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膝が「ぶよぶよ」「プニプニ」でも痛くない…それは放置して良い?原因・対処法・受診の目安を徹底解説

膝をさわったとき、「なんとなくぶよぶよ」「プニプニ」「腫れているような気がする」―― しかし不思議と「痛みはない」。
このような状態に不安を感じていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。特に高齢の方や立ち仕事・歩行が多い方にとって、「年のせい」「軽い腫れ」と軽視しがちですが、原因はさまざまです。

本記事では、痛みのない「ぶよぶよ膝」の原因、考えうる病気や良性・悪性のしこりの可能性、セルフチェック・ケア方法、そして“安心かどうかを見極める”ための受診の目安をわかりやすく解説いたします。

※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。

この記事のまとめ

痛みがないからといって「安心」はできません。膝の「ぶよぶよ」「プニプニ」「腫れ」の裏には、滑液包炎、水腫、嚢腫(ベーカー嚢腫)、良性しこり、さらにはごくまれに悪性腫瘍という可能性もあります。
まずは本記事のチェックリストでセルフチェックを行い、以下のような場合は早めに整形外科を受診されることを強くお勧めいたします:

  • 腫れやしこりが徐々に大きくなってきた

  • 硬さ・動きづらさ・痛みなど、状態に変化があった

  • 日常生活に支障が出る、または再発を繰り返す

また、膝に過度な負荷をかけない、適度な運動や筋力維持を行う、サポーターなどで適切に補助するなど、日常生活の見直しも重要です。
膝の状態を見守りながら、必要に応じて専門医による診断を受け、不安なく生活を続けられるようにしましょう。

なぜ「膝がぶよぶよ・痛みなし」になるのか?――考えられる主な原因

滑液包の炎症・「滑液包炎」による腫れ

膝関節周辺には、関節の動きを滑らかにするための滑液を包む「滑液包(かつえきほう)」という構造が複数存在します。これが何らかの原因で炎症を起こすと、滑液包に液体がたまり、「ぶよぶよ」「プニプニ」とした感触で腫れが生じることがあります。
特に痛みが軽い場合や初期段階では、押してもあまり痛くないことが多く、違和感や腫れだけを感じることがあります。

関節液の過剰分泌による水腫・関節内液体の貯留

関節の中には関節液があり、適量であれば関節を滑らかに保つ役割を果たします。しかし、関節内で炎症が起こると、滑膜から過剰に関節液が分泌され、水腫(液体の貯留)が起こることがあります。これが外から見ると腫れやふくらみとして現れ、「ぶよぶよ」の感触になる場合があります。
この状態では、必ずしも痛みを感じるとは限りません。軽い炎症や軽度の水腫では、違和感や腫れのみが現れることがあります。

膝裏の「ベーカー嚢腫(のうほう/のうしゅ)」とは

膝の裏側(膝窩部)にある滑液包に液体がたまり、袋状に膨らんだ状態を「ベーカー嚢腫」といいます。
この嚢腫は、痛みを伴わないことが多く、初期には「違和感」や「腫れ」「ぷにぷに感」程度であることが一般的です。 
そのため、痛みがないから安心…と思い放置されることがあります。

良性のしこり(ガングリオン、脂肪腫など)の可能性

膝の関節包・滑液包の近くにできるしこりとして、ガングリオン や脂肪腫、粉瘤などの良性腫瘍が見られることがあります。これらはしばしば「ぶよぶよ」「柔らかい」感触で、「痛みなし」であることが多いです。
ただし、しこりは徐々に大きくなる場合があり、日常動作で刺激されると炎症や痛みを伴うこともあります。

ごくまれなケース――軟部腫瘍など悪性の可能性

ごくまれではありますが、「痛みがない」「ゆっくり大きくなる」「動きがないしこり」は、良性ではなく悪性の腫瘍(軟部腫瘍など)である可能性もあります。実際、悪性でも初期は痛みを伴わないケースがあると報告されています。
そのため、「痛くないから安心」という自己判断だけでは危険です。


各原因の見分け方 ―― 特徴とチェックポイント

症状の現れ方(ぶよぶよ感触・部位・普段の痛みの有無など)

原因典型的な現れ方
滑液包炎・水腫膝のお皿の上、下、あるいは関節の周囲が「ぶよぶよ」。押すとやや柔らかい、水を含んだような感触。痛みはほとんどないか軽い違和感。
ベーカー嚢腫膝裏(膝窩部)がぽっこり。初期は痛みなし、違和感・腫れ・膝の曲げ伸ばしに少し不快感。
ガングリオン等良性しこり膝の関節周辺、関節包近くにしこり。柔らかめ〜やや硬めの触感。痛みなしが多い。徐々に大きくなることも。
軟部腫瘍(まれ)しこりがゆっくり大きくなる。硬さがある、あるいはしこりがあまり動かない。痛みが出ないことも多い。急激な変化があれば要注意。

