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扶養控除申告書の記入例|妻が扶養外でも差し戻されない書き方

年末調整や入社手続きで「扶養控除等(異動)申告書」を渡されたのに、「妻が扶養外と言われた…。配偶者の有無は“無”にするの?」「配偶者欄は空欄でいい?」「また差し戻されたら面倒…」と手が止まっていませんか。
共働き世帯では、税の控除・毎月の源泉計算・社会保険の“扶養”が混ざりやすく、同じ「扶養外」でも意味が違うため、書き方を誤ると確認や訂正が発生しがちです。

この記事では、まず「扶養外」を税・源泉・社会保険に分解し、次にあなたの状況に合わせてどの欄を記入し、どこは記入しないのが正解かを判断チャートと記入例で整理します。さらに、差し戻しを防ぐNG例とチェックリストも用意しました。読み終えるころには、「自分はこのパターンだから、この通りに書けば大丈夫」と迷いなく提出できるはずです。

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目次

扶養控除申告書で妻が扶養外でも提出が必要な理由

「妻が扶養外なら、扶養控除等申告書を出さなくていいのでは?」と思いがちですが、ここが最初の落とし穴です。扶養控除等(異動)申告は、源泉控除対象配偶者や扶養親族がいるかどうかに関わらず、原則として行うものと国税庁の手続案内で説明されています。つまり、妻が扶養外でも、給与所得者である限り提出するのが基本です。

さらに、扶養控除等申告書は「毎月の源泉徴収(天引き)の計算の基礎」でもあります。提出しないと、源泉徴収税額の計算が不利になり、結果として毎月の手取りが減る可能性があります(会社の給与計算運用にもよります)。提出するかどうかで迷うより、提出は前提として「どう書くか」を整理するほうが確実です。

扶養控除等申告書を出さないとどうなるか

国税庁の案内では、扶養控除等申告を行わない場合の取り扱いに言及があります。実務的には、会社が税額表の「乙欄」で源泉徴収を行うなど、天引きが増える方向に働きやすく、年末調整でも手続きが複雑になりがちです。まずは「提出しない選択肢」を消して、記入の最短ルートに集中するのが得策です。

扶養外には3種類ある(税・源泉・社会保険)

「妻が扶養外」と言われたとき、何が“外”なのかをはっきりさせましょう。多くの混乱は、ここが曖昧なまま書き始めることで起きます。

何の制度の話? 「扶養外」の意味 扶養控除等申告書と関係する? 典型的な相談の形
税(年末調整) 配偶者控除・配偶者特別控除の対象にならない 間接的に関係(提出書類の判断に影響) 「配偶者控除等申告書は必要?」
源泉(毎月の給与) 源泉控除対象配偶者として数えない 直接関係(欄の記入可否に影響) 「配偶者欄に書く?空欄?」
社会保険 健康保険の被扶養者になれない 原則は別問題(混同注意) 「年収が130万超えた」など

この記事で扱うのは、主に税(年末調整)と源泉(毎月)です。社会保険の扶養は要件が異なり、同じ年収でも判定がズレることがあります。まずは「税・源泉の書類でどう書くか」を確定させましょう。


扶養控除申告書で混乱しやすい配偶者の欄の考え方

扶養控除等申告書には「配偶者の有無」というチェック欄がある一方で、配偶者に関する詳細欄(源泉控除対象配偶者など)も並んでいます。このため、「妻が控除対象外=配偶者なし?」と誤解が生まれます。ここでは、考え方を2段階に分けます。

  1. 配偶者がいるか(結婚しているか)

  2. 配偶者が“控除の対象”に当たるか(源泉控除対象配偶者・配偶者控除/特別控除など)

「配偶者あり」と「控除対象」は別物

国税庁の用語では、「源泉控除対象配偶者」「控除対象配偶者」など、似た言葉が複数あります。大事なのは、これらが「配偶者がいる」という事実ではなく、控除の要件を満たす配偶者かどうかを指す用語だという点です。

つまり、次の状態は普通に起こります。

  • 結婚している(配偶者はいる)

  • しかし、要件を満たさないため「源泉控除対象配偶者」ではない

  • 年末調整でも、配偶者控除(または配偶者特別控除)の対象ではない

この場合、やるべきことはシンプルで、「配偶者がいる事実」はチェック欄で示しつつ、控除対象でない欄は無理に埋めない(会社の運用がない限り)という整理になります。

源泉控除対象配偶者の要件(ここが“扶養外”の分かれ目)

