訪問見積もりの予定が近づくほど、「部屋が汚いのに来られたらどうしよう」「恥ずかしい」「高く見積もられたり、当日追加料金になったりしない?」という不安が強くなりがちです。
けれど、見積もり担当者が確認したいのは“あなたの生活”ではなく、荷物量・搬出経路・作業条件です。つまり、完璧に掃除をする必要はありません。大切なのは、短時間で見積もりが正確になる状態を作り、見られたくない物は上手に退避し、申告漏れだけを防ぐことです。
本記事では、片付けが間に合わない人でも今日から実行できるように、次を具体的に解説します。
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当日5分・10分・30分で整う最低ライン
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見られやすい場所/見られにくい場所の目安と、角が立たない断り方
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見せたくない物を守りつつ、見積もり精度を落とさない受け答えテンプレ
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当日増額や追加料金を防ぐために、見積もり時に確認すべき質問
「部屋が汚い」という理由だけで、訪問見積もりを怖がる必要はありません。必要なところだけ押さえて、気まずさを最小限にしながら、納得できる見積もりを取りにいきましょう。
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訪問見積もり直前に部屋が汚いときに、まずやるべきこと
時間が本当にない場合は、次の順で進めてください。すべてやれなくても、上から順に実行するほど見積もりはスムーズになり、見積もり精度も上がります。
当日5分(これだけは最優先)
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玄関〜各部屋の入口まで、1人が普通に歩ける通路を作る
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見られたくない物(下着、書類、薬、趣味の物など)は袋にまとめて浴室かスーツケースへ移す
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臭いが気になるなら窓を開けて換気する
10分(追加でできるなら)
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冷蔵庫・洗濯機・ベッド・タンスなど大型家具の「前」だけ床を見せる
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ベランダ前(または勝手口前)を塞いでいる物をどかす
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ゴミ袋があるなら口を縛って一箇所に寄せる
30分(見積もり精度を上げる仕上げ)
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荷物を「運ぶ」「捨てる」「保留」の3つに分けて、見積もり担当者が数えやすい状態にする
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収納を見せたくない場合は、数量(衣装ケース何個、段ボール何箱相当)で言えるようにメモする
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増えそうな荷物(これから詰める段ボール)の見込み箱数を決めて伝える準備をする
この最低ラインができるだけで、「汚い部屋を見られるストレス」と「損をする不安」の両方を大きく減らせます。
引越し訪問見積もりで担当者が本当に確認していること
「散らかった部屋だと、料金が上がるのでは?」と感じる人は多いのですが、見積もりの仕組みを知ると必要以上に怖がらずに済みます。
料金は主に荷物量・搬出経路・作業条件で決まる
訪問見積もりで担当者が知りたいのは、大きく分けて次の情報です。
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荷物量:段ボール換算で何箱分か、家具家電がいくつあるか
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搬出経路:玄関、廊下、階段、エレベーター、曲がり角の幅、ベランダ経由の可否
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作業条件:トラックの停車位置、養生の必要性、作業時間帯、オプションの有無(梱包、開梱、エアコン等)
部屋がきれいかどうかは本質ではありません。ただし、散らかり方によっては荷物量が把握しづらくなり、結果として見積もりが保守的(高め)になることがあります。ここが「汚い=高い」と感じやすい理由です。
汚い部屋で“損”が起きるのは、申告漏れと条件不一致が原因
損につながる典型は、次の2つです。
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申告漏れ:収納や床の山に埋もれている荷物が見積もりに入らず、当日「想定より多い」と判断される
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条件不一致:階段作業や吊り下げが必要なのに見積時点で把握できず、当日追加作業(追加人員や特殊作業)が発生する
国民生活センターも、引越しでの「追加料金」などのトラブルに注意を呼びかけています。だからこそ、片付けは“見栄え”ではなく、“見積もり精度”のために行うのが合理的です。
訪問見積もりで見られる場所・見られにくい場所の目安
「どこまで見られるのか」が分かると、準備の力の入れどころが明確になります。以下は一般的な目安です。
見られる可能性が高い場所・低い場所・一言必要な場所
| 区分 | 具体例 | 理由 | こちらがやること |
|---|---|---|---|
| 見られる可能性が高い | 玄関、廊下、各部屋の入口、ベッド・冷蔵庫・洗濯機など大型家具の周辺、ベランダ前 | 搬出経路と大型物の可否確認、荷物量把握 | 通路確保/大型家具の前だけ床を見せる |
