年末調整の時期に「扶養控除等(異動)申告書(いわゆる扶養控除申告書)」を渡されたものの、どこに何を書けばよいのか分からない——そんな状況になりやすい書類です。特に、配偶者や子ども、親の情報を記入する欄は似た項目が多く、さらに「所得見積額」は収入と混同しやすいため、うっかりミスが起きがちです。
この記事では、令和8年分の最新様式を前提に、判断→転記→確認の順で迷わず書けるよう、欄ごとの記入例を丁寧に整理します。源泉控除対象配偶者・源泉控除対象親族・16歳未満の書き分け、給与・年金・副業のケース別に「所得見積額」を作る手順、そして差し戻しを防ぐ提出前チェックリストまで、これ一つで不安を解消できる内容にまとめました。
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- 1 扶養控除申告書の記入例を読む前に押さえるポイント
- 2 扶養控除申告書を書く前に用意するもの
- 3 扶養控除申告書の全体構造と記入の順番
- 4 扶養控除申告書の記入例と書き方:上段の基本情報
- 5 源泉控除対象配偶者の書き方:該当判定から転記まで
- 6 源泉控除対象親族と16歳未満扶養親族の書き方:誰をどこに書くか
- 7 所得見積額の書き方:収入をそのまま書かないための手順
- 8 障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生などのチェック欄の考え方
- 9 よくある間違いと、差し戻しを防ぐ提出前チェックリスト
- 10 年の途中で結婚・出産・就職・別居など「異動」があったときの対応
- 11 2か所以上から給与がある人:主たる給与と従たる給与の整理
- 12 よくある質問:迷いがちな論点だけを短く整理
- 13 参考にした情報源
扶養控除申告書の記入例を読む前に押さえるポイント
この申告書で何が決まるか
「扶養控除申告書」と呼ばれる書類の正式名称は、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書です。会社が毎月の給与から所得税を天引き(源泉徴収)するとき、あなたの扶養状況に応じて税額の計算が変わります。つまり、この書類は「年末だけの手続」ではなく、毎月の源泉徴収税額にも関係する重要書類です。
年末調整の時期に配られることが多いものの、入社時(最初の給与の前)に提出を求められることもあります。提出が遅れると、扶養が反映されずに税額が多めに天引きされるなど、あとで調整が必要になりがちです。まずは「この書類は、扶養を税計算に反映するための申告書」と理解しておくと、書き方の迷いが減ります。
いつ提出するか、提出しないとどうなるか
国税庁の案内では、給与を受ける人は毎年、最初に給与の支払を受ける日の前日までに、扶養控除等(異動)申告書を主たる給与の支払者へ提出する扱いが示されています。
会社の実務では、年末調整の案内と一緒に「翌年分」として回収されることが一般的です。提出しない場合、源泉徴収税額の計算で不利になる可能性があり、年末調整や確定申告での調整が増えます。締切があるなら、まずは締切優先で「埋められるところから確実に」進めるのが現実的です。
令和8年分で変わった用語と欄名の注意点
令和8年分の扶養控除等申告書では、記載事項が「控除対象扶養親族」から「源泉控除対象親族」へ改正されたことが、国税庁の記載例で明記されています。古い記入例をそのまま当てはめると、欄違い・チェック漏れが起きやすくなります。
本記事では、令和8年分の国税庁記載例・源泉徴収事務の案内に沿って、「どこに何を書くか」を“判断→転記→確認”の順で説明します。書類を手元に置き、同じ順番で進めてください。
扶養控除申告書を書く前に用意するもの
まず揃える情報は家族の基本情報
記入で止まりやすいのは、税の難しい部分よりも「氏名」「フリガナ」「生年月日」「住所」「続柄」です。ここが曖昧だと、あとで会社から差し戻されやすくなります。最低限、次を用意してください。
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あなた本人:氏名(フリガナ)、住所、生年月日、個人番号(会社の指示に従う)
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世帯主:世帯主の氏名、あなたから見た続柄(本人・夫・妻・子など)
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配偶者・扶養親族:氏名(フリガナ)、生年月日、続柄、住所(同居/別居)
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親族の区分に関係する要素:年齢(特定扶養・老人扶養などに影響)、同居かどうか、非居住者かどうか
「住所が同じなら“同上”でよいか」は会社ルールで異なります。書式に“同上”の取り扱いがない場合もあるため、会社の年末調整案内に従ってください。
個人番号(マイナンバー)の扱いは会社の指示を最優先
国税庁の案内では、本人・源泉控除対象配偶者・源泉控除対象親族等の個人番号を記載する必要がある一方で、一定の要件の下で記載を要しない場合があるため、給与の支払者に確認する旨が示されています。
会社によって、紙に直接書く/別紙提出/システム入力などが分かれます。「欄があるから必ず書く」と自己判断せず、案内どおりに対応するとトラブルが減ります。
所得見積額の準備は「収入→所得」へ変換する材料を揃える
この申告書で最もミスが多いのが「所得見積額」です。ここで書くのは年収(収入)ではなく、収入から控除や経費を差し引いた“所得”です。給与だけの人は、国税庁が公表する年末調整用の表(給与所得控除後の金額表など)を使うと、手計算のミスを減らせます。
準備する材料は次のとおりです。
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配偶者・親族の「今年の収入見込み」
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給与(パート含む):月収×残り月数+賞与見込み
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年金:年金振込通知書、源泉徴収票など
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副業・事業:売上見込みと必要経費見込み
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会社から配布される年末調整資料(控除後金額表など)
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国税庁の年末調整資料(PDF)
