分ける
ここでは、ご自身の状況がどのパターンに当てはまるかを整理し、どの章を重点的に確認すべきかを明確にします。
発信も着信も一切できない場合
自分から電話をかけても発信できない
相手からかけてもらっても着信しない
このような場合は、次の要因が考えられます。
機内モードやモバイル通信の設定ミス
キャリア側の通信障害・電波状況の悪化
料金未納やネットワーク利用制限
SIMカードの不具合・認識不良
端末や基板の不具合(重めのトラブル)
この症状に当てはまる場合は、「基本設定の確認ステップ」と「通信環境・キャリア・SIMカード」の章を優先的にご覧ください。
発信だけできない・着信だけできない場合
自分からの発信はつながるが、着信だけ来ない
着信はあるが、発信しようとするとつながらない
といった場合、以下の点が疑われます。
片方の端末側の設定(着信拒否・発信制限・転送設定など)
おやすみモード・不明な発信者の消音機能
料金や契約状態(発信のみ制限されるケースなど)
この場合は、「基本設定の確認ステップ」と「通信環境・キャリア・SIMカード」、および「自分で解決できないときの相談先」を重点的に確認してください。
特定の相手にだけ電話できない/特定の相手からだけ着信しない場合
ある相手にだけ発信してもつながらない
特定の人からだけ電話がかかってこない
このようなケースでは、
片方の端末で着信拒否・ブロックが設定されている
連絡先情報が古く、別の番号にかけている
相手側の回線・設定に問題がある
といった可能性が高くなります。
まずは自分側の「着信拒否」「不明な発信者の消音」などを確認したうえで、相手側にも設定や電波状況を確認してもらうとよいでしょう。
通話アプリ(LINEなど)は使えるが電話アプリだけできない場合
LINE通話やビデオ通話アプリは問題なく使える
しかし標準の電話アプリだけ通話ができない
この場合は、
音声通話用の回線・契約・SIMに問題がある
電話アプリ周辺の設定・不具合
キャリア側の通話制限・発信規制
といった要因が疑われます。
契約中のプラン内容や、キャリアアプリでの制限設定も併せて確認してください。
基本設定の確認ステップ:3分でできる初期チェック
ここでは、専門知識がなくても短時間で確認できる「初歩的な設定の見直し」をまとめます。
機内モード・モバイル通信・おやすみモードの確認
機内モードの確認
「設定」→「機内モード」がオフになっているか確認します。
一度オン→数秒待ってからオフに切り替えることで、電波のつかみ直しにつながることがあります。
モバイル通信の確認
「設定」→「モバイル通信」→「モバイルデータ通信」がオンか確認します。
格安SIMをご利用の場合は、APN構成プロファイルが正しく設定されているかも重要です。
おやすみモード(集中モード)の確認
「設定」→「集中モード」→「おやすみモード」がオンになっていないかを確認します。
おやすみモードがオンの場合、着信が通知されにくくなることがあります。
サイレントモード・着信音量・不明な発信者の消音の確認
サイレントモード・着信音量
iPhone側面のスイッチがサイレントになっていないか(オレンジ色が見える状態)確認します。
「設定」→「サウンドと触覚」で着信音量が極端に小さくなっていないかも併せてチェックしてください。
不明な発信者の消音
「設定」→「電話」→「不明な発信者を消音」がオンの場合、連絡先に登録されていない番号からの着信が通知されにくくなります。
不明な番号からの着信も受けたい場合は、一時的にオフにして挙動を確認してください。
着信拒否・自動転送・通話制限の確認
着信拒否の確認
「設定」→「電話」→「着信拒否した連絡先」に、相手の連絡先や番号が登録されていないか確認します。
自動転送の確認
「設定」→「電話」→「自動電話転送」がオンになっていると、別の番号に転送されている可能性があります。
意図しない転送設定がないか確認し、不要であればオフにします。
通話制限・発信制限の確認
一部端末やアプリでは、「発信制限」などの通話制限機能があります。
キャリアアプリや保護者向けの管理アプリなどで、通話制限が設定されていないか確認してください。
通信環境・キャリア・SIMカードまわりを確認する
基本設定を見直しても改善しない場合は、通信環境や契約状況の確認が重要です。
電波状況や通信障害の可能性をチェックする
画面右上のアンテナマークが極端に少ない、または「圏外」「検索中」と表示されていないか確認します。
地下・建物の奥など電波が届きにくい場所では、屋外や窓際に移動して再度試してください。
大規模な通信障害の可能性もあるため、Wi-Fiや別の端末から、契約キャリアの公式サイトや公式SNSの障害・メンテナンス情報を確認することをおすすめいたします。
料金未納やネットワーク利用制限の有無を確認する
通話料金や通信料金の支払いが遅れている場合、音声通話だけが制限されることがあります。
各キャリアのマイページ(My SoftBank、My au、My docomo など)にログインし、請求・支払い状況や利用停止の有無を確認してください。
中古端末をご利用の場合は、ネットワーク利用制限(いわゆる「赤ロム」)がかかっていないか、キャリアのIMEIチェックページで確認することも有効です。
SIMカードの抜き差しと、SIM・eSIMのトラブル切り分け
物理SIMカード利用時
iPhoneの電源をオフにする
SIMピンなどを使ってトレイを取り出し、SIMカードを一度抜き差ししてからしっかり差し込む
再度電源をオンにし、通話ができるか確認します。
eSIM利用時
「設定」→「モバイル通信」→該当のモバイル通信プランが「オン」になっているか確認します。
不明点がある場合や、プラン名が表示されない場合は、契約キャリアにeSIMの状態を問い合わせてください。
ソフトウェア・iOSの不具合を疑う場合の対処法