毎月の給与計算で使われる「源泉控除対象配偶者」には、国税庁の定義があります。ポイントは次の2つです。

  • 本人(あなた)の合計所得金額の見積額が 900万円以下であること

  • 配偶者の合計所得金額の見積額が 95万円以下であること(給与収入のみなら 160万円以下が目安)
    (※青色事業専従者等は除外などの条件あり)

ここで「妻が扶養外」と言われる場合、実務上は「妻の収入が多くて、源泉控除対象配偶者に当たらない」という意味で使われることが多いです。もしこの要件から外れるなら、扶養控除等申告書の該当欄に妻を記載しても、毎月の計算上のメリットは生まれません。

年末調整で配偶者控除(特別控除)を受けるなら別の申告書が必要

もう一つの分岐が年末調整です。配偶者控除・配偶者特別控除の適用を受けるには、扶養控除等申告書の記載の有無に関わらず、配偶者控除等申告書(基礎控除申告書と一体の様式)の提出が必要だと国税庁の記載例で明記されています。

「妻が扶養外」=配偶者控除等申告書が不要、とは限りません。逆に、源泉控除対象配偶者ではなくても、年末調整の配偶者特別控除に該当する可能性もあります。書類の役割を切り分けて考えるのが、差し戻しを防ぐ最短ルートです。


妻が扶養外のときの提出書類マップ

ここから先は「結局、何を提出すればいいの?」を最短で確定させます。扶養控除等申告書は基本として、年末調整で控除を受けるかどうかで追加書類が変わります。

目的 提出する書類 いつ使う? 妻が扶養外だとどうなる?
毎月の源泉徴収を適切にする 扶養控除等(異動)申告書 入社時・年初・異動時 妻が源泉控除対象配偶者でないなら、該当欄は記入しない方向
年末調整で配偶者控除/特別控除を受ける 配偶者控除等申告書(基礎控除申告書と一体のことが多い) 年末調整 妻が要件に該当しないなら提出・記入は不要(該当するなら必要)
年末調整全般(基礎控除等) 基礎控除申告書等(会社配布のセット) 年末調整 配偶者控除等と同一用紙のことがある

※会社から配布される年末調整セットは、年度や会社の運用で構成が異なることがありますが、「配偶者控除(特別控除)を受けるなら配偶者控除等申告書が必要」という骨格は国税庁の案内と一致します。


妻が扶養外のときの判断チャート(3分で自己判定)

「自分はどのパターン?」を確定させるために、YES/NOで進めます。ここでいう“扶養外”は、主に税・源泉の話です。

ステップ1:まず「配偶者の有無」を確定する

  • 結婚していて妻がいる → 配偶者は「いる」

  • 未婚・離婚・死別で配偶者がいない → 配偶者は「いない」

ここでの注意点は、「妻が控除対象外=配偶者がいない」ではないことです。配偶者の有無は婚姻関係の事実で決まります。

ステップ2:毎月の給与で「源泉控除対象配偶者」に当たるか

次の要件に当てはまるかを確認します(ざっくり判定でOK、年末調整で精算されます)。

  • 本人の合計所得金額見積が 900万円以下

  • 妻の合計所得金額見積が 95万円以下(給与のみなら収入160万円以下)
    → 当てはまるなら「源泉控除対象配偶者」として記入する可能性があります。

当てはまらない(妻が扶養外)場合
この場合、扶養控除等申告書の「源泉控除対象配偶者」欄に妻を記入しても、源泉計算上の対象になりません。したがって、会社が「配偶者氏名だけは必要」などの運用をしていない限り、該当欄は記入しない(空欄)という整理が自然です。

ステップ3:年末調整で配偶者控除(特別控除)を受けるか

年末調整で配偶者控除(特別控除)を受ける場合、扶養控除等申告書の記載の有無に関わらず、配偶者控除等申告書が必要です。

  • 受けない:配偶者控除等申告書は原則不要

  • 受ける:配偶者控除等申告書を記入・提出(会社配布セットに含まれることが多い)