扶養控除申告書の全体構造と記入の順番
扶養控除等(異動)申告書は、令和8年分の欄名どおり「源泉控除対象配偶者・源泉控除対象親族」で書き分け、所得見積額は収入ではなく所得を転記します。
国税庁の記載例と控除後金額表を使えば迷いません。最後にチェックリストで漏れを防げば安心です。
迷わない順番は「上段→配偶者→親族→チェック→最終確認」
書類は上から順に書いていけばよいように見えますが、途中で「誰をどの欄に書くか」が分からなくなると、手が止まります。そこで、迷いを減らす順番を固定します。
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上段(あなたの情報、世帯主、住所など)
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配偶者(源泉控除対象配偶者に該当するか判断→該当なら記入)
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親族(源泉控除対象親族/16歳未満扶養親族の書き分け)
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特記事項チェック(障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生、非居住者など)
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提出前チェックリストで漏れを潰す
「会社が書く欄」と「本人が書く欄」の見分け方
国税庁の記載例では、例えば「給与の支払者の法人(個人)番号」は給与の支払者が付記するため、本人が記載する必要はないと整理されています。つまり、書類の中には“最終的に埋まっていればよいが、本人が埋めるものではない欄”が存在します。
会社が印字して配る場合も多いので、空欄があっても慌てず、まずは「あなたが書くべき欄」を埋めていきましょう。
扶養控除申告書の記入例と書き方:上段の基本情報
氏名・住所・生年月日・世帯主・続柄の書き方
上段は、もっとも差し戻しが起きやすい“基本情報”のゾーンです。ここは税の知識よりも、住民票や会社登録情報との整合が重要です。
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氏名:会社の登録どおり(旧字体なども注意)
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フリガナ:濁点・長音を含め正確に
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住所:郵便物が届く表記で統一(部屋番号も漏れやすい)
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世帯主:世帯主の氏名(本人なら「本人」でも可、書式に従う)
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続柄:世帯主から見たあなたの続柄ではなく、あなたから見た続柄を求める形式が多いので、書式の指示に従う
「続柄」は “妻・夫・子・父・母” など短い言葉で十分です。余計な注記を書かない方がミスが減ります。
所轄税務署長等の欄は原則として会社の記載に従う
国税庁の記載例では、「給与の支払者の所在地等の所轄税務署長」と「あなたの住所地等の市区町村長」を記載すると説明されています。会社が欄を印字していることが多いため、空欄の場合のみ会社の指示に従いましょう。
複数の給与がある人は「従たる給与」欄を最初に確認する
2か所以上から給与の支払を受けている人が、他の給与の支払者に「従たる給与についての扶養控除等申告書」を提出している場合に○を付ける、と国税庁の記載例で示されています。ここを間違えると、会社側の源泉徴収の前提がズレます。
副業が給与の形(アルバイト等)で支払われている人は、最初にここだけ確かめてください。「給与は1社だけ」と思っていても、短期バイト等があると2社以上になることがあります。
源泉控除対象配偶者の書き方:該当判定から転記まで
源泉控除対象配偶者とは何か
国税庁の源泉徴収事務の案内では、源泉控除対象配偶者とは、所得者(合計所得金額が900万円以下である人に限る)と生計を一にする配偶者で、合計所得金額が95万円以下である人と説明されています(一定の専従者等を除く)。
ここで重要なのは、次の2点です。
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配偶者がいるだけでは該当しない(所得要件がある)
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あなた自身にも要件がある(合計所得金額が900万円以下の範囲)
源泉控除対象配偶者に該当するか判断する手順
判断の順番を固定すると迷いません。
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配偶者がいるか(法律上の配偶者)
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配偶者が「生計を一にする」か(同居だけでなく、生活費の実態を含む)
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あなたの合計所得金額見積が900万円以下か
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配偶者の合計所得金額見積が95万円以下か
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青色事業専従者給与の受給者など、除外に当たらないか
この5ステップのうち、一般的な会社員の家庭で迷うのは「4(配偶者の所得見積)」です。次の章で“所得見積の作り方”をケース別に説明します。
記入欄に書く内容と、よくある間違い
源泉控除対象配偶者の欄に書くのは、主に次のセットです。
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氏名・フリガナ
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生年月日
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住所(同居/別居)
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合計所得金額(見積)