| 見られる可能性が低い | トイレの細部、浴室内、引き出しの奥まで全部 | 見積もりに直接必要ないことが多い | 見られたくない物の一時退避先として活用 |
| 一言必要になりやすい | クローゼット、押入れ、収納棚 | 荷物量が多い場合、確認を求められる | 「数量で伝えます」「こちらで開けます」と先に宣言 |
この表の通り、見られやすいのは“通り道”と“大型物”です。収納は、見積もり精度のために確認したい場合がありますが、見せ方は調整できます。
収納を見せたくないときの、角が立たない断り方
見られたくない収納がある場合は、最初に短く伝えるのが一番スムーズです。
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「収納はプライベートな物があるので、こちらで開けます」
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「中身は見せずに、数量でお伝えします(衣装ケース◯個、段ボール◯箱相当です)」
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「ここは見せたくないので、必要な分だけ口頭で説明します」
ポイントは「見せない」だけで終わらせず、「数量で補う」ことです。これで見積もり精度を保ちやすくなります。
部屋が汚い状態を3段階で整理すると、やることが決まる
「汚い」と一口に言っても、必要な対処は同じではありません。自分がどの段階かを判断し、やることを絞ってください。
散らかり・汚部屋・衛生リスクの3段階と優先行動(比較表)
| 段階 | 状態の目安 | 最優先の行動 | 見積もりでの伝え方 |
|---|---|---|---|
| 散らかり | 床に物はあるが通れる、臭いは強くない | 通路確保+大型家具前だけ床を見せる | 「荷物はここに寄せています」 |
| 汚部屋 | 床がほぼ見えない、荷物の山で量が不明 | 3区分(運ぶ/捨てる/保留)を作る | 「処分予定はこれ」「運ぶのはこれ」「増える箱数は◯」 |
| 衛生リスク | 生ゴミ臭、虫、カビ、強い汚れ | 臭い源の密閉+換気+危険物の除去 | 状況により日程変更や訪問なしも検討 |
衛生リスクに近い場合は、無理に「片付けきる」より、危険を下げる行動(密閉・換気・通路確保)を優先してください。安全性が確保できないと、当日の作業自体が難しくなる可能性もあります。
見積もり精度を上げる「3区分」片付けと、見せたくない物の退避術
ここが、汚い部屋でも損しないための最重要ポイントです。見積もり担当者にとって一番困るのは、荷物の量が読めないことです。だからこそ、「見せるための片付け」ではなく「数えるための整理」を行います。
荷物を「運ぶ・捨てる・保留」に分けるだけで、見積もりが安定する
散らかった部屋でありがちなのが、「袋の山=全部運ぶ」と誤認されることです。これが高見積もりの温床になります。次のように区分を作ると、担当者は短時間で判断できます。
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運ぶ:壁際や部屋の一角に寄せる(担当者が視認しやすい場所)
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捨てる:別の一角にまとめ、ひと目で“処分予定”と分かるようにする
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保留:段ボールや袋にまとめ、数量が言える状態にしておく
区分ができたら、見積もり当日に必ず口頭で言い切ってください。言い切らないと、捨てる予定の物まで荷物としてカウントされることがあります。
見られたくない物は「隠す」より「退避して、申告する」
恥ずかしさを減らすために“見えない場所へ寄せる”のは有効です。ただし、運ぶ量の申告まで消してしまうと、当日トラブルの原因になります。退避先とルールを決めてください。
退避先のおすすめ
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浴室:袋にまとめて置き、必要なら浴槽に入れてフタ
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スーツケース:鍵があれば安心、細かい私物を一括で隠せる
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車内:当日まで車を使えるなら強力(ただし運ぶなら申告)
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クローゼットの最上段:どうしても見られたくない小物の一時避難
やってはいけないこと
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退避した荷物を「なかったこと」にして申告しない
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退避が多いのに「荷物は少ないです」と言ってしまう
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“運ぶ”と“捨てる”が混ざった袋を大量に作る(担当者が判断できない)
退避したら、当日「退避分が段ボール◯箱相当あります」と一言添えるだけで、損する確率を下げられます。
訪問見積もり当日の流れと、気まずさを最小化する立ち回り
当日をイメージできると、怖さはかなり減ります。ここでは、一般的な進行と、緊張しやすいポイントの乗り切り方をまとめます。
訪問見積もりの所要時間と、よくある進行
目安は20〜50分ほどです。流れは概ね次の通りです。
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あいさつ、引越し条件の確認(日時、住所、エレベーター有無など)
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各部屋の荷物確認(大型家具・家電、段ボール換算)
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オプションの要否確認(梱包、開梱、エアコンなど)