※「妻が扶養外」と言われても、年末調整で配偶者特別控除に該当する可能性があるため、年末調整書類が配布されたら、必ずこのステップで再確認しましょう。


扶養控除申告書の記入例(妻が扶養外の場合)

ここからは、もっとも相談が多い想定で具体例を示します。

想定ケース

  • 夫:会社員、主たる給与の支払先は1社

  • 妻:共働きで収入が一定以上

  • 結果:妻は「源泉控除対象配偶者」に当たらない(いわゆる“扶養外”)

  • 年末調整で配偶者控除(特別控除)は受けない(または要件に当たらない)

このケースでは、扶養控除等申告書の目的は「毎月の源泉計算の基礎を整える」ことにあります。該当しない欄を埋めるより、必須欄をミスなく埋めることが最優先です。

基本情報欄の書き方(ここは全員共通で重要)

基本情報欄は、妻が扶養外でも必ず記入します。会社に差し戻される原因の多くは、実はこの基本情報の漏れ・誤りです。

  • 氏名(フリガナ含む)

  • 生年月日

  • 住所または居所

  • 個人番号(マイナンバー)

  • 世帯主の氏名・続柄(同居家族がいる場合に必要)

  • 給与の支払者(会社)の名称・法人番号等(会社が記入する場合もあります)

  • 配偶者の有無:結婚しているなら「有」(妻が控除対象外でも「有」)

「扶養外だから無にする」と書いてしまうと、婚姻関係と矛盾し、確認が入ることがあります。配偶者の有無は“控除”ではなく“事実”として捉えると迷いません。

源泉控除対象配偶者欄(妻が扶養外ならどうする?)

国税庁の記載例では、源泉控除対象配偶者に該当する配偶者がいる場合に記載する趣旨が示されています。要件に当てはまらない(妻が扶養外)なら、原則としてこの欄に妻を記載しません。

ただし、現実には会社の給与システム都合で「配偶者の氏名だけは書いてください」など独自運用があることもあります。その場合は会社指示が優先です。迷ったときは、次の一言で確認すると短時間で解決します。

  • 「妻は源泉控除対象配偶者の要件に当たらない見込みですが、この欄に妻の氏名などは必要ですか?」

“要件に当たらない”という言い方にすると、会社側も判断しやすく、差し戻しが減ります。

扶養親族欄(妻はここに書かない)

ここが最大のNGポイントです。妻は扶養親族ではありません。扶養親族欄は、子どもや親などの「扶養親族」を記入する欄であり、妻を入れると差し戻しやすくなります。

  • 子どもがいる:年齢要件や同居・別居、所得見積に応じて記入

  • 親を扶養している:同様に要件確認のうえ記入

  • 誰もいない:空欄で問題ありません

妻が扶養外でも、子どもがいれば別途判断が必要です。ここは夫婦で「どちらが扶養に入れるか」を決めてから記入するのが確実です。

住民税に関する欄(16歳未満などがある場合)

扶養控除等申告書には、住民税に関する事項(16歳未満の扶養親族など)を記入する欄がある場合があります。所得税の扶養控除とは別に、住民税の計算で必要な情報があるためです。該当する人がいる場合のみ、会社の指示どおりに記入しましょう。


妻が扶養外でも「年末調整」で確認すべきこと(控除を受ける/受けない)

ここからは「毎月の源泉」とは別に、年末調整での確認ポイントです。妻が扶養外と言われるケースでも、年末調整での扱いが一致するとは限りません。

配偶者控除等申告書が必要になる条件

国税庁の案内・記載例では、年末調整で配偶者(特別)控除の適用を受けるには、配偶者控除等申告書の提出が必要とされています。

一体様式になっていることが多く、会社からは「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書…」のような名前で配られることがあります。見た目がややこしくても、ポイントは次の2つです。

  • 「配偶者控除(特別控除)を受けるなら書く」

  • 「受けない(要件に当たらない)なら、配偶者欄を無理に書かない」

ただし、会社が年末調整の確認として提出自体を求める場合があります。その場合も、要件に当たらないなら“該当なし”として記入を最小化するのが基本です。

「源泉控除対象配偶者」と「配偶者控除(特別控除)」は別物

ここも混乱ポイントです。源泉控除対象配偶者は、毎月の源泉計算で使う概念で、国税庁用語として定義されています。一方、配偶者控除・配偶者特別控除は、年末調整で税額を確定させる控除です。両者は要件が同一ではありません。