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非居住者に該当する場合のチェック等
よくある間違いは次の3つです。
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収入をそのまま「所得」に書いてしまう
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配偶者控除(配偶者特別控除)の申告書と混同し、これ1枚で完結すると思う
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非居住者(海外在住)の場合の追加対応を見落とす
配偶者控除等を年末調整で受けるには別の申告書が必要になる点は、会社の年末調整キットで案内されます。セットで配られていないか確認してください(会社運用に従う)。
源泉控除対象親族と16歳未満扶養親族の書き方:誰をどこに書くか
まず「どの欄に書くか」を決める比較表
ここが最も迷うポイントです。最初に“欄の行き先”を確定させます。
| 区分 | 主な対象 | 主な判断軸 | 記入する場所 | よくあるミス |
|---|---|---|---|---|
| 源泉控除対象配偶者 | 配偶者 | 本人900万円以下+配偶者所得95万円以下等 | 配偶者欄 | 所得と収入の混同 |
| 源泉控除対象親族 | 扶養親族(一定要件) | 年齢区分・居住/非居住・所得見積等 | 親族欄(源泉控除対象親族) | 19〜23歳/70歳以上のチェック漏れ |
| 16歳未満扶養親族 | 16歳未満の子など | 年齢 | 16歳未満の欄 | 親族欄に書いてしまう |
※詳細要件の扱いは国税庁の記載例に沿って確認してください。
この表の目的は「税の判定を完璧にする」ことではなく、あなたが書くべき“欄の行き先”を間違えないことです。行き先が決まれば、次は情報を正確に転記するだけになります。
年齢区分でチェックが変わる:19〜23歳、70歳以上は要注意
国税庁の記載例では、年齢区分によりチェックの分岐があることが示されています。実務上の注意点は次のとおりです。
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19〜23歳:特定扶養に関する区分や、一定所得範囲の「特定親族」など、チェックの考え方が絡みやすい
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70歳以上:老人扶養親族としての区分(同居老親等/その他)のチェックが必要になりやすい
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16歳未満:控除の扱いが異なるため、書く場所が違う(“扶養に入れない”という意味ではない)
年齢は年度中に変わるため、いつ時点で判断するかは会社配布資料や国税庁の記載例で統一してください。迷ったら「年末調整の基準日である年末時点」を前提に案内されることが多いですが、社内資料の指示が優先です。
親族欄に書く内容と、転記のコツ
源泉控除対象親族等の欄に書く内容は、基本的に次のセットです。
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氏名・フリガナ
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続柄(子、父、母など)
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生年月日
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住所(同居/別居)
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所得見積額
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該当チェック(老人、特定扶養、非居住者等)
転記のコツは、次の順番です。
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氏名・フリガナ・生年月日を先に埋める(ここは判断不要)
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続柄を入れる
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住所(同居/別居)を入れる
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年齢区分に関係するチェックを入れる(70歳以上、19〜23歳)
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最後に所得見積額を入れる(所得の計算が必要なため)
所得の計算が最後なのは、途中で止まっても「誰をどこに書くか」は確定している状態にできるからです。締切が近いときほど、この順番が効きます。
非居住者・国外扶養がある場合は追加対応に注意
国税庁の記載例では、非居住者に該当する配偶者・扶養親族がいる場合のチェックや、一定年齢層での追加要件チェック(留学、障害、一定額以上の支払等)に触れられています。海外在住の親族がいる場合は、会社の案内に従って必要書類を早めに準備してください。
所得見積額の書き方:収入をそのまま書かないための手順
所得見積額で最も多いミスは「収入=所得」と思い込むこと
扶養控除等申告書に書くのは、収入(年収)ではなく“所得の見積額”です。特にパートの配偶者や学生の子どもで「給与収入だけ」の場合、収入欄が頭に浮かんで、そのまま転記してしまう事故が多発します。
ここは文章で理解するより、“見る資料”を固定して手を動かす方が確実です。国税庁は年末調整向けに「給与所得控除後の給与等の金額の表」を公開しており、給与収入から給与所得(控除後の金額)を確認できます。
給与収入のみのケース:国税庁の表で“控除後の金額”を確認して転記する
給与収入だけの人(配偶者がパート、子どもがアルバイトなど)は、次の手順が最も安全です。
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年間の給与収入見込みを出す
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例:月8万円×12か月=96万円、賞与があるなら加算
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国税庁の「給与所得控除後の給与等の金額の表」で、該当する収入帯の“控除後金額”を確認する
