iPhoneのロック画面をお気に入りの写真にしたのに、時計が顔や主役にかぶってしまい「なんだか惜しい」と感じたことはありませんか。そんなときに使いたいのが「被写界深度エフェクト」です。うまく設定できれば、時計の一部が被写体の後ろに隠れ、ロック画面に奥行きと立体感が生まれます。
ところが実際には、「項目が表示されない」「グレーアウトしてオンにできない」「オンにしたのに重ならない」といったつまずきが多く、原因が分からないまま何度もやり直してしまいがちです。この記事では、最短で解決するために、できない原因をチェックリストで切り分けながら、正しい設定手順と成功しやすい写真の選び方までを一気に解説します。読んだあとには、自分の写真でも迷わず“立体的なロック画面”を再現できるようになります。
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被写界深度エフェクトのやり方
ロック画面でオンにする手順
被写界深度エフェクトは、ロック画面の“壁紙編集”の流れの中で設定します。基本の手順を、迷いやすいポイント込みで丁寧にまとめます。
手順(基本形)
ロック画面を表示します(ホーム画面ではなく、鍵がかかっている画面の状態)
ロック画面を長押しして、ロック画面の一覧(編集画面)を開きます
対象のロック画面を選び、「カスタマイズ」(または編集に相当する操作)へ進みます
壁紙が写真の場合、写真の位置調整(拡大・縮小、上下移動)を行います
画面のどこかにある「…」などのメニュー(追加オプション)を開きます
「被写界深度エフェクト」をオンにします
仕上がりを確認し、「完了」などで保存します
成功しやすくする「設定前」のコツ
オンにする前に、まず写真の位置を整えると成功率が上がります。
被写体(人物・ペットなど)が、時計の近くに来るように配置する
時計にかかるのは「少しだけ」にする(被写体で時計を全部覆わない)
被写体が小さくて時計に届かない場合は、軽く拡大する
「オンにしたのに変化がない」場合、設定ミスよりも“重なる構図になっていない”ケースがよくあります。まずは時計に重なる構図を作ってからオンを試すのが近道です。
画面に項目が見当たらない場合の探し方
機種やiOSの状態、画面の操作によって、メニューの見え方が少し違うことがあります。見当たらないときは、次の順で探すと迷いにくいです。
右下(または右上)付近の「…」
追加オプションの中にある切り替え項目
そもそも写真編集画面に入れているか(ロック画面の一覧で止まっていないか)
それでも見つからない場合は、「できない原因」の章で紹介する“条件”に引っかかっている可能性が高いので、原因切り分けに進むのが効率的です。
オフに戻す手順
被写界深度エフェクトをオンにしたあと、見た目が合わないと感じたら、同じ手順でオフに戻せます。設定はいつでも切り替えられるので、気軽に試して大丈夫です。
ロック画面を長押しして編集画面へ
対象のロック画面を選び、カスタマイズへ
「…」などの追加メニューを開く
被写界深度エフェクトをオフにする
完了で保存
オフにすると、時計は常に写真より前に表示され、被写体の切り抜き的な演出は弱まります。「写真そのものを見せたい」「時計を読みやすくしたい」場合はオフが向いています。
被写界深度エフェクトができない主な原因
被写界深度エフェクトが“できない”と感じるとき、症状は主に次の3パターンに分かれます。
A:項目が見つからない(表示されない)
B:項目はあるがグレーアウトしてオンにできない
C:オンにできたのに見た目が変わらない(重ならない)
原因を最短で突き止めるために、まずは症状と原因の対応関係をざっくり確認しておきましょう。
写真が条件を満たしていない
最も多い原因はこれです。被写界深度エフェクトは、写真の中で「手前の被写体」をiPhoneが認識できなければ成立しません。認識が難しい写真だと、次のようなことが起こります。
項目が出ない
項目は出るがグレーアウトする
項目はオンにできるが、時計が被写体の後ろに回らない