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見積書の提示、説明、質疑応答
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契約をするかどうか(即決を促される場合もある)
「全部見られる」と思うより、「必要な情報を取りに来る」と捉えると落ち着きます。
当日そのまま使える「受け答えテンプレ」4本
恥ずかしさが強い人ほど、長く説明しようとして逆に話がややこしくなります。短く、数量で、淡々と伝えるのが最もスマートです。
テンプレ1:捨てる物がある
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「この山は処分予定で運びません。運ぶのはあちらにまとめた分です」
テンプレ2:見られたくない物を退避した
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「私物を浴室に退避していますが、運ぶ量としては段ボールで◯箱分くらい追加になります」
テンプレ3:保留がある
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「この棚は売るか迷っていて、◯日までに決めます。運ぶ場合は◯点追加です」
テンプレ4:これから増える
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「荷造りで段ボールが◯箱くらい増える見込みです。見積もりに入れてください」
この4本が言えるだけで、見積もり精度と安心感が一気に上がります。
女性一人・在宅が不安な場合の対策
不安が強い場合は、次の現実策が効果的です。
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玄関付近やリビングなど、見積もり範囲を限定して案内する
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可能なら家族・友人に同席してもらう
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貴重品(通帳、印鑑、現金)は先にまとめて手元へ
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収納は「こちらで開けます」と宣言し、勝手に触られない導線にする
「不安を感じること自体」は珍しくありません。自分が安心できる前提を先に作ってから対応するのが最優先です。
追加料金・当日増額を防ぐために、見積もり時点で必ず確認すること
引越しのトラブルで多いのが「当日になって追加費用を請求された」というものです。国民生活センターも、契約内容の確認や見積条件の理解不足に注意を呼びかけています。
ここでは、読者がそのまま使えるように、確認質問をテンプレ化します。
追加料金が出やすい条件と「確認質問テンプレ」(比較表)
| 追加料金の火種 | 見積もり時に聞く質問(そのまま読めばOK) |
|---|---|
| 荷物が増える/申告漏れ | 「当日、荷物が増えた場合はどう計算されますか?箱単位ですか?」 |
| 階段作業・狭い通路 | 「階段作業が増えた場合の追加基準は?何階から発生しますか?」 |
| 吊り下げ・特殊搬出 | 「吊り下げが必要と判断される条件は?その場合の費用はいくらですか?」 |
| 分解・組立(ベッド等) | 「分解・組立は見積もりに含まれますか?別料金なら金額は?」 |
| エアコン脱着などオプション | 「オプションは必須ですか任意ですか?断るとどうなりますか?」 |
| 駐車位置が遠い・養生 | 「トラックが離れた場所になる場合、追加は出ますか?」 |
この表は、見積もり時にメモし、できれば見積書やメールで残してください。「言った・言わない」を避けるだけで、揉める確率が下がります。
標準引越運送約款と、キャンセル・延期の確認ポイント
引越しには標準的な約款(標準引越運送約款)があり、事業者がこれに沿って運用している場合があります。約款の存在を知っておくと、キャンセルや延期などの条件確認がしやすくなります。
見積もりの場では、次を必ず確認してください。
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キャンセル料や延期手数料がいつから発生するか
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見積書の金額に含まれる範囲(基本、オプション、条件)
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追加作業が必要になった場合の判断基準と連絡方法
「今日契約すれば安くする」と言われても、条件が曖昧なまま契約すると不安が残ります。持ち帰って確認する選択肢も十分に合理的です。
困ったときの相談先と、証拠の残し方
不安やトラブルがある場合は、早めに相談するほど解決しやすくなります。
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見積書・注意事項は写真で保存
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口頭説明はメモし、可能ならメールで確認
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消費生活センター等につながる「188」を利用する
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国民生活センターの引越し相談傾向も参考にする
訪問なし見積もり(オンライン・電話)で乗り切る方法と、失敗しない撮影ルール
「どうしても部屋を見せたくない」「片付けが間に合わない」という人にとって、訪問なし見積もりは強い味方です。ただし弱点もあります。弱点は、荷物量の申告が甘いと当日差額が出やすいことです。
訪問見積もりとオンライン見積もりの比較(比較表)
| 比較軸 | 訪問見積もり | オンライン/電話見積もり |
|---|---|---|
| 見積もり精度 | 高い(経路・大型物を確認できる) | 申告次第で上下しやすい |
| 心理負担 | 人によっては高い(部屋を見られる) | 低い(対面を避けやすい) |
| 準備の方向性 | 通路確保+区分け | 撮影・計測・申告の精度が命 |