したがって、「毎月は扶養外(源泉の対象外)だけど、年末調整では配偶者特別控除に該当する」ということもあり得ます。年末調整の書類が配られたタイミングで、もう一度“年の見積”を確認するのが安全です。


差し戻しを防ぐNG例とOK例(実務で一番効く)

書類の差し戻しは、たいてい「考え方が間違っている」より「よくある勘違い」が原因です。ここでは典型例を先に潰します。

NG(差し戻されやすい) なぜNG? OK(こう直す)
妻を扶養親族欄に記入する 配偶者は扶養親族ではない 妻は配偶者関連(該当する場合のみ)。該当しないなら未記入
「扶養外だから配偶者の有無=無」にする 婚姻の事実と矛盾 結婚しているなら「有」。控除対象かどうかは別で判断
要件が不明なのに所得見積を適当に書く 年末に訂正・再提出が発生 分かる範囲で見積。迷うなら会社に確認し、根拠のある数値だけ記入
どの書類が必要か分からず未提出 年末調整が不完全になりやすい 毎月=扶養控除等申告書、年末控除=配偶者控除等申告書(該当時)

特に「配偶者の有無」と「控除対象」を混ぜないだけで、差し戻しは大幅に減ります。


提出前チェックリスト(これだけ見れば不安が消える)

最後に、提出直前のチェック項目をまとめます。スマホでも確認しやすいように短くしています。

基本情報

  • 氏名・住所・生年月日に誤りがない

  • マイナンバー欄の記入漏れがない(会社の取扱いに従う)

  • 結婚している場合、「配偶者の有無」は「有」になっている

妻が扶養外(源泉控除対象配偶者でない)場合

  • 源泉控除対象配偶者の要件(本人900万円以下、配偶者95万円以下等)を満たさないなら、その欄を無理に埋めていない

  • 会社から「配偶者氏名だけ必要」など指示がある場合はそれに従った

扶養親族

  • 妻を扶養親族欄に書いていない

  • 子ども・親などを記入する場合、年齢や同居別居など会社指定の確認を済ませた

年末調整(配偶者控除・特別控除)

  • 配偶者控除(特別控除)を受けるなら、配偶者控除等申告書(基礎控除申告書と一体の場合あり)を提出する

  • 受けない(要件に当たらない)なら、該当箇所を無理に記入せず、会社の指示に従った


よくある質問(妻が扶養外のときに聞かれがち)

妻が扶養外でも「配偶者あり」になりますか?

結婚しているなら、配偶者は「います」。ただし、源泉控除対象配偶者や配偶者控除(特別控除)の対象かどうかは要件で決まり、別物です。国税庁の用語定義も、配偶者の存在そのものではなく、要件を満たす配偶者を区別する形になっています。

妻の収入がいくらなら「扶養外」ですか?

「扶養外」が何を指すかで答えが変わります。少なくとも、源泉控除対象配偶者は「配偶者の合計所得金額95万円以下(給与収入のみなら160万円以下)」などの要件があるため、それを超える見込みなら源泉の意味では“扶養外”になりやすいです。

夫の所得が高いと、妻が対象でも扶養に入れられない?

源泉控除対象配偶者は、本人の合計所得金額見積が900万円以下であることが要件に含まれます。したがって、本人側の所得状況で対象外になることがあります。

提出後に状況が変わったらどうすればいい?

結婚・離婚・扶養親族の増減など「異動」があれば、会社のルールに従って再提出や訂正を行います。扶養控除等(異動)申告書はそのための書類でもあります。


まとめ:妻が扶養外でも“やること”は2つに分ければ迷わない

妻が扶養外と言われたときは、次の2段階で考えると迷いません。

  1. 扶養控除等(異動)申告書は原則提出が必要(配偶者や扶養親族の有無に関わらない)

  2. そのうえで、妻が「源泉控除対象配偶者」や「配偶者控除(特別控除)」の要件に当たるかを確認し、当てはまる欄だけ記入する

「配偶者の有無」は婚姻の事実、「控除対象」は要件の話です。ここを分けるだけで、差し戻しの多くは防げます。最後にチェックリストで確認して、最短で提出を終えましょう。


参考にした情報源