設定や通信・SIMに特段の問題が見当たらない場合は、iOSやソフトウェアの一時的な不具合が原因となっている可能性があります。
iPhoneの再起動と、バックグラウンドアプリの整理
再起動によって、軽微な不具合が解消されることがあります。
通話関連のアプリ(IP電話アプリ、通話録音アプリなど)が複数同時に動作していると、電話アプリと干渉する可能性があります。
不要なアプリはスワイプ操作で終了し、そのうえで再度発信・着信をお試しください。
iOSとキャリア設定アップデートの手順
iOSアップデート
「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」を開きます。
利用可能なアップデートが表示された場合は、案内に従ってインストールします。
アップデート前には、十分なバッテリー残量とWi-Fi環境の確保をおすすめいたします。
キャリア設定アップデート
キャリアの回線に接続した状態で、「設定」→「一般」→「情報」を開きます。
キャリア設定アップデートがある場合は、画面上に案内が表示されますので、指示に従って更新してください。
これにより、通話・通信関連の不具合が解消されるケースがあります。
ネットワーク設定のリセットを行うときの注意点
「ネットワーク設定のリセット」は、Wi-Fi・モバイル通信・VPNなどの通信関連設定を初期状態に戻す操作です。
実行方法
「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「リセット」→「ネットワーク設定をリセット」
実行前の注意点
登録済みのWi-Fiパスワードが削除されるため、事前に控えておくことをおすすめいたします。
再起動や設定の見直し、iOSアップデートなど、他の対処法を一通り試してから実行するのが安心です。
ハードウェア故障が疑われるときのチェックポイント
ここまでの設定・通信・ソフトウェアの見直しで改善しない場合は、ハードウェア故障の可能性が高まります。
相手の声が聞こえないときのスピーカー・イヤホンの確認
通話中にiPhone側面の音量ボタンで音量が十分に上がっているか確認します。
画面保護フィルムやケースが、受話用スピーカー部分を物理的にふさいでいないか確認してください。
イヤホンやBluetooth機器が接続されたままになっていると、本体スピーカーから音が出ない場合があります。
「設定」→「Bluetooth」で不要な機器への接続をオフにし、再度通話をお試しください。
自分の声が届かないときのマイク周りの確認
マイクの穴にホコリやゴミが詰まっていないかを目視で確認します。
ケースやカバーがマイク部分を覆っていないか確認し、必要に応じて外してテストしてください。
ボイスメモなどの録音アプリで音声を録音し、正常に録音できているか確認することで、マイク不良かどうかの切り分けが可能です。
落下・水濡れ・基板故障の可能性が高いサイン
直近で強い衝撃(高所からの落下など)や水濡れ・水没があった
通話以外の機能(カメラ、充電、画面表示など)にも複数の不具合が出ている
他のSIMカードや別キャリアのSIMに差し替えても、同様の通話トラブルが発生する
このような場合は、本体内部や基板の故障が疑われ、自力での修復は難しくなります。早めに専門窓口への相談をご検討ください。
自分で解決できないときの相談先と判断基準
ここでは、どこに相談すべきかを判断するための目安を整理いたします。
まずキャリアに相談したほうがよいケース
次のような状況では、契約中の通信事業者(キャリア)への相談が最優先となります。
電波表示が不安定、または特定のエリアでのみ通話できない
料金未納・利用停止・契約内容の変更など、回線契約に関する可能性がある
SIMカード・eSIMの状態、発信・着信制限の設定状況が不明な場合
キャリアショップやサポート窓口に相談する際は、
「いつから」「どの場所で」「どのような症状が出ているか」をできるだけ具体的に伝えると、原因特定がスムーズです。
Appleサポートや正規修理店に相談すべきケース
次のようなケースでは、Appleサポートや正規サービスプロバイダへの相談が適しています。
通話以外にも、スピーカー・マイク・カメラ・充電など複数の不具合がある
iOSや本体の不具合が強く疑われる
保証期間内、またはAppleCare+加入中で正規修理を希望する
AppleサポートのWebサイトや専用アプリから事前に症状を入力しておくと、来店予約や対応案内がスムーズになります。
街の修理店を検討するときの注意点
メーカー保証が切れている、できるだけ早く・安く修理したいといった場合は、街の修理店という選択肢もあります。
ただし、非正規の修理を受けると、その後のApple公式保証が受けられなくなる可能性があります。
依頼前に、以下の点を必ず確認してください。
修理前の見積もり金額
修理後の保証内容・保証期間
作業中や作業後にデータが消去されるリスクの有無
同じ「電話できない」トラブルを防ぐための予防策
最後に、今後同じようなトラブルが起きたときに慌てないための予防策をまとめます。
日頃から行っておきたいバックアップとアップデート
定期的にiCloudやパソコン(iTunes/Finder)でバックアップを取得しておくことで、万が一の際にも復元しやすくなります。
「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」で、iOSをこまめに最新に保つことをおすすめいたします。
自動アップデートをオンにしておくと、手間をかけずに最新状態を維持できます。
トラブル時に慌てないための連絡手段の複線化
メール・チャットアプリ(LINEなど)・ビデオ会議アプリなど、電話以外の連絡手段も日頃から利用できる状態にしておくと安心です。
家族・友人・職場など、緊急時に連絡したい相手については、電話番号だけでなく、メールアドレスやチャットIDも共有しておくとよいでしょう。