| 当日増額リスク | 条件が合っていれば低め | 申告漏れで上がりやすい |
| 向いている人 | 家具が多い/経路が複雑 | 単身・荷物少なめ/対面が苦手 |
どちらが正解というより、あなたの状況に合うほうを選ぶのが最適です。
申告漏れを防ぐ「撮影の型」:各部屋2枚+大型物はサイズ感補強
オンライン見積もりの精度は、撮り方で大きく変わります。次の型で撮ると漏れを減らせます。
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各部屋2枚:入口側から奥/奥から入口(床の物量が伝わる角度)
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収納は、見せたくなければ中身ではなく「外観+数量メモ」で補う
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大型家具・家電は、サイズ感が伝わるようにA4用紙やメジャーを一緒に写す
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ベランダや玄関、廊下も撮る(経路要素が伝わる)
さらに、段ボール換算のメモを付けると強いです。例として、衣類は段ボール何箱、食器は何箱、本は重くなるので小箱に何箱、などの見込みを付けると見積もりが安定します。
訪問に切り替えたほうがよいケース
次に当てはまる場合は、心理負担があっても訪問見積もりのほうが安心です。
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大型家具が多い、または搬出が難しそう(階段、狭い廊下、曲がり角)
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家族引越しで物量が多い
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退去日が迫っていて、当日のやり直しが効かない
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オプション(梱包・開梱・エアコン等)が多い
この場合でも、この記事の「当日5分・10分・30分」の最低ラインをやれば、恥ずかしさを抑えつつ必要情報だけを渡せます。
よくある質問(不安が強い人ほど気になるポイント)
見積もり前後でよく出る疑問をまとめます。
訪問見積もりは何人来ますか。滞在時間はどのくらいですか
会社によりますが、1人で来ることも複数人のこともあります。滞在は20〜50分程度が目安です。長引かせたくない場合は、冒頭で「今日はこの範囲でお願いします」と範囲を区切るとスムーズです。
クローゼットや引き出しを開けるのを断ってもよいですか
断って問題ありません。見せたくない場合は「こちらで開けます」「数量でお伝えします」と宣言し、衣装ケースの個数や段ボール換算で補えば見積もり精度も守れます。
お茶出しは必要ですか
必須ではありません。出すならペットボトルの水など簡単なもので十分です。気を遣いすぎて片付けの時間を削る必要はありません。
汚部屋レベルで臭いがある場合、断られますか
状況次第です。衛生リスクが高い場合は、まず臭い源を密閉し換気し、通路を確保してください。安全が確保できないと当日の作業が困難になるため、日程調整や訪問なし見積もりも視野に入れるのが現実的です。
見積もり後に荷物が増えたらどうなりますか
増え方と契約条件によります。だからこそ見積もり時点で「増える見込み箱数」を伝え、当日増額の算定方法を確認しておくことが重要です。
その場で契約しないと安くならないと言われたらどうすればよいですか
持ち帰って比較して問題ありません。断りにくい場合は、「家族(同居人)と確認してから決めます」「他社見積もりと比較します」と伝えると角が立ちにくいです。条件確認が不十分なままの契約は、後悔の原因になりやすいです。
参考情報
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国民生活センター:引越トラブルにご注意(発表情報)https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260204_1.html
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国民生活センター:引越サービス(各種相談の件数や傾向)https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/hikkoshi.html
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国土交通省(自動車):標準運送約款(標準引越運送約款)https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk4_000009.html
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国土交通省(自動車):標準引越運送約款等の改正について https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk4_000033.html
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引越し侍:引っ越し見積もり前に汚い部屋を片付ける必要性と荷物整理のコツ https://hikkoshizamurai.jp/estimate/cleanup/
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大阪ガス:引越しの訪問見積もりは部屋が汚くても問題ない? https://home.osakagas.co.jp/column/moving/moving-estimate/moving-visit-estimate-messy-room/
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SUUMO引越し:引越しの訪問見積もりでは片付けたほうがいい? https://hikkoshi.suumo.jp/oyakudachi/7707.html