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その金額を「所得の見積額(合計所得金額の見積額)」として申告書へ転記する
ポイントは、手計算で控除額を求めようとしないことです。年末調整用の表は、現場の誤差を減らすために用意されています。会社が配布する資料にも同様の表が含まれていることが多いので、まずは会社資料を探してください。
年金収入があるケース:年金は「所得」換算が必要
扶養に入れたい親族(親など)に年金収入がある場合、給与と同じく「収入」ではなく「所得」に換算して見積もる必要があります。国税庁の年末調整資料には、公的年金等の収入金額と所得金額の関係表など、参照できる資料が含まれています。
手順の基本は次のとおりです。
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年金の年間見込み(通知書や前年実績)を把握
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年金の所得換算(国税庁資料・会社資料の表を参照)
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他の所得(給与や副業)があるなら合算
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合算した所得見積額を申告書へ転記
年金は「振込額」=「収入」ではないため、通知書のどの数字を使うかで迷ったら会社の年末調整案内を確認し、必要なら担当部署へ確認してください。
副業・事業があるケース:売上−経費で所得を見積もる
副業が「給与」ではなく、業務委託や販売などで発生する場合、所得の見積もりは「収入(売上)−必要経費」が基本になります。年末に確定しない場合は、現時点の見込みで構いませんが、境界付近(扶養判定が変わりそう)なら特に注意が必要です。
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売上見込み:入金予定・契約本数・販売計画から推計
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必要経費見込み:仕入、通信費、交通費、消耗品など合理的に推計
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所得見積:売上見込み−経費見込み
この場合、年末に確定した数字でズレが出る可能性があるため、後述の「提出後の異動」に備えて、根拠(計算メモ)を残しておくと安心です。
境界付近のときに安全に書くコツ:迷ったら“見込みの更新”を前提にする
所得見積がギリギリのときに大切なのは、「完璧に当てる」より「気付いたら更新できる状態にする」ことです。
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シフト・受注が増える可能性があるなら、見込みの根拠をメモする
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増えたと判断できた時点で会社へ連絡する
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会社から求められた手続(訂正提出など)に沿って更新する
障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生などのチェック欄の考え方
チェック欄は「該当したら税額に影響する」ため漏れ防止が重要
扶養控除等申告書には、本人や扶養親族が一定要件に当てはまる場合にチェックする欄があります。こうした項目は、該当するか否かで控除の適用が変わり、結果として源泉徴収税額にも影響し得ます。国税庁の記載例でも、該当項目の記載の仕方が説明されています。
特に間違えやすいのは「誰が該当するか」と「証明書類の要否」
チェック欄のミスは、次のパターンで起きます。
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本人ではなく、親族の該当を見落とす
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“該当”の意味を自己流で解釈する
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会社が求める添付・提示方法を確認しない
税務の最終判断は個別事情によるため、ここは記事内で無理に断定しません。会社が配布する年末調整案内(該当要件の説明)と照合し、迷う場合は会社へ「どの書類が必要か」だけを確認すると、最小の手間で安全に進められます。
よくある間違いと、差し戻しを防ぐ提出前チェックリスト
よくある間違いトップ10
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所得見積額に収入をそのまま書く
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16歳未満の親族を“源泉控除対象親族”側に書く
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19〜23歳、70歳以上のチェック欄を入れ忘れる
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続柄が曖昧(「家族」など)
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別居なのに住所を省略してしまう
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非居住者のチェックを見落とす
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複数給与があるのに「従たる給与」の○を付けない
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世帯主・続柄が空欄
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フリガナの誤り(本人・親族)
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マイナンバーの記載/提出方法が会社ルールと違う
提出前チェックリスト(この順で見れば漏れが減る)
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あなたの氏名・住所・生年月日が正しい