失敗しやすい写真の特徴(具体例)
輪郭が曖昧:被写体と背景の色が近い、境界が溶けている
被写体が小さい:人物が遠景にいて、上半身が時計付近に来ない
背景が複雑:木の枝、草むら、人混み、細かい模様などで主役が埋もれる
光が厳しい:逆光で輪郭が黒つぶれ、背景との分離ができない
主役が複数:複数人・複数物体で「どれを前に出すか」判断が難しい
まず試すべき切り分け
「機能が壊れているのか」「写真が合っていないのか」を最短で切り分ける方法は、別の分かりやすい写真で試すことです。たとえば、
人物の上半身が大きく写っている写真
ペットの顔がはっきり写っている写真
背景が単色に近い写真
これで被写界深度エフェクトが使えるなら、原因は端末ではなく“写真側”にあります。
時計と被写体の位置関係が合っていない
次に多いのがこのパターンです。被写界深度エフェクトは、時計と被写体が重なって初めて「お、効いてる」と分かります。つまり、写真の構図が次のようになっていると、オンにしても変化が見えません。
被写体が時計から遠い(上部が空で、時計に触れない)
被写体が小さく、時計まで届かない
被写体が時計の位置とは別の場所(左右下など)に偏っている
“効いているのに気づきにくい”ケースもある
被写体が時計にほんの少ししかかかっていない場合、効果は出ていても「変わってない」と感じることがあります。確認するときは次の点を見てください。
時計の上部(特に数字の上端)が、被写体の輪郭に沿って隠れているか
影や縁取りのような見え方が変わっていないか
オン/オフを切り替えたときに、時計の一部の欠け方が変わるか
微妙な差に見える場合は、いったん写真を少し拡大して、被写体が時計に分かりやすくかかる位置に持っていくと判別しやすくなります。
ウィジェットやレイアウトが干渉している
ロック画面にウィジェットを追加すると、レイアウトの自由度が下がります。すると被写界深度エフェクトが使えなかったり、使えても効果が目立たなかったりします。
よくある症状は次のとおりです。
被写界深度エフェクトの項目がグレーアウト
オンにはできるが、時計が被写体の後ろに回らない
写真位置の調整範囲が狭く、重なり構図を作れない
まずは“ウィジェットなし”で試す
原因切り分けとしては、いったんウィジェットを外すのが最短です。
ウィジェットを全部外す
被写界深度エフェクトをオンにできるか確認
オンにできたら、ウィジェットを一つずつ戻して影響を確認
この手順だと、「どの要素が干渉しているか」を無駄なく特定できます。
ウィジェットと両立させるコツ
どうしてもウィジェットを置きたい場合は、次の方針が成功しやすいです。
情報量の多いウィジェットを減らす(配置をシンプルに)
写真は“上部に明確な被写体”があるものを選ぶ(時計周辺が勝負)
被写体で時計を覆いすぎない(見た目の破綻を防ぐ)
iOSや機種の対応条件を見落としている
最後に、意外と見落とされがちなのが“前提条件”です。たとえば「記事の画面と自分の画面が違う」場合、単純に操作手順が違うのではなく、環境の差が原因になっていることがあります。
よくある見落とし
ロック画面の編集に入っていない(ホーム画面の壁紙設定と混同している)
写真ではなく別の壁紙タイプを触っている(写真以外だと挙動が異なる場合がある)
iOSの状態や機種差により、メニューの位置や表示が少し違う
この手の問題は、闇雲に探すよりも、次の「トラブルシューティング手順」で“上から潰す”のが確実です。特に、別写真で試す・ウィジェットを外す・写真位置を調整する、の3つは効果が大きいです。
被写界深度エフェクトが効く写真の選び方
被写界深度エフェクトは「設定」よりも「写真選び」で8割が決まります。ここでは、成功率が上がる写真の条件を、具体的に言語化して整理します。写真を選ぶときの目線が変わると、グレーアウト沼から抜けやすくなります。
成功しやすい被写体と背景
成功しやすい写真には共通点があります。ポイントは「iPhoneが前景を迷わず認識できること」です。
成功しやすい条件チェック