見た目・触り心地・大きさ・経過の違い

  • 滑液包炎・水腫は腫れの範囲が広く、不定形で「ぷにぷに、水を含んだような感触」。

  • 嚢腫(ベーカー)は袋状で比較的局所的、丸みを帯びた突起。

  • 良性しこりはしこり独特の手ごたえ(やや弾性あり)、動きやすいものもあれば、硬くて動かないものもある。

  • 悪性の可能性があるしこりは、ゆっくり大きくなったり、硬さや固定性が特徴。増大速度、硬さ、痛みやしびれが出た場合は注意。

注意すべきサイン(受診を考えるべき状態)

以下のようなサインがあれば、早めに医療機関(整形外科)を受診することをおすすめします:

  • 腫れ・しこりが数週間〜数か月で大きくなってきた

  • 硬さが増してきた、触っても動かない、固定されている感じがある

  • 押すと痛みがある、夜間痛や安静時痛、腫れ以外の違和感が出てきた

  • 膝の可動域が制限される、正座・しゃがみが困難

  • 腫れが消えずに継続、あるいは再発を繰り返す


放置して良いのか?受診の目安とリスク

多くの場合は経過観察で問題ないが…リスクを見逃さないために

「腫れがあっても痛みがない」「生活に支障がない」場合、多くは経過観察で問題ないことが多いです。特に滑液包炎や軽度の水腫、小さなしこりなどは自然に改善することがあります。
しかし、一方で良性と思っていたしこりや嚢腫が大きくなったり、良性と見誤った腫瘍であったりする可能性も否定できません。放置せず、定期的なチェックと、変化があれば専門医を受診することが重要です。

受診を検討すべきケース/タイミング

  • 上記「注意すべきサイン」が現れたとき

  • しこりのサイズが変わったとき(大きくなった、硬くなった)

  • 膝の動きに違和感が出たとき(曲げ伸ばし困難、正座・しゃがみづらさ)

  • 腫れが長く続く、または再発を繰り返すとき

整形外科で行われる検査と診断の流れ

  1. 問診と触診 — 腫れの有無、場所、硬さ、動き、経過などを確認

  2. 必要に応じて超音波(エコー)検査 — 膝裏の液体の有無、しこりの性質を確認

  3. 必要あれば MRI など高度検査 — 半月板損傷、関節内部の異常、腫瘍などを詳しく調べる

  4. 診断後、保存療法、穿刺、注射、あるいは手術など治療方針を決定


家でできるセルフチェックとケア方法

日常の生活習慣チェックリスト

  • 膝に過度な負荷がかかる姿勢や動作(正座、膝つき、長時間立ち仕事など)は多くないか

  • 長時間同じ姿勢(座りっぱなし、立ちっぱなし)が続いていないか

  • 膝まわりの筋肉(太もも前後、ふくらはぎなど)の柔軟性・筋力低下がないか

  • 体重の増加や膝への負荷が高くなっていないか

悪化予防・軽減のための対処法

  • 膝への負荷を減らす:正座・膝つき・膝深く曲げる動作を控える

  • 適度な運動で筋肉を保つ(太もも前後、ふくらはぎのストレッチや筋力維持)

  • 冷やす・圧迫する・休ませる:腫れや違和感があるときは膝を休め、必要なら弾性包帯やサポーターで軽く圧迫

  • 定期的にチェック:腫れの変化、硬さの変化、痛みや違和感の有無を観察

避けたほうがよいこと・注意点

  • 無理な正座や膝への負担の大きい動作を繰り返すこと

  • 放置したままにして、変化に気づかないこと

  • むやみに自分で注射や水抜きを試そうとすること(必ず医療機関で)


よくある質問(FAQ)

Q. 痛みがなければ放置してもいい?
→ 初期の滑液包炎や軽度の水腫、小さな嚢腫・しこりであれば経過観察で問題ないこともあります。ただし、経過を見ながら、腫れの変化や硬さの変化、動きにくさ、頻度の変化などに注意が必要です。

Q. ぶよぶよになったけど、しばらくして消えた。これで安心?
→ 一時的になくなっても、再発する可能性があります。特に膝に負担の多い生活をしている場合は、原因をきちんと把握し、改善を心がけるべきです。

Q. サポーターやテーピングは効果がある?
→ 適切に使えば、膝への負担を軽減し、膝の安定性を助けることがあります。ただし、誤った使い方や長期間にわたる固定は筋力低下を招くことがあるため、使用目的や頻度を考える必要があります。

Q. 病院に行くとき、何科を受診すべき?
→ 原則として整形外科を受診することをおすすめします。初診では問診・触診、必要に応じて超音波や MRI による検査で原因を特定します。