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世帯主の氏名と続柄が入っている
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配偶者・親族の氏名(フリガナ)・生年月日・続柄が正しい
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住所が同居/別居に合っている(別居は住所漏れに注意)
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16歳未満は専用欄に書いている
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19〜23歳、70歳以上の区分チェックを確認した
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非居住者に該当する人がいればチェックと会社手続を確認した
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所得見積額は“所得”として転記した(収入を写していない)
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複数給与がある場合、「従たる給与」欄の○を確認した
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マイナンバーは会社の指示どおりに記載/提出した
このチェックリストは、提出直前に上から順に見るだけで効果が出ます。締切が迫っている場合でも、最後に必ず実施してください。
年の途中で結婚・出産・就職・別居など「異動」があったときの対応
異動があったら、まず会社へ伝えるべき3点
扶養控除等申告書は、提出時点の見積・状況を前提にしています。年の途中で状況が変われば、更新が必要になります。国税庁の案内でも、申告書の受理や内容確認の流れが示されています。
異動に気付いたら、会社へ次の3点を伝えるとスムーズです。
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いつから変わったか(発生日・月)
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誰の情報が変わったか(配偶者、子、親など)
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何が変わったか(同居/別居、所得見積の上振れ、就職・退職など)
会社から「訂正した申告書の再提出」や、必要に応じた手続案内が出ます。自己判断で放置すると、年末調整時に整理が難しくなるため、早めの連絡が安全です。
簡易な申告書を使う場合の注意
国税庁は、前年から異動がない場合に簡易な申告書を提出できる様式も公開しており、そこには「異動事項の有無を確認するチェックリスト」の活用に触れられています。簡易様式は便利ですが、異動が少しでもあるなら通常の申告書で更新する方が事故が少なくなります。
2か所以上から給与がある人:主たる給与と従たる給与の整理
まず「主たる給与」を決める
国税庁の案内では、2か所以上から給与の支払を受けている人は、主たる給与の支払者に扶養控除等(異動)申告書を提出する旨が示されています。一般的には、生活の中心となる勤務先(本業)が主たる給与になります。
従たる給与についての扶養控除等申告書を出す場面
国税庁の案内では、控除額が1か所の給与だけでは控除しきれない場合などに、源泉控除対象配偶者や源泉控除対象親族等を分けて、他の給与支払者へ「従たる給与についての扶養控除等申告書」を提出できる旨が示されています。
ただし、実務の運用は勤務先のルールによって異なることがあるため、複数給与がある場合は、早めに会社の年末調整案内を確認し、必要なら担当部署へ相談するのが安全です。「どちらに何を出すか」を早い段階で決めておけば、年末の混乱を避けられます。
よくある質問:迷いがちな論点だけを短く整理
配偶者控除を受けたいが、この申告書だけでよいか
扶養控除等申告書は重要ですが、配偶者控除等の年末調整には別の申告書が関係します。会社から配布される年末調整書類のセットを確認し、必要書類が揃っているかを先に確認してください。一次情報の要点として、国税庁の年末調整ページには各種申告書・記載例がまとまっています。
扶養に入れたのに年末に収入が増えたらどうするか
所得見積は見積なので、実績が上振れして要件から外れそうな場合は、気付いた時点で会社へ連絡し、案内に沿って更新・訂正します。放置すると年末調整で整理が増えます。
国税庁の最新様式・記載例はどこで確認できるか
国税庁は、年末調整に関する申告書・記載例をまとめたページを公開しています。毎年更新されるため、「令和〇年分」を必ず確認して参照するのが安全です。
参考にした情報源
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国税庁「各種申告書・記載例(扶養控除等申告書など)」https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/shinkokusyo/index.htm
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国税庁「令和8年分の扶養控除等申告書 記載例(309.pdf)」https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2025/pdf/309.pdf
-
国税庁「令和7年分の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表(114.pdf)」https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2025/pdf/114.pdf
-
国税庁「令和8年分の給与の源泉徴収事務(113.pdf)」https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2025/pdf/113.pdf
-
国税庁「A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_01.htm
-
国税庁「令和8年分給与所得者の扶養控除等申告書(簡易対応様式)(2026bun_02-2.pdf)」https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/2026bun_02-2.pdf