主役が一つ:人物1人、ペット1匹、単体の花、置物など
輪郭がはっきり:背景との色・明るさが違い、境界が明確
時計付近に被写体が来る:頭・耳・肩などが上部にある
上部に余白がある:時計の周辺に“重なり”を作れる空間がある
背景が整理されている:壁、空、単色に近い面などで主役が浮く
具体例(イメージしやすい)
青空を背景にした人物の上半身(髪や肩が時計にかかる)
机の上のマグカップをシンプルな壁背景で撮った写真(縁がはっきり)
ペットの顔がアップで、背景がボケている写真(輪郭が取りやすい)
“背景がボケている”こと自体が必須ではありませんが、背景が整理されると結果的に輪郭が立ち、深度判定が安定しやすくなります。
失敗しやすい写真の特徴
逆に、失敗しやすい写真の典型を知っておくと、最初からハマりにくくなります。
失敗しやすい特徴チェック
風景だけ:山・海・街並みなど、主役が明確でない
細かい輪郭が多い:木の枝、草、レース、髪が風で散っているなど
被写体が複数:集合写真、人混み、複数の動物
被写体と背景が同系色:黒い服×暗い背景、白い服×白壁など
逆光で黒つぶれ:輪郭が背景に溶ける
このタイプは、被写界深度エフェクトのために選ぶ写真としては難易度が高めです。どうしても使いたい場合は、次の「成功寄せ」の工夫を試す価値があります。
手持ち写真を成功寄せする調整のコツ
「新しく撮るのは面倒」「この写真がどうしても好き」という場合でも、編集や配置の工夫で成功率を引き上げられます。
コツ1:トリミングで被写体を大きくする
被写体が小さいと認識されにくく、時計にも届きません。まずは被写体が時計にかかる程度まで、適度に拡大・トリミングします。
被写体の頭や耳が、時計の数字に触れるかどうかを目安に調整
拡大しすぎて不自然になったら、別の写真候補も検討(やりすぎは逆効果)
コツ2:写真の上下位置で“重なり余地”を作る
写真の位置を少し上下にずらすだけで、時計と被写体の重なりが生まれます。
上部に余白がなさすぎる → 少し下にずらして時計の読みやすさを確保
被写体が下すぎる → 少し上にずらして時計に触れさせる
「時計が隠れるのが正解」ではなく、「自然に少しだけ隠れる」が見栄えの良い落としどころです。
コツ3:明るさ・コントラストで輪郭を立てる
輪郭が曖昧な写真は、軽い編集で改善することがあります。
明るさを少し上げる
コントラストを少し上げる
シャドウを少し持ち上げる(黒つぶれ回避)
やりすぎると不自然になるので、「輪郭が分かりやすくなる程度」に留めるのがコツです。
コツ4:背景を整理して“主役を一つ”に見せる
背景がごちゃごちゃしている場合は、次のような工夫が有効です。
余計な部分をトリミングで切る
背景がシンプルになるように構図を変える(別カットがあるなら差し替え)
背景を少しだけぼかす(編集機能がある場合)
“主役がどれか分かる”状態に近づけるほど、エフェクトの安定感も上がります。
トラブルシューティング手順
ここからは、実際に「表示されない」「グレーアウト」「変化がない」ときに、最短で抜け出すための手順です。重要なのは、闇雲にいじるのではなく、原因の可能性が高い順に潰すことです。
チェックリストで最短解決
次のチェックは、上から順に試してください。途中で解決したら、以降は不要です。
まずは症状を分類する
項目がない(見つからない)
項目があるがグレーアウト
オンにできるが見た目が変わらない
分類できたら、次へ進みます。
最短で潰すチェックリスト(上から順)
別の分かりやすい写真で試す(人物・ペット・単体被写体、背景シンプル)
写真の位置を調整して、被写体が時計に“少し”かかる構図を作る
ウィジェットをすべて外す(干渉の可能性を一度ゼロにする)
メニュー(…)を開き直して被写界深度エフェクトが有効になるか確認
オン/オフを切り替え、見た目の差が出るか比較する
端末を再起動し、再度ロック画面編集からやり直す
別のロック画面を新規作成して同じ写真で試す(既存設定の影響を排除)
この順番に意味があります。最初に「別写真」で試すことで、機能自体の可否と写真条件を切り分けられます。次に「位置調整」と「ウィジェット排除」で、よくある“構図・干渉”を潰せます。最後に再起動や新規作成で環境要因を排除します。
症状×原因×最優先対処(早見表)
| 症状 | ありがちな原因 | 最優先の対処 |
|---|---|---|
| 項目が見つからない | 編集画面が違う/写真条件が合っていない | まず別の分かりやすい写真で試す |
| グレーアウトしてオンにできない | 写真が前景として認識されない/ウィジェット干渉 | ウィジェットを外し、写真を変えて試す |
| オンにできるが変化がない | 時計と被写体が重なる構図になっていない | 写真位置を調整して重なりを作る |
「何をすればいいか分からない」ときは、まず表の“最優先の対処”だけやれば、状況が動くことが多いです。
それでもダメなときの代替案
チェックリストを一通り試しても決まらない場合、こだわり続けるより、見た目の完成度を上げる代替策に切り替える方が満足度が高いことがあります。
代替案1:時計に被らない構図を作る
被写界深度エフェクトに頼らず、写真の構図で時計を避けます。
被写体を中央より少し下に置く
上部を空や壁など余白にする写真を選ぶ
被写体が上に来る写真は、あえて別のロック画面に回す
「情報の読みやすさ」もロック画面の価値なので、無理に重ねない選択も正解です。
代替案2:壁紙向けに“上部余白”のある画像を用意する
SNSや壁紙サイトで配布されている画像には、時計位置に余白が作られた“ロック画面向け”のものもあります。自分で編集する場合は、上部に余白ができるようにキャンバスを広げたり、背景をなじませたりすると、時計が邪魔になりにくくなります。
代替案3:被写界深度エフェクトに向いた写真を“別枠”で用意する
お気に入りの写真が向かないなら、ロック画面用に「深度エフェクトが決まる写真」を1枚だけ用意するのも手です。
ロック画面:深度エフェクトが映える写真(人物・ペット・単体被写体)
ホーム画面:風景など、雰囲気重視の写真
用途を分けると、どちらも気持ちよく使えます。
よくある質問
ポートレートで撮っていない写真でも使える?
使えることがあります。重要なのは「ポートレートで撮ったかどうか」よりも、写真の中で前景(被写体)を安定して認識できるかです。人物やペットのように輪郭が分かりやすい写真は、通常撮影でもうまくいくことがあります。
一方で、風景だけの写真や主役が曖昧な写真は、ポートレートかどうかに関係なく難しい傾向です。「ポートレートで撮っていないから無理」と決めつけず、まずは“被写体がはっきりしている写真”で試すのが現実的です。
被写界深度エフェクトが表示されないのはなぜ?
表示されない原因は、次のどれかに集約されることが多いです。
そもそもロック画面の編集(カスタマイズ)画面に入れていない
写真が前景として認識されず、項目が出ない/有効化できない
ウィジェットなどのレイアウトが制約になり、項目が出にくい
迷ったら、いったん ウィジェットなし+別の分かりやすい写真 で試してください。これで表示されるなら、原因はほぼ写真条件かレイアウト干渉です。
制作の被写界深度エフェクト(Unity等)も同じ意味?
同じ言葉でも指している内容が異なります。制作側のDepth of Fieldは、レンズの性質を再現して「ピント面以外をぼかす」ことで奥行きを演出するものです。一方、iPhoneロック画面の被写界深度エフェクトは、「時計と被写体の前後関係」を作る合成表現です。
もし目的が「背景をぼかして映画っぽくしたい」「ゲームで被写界深度を調整したい」なら、ロック画面ではなく制作ツール側のDoF設定を調べるのが近道です。逆に「時計が被写体の後ろに隠れるロック画面を作りたい」なら、写真の条件と構図が最重要になります。
以上を押さえれば、被写界深度エフェクトでつまずくポイントはかなり減ります。まずは「別の分かりやすい写真で機能が動くか」を試し、動いたら写真選びと構図調整に集中する——この順番が最短ルートです。